今回はジャッキー・ミットゥのランキングを作成しました。
この人はジャマイカのオルガニストです。
純粋に私が好きな曲を選びましたが、その他定番曲に関しては、文中で補足してみました。
どれも幸せな気分にさせてくれる曲ばかりです。
聞いているとお酒が美味しくなるので、酒場の音楽としてもおすすめです。
- 1 1位「Good Feeling」(アルバム:Macka Fat)
- 2 2位「Mellow Fellow」(アルバム:Keep On Dancing)
- 3 3位「Super Charger」(アルバム:Striker Showcase)
- 4 4位「Too Late To Turn Back Now」(アルバム:Reggae Magic)
- 5 5位「Whiter Shade Of Pale」(アルバム:In London)
- 6 6位「Groovy Spirit」(アルバム:Wishbone)
- 7 7位「Jah Jah Harmony」(アルバム:Rides On)
- 8 8位「Evening Time」(アルバム:Evening Time)
- 9 9位「Fireball Rock」(アルバム:Tribute to Jackie Mittoo)
- 10 10位「Oboe」(アルバム:Keyboard King at Studio One)
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1位「Good Feeling」(アルバム:Macka Fat)
■曲名:Good Feeling
■アルバム名:Macka Fat
■アルバム名邦題:マッカ・ファット
■動画リンク:「Good Feeling」
まずジャケットの面構えがいいですね。
何はともあれこの人を知るには、このアルバムから始めなければいけません。
最高傑作との誉れが高いアルバムですから。
他にも「Henry The Great」やマーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)の「ホワッツ・ゴーイン・オン(What’s Going on)」のカバー曲「Fancy Pants」など、すばらしい演奏ばかりです。
私の持っているCDジャケットはペラペラの一枚紙で、裏面は白紙です。
裏ジャケにも、曲名以外の情報はほぼありません。
ただレーベル名のスタジオ・ワン(Studio One)と、コクソン・ドッド(Coxsone Dodd)のプロデュースと記載されているだけで、充分な気がしないでもありません。
レゲエ好きの方であれば、スタジオ・ワン、コクソン・ドットという名前だけで、山盛りご飯が何杯もいけることでしょう。
さてこの曲の元ネタは、以下の有名曲です。
The Heptones – I Hold The Handle
レゲエの歴史に残る傑作、ヘプトーンズ(The Heptones)の「オン・トップ(On Top)」に収録されています。
2位「Mellow Fellow」(アルバム:Keep On Dancing)
■曲名:Mellow Fellow
■アルバム名:Keep On Dancing
■アルバム名邦題:キープ・オン・ダンシング
■動画リンク:「Mellow Fellow」
このアルバムは初期の傑作群の中で目立ちませんが、出来は上々です。
初期のアルバムはジャケットの良いものが多いのですが、こちらはジャケットで損をしているかもしれません。
同じアルバムから、もう1曲ご紹介しておきましょう
アルバム名の通り、踊れる曲が多いかもしれません。
彼の全盛期は、初期のスタジオ・ワンの諸作だと言われています。
正直私も初期を聞き返す機会が多いです。
お酒がおいしくなるとか、そういう理由が大きいですが。(笑)
初期の作品はただ聞いているだけで、幸せな気分にさせてくれる曲が多いように思います。
3位「Super Charger」(アルバム:Striker Showcase)
■曲名:Super Charger
■アルバム名:Striker Showcase
■動画リンク:「Super Charger」
このアルバムがリリースされた時、狂喜したレゲエ・ファンも多かったと思います。
この2枚組CDは、以下の3作をカップリングしたものです。
「The Keyboard King」
「Showcase」
「Hot Blood」
それらのアルバムを持っていない人にとって、とてもありがたいアルバムでした。
この時期の曲は「The Keyboard Legend」というベスト盤で済ませていた人も多いのではないかと思います。
この時期の特色は、以下の2点。
・プロデューサーが、バニー・リー(Bunny Lee)
・リズムが、スライ&ロビー(Sly & Robbie)
