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ジョン・スコフィールド(John Scofield)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はジョン・スコフィールドのランキングを作成しました。

この人のギター・プレイには多彩な魅力がありますが、2つの時期を中心に選曲してみました。

1つはフュージョン期で、もう1つはジャム・バンドと共演した時期です。

その2つの時期はそれぞれ全く異なる特徴があって、特に名演が多いように思いました。

 

1位「A Go Go」(アルバム:A GO GO)

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■曲名:A Go Go
■曲名邦題:A GO GO
■アルバム名:A Go Go
■アルバム名邦題:A GO GO
■動画リンク:「A Go Go」

このアルバムでは、メデスキ、マーティン・アンド・ウッド(Medeski Martin & Wood)との共演が話題になりました。

メデスキ、マーティン・アンド・ウッドは、ジャム・バンド出身のトリオです。

ジャム・バンドは、即興演奏を重視しています。

その意味でジャズ出身のジョン・スコフィールド(以降、ジョンスコ)と相性がいいかもしれません。

彼のギターは、よくウネウネしていると形容されます。

しかしジャム・バンドと共演するようになってから、シンプルで短いフレーズを多用するようになりました。

ただスタイルを変えたにもかかわらず、不思議と魅力はそのまま維持しています。

この人は弾ききまくっても、弾きまくらなくても、どちらでもHIPなところはそのままなのですね。

この曲では、ジョン・メデスキ(John Medeski)のオルガンも見事です。

 

2位「You Bet」(アルバム:Grace Under Pressure)

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■曲名:You Bet
■曲名邦題:ユー・ベット
■アルバム名:Grace Under Pressure
■アルバム名邦題:グレイス・アンダー・プレッシャー
■動画リンク:「You Bet」

ジョンスコの魅力は、初めて聞く方には少々分かりにくいかもしれません。

実は私も理解するのに時間がかかりました。

私が彼の魅力に開眼するきっかけとなったのがこの曲。

この曲でも彼独自のクセが感じられますが、他の演奏に比べたら少し抑えめかもしれません。

この曲がジョンスコ初心者におすすめなのは、他のギタリストと共演しているからです。

タイプの違うプレイヤーとの共演だと、比較対象がある分、個性を把握しやすいかもしれません。

この曲では、ビル・フリゼール(Bill Frisell)と共演しています。

最初のギターはジョンで、その次にビルが演奏しています。

まずジョンスコが伸びやかで天然っぽい演奏をしていますが、その後のビルの演奏も聞き逃せません。

試しに3:19からをお聞きください。

ビルの演奏はトーンを調整したような感じで始まっていますが、この淡い音像がまた絶品です。

私はこの曲で、2人のギタリストの魅力を知りました。

この2人はマーク・ジョンソン(Marc Johnson)の名作「セカンド・サイト(Second Sight)」で共演しています。

 

3位「The Nag」(アルバム:Blue Matter)

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■曲名:The Nag
■曲名邦題:ザ・ナグ
■アルバム名:Blue Matter
■アルバム名邦題:ブルー・マター
■動画リンク:「The Nag」

彼はキャリアを通じて、コンスタントにすばらしい作品を発表しています。

近年は「パスト・プレゼント(Past Present)」「カントリー・フォー・オールド・メン(Country for Old Men)」で、グラミー賞を受賞しています。

そういったナチュラルでジャズっぽいアルバムも、すばらしい作品には違いありません。

しかし私が彼に求めているのは、リズムに触発されて奇妙なフレーズを連発する演奏です。

たとえばこの曲をお聞きください。

ファンキーなベースと疾走する重戦車のようなドラムに煽られて、ギターがメラメラと燃え上がってきます。

特に1:27からのプレイは圧巻で個性的なフレーズを連発しています。

一番の聞きどころは、3:05から2秒ぐらい。

テンションが上がりすぎたのか、ド変態なフレーズを差し込んでいます。

変だけれど、とてもカッコいい演奏をする人です。

 

