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ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はブライアン・ウィルソンのランキングを作成しました。

この人はいわずと知れたビーチボーイズ(The Beach Boys)のメンバーです。

ここではソロ・アルバムからの曲限定で選曲してみました。

 

1位「Let It Shine」(アルバム:Brian Wilson)

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■曲名:Let It Shine
■曲名邦題:レット・イット・シャイン
■アルバム名:Brian Wilson(1988年)
■アルバム名邦題:ブライアン・ウィルソン
■動画リンク:「Let It Shine」

このアルバムがリリースされた時、日本の音楽ジャーナリズムの熱狂ぶりはすさまじかったようです。

しかしこのアルバムは欧米ではそれほど売れていません。

アメリカのアルバム・チャートでは最高54位で、イギリスではチャートインすらしませんでした。

NME誌などいくつかの雑誌では絶賛されましたが、日本とはかなり温度差があったようです。

しかし私は日本の反応の方が正しかったと思います。

単なるノスタルジーではなく、大変すばらしい作品ですから。

この曲はジェフ・リン(Jeff Lynne)との共作ですが、完全にブライアンの音楽になっています。

 

2位「Your Imagination」(アルバム:Imagination)

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■曲名:Your Imagination
■曲名邦題:ユア・イマジネーション
■アルバム名:Imagination(1998年)
■アルバム名邦題:イマジネーション
■動画リンク:「Your Imagination」

企画アルバムを除いた3枚目のソロ・アルバムからの曲です。

この曲の主人公は孤独を感じた時、ある人のことを思い出しました。

その人はブライアンの手を取ると笑顔になり、なぜブライアンが孤独を感じているか理解できないと言いました。

するとブライアンは「孤独などないのだな」と気が付くという歌詞です。

ブライアンはソロ・アルバムをリリースしてからも、精神の病に苦しんでいました。

このアルバムの頃も「誰かが自分を殺しに来るのではないか」という妄想にとりつかれていたようです。

ただこのアルバムは、とても明るい表情を感じる作品でした。

時にポップスという音楽には、こういう明と暗を同時に含んでいます。

 

3位「Surf’s Up」(アルバム:Smile)

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■曲名:Surf’s Up
■曲名邦題:サーフズ・アップ
■アルバム名:Smile(2004年)
■アルバム名邦題:スマイル
■動画リンク:「Surf’s Up」

ビーチ・ボーイズには、未完成のままお蔵入りになった「Smile」という幻のアルバムがあります。

その伝説は多くのファンの想像力をかき立てました。

まだ若かった頃の私はアルバイトに精を出し、高価な「Smile」音源の海賊盤を買い漁りました。

ほどんどのアルバムを持っているのに、一部曲の配列が「Smile」っぽいというだけで「グッド・バイブレーションズ(Good Vibrations: Thirty Years Of The Beach Boys)」というボックスセットを買いましたし。

私は自家製の「Smile」を選曲してCD-Rを焼いて聞いていました。

私は幻を追い続け、断片的な曲を聞いては想像力をふくらませていたのです。

しかしブライアンはソロ・アルバムで「Smile」を再現してくれました。

ただ私はこの曲のこのバージョンよりも、海賊盤バージョンの方が好きかもしれません。

ともあれこのアルバムがリリースされた時、もう幻影を追いかけなくて済むと安堵しました。

 

4位「Forever She’ll Be My Surfer Girl」(アルバム:That Lucky Old Sun)

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■曲名:Forever She’ll Be My Surfer Girl
■曲名邦題:永遠のサーファー・ガール
■アルバム名:That Lucky Old Sun(2008年)
■アルバム名邦題:ラッキー・オールド・サン
■動画リンク:「Forever She’ll Be My Surfer Girl」

ブライアンがサーフィンを歌っているだけで、涙ものの曲です。

ブライアンのソロ活動は、決して順調ではありませんでした。

セカンドとしてリリースされるはずの「スウィート・インサニティ(Sweet Insanity)」は、完成したにもかかわらずお蔵入りになっています。

ただこの頃彼は症状が良かったらしく、ライブを精力的にこなしていました。

この頃彼の周囲には、彼の音楽を聞いて育った若く才能のあるミュージシャンがいて、ブライアンを献身的にサポートしていました。

ジェフリー・フォスケット(Jeffrey Foskett)、ワンダーミンツ(The Wondermints)のダリアン・サハナジャ(Darian Sahanaja)、スコット・ベネット(Scott Bennett)といった人たちです。

彼らに支えられながら、ブライアンはこのアルバムでセルフ・プロデュースしています。

 

5位「Orange Crate Art」(アルバム:Orange Crate Art)

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■曲名:Orange Crate Art
■曲名邦題:オレンジ・クレイト・アート
■アルバム名:Orange Crate Art(1995年)
■アルバム名邦題:オレンジ・クレイト・アート
■動画リンク:「Orange Crate Art」

盟友ヴァン・ダイク・パークス(Van Dyke Parks)との共同名義のアルバムです。

稀代の名曲「サーフズ・アップ(Surf’s Up)」でも、ヴァン・ダイクのピアノが重要な役割をはたしていました。

ヴァン・ダイクは、精神不安定なブライアンの接し方を知っている人かもしれません。

ただ共演と言っても、このアルバムはヴァン・ダイクが作曲・アレンジした曲を、ブライアンが歌った作品です。

レーベルはワーナー・レコード(Warner Records)。

アルバム・ジャケットを含めて、ヴァン・ダイクが主導したといってもいいでしょう。

しかしそれにもかかわらずブライアンの歌が入ると、彼の音楽のようになります。

シンガーとしてのブライアンを味わいたいならば、このアルバムあたりが良いかもしれません。

 

6位「Lay Down Burden」(アルバム:Imagination)

