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ブラック・ウフル(Black Uhuru)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はブラック・ウフルのランキングを作成しました。

彼らはルーツ・レゲエから始まり、その後徐々にニューウェーヴ色の強いサウンドを取り入れていきました。

私はその時期が一番刺激的だと思います。

このグループは、ロックファンにも受け入れられやすいかもしれません。

レゲエファンはもちろん、ロックファンの方にも聞いていただきたいと思います。

 

1位「Black Uhuru Anthem」(アルバム:Anthem)

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■曲名:Black Uhuru Anthem
■曲名邦題:ブラック・ウフルー・アンセム
■アルバム名:Anthem
■アルバム名邦題:アンセム
■動画リンク:「Black Uhuru Anthem」

このグループは「Red」「Chill Out」「Anthem」の三部作が全盛期と言われています。

特にこのアルバムは、グラミー賞の最優秀レゲエアルバムを受賞しています。

しかし看板シンガーのマイケル・ローズ(Michael Rose)は、このアルバムを最後に脱退してしまいました。

脱退の理由は、ダッキー・シンプソン(Derrick “Duckie” Simpson)との関係が悪化したことだそうです。

ただ私は音楽的な理由もあったのではないかと推測しています。

というのはマイケルの初ソロアルバム「プラウド(Proud)」を聞くと、HOUSEやHIPHOP色が強まっていて、路線を変えているからです。

一方ブラック・ウフルも音楽性を変えましたが、目指していた方向性は異なります。

ソロ時代の曲も悪くありませんが、少し湿り気を帯びたボーカルスタイルは、レゲエでこそ映えるかもしれません。

マイケルの声はこの曲にとてもよく合っているように思います。

 

2位「Sistren」(アルバム:Red)

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■曲名:Sistren
■曲名邦題:シストリン
■アルバム名:Red
■アルバム名邦題:レッド
■動画リンク:「Sistren」

この曲はあまり話題になることはありませんが、私は大好きな曲です。

この曲の魅力はリズムです。

リズムを担当するのは、当時レゲエという範囲を超えて活躍していたスライ&ロビー(Sly and Robbie)の2人。

ドラム:スライ・ダンバー(Sly Dunbar)
ベース:ロビー・シェイクスピア(Robbie Shakespeare)

この曲はリズムが主役で、特にロビーのベースが大活躍しています。

チョッパーっぽいフレーズを織り交ぜながら躍動していますね。まさに変幻自在。

ドラムのスライ・ダンパーもすばらしく、時々入るダブの残響処理も大変スリリングです。

 

3位「I Create」(アルバム:Positive)

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■曲名:I Create
■曲名邦題:アイ・クリエイト
■アルバム名:Positive
■アルバム名邦題:ポジティヴ
■動画リンク:「I Create」

この曲は、隠れ名曲だと思います。

この時期彼らは過渡期でした。

前々作を最後にマイケル・ローズが脱退し、前作の後にはピューマ・ジョーンズ(Puma Jones)が、病気を理由に脱退しています。

マイケルの後任はジュニア・リード(Junior Reid)、ピューマ・ジョーンズの後任はオラファンケ(Olafunke)が埋めました。

ジュニア・リードであれば華もありますし、実力的にもマイケルの後釜としてはうってつけです。

またピューマ・ジョーンズは愛らしい存在感がありましたが、あまりソロでボーカルをとるタイプではありませんでした。

その点オラファンケは、ソロでボーカルを取れるタイプです。

前作「ブルータル(Brutal)」はヒット曲「グレイト・トレイン・ロバリー(Great Train Robbery)」が収録されていますし、それほど悪い出来ではありませんでした。

しかし私はルーツ色が戻ってきた、こちらの作品に軍配を挙げたいと思います。

この曲で彼らは、この悲惨な世界で創造することの意味を問いかけています。

まさにコンシャスな1曲といえるでしょう。

 

4位「Sponji Reggae」(アルバム:Red)

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■曲名:Sponji Reggae
■曲名邦題:スポンジ・レゲエ
■アルバム名:Red
■アルバム名邦題:レッド
■動画リンク:「Sponji Reggae」