4位「All the Things You Are」(アルバム:Flat Out)

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■曲名:All the Things You Are
■曲名邦題:オール・ザ・シングス・ユー・アー
■アルバム名:Flat Out
■アルバム名邦題:フラット・アウト(鯔背)
■動画リンク:「All the Things You Are」

今回はジョンスコの魅力をお伝えすべく、分かりやすい曲を多めにしています。

この曲は少し難しい方かもしれません。

しかしあまりに才気煥発な演奏なので、ご紹介せずにはいられません。

彼はスケールアウトの達人と言われています。

スケールアウトとは和音や流れに合わない音を鳴らすこと。

本来は禁じ手みたいなものですが、うまく取り入れると音楽に刺激とダイナミズムを与えます

ただこの人のスケールアウトは豪快すぎるかもしれませんが。

100メートル走で、急に隣のレーンにジャンプするかのような反則的な演奏があったりします。

たとえばこの曲も、かなり調子っぱずれに聞こえるかもしれません。

しかし奔放な乱調ぶりがスリリングで、その結果とてもクリエイティヴな演奏になっています。

この有名なジャズのスタンダードナンバーを、こう解釈するのかという驚きもありますし。

彼の演奏のすごさは、必ずしも技術面だけではないかもしれません。

もちろん技術面も間違いありませんが、彼にはここでこう弾くかという驚きを与えるセンスがあります。

タイプこそ違いますが、ジェフ・ベック(Jeff Beck)と同じように模倣困難な人だと思います。

 

5位「Rule of Thumb」(アルバム:Still Warm)

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■曲名:Rule of Thumb
■曲名邦題:ルール・オブ・サム
■アルバム名:Still Warm
■アルバム名邦題:スティル・ウォーム
■動画リンク:「Rule of Thumb」

このアルバムでは「ピック・アンド・パン(Picks and Pans)」や「プロトコル(Protocol)」もしくは「テクノ(Techno)」をご紹介すべきかもしれません。

しかし私はあえてこの曲を選んでみました。

この曲は彼にしては珍しくアーバン・ソウルっぽいです。

この頃の彼にしてはクセが抑え気味ですが、思わずメロディアスな演奏に耳を奪われてしまいます。

聞きどころは5:32以降のところ。

あまりに美しくエモーショナルなプレイではないでしょうか。

夜景を見ながらワインを片手にお聞きください(笑)

 

6位「Every Night Is Ladies Night」(アルバム:Up All Night)

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■曲名:Every Night Is Ladies Night
■アルバム名:Up All Night
■アルバム名邦題:アップ・オール・ナイト
■動画リンク:「Every Night Is Ladies Night」

さて再度ジャム・バンド時代の曲をご紹介しましょう。

一般にジャム・バンドで用いられるリズムは、バリエーションがとても多彩です。

この曲などは、1970年代のファンクっぽいかもしれません。

ただ同時にHIPHOPを通過してきた新しい感覚も感じられます。

先程ジャム・バンドとの共演期は、以前ほどギターを弾きまくらなくなったと書きました。

古くからのファンは、その点で少し物足りないかもしれません。

しかしこの曲ではいなたいフレーズを織り交ぜながら、ギターがよく歌っています。

確かに昔と比べて派手な演奏ではないかもしれません。

ただバンド全体で醸すグルーヴの中では、とても機能しているギターだと思います。

他にも同じような曲をご紹介しておきましょう。

John Scofield – Kelpers

こちらもジェームス・ブラウン(James Brown)みたいな曲です。

 

7位「Three Sisters」(アルバム:Bump)

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■曲名:Three Sisters
■曲名邦題:スリー・シスターズ
■アルバム名:Bump
■アルバム名邦題:バンプ
■動画リンク:「Three Sisters」

