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ロス・ロボス(Los Lobos)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はロス・ロボスのランキングを作成しました。

彼らは「ラ・バンバ(La Bamba)」のヒットで知られています。

しかしこの記事ではアメリカン・ロック系の曲に限定した。

従って「ラ・バンバ」は選外としています。

「現代のザ・バンド」と呼ばれる彼らの魅力をご堪能ください。

 

1位「Mas y Mas」(アルバム:Colossal Head)

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■曲名:Mas y Mas
■曲名邦題:マス・イ・マス
■アルバム名:Colossal Head(1996年)
■アルバム名邦題:コロッサル・ヘッド
■動画リンク:「Mas y Mas」

彼らは「ラ・バンバ」の呪縛から長年抜け出せないでいました。

しかしこのアルバムで彼らはイメージチェンジに成功しています。

このアルバムではミッチェル・フルーム(Mitchell Froom)とチャド・ブレイク(Tchad Blake)がプロデュースを手掛けました。

彼らには後で取り上げた「I Walk Alone」など、こういう曲調は以前からありました。

その曲と「Mas y Mas」を聞き比べると、ミッチェル&チャドがどういう貢献をしたか、お分かりいただけると思います。

楽器の音を整理したり、鋭角さを強調したりなど、細部のほんの少しの調整がこの曲の魅力を一段と引き上げています。

ロス・ロボスとミッチェル&チャド、両者の良い面が融合した名曲です。

 

2位「Can’t Stop the Rain」(アルバム:Colossal Head)

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■曲名:Can’t Stop the Rain
■曲名邦題:キャント・ストップ・ザ・レイン
■アルバム名:Colossal Head(1996年)
■アルバム名邦題:コロッサル・ヘッド
■動画リンク:「Can’t Stop the Rain」

彼らの強味は演奏力です。

しかしこのアルバムでは、適切に各楽器を音響空間に配置し、その結果演奏の魅力が更に際立ちました。

この曲でも音の空間を埋め尽くしてしまわないよう配慮した、知的な抑制が印象深いですね。

ドラムとギターの重心が低く、このミディアム・テンポの曲に適度な重みを加えています。

彼らは初期から演奏力に定評がありましたが、最初からこうしたツボを押さえた演奏をしていたわけではありません。

彼らはキャリアを通じて、演奏のセンスを磨き続けました。

彼らは1974年に結成されていますから、20年以上経過してようやくこの境地にたどり着きました。

弾きすぎないところが魅力的な1曲です。

 

3位「Dream In Blue」(アルバム:Kiko)

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■曲名:Dream In Blue
■曲名邦題:ドリーム・イン・ブルー
■アルバム名:Kiko(1992年)
■アルバム名邦題:キコ
■動画リンク:「Dream In Blue」

彼らはミッチェル&チャドと組んで新境地を開拓しました。

最初に彼らがミッチェル&チャドと組んだのは「The Neighborhood」というアルバムです。

その作品では「エンジェル・ダンス(Angel Dance)」1曲だけでしたが、明らかに他の曲とはドラムの音が違っていました。

更にその後、ミッチェル&チャドと、ロス・ロボスのデイヴィッド・イダルゴ(David Hidalgo)、ルイ・ペレス(Louie Perez)の4人でサイド・プロジェクト、ラテン・プレイボーイズ(Latin Playboys)を結成し、摩訶不思議な作品を発表しました。

Latin Playboys – New Zandu

そうした経緯を経て彼らはこの「Colossal Head」で、ミッチェル&チャドの2人にプロデュースを依頼しました。

その前にこのアルバムの段階でミッチェル・フルームが単独でプロデュースしていましたが、既に変化の予兆を感じさせます。

イントロのメタリックなドラムの質感は、従来の彼らにはなかった魅力です。

 

4位「Jenny’s Got a Pony」(アルバム:The Neighborhood)

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■曲名:Jenny’s Got a Pony
■曲名邦題:ジェニーズ・ゴット・ア・ポニー
■アルバム名:The Neighborhood(1990年)
■アルバム名邦題:ネイバーフッド
■動画リンク:「Jenny’s Got a Pony」

単純にロックらしいロックを楽しみたい方には、この頃の曲がおすすめです。

初期のシングルヒット「カモン・レッツ・ゴー(Come On, Let’s Go)」や、初期の名作と呼ばれる「ウィル・ザ・ウルフ・サヴァイヴ(How Will the Wolf Survive?)」も、パーティ・ロック色の強い作品です。

ちなみに彼らは同じ高校のメンバーを中心に結成されました。

メキシコ系アメリカ人というルーツを活かして、彼らはメキシコ音楽とアメリカン・ロックを融合しました。

この曲のアコーディオンには、メキシコ音楽の影響がうかがえます。

純粋なアメリカン・ロックではなく、国境をまたいだボーダーレスなところが魅力的です。

 

5位「The Word」(アルバム:Good Morning Aztlan)

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■曲名:The Word
■曲名邦題:ザ・ワード
■アルバム名:Good Morning Aztlan(2002年)
■アルバム名邦題:グッドモーニング・アズトラン
■動画リンク:「The Word」

彼らの近作では演奏のセンスにはうなりますが、正直以前ほど楽曲の魅力を感じません。

特にアップテンポの曲では「Los Lobos Goes Disney(ロス・ロボス・ゴーズ・ディズニー)」に収録された「The Ugly Bug Ball」ぐらいしか良い曲が思い浮かびません。

