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リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はリンダ・ロンシュタットのランキングを作成しました。

基本的に彼女は自分で曲を書きません。

しかしいち早く有望なシンガーソングライターの曲を取り上げて紹介してくれました。

良い曲を取り上げ、その魅力を活かして歌う。

そのシンプルな方法論は、彼女を1970年代のアメリカを代表する歌姫に押し上げました。

 

1位「Lose Again」(アルバム:Hasten Down The Wind)

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■曲名:Lose Again
■曲名邦題:またひとりぼっち
■アルバム名:Hasten Down The Wind(1976年)
■アルバム名邦題:風にさらわれた恋
■動画リンク:「Lose Again」

この曲はカーラ・ボノフが書いた曲です。

冒頭から「Save me Free me」つまり「私を救って、私を解放して」という歌詞で始まっています。

この曲の主人公の女性は、交際相手の男性と別れる決心をしました。

しかし男性は彼女を引き留めようとしません。

彼女はまだ男性のことを愛しているのもかかわらず。

彼を失ってまた一人になった

そういう内容の歌詞です。

苦い思いを赤裸々に告白している曲です。

このリンダの名唱によって、カーラ・ボノフ(Karla Bonoff)は、一躍注目を浴びることになりました。

 

2位「I Will Always Love You」(アルバム:Prisoner In Disguise)

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■曲名:I Will Always Love You
■曲名邦題:アイ・ウィル・オールウェイズ・ラヴ・ユー
■アルバム名:Prisoner In Disguise(1975年)
■アルバム名邦題:哀しみのプリズナー
■動画リンク:「I Will Always Love You」

この曲はホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の大ヒットで知られています。

しかしオリジナルはドリー・パートン(Dolly Parton)です。

原曲を引用しておきましょう。

Dolly Parton – I Will Always Love You

リンダはフェイクを多用するタイプのシンガーではありません。

いつもメロディをストレートに解釈していますが、それはメロディが良い曲の場合に極めて有効です。

素材の良さを活かすタイプの歌手といってもいいかもしれません。

リンダのカバーは、ドリー・パートンの良さを継承し素朴なカントリー・バラードに仕上がっています。

 

3位「Blue Bayou」(アルバム:Simple Dreams)

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■曲名:Blue Bayou
■曲名邦題:ブルー・バイユー
■アルバム名:Simple Dreams(1977年)
■アルバム名邦題:夢はひとつだけ
■動画リンク:「Blue Bayou」

このアルバムが発売された1977年頃、彼女はアメリカを代表する歌手でした。

このアルバムはアルバム・チャート1位、この曲はシングル・チャート3位を記録しています。

同じく大ヒットしたセカンド・シングルの「イッツ・ソー・イージー(It’s So Easy)」は、リンクだけ貼っておきましょう。

Linda Ronstadt – It’s So Easy

「It’s So Easy」は、1958年にリリースされた曲でバディ・ホリー(Buddy Holly)がオリジナルです。

一方「Blue Bayou」は、1963年の曲で、ロイ・オービソン(Roy Orbison)がオリジナルです。

どちらも古い曲なのですね。

リンダのバージョンがヒットしたことによって、当時の若者は古い音楽の良さを再認識したそうです。

 

4位「Willin’」(アルバム:Heart Like A Wheel)

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■曲名:Willin’
■曲名邦題:ウィリン
■アルバム名:Heart Like A Wheel(1974年)
■アルバム名邦題:悪いあなた
■動画リンク:「Willin’」

このアルバムは初の全米1位を記録しました。

今作からは「悪いあなた(You’re No Good)」「いつになったら愛されるのかしら(When Will I Be Loved)」という、2つのヒット曲が生まれています。

今回はどちらも選外となりましたが、リンクだけ貼っておきましょう。

Linda Ronstadt – You’re No Good

Linda Ronstadt – When Will I Be Loved

代わりに私が選んだのは、リトル・フィート(Little Feat)のローウェル・ジョージ(Lowell George)が書いたこの名曲です。

このアルバムがヒットしたのは、製作体制の変更が影響したかもしれません。

特に前作にも一部参加していたプロデューサーのピーター・アッシャー(Peter Asher)、そして演奏面のキーマンでアレンジも担当したアンドリュー・ゴールド(Andrew Gold)の貢献が大きいように思います。

