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リントン・クウェシ・ジョンソン(Linton Kwesi Johnson)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はリントン・クウェシ・ジョンソンのランキングを作成しました。

彼は差別の撤廃を訴えてきた人です。

彼は音楽や詩で、先鋭的なメッセージを発信してきました。

初期はぜい肉を削ぎ落したダブ・サウンドをバックに、時には歌うように詩を朗読しました。

その後はより雑食な音楽に移行しています。

 

1位「Bass Culture」(アルバム:Bass Culture)

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■曲名:Bass Culture
■曲名邦題:ベース・カルチャー
■アルバム名:Bass Culture
■アルバム名邦題:ベース・カルチャー
■動画リンク:「Bass Culture」

リントンは「ダブ・ポエット」です。

つまりダブ・サウンドに、自分の詩を乗せてポエトリーリーディングする人です。

アメリカでもギルバート・スコット・ヘロン(Gilbert Scott-Heron)など、詩人の系譜のミュージシャンがいますが、レゲエではこの人が先駆者です。

この曲は「血の音楽」という物騒な言葉から始まります。

そこから続く言葉も、どことなく不穏な言葉ばかり。

普通の歌詞と違って、イメージを言葉にしているのだと思いますが、詩にうとい私には意味が分かりません。

ただなんとなく感じられるのは、虐げられた者たちの苦難と変化の兆しです。

彼はつぶやきます。

「なんというビートだ」

その言葉通りこの曲は2:46あたりから、クールだったリズムが徐々に熱を帯び始めます。

同じアルバムから、もう1曲ご紹介しておきましょう。

Linton Kwesi Johnson – Reggae Sounds

ドラムの硬質な質感がたまりません。

 

2位「Song of Blood」(アルバム:Dread Beat an’ Blood)

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■曲名:Song of Blood
■アルバム名:Dread Beat an’ Blood
■アルバム名邦題:ドレッド・ビート・アンド・ブラッド
■動画リンク:「Song of Blood」

1978年リリースされた彼のファースト・アルバムです。

彼は既に1975年同名の詩集を出版していて、このアルバムはその詩集が元につくられました。

私は見ていませんが、同名のドキュメンタリー映像もあるそうです。

このアルバムは後にプロデューサーを務める、デニス・ボーヴェル(Dennis Bovell)が参加しています。

この曲では、明らかにリントンではないボーカルが参加していますね。

そのホレス・アンディ(Horace Andy)を思わせる声の持ち主は、一体誰なのだろうと思ったかもしれません。

CDのクレジットにも、誰とデュエットしているのか記載されていませんし。

このアルバムは基本的にリントンのセルフ・プロデュース作です。

しかしこの曲だけ、ヴィヴィアン・ウェザーズ(Vivian Weathers)がプロデュースに加わっています。

ヴィヴィアンは同年「Bad Weathers」というアルバムをリリースしていました。

そのアルバムから1曲ご紹介しておきましょう。

Vivian Weathers – Street Talk

お分かりいただけたと思います。

この曲の歌はヴィヴィアンだったのですね。

 

3位「Sense Outta Nansense」(アルバム:Tings an’ Times)

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■曲名:Sense Outta Nansense
■曲名邦題:センス・アウト・オブ・ナンセンス
■アルバム名:Tings an’ Times
■アルバム名邦題:ティングス・アン・タイムズ
■動画リンク:「Sense Outta Nansense」

このアルバムの前作「Making History」は、1983年にリリースされました。

その後「Reggae Greats」というベスト盤とライブ盤をリリースして、1980年代が過ぎていきました。

このアルバムは、実に8年ぶりの1991年にリリースされました。

驚いたのは、サウンドの変化です。

このアルバムはワールド・ミュージック風のホーンセクションが加わるなど、多彩なサウンドに変化しました。

昔のストイックで硬質なダブサウンドとは、全く違う音楽です。

しかしこれがなかなか悪くありません。

他にも以下の曲も同等の傑作です。

Linton Kwesi Johnson – Story

以前のような緊張感があるサウンドが好きな人は、拍子抜けかもしれません。

しかし包容力のあるサウンドをバックにしたリントンも、なかなかではないでしょうか。

 