これもジャム・バンド時代の曲です。

この頃は、ウネウネとした長いフレーズを紡ぎ出すことは少なくなりました。

肩の力を抜いたような脱力的で短いフレーズを多用するようなっています。

しかしこの曲の4:25ぐらいからをお聞きください。

このねじれ感覚は昔からの特徴ですが、いまだ健在であることがお分かりいただけると思います。

また5:06からを聞くと、トリッキーなところも残っているようです。

確かにこの曲でも弾きまくっていませんが、ブルージーな持ち味やねじれ感、トリッキーなところは健在です。

まるでクセ毛の強い人が髪を短くしても、クセが残っている感じと似ているかもしれません。

 

8位「Curtis Knew」(アルバム:Uberjam Deux)

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■曲名:Curtis Knew
■曲名邦題:カーティス・ニュウ
■アルバム名:Uberjam Deux
■アルバム名邦題:ウーバージャム・ドゥ
■動画リンク:「Curtis Knew」

このアルバム「Uberjam Deux」は「ウーバージャム(Uberjam)」の続編です。

時系列で彼の音楽を追っていくと、個人の演奏主体の音楽から、音楽全体を重視する方向にシフトしてきたように感じます。

またジャンル的にも幅が広がりました。

特に近年は、フォーキー、カントリー、ゴスペルなど、古い音楽への関心を高めています。

この曲はカーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)に捧げた曲だと思われます。

ご存知の方は、思わず「Move On Up!」と叫びたくなるかもしれません。

他にはこういう曲もあります。

John Scofield – Al Green Song

誰が聞いてもアル・グリーン(Al Green)な曲で、素直な解釈ぶりにほほえましさすら感じます。

 

9位「True Love」(アルバム:Loud Jazz)

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■曲名:True Love
■曲名邦題:トゥルー・ラヴ
■アルバム名:Loud Jazz
■アルバム名邦題:ラウド・ジャズ
■動画リンク:「True Love」

この人は元々エンヤ・レコード(Enja Records)で名を挙げました。

その頃の決定的な名演をご紹介しておきましょう。

John Scofield – Softly, as in a Morning Sunrise

当時はもっとジャズっぽい活動をしていましたが、もう既に彼の個性が表れていることが分かります。

その後彼は様々なバンドに参加した後、マイルス・デイビス(Miles Davis)のバンドに加入することになりました。

彼はそこで受けた刺激をソロ活動に持ち帰って、全盛期ともいえるグラマヴィジョン(Gramavision)期を迎えました。

グラマヴィジョン期はとにかく傑作ぞろいで、神がかっていたと言っても過言ではありません。

このアルバムは、その時期の傑作の1つ。

ご存じの方からは、このアルバムだったらアルバム・タイトル曲か「オテイ(Otay)」だろうという声が聞こえてきそうです。

もちろんそれらもすばらしいと思います。

しかしこの記事の主目的であるジョンスコ初心者におすすめするとしたら、この曲あたりがいいように思いました。

私も大好きな曲ですし。

物足りない方は、次の曲で完全燃焼していただければと思います。

 

10位「Trim」(アルバム:Pick Hits Live)

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■曲名:Trim
■曲名邦題:トリム
■アルバム名:Pick Hits Live
■アルバム名邦題:ピック・ヒッツ・ライブ
■動画リンク:「Trim」

1位になってもおかしくない曲ですが、16分を超える長さということもあり最後にご紹介してみました。

この時期の彼は共演者に恵まれていました。

特に重要なのは、ドラムのデニス・チェンバース(Dennis Chamber)です。

デニスのドラムは手数が多いのに重心が低くて、体幹の強そうなリズムを叩き出す人。

特にこの曲はデニスなしでは成立しないぐらい、ドラムが目立っています。

曲の終わり間際の2分ほどは、彼が主役になりそうなほど。

しかしジョンスコも負けてはいません。

ジョンスコはソニー・ロリンズなどと同じく、ドラムから煽られてこそ真価を発揮する人。

時に音楽では1+1が3にも10にもなることがあります。

この曲でもそうした化学反応が起こっています。
 

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