特にスライ・ダンバー(Sly Dunbar)とロビー・シェイクスピア(Robbie Shakespea)の演奏は、どの曲でも聞きごたえがあります。
過去の曲に比べて、リズムがタイトですね。
このアルバムには定番曲「Ram Jam」も収録されていますが、私はこのアルバムのとは違うバージョンの方が好みです。
有名曲なので、リンクだけ貼っておきましょう。
オルガンという楽器の特徴を活かした名演だと思います。
4位「Too Late To Turn Back Now」(アルバム:Reggae Magic)
■曲名:Too Late To Turn Back Now
■アルバム名:Reggae Magic
■アルバム名邦題:レゲエ・マジック
■動画リンク:「Too Late To Turn Back Now」
まずコソ泥感ただようジャケットがいい感じですね。(笑)
この時期の彼は、少し方向性を模索していたようなところがありました。
前作ではレゲエを離れて、ファンク寄りの音楽をやっていました。
しかしこのアルバムでは、フュージョン/イージーリスニング寄りに変化しています。
彼の人気作は初期に集中しています。
確かに私も初期のヴィンテージなロックステディ時代が、彼の全盛期だと思います。
しかしその後も捨てがたい曲があるので、今回は意識的に初期以外の曲も入れることにしました。
たとえばこの曲などはいかがでしょうか。
確かに初期のような味わいは希薄かもしれませんが、適度にリラックスしたすばらしい演奏です。
アルバム名の通り「レゲエ・マジック」を感じます。
5位「Whiter Shade Of Pale」(アルバム:In London)
■曲名:Whiter Shade Of Pale
■曲名邦題:青い影
■アルバム名:In London
■アルバム名邦題:イン・ロンドン
■動画リンク:「Whiter Shade Of Pale」
デビューアルバムからの曲で、オリジナルはプロコル・ハルム(Procol Harum)の有名曲です。
この人のプレイスタイルは、意外と説明するのが難しいように思います。
時期によっても違いますし。
おおよその流れでいえば、この次にファンク路線になり、その後はシリアスでプログレッシヴな演奏に変化したように思います。
ただこの頃の演奏が、一般的なイメージに近いかもしれません。
素朴に歌っていますが、音のアタックが鋭い時がありますね。
ただ原曲のメロディに忠実で、とても好感が持てるカバーです。
原曲の良さをそのまま活かした、とてもほほえましい演奏だと思います。
6位「Groovy Spirit」(アルバム:Wishbone)
■曲名:Groovy Spirit
■アルバム名:Wishbone
■アルバム名邦題:ウィッシュボーン
■動画リンク:「Groovy Spirit」
このアルバムは問題作です。
レゲエではなく、ソウル・インストというかファンクっぽい音楽をやっています。
このアルバムが取り上げられる文脈はレア・グルーヴばかりで、レゲエファンからはスルーされがちな作品かもしれません。
ちなみにレア・グルーヴについては、以下のような記事を書きました。
当ブログの人気記事の1つですので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
さてこのアルバムのリリース前、彼はカナダのトロントに移住しました。
暖かいジャマイカから、寒いカナダへの移住は珍しいかもしれません。
ただこの頃の彼はとても意欲的でした。
彼はレコード屋を経営したり、Stine-Jacというレーベルを始めたりしました。
Stine-Jacに残した他の音源を聞いても、この頃の彼はファンクにハマっていたことがうかがえます。
7位「Jah Jah Harmony」(アルバム:Rides On)
■曲名:Jah Jah Harmony
■アルバム名:Rides On
■動画リンク:「Jah Jah Harmony」
これもバニー・リー音源の曲です。
先程彼の演奏について、時代によってプレイスタイルが違うと書きました。
この曲の演奏などは、初期と比べると別人と思える演奏に変化しています。
スペーシーという言葉が似合いそうな演奏ではないでしょうか。
よく人は彼を天才だと言いますが、この演奏を聞けばうなづけるかもしれません。
いつの時代もこの人は、テクニックを誇示することはありません。
しっかりリズムをつかまえて、その上でよく歌っている演奏が多いと思います。
しかしその歌わせ方はいつも非凡で、独特の味わいが感じられます。
この曲では、スライ・ダンバーのシンプルで硬質なドラムもいい感じですね。
8位「Evening Time」(アルバム:Evening Time)
■曲名:Evening Time
■曲名邦題:イヴニング・タイム
■アルバム名:Evening Time
■アルバム名邦題:イヴニング・タイム