4位「Want Fi Goh Rave」(アルバム:Forces of Victory)

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■曲名:Want Fi Goh Rave
■曲名邦題:ウォント・フィ・ゴー・レイヴ
■アルバム名:Forces of Victory
■アルバム名邦題:フォーシズ・オブ・ヴィクトリー
■動画リンク:「Want Fi Goh Rave」

私の持っているCDでは、本作のプロデューサーはリントン1人になっています。

しかしウィキペディアでは、デニス・ボーヴェル(Dennis Bovell)との共同プロデュースになっています。

普通こういう場合は、CDの方を信じるものです。

CDの記載は、そのアーティストの正式な刊行物ですから。

しかしレゲエの場合は、そんな常識は通用しません。

先程のデュエット・シンガーの未記載も同じ問題ですが、レゲエではこういうことは日常茶飯事です。

通常は誰が書いたか分からないウィキペディアの方が、信頼性が低いと判断するのが妥当です。

しかしおそらくこの件はウィキペディアの方が正しいと思われます。

実は私は以前どこかで、このアルバムがデニスがプロデュースしていると読んだことがありますから。

デニスについては、後で触れることにします。

 

5位「Di Anfinished Revalueshan」(アルバム:Tings an’ Times)

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■曲名:Di Anfinished Revalueshan
■曲名邦題:アンフィニッシュト・レボリューション
■アルバム名:Tings an’ Times
■アルバム名邦題:ティングス・アン・タイムズ
■動画リンク:「Di Anfinished Revalueshan」

この人の最高傑作は「Bass Culture」だと言われています。

次点は「Forces of Victory」「LKJ in Dub」あたりでしょうか。

しかし私は「Bass Culture」と並んで、このアルバムを代表作に推薦します。

この曲は後半、トロンボーンが活躍しています。

このアルバムにはトロンボーン奏者が2人参加しているのですが、この曲の演奏はHenry TenyueかFayyaz virjiのどちらかだと思われます。

ちなみに初期のリントンのアルバムには、リコ(Rico)が参加していました。

リントンはトロンボーンがお好きなようですね。

この曲名を直訳すると「未完の革命」です。

彼はこう歌っています。

「俺が説明してやる、俺が教えてやる、俺が見せてやる」

 

6位「Reality Dub」(アルバム:LKJ in Dub)

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■曲名:Reality Dub
■曲名邦題:リアリティ・ダブ
■アルバム名:LKJ in Dub
■アルバム名邦題:LKJ・イン・ダブ
■動画リンク:「Reality Dub」

このアルバムは、ダブ・アルバムです。

しかし彼の場合、オリジナル・アルバムの時点で既にダブ・アルバムみたいなところがあります。

ただこちらは正真正銘のダブ盤だけあって、原曲よりエフェクトが強く、心地良くトリップさせてくれます。

このダブ・バージョンの原曲は「リアリティ・ポエム(Reality Poem)」。

「Victorious Dub」と、どちらにするか迷いましたが、もし気に入ったらアルバムをチェックしてみてください。

このアルバムは注目を浴び、レゲエのダブ名盤みたいな特集にはいつも取り上げられます。

ちなみに続編の「LKJ in Dub: Volume 2」も良い出来です。

とここまで書いてからディスコグラフィを確認すると、「LKJ in Dub: Volume 3」という3枚目が出ていることに気が付きました。

チェックしておかなければ。

気を取り直して、このアルバムはデニス・ボーヴェルがダブ・ミックスを担当しています。

素材は「Forces of Victory」「Bass Culture」。

それらのアルバムがお好きな方に、特におすすめします。

 

7位「Reggae fi Peach」(アルバム:Bass Culture)

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■曲名:Reggae fi Peach
■曲名邦題:レゲエ・フィ・ピーチ
■アルバム名:Bass Culture
■アルバム名邦題:ベース・カルチャー
■動画リンク:「Reggae fi Peach」

