今回はソウル・II・ソウルのランキングを作成しました。
彼らはグラウンド・ビートでシーンを席巻しました。
しかし年月が経過した今、改めて再評価したいユニットです。
動画のリンクはアルバム・バージョンと異なる場合がありますので、予めご了承ください。
- 1 1位「Keep on Movin’ (featuring Caron Wheeler)」(アルバム:Club Classics: Vol. 1)
- 2 2位「Back to Life (featuring Caron Wheeler)」(アルバム:Club Classics: Vol. 1)
- 3 3位「Love Enuff」(アルバム:Volume V – Believe)
- 4 4位「Get a Life」(アルバム:Volume II – 1990 A New Decade)
- 5 5位「Move Me No Mountain」(アルバム:Volume III – Just Right)
- 6 6位「Wish (Juni Mix)」(アルバム:SOUL II SOUL Volume IV)
- 7 7位「Direction」(アルバム:Volume III – Just Right)
- 8 8位「How Long」(アルバム:Volume V – Believe)
- 9 9位「Love Come Through」(アルバム:Volume II – 1990 A New Decade)
- 10 10位「Camdino Soul」(アルバム:Time For Change)
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1位「Keep on Movin’ (featuring Caron Wheeler)」(アルバム:Club Classics: Vol. 1)
■曲名:Keep on Movin’ (featuring Caron Wheeler)
■曲名邦題:キープ・オン・ムーヴィン(feat. キャロン・ウィラー
■アルバム名:Club Classics: Vol. 1
■アルバム名邦題:クラブ・クラシックス Vol.1
■動画リンク:「Keep on Movin’ (featuring Caron Wheeler)」
この曲をデビュー・シングルだと思っている人は少なくないかもしれません。
しかし実際は「Fairplay」「Feel Free」に続くサード・シングルです。
そう思ってしまう程この曲が登場した時のインパクトは大きかったかもしれません。
彼らの音楽はグランド・ビートと呼ばれています。
グランド・ビートの衝撃を言葉で説明するのは、いささか困難なことかもしれません。
説明できなくもありませんが、実際聞いた方が手っ取り早いような気がしますし。
グランド・ビートのリズムは打ち込みも少なくありませんが、独特のタメのせいか生音っぽい感じがします。
2位「Back to Life (featuring Caron Wheeler)」(アルバム:Club Classics: Vol. 1)
■曲名:Back to Life (featuring Caron Wheeler)
■曲名邦題:バック・トゥ・ライフ(feat. キャロン・ウィラー)
■アルバム名:Club Classics: Vol. 1
■アルバム名邦題:クラブ・クラシックス Vol.1
■動画リンク:「Back to Life (featuring Caron Wheeler)
「Keep on Movin’」と並ぶ彼らの代表曲です。
加えて最大のヒット曲です。
「Back To Life(However Do You Want Me)」は、映画『ブラック・レイン』のサウンドトラックにも収録され、全英チャート1位(Music Week)、全米チャート4位(ビルボードHot100)を記録するヒットとなった。
しかしこの曲がヒットした背景については、少し補足した方がいいかもしれません。
当時彼らの音楽は、メインストリームの音楽ではありませんでした。
クラブチャートでは1位を獲得しても、総合チャートでは上位に食い込めなさそうな。
昔パフュームの曲がオリコンチャートで1位を獲得したのに、少し状況が似ているかもしれません。
マス向きの音楽ではなさそうなのに、1位を獲得したような感じがします。
それとキャロン・ウィーラー(Caron Wheeler)の存在も大きかったように思います。
私は彼女が他の曲で歌う女性シンガーたちと比べ、実力的に上だったとは思いません。
ただ彼女はこの種の音楽と相性が良いシンガーだったと思います。
3位「Love Enuff」(アルバム:Volume V – Believe)
■曲名:Love Enuff