■動画リンク:「Evening Time」
このアルバムは名義が「Jackie Mittoo & The Soul Vendors」となっています。
この頃のスタジオ・ワンのハウス・バンドは、メンバー構成が同じでも、時期によって呼び方が異なっています。
時系列で並べてみましょう。
・ソウル・ブラザーズ(Soul Brothers)
・ソウル・ヴェンダーズ(Soul Vendors)
・サウンド・ディメンション(Sound Dimension)
ジャッキーは常にこれらのバンドの中心にいて、この時期のスタジオ・ワンのレコーディングをリードする存在でした。
彼らの演奏は、技術的には難しくありません。
この曲でも基本的にピアノがリードし、ジャッキーが瞬間的に音を差し込んでいるだけです。
ただそれだけで唯一無二のノリがありますね。
この種の音楽を語る時、言葉では言い表しにくいところがあります。
「良い雰囲気がある」という言葉では、音楽について語ったことにならないかもしれません。
オーガニックで極上のモンド/ラウンジ・ミュージックだと思います。
ちなみにこのアルバムには、ウェディング・ソングも収録されています。
Jackie Mittoo – Rock Steady Wedding
仲間内の結婚パーティなどで使える曲かもしれません。
9位「Fireball Rock」(アルバム:Tribute to Jackie Mittoo)
■曲名:Fireball Rock
■アルバム名:Tribute to Jackie Mittoo
■アルバム名邦題:トリビュート・トゥ・ジャッキー・ミットゥ
■動画リンク:「Fireball Rock」
このアルバム名は少しまぎわらしいです。
一見トリビュート・アルバムみたいですが、他の人が彼の曲を演奏しているのではありません。
収録されているのは、ジャッキー本人の演奏です。
ただこのアルバムは、彼の追悼アルバムであることは間違いありません。
彼は晩年ニューヨークのレーベル、ワッキーズ(Wackies)で、数枚のアルバムをリリースしています。
それなりに評価されているようですが、打ち込みが多かったり、音色にも違和感もあって、私は今ひとつなじめませんでした。
興味のある方は「Jackie Mittoo At Wackies」や「Wild Jockey」あたりを聞いてみてください。
その後彼は1990年42歳の時、ガンで亡くなっています。
彼はジャマイカで活動した後、カナダに移住したり、ニューヨークのレーベルで作品を発表しています。
しかし彼の死を最も悼んだのは、やはりジャマイカの人々でした。
彼の葬儀は、ジャマイカの首都キングストンにある国立競技場で行われました。
またこのアルバムは、地元スタジオ・ワンと提携しているハートビート(Heartbeat)からリリースされました。
2枚組というボリュームから、彼に対する敬意の程がうかがえます。
10位「Oboe」(アルバム:Keyboard King at Studio One)
■曲名:Oboe
■曲名邦題:オーボエ
■アルバム名:Keyboard King at Studio One
■アルバム名邦題:ザ・キーボード・キング・アット・スタジオ・ワン
■動画リンク:「Oboe」
最後に少し長い曲をご紹介します。
9分38秒という長さですが、屈指の傑作だと思います。
このアルバムはスタジオ・ワン時代の編集盤ですが、「Darker Shade of Black」「Drum Song」などの有名曲が入っていて聞き逃せません。
アルバム名は「Keyboard King at Studio One」ですが、ジャッキーは「Keyboard King」と呼ばれていたようです。
ただ彼は単なるキーボード奏者ではなく、総合力のあるミュージシャンです。
彼はザ・スカタライツ(The Skatalites)という、伝説のスカ・バンドのメンバーとして活動していました。
彼はそのバンドで有名になると、その後もスカ~ロックステディ~レゲエと、時代をまたいで活躍しました。
いつの時代もジャマイカの音楽は、リズムが重要視されます。
彼は今でもよく引用されるリズムを、数多くを生み出したと言われています。
彼は13歳でコクソン・ドットに才能を認められてから、プロとして音楽活動を始めています。
彼がソロ・デビューしたのは1967年ですから、19歳ぐらいでしょうか。
それまでに彼は多くのレコーディングに裏方として参加し、多くのリズム・パターンを生み出しました。
ソロアルバムを聞くだけでは、リズム面の貢献は見えにくいかもしれません。
しかしこの曲などを聞くと、彼の演奏はとリズムと表裏一体の関係にあることがお分かりいただけると思います。
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