洗練されすぎず、カントリーらしさを残したさじ加減が絶妙です。

 

5位「Someone to Lay Down Beside Me」(アルバム:Hasten Down The Wind)

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■曲名:Someone to Lay Down Beside Me
■曲名邦題:誰か私のそばに
■アルバム名:Hasten Down The Wind(1976年)
■アルバム名邦題:風にさらわれた恋
■動画リンク:「Someone to Lay Down Beside Me」

若い頃のリンダはやんちゃな人だったようです。

中学時代から、かなりのツッパリ[3]。

『タイム』のインタビューで「子供の頃からブリジット・バルドーが大好きで、どうしたらBBのようにセクシーになれるか、そればかり考えていた」などと話し[3]、

カトリック系の学校で、太ももに答えを書いてカンニングして、試験官の若いお坊さんが目をそらしている隙に答えを書いたりして、尼さんたちにずいぶん睨まれたという[3]。

リンダ・ロンシュタット ウィキペディア

彼女はソロ・デビュー前には既にその美貌で注目を浴びる存在でした。

当時の衣装はホット・パンツやミニ・スカートも多く、このアルバムもノーブラのエロ・ジャケです。

彼女は若い頃、自分のセクシーさを有効活用していました。

しかしその間彼女は歌を磨いて、若い女の子ではなくなった頃には、歌だけで評価されるようになっていました。

2014年には「ロックの殿堂」に選ばれています。

彼女の作戦勝ちかもしれません。

 

6位「Heat Wave」(アルバム:Prisoner In Disguise)

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■曲名:Heat Wave
■曲名邦題:ヒート・ウェイヴ
■アルバム名:Prisoner In Disguise(1975年)
■アルバム名邦題:哀しみのプリズナー
■動画リンク:「Heat Wave」

彼女は最先端や洗練を売りにしていた人ではありません。

古い曲を取り上げる、隣のお姉さん的存在だったと思います。

しかしそんな女性シンガーは、アメリカには数えきれないほどいたはず。

それに彼女は自分で作詞作曲しませんから、個性をアピールしにくかったかもしれません。

しかしその代わりに、彼女は自分に合った曲を見つける嗅覚にすぐれていました。

この曲のオリジナルは、マーサ&ザ・ヴァンデラス(Martha and the Vandellas)です。

彼女はこの有名曲を見事ものにしていますね。

良い曲を見つけ原曲の魅力を引き出すことで、結果的にシンガーとしての価値を認めさせる。

彼女が成功した背景には、そうした逆算的な方法論があったように思います。

もし彼女がアーティスト・エゴにより自作曲ばかり歌っていたら、ここまで評価されていなかったかもしれません。

 

7位「If He’s Ever Near」(アルバム:Hasten Down The Wind)

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■曲名:If He’s Ever Near
■曲名邦題:彼にお願い
■アルバム名:Hasten Down The Wind(1976年)
■アルバム名邦題:風にさらわれた恋
■動画リンク:「If He’s Ever Near」

今回の選曲は、いつも以上に私の好みを反映しています。

その為ヒット曲や有名曲より、自分が良いと思う曲を選んでいます。

ただ文中のリンクで有名曲のリンクを貼っておきました。

彼女の最高傑作としては「Heart Like a Wheel」を挙げる人が多いかもしれません。

しかし私はこのアルバムを推します。

このアルバムにはカーラ・ボノフ提供の決定的な3曲が入っているからです。

リンダとカーラは本当に良い組み合わせですね。

1989年のアルバム「クライ・ライク・ア・レインストーム(Cry Like A Rainstorm, Howl Like The Wind)」でも、カーラの曲があります。

Linda Ronstadt – All My Life

カーラの曲は地味ですが、じんわり沁みてきます。

 

