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ザ・スペシャルズ(The Specials)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はザ・スペシャルズのランキングを作成しました。

彼らが純正のスカ・バンドだったのは、ファースト・アルバムの時だけです。

その後彼らは、様々な要素を貪欲に取り込んでいきました。

雑多なジャンルを優れたセンスでまとめ上げた手腕が見事です。

 

1位「A Message to You, Rudy」(アルバム:Specials)

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■曲名:A Message to You, Rudy
■曲名邦題:ルーディたちへのメッセージ
■アルバム名:Specials(1979年)
■アルバム名邦題:スペシャルズ
■動画リンク:「A Message to You, Rudy」

この曲はカバー曲です。

オリジナルはダンディ・リビングストン(Dandy Livingstone)。

リンクを貼っておきましょう。

Dandy Livingstone – Rudy, A Message to You (Official Audio)

スカではなくロックステディの曲ですが、忠実にカバーしているようですね。

彼らはカバーが多いですが、いつもオリジナルの良さを活かしてカバーしている印象を受けます。

ルードボーイであっても、音楽には真面目に取り組んでいるのでしょう。

原曲と違う点は、こちらはコーラスで歌っていることと、リコ・ロドリゲス(Rico Rodriguez)のトロンボーンが入っていることです。

MVにはリコも出演していて、私はうれしくて何度も見返しました。

 

2位「I Can’t Stand It」(アルバム:More Specials)

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■曲名:I Can’t Stand It
■曲名邦題:もうウンザリだ
■アルバム名:More Specials(1980年)
■アルバム名邦題:モア・スペシャルズ
■動画リンク:「I Can’t Stand It」

このセカンド・アルバムからは音楽性に幅が出てきました。

この曲などは、どこかの映画に使われていそうな感じがします。

テリー・ホール(Terry Hall)と女性ボーカルが同時並行で歌っていますが、3分過ぎから女性ボーカルが感極まった歌い方をしています。

しかしそこがいいんですよね。

女性シンガーの名前は、ローダ・ダカール(Rhoda Dakar)。

同じくスカ・リバイバルのバンド、ボディ・スナッチャーズ(The Bodysnatchers)のボーカルです。

私は彼らの「ルーダー・ザン・ユー(Ruder Than You)」という曲が大好きです。

The Bodysnatchers – Ruder Than You

演奏面ではジョン・ブラッドベリ(John Bradbury)のドラムが粋ですね。

あと2:04などに差し込まれるロディ・ラディエーション(Roddy Radiation)のメロウなギターも聞きものです。

 

3位「Monkey Man」(アルバム:Too Much Too Young Live)

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■曲名:Monkey Man
■曲名邦題:モンキー・マン
■アルバム名:Too Much Too Young Live(1979年)
■動画リンク:「Monkey Man」

ファースト・アルバムの頃の彼らは、やんちゃな雰囲気を漂わせていました。

この曲には初期ならではの勢いを感じます。

オリジナルはレゲエ・クラシックとして有名なトゥーツ・アンド・ザ・メイタルズ(Toots & the Maytals)の曲。

The Maytals – Monkey Man

ファースト・アルバムのバージョンも悪くありませんが、こちらのライブ・バージョンの方がやんちゃ度では上です。

1:32あたりからは、ただ騒ぎたいだけなのではないかと思うほどですね。

その後このバンドはダークな色合いを帯びてきたり、複雑な曲が増えていきました。

そういう曲もすばらしいですが、この曲とか「トゥ・マッチ・トゥ・ヤング(Too Much Too Young)」など、初期は自然と身体が揺れる曲が多いです。

 

4位「Hey, Little Rich Girl」(アルバム:More Specials)

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■曲名:Hey, Little Rich Girl
■曲名邦題:哀しきディスコ・レイディ(ヘイ!リトル・リッチ・ガール)
■アルバム名:More Specials(1980年)
■アルバム名邦題:モア・スペシャルズ
■動画リンク:「Hey, Little Rich Girl」

このバンドではジェリー・ダマーズ(Jerry Dammers)とテリー・ホール(Terry Hall)ばかりが有名で、他のメンバーはそれほど知られていません。

他のメンバーでは、ロディ・ラディエーションの名前も覚えておきたいところ。

クレジットではRoddy Byersとなっていますが、ロディ・ラディエーションのことです。

この人はメイン・ソングライターではありませんが、時々書く曲はどれも名曲ばかりです。

「Rat Race」もこの人の曲ですし。

また彼はギターでも重要な役割をはたしました。

彼はロカビリー色の強いギタリストですが、この曲でも27秒ぐらいのところで一瞬ロカビリーっぽいフレーズを差し込んでいます。

またこの曲ではオールディーズ風のサックスもいい味を出しています。

そのサックスを演奏しているのは、マッドネス(Madness)のリー・トンプソン(Lee Jay Thompson)です。

 