■曲名邦題:ラヴ・イナフ
■アルバム名:Volume V – Believe
■アルバム名邦題:Vol.V~ビリーヴ
■動画リンク:「Love Enuff」
彼らの話題といえば、デビュー・アルバムの「Club Classics: Vol. 1」ばかりです。
その後はほとんど話題になりません。
しかしこの4枚目(ベスト盤除く)は、なかなかすばらしい出来です。
ファーストは1989年、このアルバムは1995年にリリースされています。
その間6年程度にすぎません。
当初彼らは先端的なポジションにいました。
しかし売れすぎた弊害で、このアルバムの頃はもう尖った存在ではなくなりつつありました。
ただそれにもかかわらず、彼らの音楽は安定した品質を維持しています。
新奇性だけでなく、音楽そのものがすぐれていること。
彼らはこのアルバムで目新しさに頼らない充実ぶりを証明しました。
4位「Get a Life」(アルバム:Volume II – 1990 A New Decade)
■曲名:Get a Life
■曲名邦題:ゲット・ア・ライフ
■アルバム名:Volume II – 1990 A New Decade
■アルバム名邦題:VOL.II-1990ア・ニュー・ディケード
■動画リンク:「Get a Life」
初期の重要人物を挙げておきましょう。
ジャジー・B(Jazzie B)
ネリー・フーパー(Nellee Hooper)
屋敷豪太
ハウイーB(Howie B)
ジャジー・Bはこのユニットの中心人物で、シンガー/ラッパーでもあります。
このアルバムでは「musical director」という肩書とプロデューサーでもあります。
ネリー・フーパーは共同プロデューサー。
屋敷豪太はファーストでプログラミングを担当し、ハウイーBはセカンドでエンジニアとして参加しました。
正直私はこの4人の貢献部分とその度合いが見えていません。
グラウンド・ビートの生みの親は屋敷豪太という説もあるようですが、このセカンドには彼の名前はありませんでした。
それでもこのアルバムは前作同様グランドビート路線を踏襲しています。
初期のサウンド面における最大のキーマンは誰だったのか。
私はその答えを見つけられずにいます。
5位「Move Me No Mountain」(アルバム:Volume III – Just Right)
■曲名:Move Me No Mountain
■曲名邦題:ムーヴ・ミー・ノー・マウンテン
■アルバム名:Volume III – Just Right
■アルバム名邦題:Vol.3~ジャスト・ライト
■動画リンク:「Move Me No Mountain」
この曲はラヴ・アンリミテッド(Love Unlimited)のカバー曲です。
原曲のリンクを貼っておきましょう。
Love Unlimited – Move Me No Mountain
歌っているのは、ラヴァーズ・ロックで知られるKOFI。
元々彼らはレゲエのサウンド・システム(クラブみたいなもの)から派生したユニットです。
ソウル・II・ソウルという名称も、ジャジー・Bが運営していたサウンド・システムの名称でした。
本家ジャマイカのレゲエも、ソウル・ミュージックからかなり影響を受けています。
そうしたことから、この曲をカバーしていても唐突感はありません。
6位「Wish (Juni Mix)」(アルバム:SOUL II SOUL Volume IV)
■曲名:Wish (Juni Mix)
■曲名邦題:ウィッシュ (Juni Mix)
■アルバム名:SOUL II SOUL Volume IV
■アルバム名邦題:Vol.IV ウィッシュ~ザ・ベスト・オブ・SOUL II SOUL
■動画リンク:「Wish (Juni Mix)」
この作品はベスト・アルバムだと言われることがあります。
ただリミックス曲も多く、単に編集盤とかリミックス・アルバムと呼ぶ人もいます。
彼らのアルバムの中では、決して優先順位が高いとは言えません。
この曲は新曲ですので、このアルバムを購入する判断材料になることでしょう。
ファーストは名作ですが、録音にはかなり難があります。
私が持っているCDの話だけの話かもしれませんが。
しかしこのアルバムは音質が向上していて、それだけで好印象です。
さて彼らのアルバムは、1枚目から順に番号が割り振られてきました。
このアルバムは4枚目なので「IV」が付いていますが、個人的にベスト盤や編集盤はナンバリングの対象外にしてほしいです。
国内盤の邦題ではベスト盤と分かりますが、輸入盤ではベスト盤だと気付かない人がいるかもしれません。
7位「Direction」(アルバム:Volume III – Just Right)
■曲名:Direction