Los Lobos – The Ugly Bug Ball

彼らの一番の弱点はソングライティングだと思います。

彼らの代表曲「ラ・バンバ」も、自分たちで書いた曲ではありませんし。

Los Lobos – La Bamba

ただ時々すばらしい曲もありますから、彼らの新作はチェックせざるを得ません。

 

6位「Revolution」(アルバム:Colossal Head)

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■曲名:Revolution
■曲名邦題:レボリューション
■アルバム名:Colossal Head(1996年)
■アルバム名邦題:コロッサル・ヘッド
■動画リンク:「Revolution」

ミッチェル&チャドと組んだこのアルバムでは、一気に彼らのファン層が広がりました。

以前の彼らはあか抜けないけれど、実力派のバンドという評価を得ていました。

良心的なアメリカン・ロックだと。

しかしこのアルバムでの彼らは、オルタナティヴ・ロックにシフトしました。

まるで服装に無頓着な中年男性が、一流コーディネーターのアドバイスによって、ちょいワルにイメージチェンジした変化に似ています。

そういえば当時バンドの主要メンバーは40歳を超えていました。

 

7位「La Playa」(アルバム:This Time)

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■曲名:La Playa
■曲名邦題:ラ・プラヤ
■アルバム名:This Time(1999年)
■アルバム名邦題:ディス・タイム
■動画リンク:「La Playa」

このアルバムもミッチェル&チャドがプロデュースしています。

前作「Colossal Head」でイメチェンした彼らは、しばらく同じ路線でアルバムを発表しました。

しかしこのアルバムを最後に、一旦チャド&ブレイクとの共同作業を完了としました。

確かにやるべきことをやったような達成感がうかがえるアルバムです。

当時の方法論を私なりに表現すると、バンドの有機的な演奏を一度分解して、メタリックな質感を加え、無国籍な味付けを施して再構築した音楽。

楽器の音を分離し、左右のチャンネルに適切に配置し、更には音のエッジを尖らせました。

この曲は最後の打ち上げ花火としては上々の出来です。

 

8位「I Walk Alone」(アルバム:The Neighborhood)

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■曲名:I Walk Alone
■曲名邦題:アイ・ウォーク・アローン
■アルバム名:The Neighborhood(1990年)
■アルバム名邦題:ネイバーフッド
■動画リンク:「I Walk Alone」

先程彼らの弱点は楽曲だと書きました。

ただこの「The Neighborhood」や前作の「By The Light Of The Moon」などには、良質な曲がそろっています。

楽曲の魅力でいえば、その2枚に加えて「Kiko」までが一番良い時期かもしれません。

彼らは「Colossal Head」のちょい悪路線で新たな人気を獲得しましたが、その後も洗練路線を維持しました。

まるでファッション上級者に指南を受けて、私服のセンスが良くなった人に似ているかもしれません。

まあ私はセンスの良い彼らより、垢ぬけない頃の方が好みですが。

そもそもちょい悪路線も、昔の時にやぼったいぐらいの演奏力があってこそだと思います。

 

9位「The Hardest Time」(アルバム:By The Light Of The Moon)

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■曲名:The Hardest Time
■曲名邦題:ハーデスト・タイム
■アルバム名:By The Light Of The Moon(1987年)
■アルバム名邦題:バイ・ザ・ライト・オブ・ザ・ムーン
■動画リンク:「The Hardest Time」

この曲には初々しい魅力を感じます。

このアルバムのプロデュースを手掛けたのは、1980年代のアメリカン・ロックにおける重要人物、T・ボーン・バーネット(T-Bone Burnett)。

この曲はT・ボーンからかなり影響を受けているようです。

特にギターの音色などはいつもの彼らと違っていて、T・ボーンの烙印が押されていますね。

彼らにしては珍しくフォーク・ロック調ですが、こういう彼らもなかなか悪くありません。

初々しい甘酸っぱさが魅力の曲です。

 

10位「The Fear」(シングル:Los Lobos Vs the Shins)

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■曲名:The Fear
■シングル名:Los Lobos Vs the Shins(2018年)
■動画リンク:「The Fear」

この曲はYoutubeで他の曲を探している時、たまたま見つけました。

何だろうと思って聞いてみたところ、とてもすばらしい曲なのでご紹介することにしました。

どうやらこの曲は、ザ・シンズ(The Shins)の曲のカバーで、アルバム未収録曲のようです。

先程は近年の彼らについて苦言を呈しましたが、近作はスローに包容力が出てきました。

中でもこの曲は特に詩情豊かな名曲。

「現代のザ・バンド」と呼ぶ人がいるのもうなづけます。

 

番外編「Wicked Rain / Across 110th Street (featuring Bobby Womack)」(アルバム:The Ride)

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■曲名:Wicked Rain / Across 110th Street (featuring Bobby Womack)
■アルバム名:The Ride(2004年)
■アルバム名邦題:ザ・ライド
■動画リンク:「Wicked Rain / Across 110th Street (featuring Bobby Womack)」

彼らはこのアルバムで様々なアーティストと共演しています。

トム・ウェイツ(Tom Waits)、エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)、メイヴィス・ステイプルズ(Mavis Staples)などが参加しています。

この曲の共演者は、ボビー・ウーマック(Bobby Womack)。

「Kiko」の収録曲「Wicked Rain」と、ボビー・ウーマックの代表曲「110番街交差点(Across 110th Street)」を繋げてメドレーにしています。

ボビー・ウーマックの存在感がありすぎるので、番外編として取り上げることにしました。

両者の魅力が味わえる、とても贅沢で濃厚な逸品です。

 

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