まず「スポンジ・レゲエ」という曲名が何を指しているのか、歌詞を読んでも分かりませんでした。

スポンジは中身がスカスカですから、当時のレゲエ・シーンを批判しているという人もいます。

私が歌詞で注目したのは「ロックしよう」と繰り返していることです。

このバンドはレゲエファンにも人気がありますが、ロックリスナーに高く評価されていることが特徴です。

彼らは元々、硬派のルーツ・レゲエから始まりました。

初期の「ブラック・サウンズ・オブ・フリーダム(Black Sounds of Freedom)」「ゲス・フーズ・カミング・トゥ・ディナー(Guess Who’s Coming To Dinner)」を聞くと、よりルーツ色の強いサウンドを聞くことができます。

しかし彼らがロックファンに受けたのは、単に曲が分かりやすかったからかもしれません。

つまり単純に曲の魅力があるということ。

私はこれまでの経験から、ロック系のリスナーでコンシャスなルーツ・レゲエを好む人は多くないと感じています。

その点このバンドの場合は、曲に分かりやすい魅力があるので、ロックファンにもおすすめできます。

 

5位「Right Stuff」(アルバム:Chill Out)

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■曲名:Right Stuff
■曲名邦題:ライフ・スタッフ
■アルバム名:Chill Out
■アルバム名邦題:チル・アウト
■動画リンク:「Right Stuff」

ニューウェーブ・ファンクといえる曲です。

ミッドナイト・スター(Midnight Star)みたいなボコーダーが特徴的ですね。

このアルバムは特にニューウェーヴ色が強く、この曲のように普通のレゲエとは少し違ったタイプの曲が多いです。

アルバムのタイトル「Chill Out」は「落ち着け」みたいな意味ですが、むしろ刺激的かもしれません。

その分正統派レゲエファンには、受けが悪いかもしれませんが。

今回私が聞きなおして最も再発見が多かったのが、このアルバムです。

後でこのアルバムからもう1曲、タイトル曲をご紹介しています。

もしこの2曲が気に入ったら、アルバム単位でチェックしてみてください。

 

6位「Vampire」(アルバム:Sinsemilla)

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■曲名:Vampire
■曲名邦題:ヴァンパイア
■アルバム名:Sinsemilla
■アルバム名邦題:シンセミラ
■動画リンク:「Vampire」

1980年アイランド・レコード(Island Records)からリリースされたアルバムです。

当時同じくアイランド所属のボブ・マーリー(Bob Marley)は、世界的な人気を獲得していました。

アイランドは新しいレゲエのスターを発掘しようし、彼らはその候補として期待されたようです。

彼らは期待に応えて、すばらしいアルバムをつくり上げました。

このアルバムは以前のアルバムと違って、ポップな音楽性を打ち出しています。

「Red」始めとした全盛期の音楽性は、このアルバムから始まったといってもいいでしょう。

私があまり好きではないシンセ・ドラムが入っているので、その点はマイナスですが。

この曲以外では、以下もおすすめです。

Black Uhuru – Sinsemilla

ちなみに「Sinsemilla」とは「催眠性の高いマリファナ」のことだそうです。

そのせいかジャケットの3人も、少し眠たそうに見えますね。

 

7位「Chill Out」(アルバム:Chill Out)

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■曲名:Chill Out
■曲名邦題:チル・アウト
■アルバム名:Chill Out
■アルバム名邦題:チル・アウト
■動画リンク:「Chill Out」

先程ご紹介したニューウェーヴに接近したアルバムから、アルバムタイトル曲をご紹介します。

この曲もやはり典型的なレゲエのリズムとは言い難いかもしれません。

レゲエという音楽は、ディープなボーカルやコーラス、ダブなど様々な聞きどころがあります。

しかし一番といえば、リズムの魅力ではないでしょうか。

レゲエのリズムについては、裏拍でスチャ・スチャみたいなものを想像する人が多いかもしれません。

これがど真ん中のレゲエみたいなものもありますが、必ずしもそういうものばかりではありません。

ダンス・ホールレゲエの曲を聞くと、全く違う世界ですし。

いっそのことレゲエとはリズムで遊んでいる音楽のことを指していると思った方がいいかもしれません。

この曲はゴリゴリと低くうごめいているベースが心地よいです。

 