8位「Rock Me on the Water」(アルバム:Linda Ronstadt)

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■曲名:Rock Me on the Water
■曲名邦題:ロック・ミー・オン・ザ・ウォーター
■アルバム名:Linda Ronstadt(1972年)
■アルバム名邦題:リンダ・ロンシュタット・ウィズ・グレンフライ/ランディ・メイズナー/ドン・ヘンリー
■動画リンク:「Rock Me on the Water」

彼女は元々ストーン・ポニーズ(Stone Poneys)のメンバーとしてデビューしました。

その後バンドは解散し、ソロで「ハンド・ソーン…ホーム・グローン(Hand Sown…Home Grown)」「シルク・パース(Silk Purse)」という2枚のアルバムを発表しました。

このサード・アルバムは、初期カントリー・ロック路線の集大成といえるかもしれません。

このアルバムの邦題は、「リンダ・ロンシュタット・ウィズ・グレンフライ/ランディ・メイズナー/ドン・ヘンリー」。

邦題の通り、このアルバムはイーグルス(Eagles)のメンバーが参加しています。

ただ2つ気付いたことがあります。

1つは「ランディ・マイズナー」ではなく「ランディ・メイズナー」になっていることですが、どうでもいいですね(笑)

もう1つはバーニー・レドン(Bernie Leadon)も参加しているのに、省略されていること。

そんな些末な話はさておき、この曲は初期の素朴なリンダの歌が魅力です。

 

9位「Ooh Baby Baby」(アルバム:Living In The U.S.A.)

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■曲名:Ooh Baby Baby
■曲名邦題:ウー・ベイビー・ベイビー
■アルバム名:Living In The U.S.A.(1978年)
■アルバム名邦題:ミス・アメリカ
■動画リンク:「Ooh Baby Baby」

このアルバムも邦題に注目です。

オリジナルは「Living In The U.S.A.」ですから「アメリカ在住」という意味ですから、いささかおもしろ味がありません。

それを「ミス・アメリカ」と名付けた担当者は良い仕事をしました。

実際このアルバムは名前負けしていません。

他にもエルヴィス・コステロ(Elvis Costello)の「アリソン(Alison)」などのカバーが収録されています。

前述したように彼女は原曲の良さを活かす人ですから、良い曲がそろえば自ずから良いアルバムになります。

ただここまでが彼女の全盛期といえるかもしれません。

1980年にリリースされた次作「激愛(Mad Love)」はヒットしましたが、音楽性が変わりましたし、少し出来が落ちるかもしれません。

ホリーズ(The Hollies)の「アイ・キャント・レット・ゴー(I Can’t Let Go)」など、相変わらず選曲は良いのですが。

1980年代以降の彼女はロック色を強めたり、ジャズのアルバムをリリースするなど試行錯誤が続きました。

現在彼女はパーキンソン病を患って引退しているようです。

 

10位「Sail Away」(アルバム:Don’t Cry Now)

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■曲名:Sail Away
■曲名邦題:セイル・アウェイ
■アルバム名:Don’t Cry Now(1973年)
■アルバム名邦題:ドント・クライ・ナウ
■動画リンク:「Sail Away」

このアルバムでは、イーグルスの「ならず者(Desperado)」とニール・ヤング(Neil Young)の「アイ・ビリーヴ・イン・ユー(I Believe in You)」のカバーが聞きものです。

その中からランディ・ニューマン(Randy Newman)のカバーを選んでみました。

このアルバムのキーマンは、当時の恋人、JDサウザー(J.D. Souther)です。

当時の写真を探してみました。

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ヤギ顔のJDとタヌキ顔のリンダは、お似合いの2人です。

JDは「ファスト・ワン(The Fast One)」など自作曲も提供し、演奏にも参加していました。

愛らしい彼女が売れてほしいと、JDはさぞかし奮闘したことでしょう。

その献身もあってこのアルバムは45位を記録し、次作「Heart Like A Wheel」で彼女がブレイクする布石となりました。

 

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