■曲名邦題:ディレクション
■アルバム名:Volume III – Just Right
■アルバム名邦題:Vol.3~ジャスト・ライト
■動画リンク:「Direction」
このユニットの中心人物はジャジー・Bです。
もしかしたら彼はドレッド・ヘアーがおしゃれという風潮をつくり出した人かもしれません。
またこの人はシンガー、ラッパー、プロデューサー、作詞作曲など様々な顔を持っています。
彼はレゲエ・コミュニティ出身ですが、ジャマイカ人でもジャマイカ移民でもありません。
彼はレゲエやHIPHOPまで様々な音楽から影響を受けた、かなり雑食な人だと思います。
そのハイブリッドな彼の資質が、このユニットの土台となりました。
彼の音楽はココイチのカレーに似ています。
様々な具材がしっかり煮込まれて溶け込んでいますが、原型が残っていない場合があります。
8位「How Long」(アルバム:Volume V – Believe)
■曲名:How Long
■曲名邦題:ハウ・ロング
■アルバム名:Volume V – Believe
■アルバム名邦題:Vol.V~ビリーヴ
■動画リンク:「How Long」
このユニットは女性シンガー、男性シンガー、ラッパー、インストなど、様々な形態の曲があります。
ボーカルは入っていてもいなくてもいいという自由さを感じますね。
この曲はファーストの「African Dance」の延長線上にあるインストです。
どことなくアシッド・ジャズっぽい感じがしないでもありません。
前述したように、彼らはイギリスのクラブシーンから生まれました。
1980年代のイギリスのクラブは、踊れるジャズやアシッドジャズなど、各所で興味深い動きがありました。
そうしたクラブの音楽は相互に影響を受けていて、明確に棲み分けていたわけではないようです。
おそらくソウル・II・ソウルもその一部にすぎません。
またそのハイブリッドな環境の一部は、後にトリップ・ホップに繋がりました。
ソウル・II・ソウルの成功は、イギリスのクラブシーンの勝利といえるかもしれません。
9位「Love Come Through」(アルバム:Volume II – 1990 A New Decade)
■曲名:Love Come Through
■曲名邦題:ラブ・カム・スルー
■アルバム名:Volume II – 1990 A New Decade
■アルバム名邦題:VOL.II-1990ア・ニュー・ディケード
■動画リンク:「Love Come Through」
彼らの最高傑作はファースト「Club Classics: Vol. 1」だと言われています。
しかしこのセカンドもほぼ同程度の出来だと思います。
さすがに3枚目は少し落ちると思いますが。
本来このアルバムからは、以下の曲の方をご紹介すべきかもしれません。
Soul II Soul – A Dreams a Dream
しかし私の好みから「Love Come Through」の方を取り上げてみました。
彼らの音楽は一時期シーンを席巻しました。
その関係で短期間で一気に消費されたように感じます。
よく昔のダンス・ミュージックについて、古いと感じるというような意見があります。
特に昔一時的に流行った音楽は、そうした評価が下されがちかもしれません。
ただその時は古いと感じても、時の経過と共に自分の感覚もアップデートされていくものです。
彼らの音楽もまた一周回って、いずれ新しくなっていくかもしれません。
10位「Camdino Soul」(アルバム:Time For Change)
■曲名:Camdino Soul
■アルバム名:Time For Change
■アルバム名邦題:タイム・フォー・チェンジ
■動画リンク:「Camdino Soul」
1997年にリリースされた作品の曲です。
もしかしたらこれがラスト・アルバムになるかもしれません。
先程私は昔の彼らのサウンドについて、ジャジー・Bの貢献部分が分からないと書きました。
しかしジャジー・B個人の仕事やネリーフーパーのいないこのアルバムを聞くにつけ、やはり才能はある人なのだろうと感じます。
このアルバムは売れませんでしたが、ジャジー・Bは確かな力量を示しました。
さて彼らはイギリスのソウル・ミュージック、つまりUKソウルです。
当時UKソウルは軽視される傾向があったかもしれません。
彼らはその風潮に一矢報いた存在でした。
ソウル・II・ソウル出身の歌姫、キャロン・ウィーラーもソロ作でUKソウルの矜持を示しました。
Caron Wheeler – Livin in the Light
彼らはUKソウルの評価を高めた貢献者でした。
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