5位「(Free) Nelson Mandela」(アルバム:In the Studio)

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■曲名:(Free) Nelson Mandela
■曲名邦題:ネルソン・マンデラ
■アルバム名:In the Studio(1984年)
■アルバム名邦題:イン・ザ・スタジオ
■動画リンク:「(Free) Nelson Mandela」

サード・アルバムの曲です。

この曲はアフリカン・ポップと言った方がいいかもしれません。

そもそもこのアルバム自体、スカ、ソウル、ロック、ニューウェーヴ、アフリカン・ポップ、映画音楽など様々な要素が入っていて、ジャンルレスの極北的作品です。

アヴァンギャルド・ポップ(アヴァン・ポップ)と呼んだ方がいいかもしれません。

雑多なジャンルをダマーズのセンスでまとめ上げた、他に例を見ない傑作です。

さてこの曲名は、後に南アフリカ大統領になった反アパルトヘイトの指導者の名前から取られています。

当時はネルソン・マンデラは投獄中で、強制労働を強いられていました。

この曲の歌詞では、マンデラを支持する姿勢を強く打ち出しています。

歌詞はかなり辛辣で、たった一人の男に大軍とは(笑)とか、彼の訴えが聞こえないほど耳が聞こえないのかとか、挑発的な言葉が並んでいます。

この曲は全英9位と結構ヒットしており、国際的な世論形成に一役買ったかもしれません。

 

6位「Pearl’s Cafe」(アルバム:More Specials)

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■曲名:Pearl’s Cafe
■曲名邦題:パールズ・カフェ
■アルバム名:More Specials(1980年)
■アルバム名邦題:モア・スペシャルズ
■動画リンク:「Pearl’s Cafe」

彼らの作品はどれも傑作ですが、私はこのセカンド・アルバムが特に気に入っています。

ポップとアヴァンギャルドのバランスが最も良い作品だと思いますし。

彼らのポップセンスは極めて英国的で、源流をたどるとキンクス(The Kinks)あたりに行き着くかもしれません。

もしかしたらモンティパイソンかもしれませんが。

私はなぜこのアルバムを最高傑作だと思うのか。

それはテリー・ホールのボーカルが健在だからです。

彼はサード・アルバムでは脱退していたので、ボーカル面では少々物足りないと感じました。

この頃のテリーは特に女性ボーカルとの関係において、独特の味わいを持った歌を披露していました。

 

7位「Gangsters」(アルバム:The Singles Collection)

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■曲名:Gangsters
■曲名邦題:ギャングスターズ
■アルバム名:The Singles Collection(1991年)
■アルバム名邦題:シングルズ
■動画リンク:「Gangsters」

彼らのファースト・シングルです。

彼らは元々コヴェントリー・オートマティックス(The Coventry Automatics)というバンドでしたが、当時はスカとパンクを融合をした音楽性だったようです。

その後バンド名を変更して、このシングルでデビューしました。

彼らの所属レーベルは、2トーン(2 Tone)です。

当時の2トーンには、ザ・セレクター(The Selecter)、ザ・ビート(The Beat)、マッドネス(Madness)など、ネオ・スカの名バンドが所属していました。

当初これらのバンドの多くが、パンクからの影響を受けていました。

ちなみに「2トーン」という言葉を発案したのはジェリー・ダマーズらしく、当時彼らが白黒の服を好んで着ていたことや、黒人と白人の調和の思いが込められているそうです。

 

8位「Rat Race」(アルバム:The Singles Collection)

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■曲名:Rat Race
■曲名邦題:ラット・レース
■アルバム名:The Singles Collection(1991年)
■アルバム名邦題:シングルズ
■動画リンク:「Rat Race」

彼らのオリジナル・アルバムは全部で3枚です。

ただアルバム未収録曲が多く、オリジナル・アルバムだけでは代表曲を聞き逃してしまいます。

彼らの代表曲の1つ「ゴースト・タウン(Ghost Town)」も1位を記録していますが、オリジナル・アルバムには収録されていません。

またこの曲もシングルのみのリリースで、全英5位と大ヒットしています。

彼らの場合シングル曲集はベスト盤ではなく、オリジナル・アルバムに近いと考えた方がよさそうです。

ちなみに私はオリジナル・アルバムと被る曲を削除しCD-Rに焼いて、1枚のアルバムみたいにして聞いています。

この曲はファーストとセカンドの間に発表されています。

彼らが変化の過程にあることが分かる、とても興味深い曲です。

たとえばこの曲ではジェリー・ダマーズがハープシコードみたいな音を入れています。

これはジョン・バリー(John Barry)のサントラから影響されたのだとか。

次作「More Specials」では映画的な断片が目立ちましたが、その予告編みたいな曲だと思います。

 