今回この記事を書くまで、私は彼が訴えている内容をよく知りませんでした。

私が持っている彼のCDの多くは、歌詞の和訳が付いていません。

また彼のリリックは詩人ということもあり、少し読みにくいですし。

しかしこの曲については、特に重要な事件を取り上げていますので、触れないわけにはいきません。

この曲は、以下の人物を取り上げた曲です。

イギリスの外交政策や反人種差別活動家のブレア・ピーチ

リントン・クウェシ・ジョンソン ウィキペディア

この人物はデモの時に、警官による暴行で命を落としています。

リントンは激しく怒り、この曲で「イギリス人よ、いつまでこんなことを許すのだ」と訴えかけています。

この曲は「LKJ Live in Concert with the Dub Band」というライブ・アルバムにも収録されていますが、そちらもすばらしい出来です。

 

8位「Poems of Shape and Motion」(アルバム:More Time)

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■曲名:Poems of Shape and Motion
■アルバム名:More Time
■アルバム名邦題:モア・タイム
■動画リンク:「Poems of Shape and Motion」

「Tings an’ Times」からリントンの音楽には、鋭さが消えました。

この変化をポップになったと言う人もいますが、私は音楽的に成熟したのだと思います。

この曲には昔のようなヒリヒリしたところはありませんが、水準の高さは維持されています。

フルートやオルガンとの絡みがたまりませんね。

このアルバムは1999年にリリースされた作品で、今回選んだ曲で一番新しい曲です。

彼は2004年から、目立った音楽活動がありません。

現在彼は、ミドルセックス大学で客員教授の職にあるようです。

長年彼は黒人解放運動に貢献してきましたが、今はその経験を活かして教壇に立っているのですね。

 

9位「Sonny’s Lettah (Anti-Sus Poem)」(アルバム:Forces of Victory)

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■曲名:Sonny’s Lettah (Anti-Sus Poem)
■曲名邦題:サニーズ・レター(アンチ-サス・ポエム)
■アルバム名:Forces of Victory
■アルバム名邦題:フォーシズ・オブ・ヴィクトリー
■動画リンク:「Sonny’s Lettah (Anti-Sus Poem)」

彼のニックネームは「LKJ」です。

このアルバムジャケットにも書かれていますね。

この作品はセカンド・アルバムで、初めてデニス・ボーヴェルがプロデュースを担当しました。

デニスは前作でもミックスを担当していましたが、今作ではより積極的に関わったといえるでしょう。

デニス・ボーヴェルは、ブリティッシュ・レゲエの最重要人物です。

バンド名の「マトゥンビ(Matumbi)」や別名義の「ブラックベアード(Blackbeard)」も、実質デニス・ボーヴェルのことを指します。

私はこの人を崇拝しています。

その理由は、彼がポップ・グループ(The Pop Group)やスリッツ(Slits)などで、鬼神の働きをしていたからです。

この曲でも彼は、シンプルでメロウなトラックを提供しています。

 

10位「Reggae fi Dada」(アルバム:Making History)

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■曲名:Reggae fi Dada
■アルバム名:Making History
■アルバム名邦題:メイキング・ヒストリー
■動画リンク:「Reggae fi Dada」

英語ブックレットを読んだところ、この曲は彼の父親に捧げられているのだそうです。

父親は長い闘病生活の末、1982年に56歳の若さで亡くなっています。

リントンはジャマイカ生まれですが、彼が11歳の時イギリスのロンドンに移住しています。

しかし移住後一家は、困窮生活を強いられました。

そんな中でリントンは大学を出ています。

両親はリントンが聡明な子供であることを考え、大学の学費を工面したのでしょう。

リントンは差別と貧困への怒りを抱えながら育ち、後に大学教授にまで昇り詰めました。

ただこのアルバムがリリースされた1983年は、まだリントンは闘争の真っ只中でした。

彼が本格的に評価されたのは、もう少し先の話です。

このアルバムのタイトル「Making History」は「歴史をつくる」という意味。

父親の死を機に「新たな歴史をつくろう」との決意を新たにしたのかもしれません。

 

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