8位「Elements」(アルバム:Anthem)

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■曲名:Elements
■曲名邦題:エレメンツ
■アルバム名:Anthem
■アルバム名邦題:アンセム
■動画リンク:「Elements」

コアなレゲエファンと話すと、音楽が好きなだけでないと感じることがあります。

レゲエは、とても人間らしい音楽だと思います。

またレゲエの歌詞を読むと、我々はバビロン・システムの下で抑圧されているという内容が多いかもしれません。

よくルーツ・レゲエの曲には、少し暗いというか陰鬱な曲調の曲がありますが、そういう曲は抑圧された状況を表現していたりします。

その後、その支配を打破しようというパターンです。

彼らはその先に、より人間らしい喜びの世界を見ているようですね。

この歌詞でも、自然の美しさや愛がもたらす喜び、その一方で明日のパンを得る為に戦おうと訴えています。

ちなみに「Black Uhuru」の「Uhuru」は、スワヒリ語で「自由」という意味です。

 

9位「Youth of Eglington」(アルバム:Red)

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■曲名:Youth of Eglington
■曲名邦題:エリントンの青春
■アルバム名:Red
■アルバム名邦題:レッド
■動画リンク:「Youth of Eglington」

今回聞きなおして、やはりこのアルバムが最高傑作だと再確認しました。

RollingStone誌の「1980年代の最高のアルバム100枚」でも23位にランクインしていますし。

中でもこの曲は、先程挙げた「スポンジ・レゲエ」と並ぶ彼らの定番曲です。

このアルバムは他にも取り上げたい曲が多く、特にアルバムのA面にあたる4曲は強力な曲がそろっています。

惜しくもご紹介できなかった曲も、リンクだけ貼っておきましょう。

Black Uhuru – Journey

この曲は彼らの中で、最もダンスホールで機能しそうな曲の1つです。

私は長年この曲のエリントンとは、デューク・エリントン(Duke Ellington)のことだと思っていました。

しかし先程スペルを見たところ、綴りが違うことに気が付きました。

この曲の「Eglington」とは都市の名前で、そこで生きることの過酷さが歌われています。

 

10位「What Is Life?」(アルバム:Anthem)

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■曲名:What Is Life?
■曲名邦題:ホワット・イズ・ライフ
■アルバム名:Anthem
■アルバム名邦題:アンセム
■動画リンク:「What Is Life?」

さて最後にピューマ・ジョーンズについて触れておきたいと思います。

デリック・シンプソンやマイケル・ローズはジャマイカ人ですが、彼女はアメリカ人です。

彼女はアメリカで生まれ、コロンビア大学を卒業しています。

コロンビア大学は世界の大学ランキングで16位で、東京大学が36位ですから、エリートと呼んでもいいかもしれません。

しかも彼女は修士ですから、後期博士課程に進めば、教授の道もあったような人です。

ビジネスの道に進めば、将来の成功は約束されていたことでしょう。

しかし彼女はソーシャル・ワーカーの道を選びました。

ソーシャル・ワーカーとは、生活に困っていたり、問題を抱えている人を支援する仕事です。

あえてその道を選んだことに、彼女の人間性が伺えるかもしれません。

その後彼女は、自分のルーツを発見したいと思い立ち、ジャマイカに移住することにしました。

そこで彼女はブラック・ウフルに参加することになりました。

しかし彼女は「Positive」のレコーディング前に乳がんが見つかり、グループを脱退することになります。

彼女は1990年、36歳の若さで亡くなりました。

この曲は「人生とは何か」と問いかけている曲です。

やはりここでも「生き残るために戦わなければいけない」と訴えています。

曲の最後は「人生はごちそうだ」と締めくくられていますが、とても良い言葉ですね。

 

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