9位「You’re Wondering Now」(アルバム:Specials)

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■曲名:You’re Wondering Now
■曲名邦題:さて、どうする?
■アルバム名:Specials(1979年)
■アルバム名邦題:スペシャルズ
■動画リンク:「You’re Wondering Now」

この曲はカバー曲です。

オリジナルのリンクを貼っておきましょう。

Andy & Joey – You’re Wondering Now

冒頭で彼らはオリジナルに忠実にカバーしていると書きましたが、この曲もメロディやテンポをあまり変えていません。

ただ最後に少し工夫しています。

こちらではアカペラで終わっていますが、これはすばらしい改変ですね。

ファースト・アルバムの最後を飾る曲ですが、このアカペラのおかげで聞き終わった時、とても良い余韻が残ります。

ちなみにこのファースト・アルバムは、エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)がプロデュースしています。

コステロは他にも多くの名盤のプロデュースを手掛けていますが、意外と自分色の刻印を押さない人なのかもしれません。

しかしいつも素材の良さを活かしている印象があります。

このファーストでもコステロがどういう貢献をしたかは分かりませんが、少なくとも彼らの魅力を引き出すことには成功しています。

 

10位「War Crimes」(アルバム:In the Studio)

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■曲名:War Crimes
■曲名邦題:ウォー・クライムス
■アルバム名:In the Studio(1984年)
■アルバム名邦題:イン・ザ・スタジオ
■動画リンク:「War Crimes」

このアルバムの前にバンドは2つに分裂しました。

テリー・ホール、ネヴィル・ステイプル(Neville Staple)、リンヴァル・ゴールディング(Lynval Golding)の3人が、ファン・ボーイ・スリー(Fun Boy Three)として独立しました。

一方残りのメンバーは、スペシャルAKA(The Special AKA)という名前で活動を継続しました。

後者にはリーダーのダマーズがいたこともあって、事実上のスペシャルズと考える人が多いですが、この記事でもその立場を取っています。

テリーはスペシャルズではボーカル担当でした。

ただスペシャルズでは、テリーのカラーがいま一つ見えてきません。

脱退後のテリーはファン・ボーイ・スリー、カラーフィールド(The Colourfield)、テリー・ブレア&アヌーシュカ(Terry, Blair & Anouchka)、ヴェガス(Vegas)など様々なバンドを結成しています。

中でもテリー・ブレア&アヌーシュカは特にすばらしく、テリーがダマーズに劣らない才能の持ち主だったことが分かります。

Terry, Blair & Anouchka – Three Cool Catz

こうした分裂は、本家ではダマーズ色を更に強める結果になりました。

当時のダマーズは映画音楽やモンド・ラウンジに傾倒していて、この曲にもそうした影響を感じます。

このPVを最初に見た時には、カルト宗教の宴か何かかと思いましたが(笑)。

確かにハイブリッドすぎて摩訶不思議な曲ですが、不思議と病みつきになる魅力があります。

 

番外編「Enjoy Yourself (Reprise)」(アルバム:More Specials)

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■曲名:Enjoy Yourself (Reprise)
■曲名邦題:エンジョイ・ユアセルフ (リプリーズ)
■アルバム名:More Specials(1980年)
■アルバム名邦題:モア・スペシャルズ
■動画リンク:「Enjoy Yourself (Reprise)」

セカンド・アルバムはこの曲で始まり、この曲で終わるという構成になっています。

私は1曲目のバージョンよりも、このエンディング・バージョンの方が好みです。

この曲もカバーですが、原曲はスカやロックステディではありません。

1949年に書かれたアメリカの古いポピュラー・ヒットナンバーです。

こういうおじいちゃん家のレコードから拝借したような古い曲をうまく再利用するとは、やはりセンスが良いのだなと感じます。

まるで昔の服をうまくリメイクして、コーディネートに取り入れるファッション上級者みたいではないでしょうか。

彼らは雑多な音楽を取り入れたとしても、ギリギリのところで外さず、いつも粋な形にまとめ上げていました。

 

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