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■曲名:Lay Down Burden
■曲名邦題:レイ・ダウン・バーデン
■アルバム名:Imagination(1998年)
■アルバム名邦題:イマジネーション
■動画リンク:「Lay Down Burden」

カール・ウィルソン(Carl Wilson)に捧げられた曲です。

カールは1998年に癌で亡くなりました。

彼はブライアンが不調の時、ビーチ・ボーイズを支えた存在でした。

ビーチ・ボーイズがまとまっていたように見えていたのは、カールのおかげといっても過言ではありません。

ブライアンも含めて、みんなカール・ウィルソンを通じて他のメンバーと繋がっていたようなものです。

カールが亡くなった後バンドは分裂状態となり、ブライアンは更にソロに注力するようになりました。

曲名の「Lay Down Burden」は「肩の荷を下ろしてくれ」といった意味でしょうか。

カールへの感謝が伝わってくる曲です。

 

7位「Love and Mercy」(アルバム:Brian Wilson)

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■曲名:Love and Mercy
■曲名邦題:ラヴ・アンド・マーシー
■アルバム名:Brian Wilson(1988年)
■アルバム名邦題:ブライアン・ウィルソン
■動画リンク:「Love and Mercy」

ブライアンはこのアルバムで復活しました。

当時は主治医で精神科医のユージン・ランディ(Eugene Landy)のサポートを得て、レコーディングに復帰しました。

ただユージンは何かと問題の多い人物だと言われています。

ユージンはブライアンのプライベートやビジネスにも口を出し始め、洗脳に近い手法でブライアンをコントロールしていました。

このアルバムも当初はユージンがエグゼクティブ・プロデューサで、ユージンの妻が曲の共作者と記載されるなど様々な疑惑がありました。

ユージン支配下のブライアンを救出したのは、後にブライアンと結婚したメリンダという女性です。

後年洗脳から解けたブライアンも、ユージン・ランディを非難していました。

ユージン・ランディの功績は、ソロ活動にこぎつけたことだけかもしれません。

 

8位「One Kind Of Love」(アルバム:No Pier Pressure)

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■曲名:One Kind Of Love
■曲名邦題:ワン・カインド・オブ・ラヴ
■アルバム名:No Pier Pressure(2015年)
■アルバム名邦題:ノー・ピア・プレッシャー
■動画リンク:「One Kind Of Love」

彼は前々作の「ブライアン・ウィルソン・リイマジンズ・ガーシュウィン(Reimagines Gershwin)」と前作の「イン・ザ・キー・オブ・ディズニー(In the Key of Disney) 」では、他人が書いた曲を歌っています。

しかしこのアルバムでは、久々にブライアンが書いた曲を堪能できます。

この曲はブライアンの伝記映画「ラブ&マーシー 終わらないメロディー(Love & Mercy)」のサウンドトラックにも収録されています。

ちなみにブライアンは当時72歳でしたが、曲づくりとボーカルどちらも高水準をキープしています。

もちろん全盛期とは比べられませんし、昔のような美しいファルセットは難しいかもしれません。

ただ私のようなファンからすると、彼が音楽活動しているだけで充分満足です。

 

9位「We Belong Together」(アルバム:In the Key of Disney)

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■曲名:We Belong Together
■曲名邦題:僕らはひとつ
■アルバム名:In the Key of Disney(2011年)
■アルバム名邦題:イン・ザ・キー・オブ・ディズニー
■動画リンク:「We Belong Together」

ディズニーの曲をカバーしている企画アルバムです。

ウォルト・ディズニー・レコード(Walt Disney Records)からのリリース作。

曲目を見ると、ディズニーの古典的名曲から最近の映画まで、かなりバラエティに富んでいます。

この曲は割と最近の映画「トイ・ストーリー3(Toy Story 3)」から取り上げられました。

ランディ・ニューマン(Randy Newman)が書いた曲ですが、両者の相性は抜群です。

このアルバムと対をなす「Reimagines Gershwin」にも「ザ・ライク・イン・アイ・ラヴ・ユー」という名曲が収録されています。

Brian Wilson – The Like In I Love You

 

10位「Midnight’s Another Day」(アルバム:That Lucky Old Sun)

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■曲名:Midnight’s Another Day
■曲名邦題:明日への扉
■アルバム名:That Lucky Old Sun(2008年)
■アルバム名邦題:ラッキー・オールド・サン
■動画リンク:「Midnight’s Another Day」

ビーチボーイズ時代のブライアンは、すばらしい曲を数多く書きました。

ガーシュインなど偉大な作曲家の系譜に名を連ねるにふさわしい人です。

ブライアンのバラードはそれほど感傷的ではありませんし、パワー・バラードのようにもなりません。

肥沃な大地から生まれたような、陽性で純度の高いメロディが特徴です。

私はロックが主食の人であるせいか、音楽に濁りを求めてしまうところがあります。

しかし彼の音楽は濁りがありません。

濁りや負の要素などの薬味がなくても、ここまでの高みが可能なのですね。

純度と深みの共存、それが彼のバラードの魅力かもしれません。

 

番外編「Still I Dream of It (original home demo, 1976)」(アルバム:I Just Wasn’t Made for These Times)

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■曲名:Still I Dream of It” (original home demo, 1976)
■曲名邦題:スティル・アイ・ドリーム・イット(オリジナル・ホーム・デモ’76)
■アルバム名:I Just Wasn’t Made for These Times(1995年)
■アルバム名邦題:駄目な僕-I Just Wasn’t Made For These Times
■動画リンク:「Still I Dream of It” (original home demo, 1976)」

このアルバムは昔の曲の再演が多く、アルバムの出来としてはいま一つかもしれません。

しかしこの曲が入っているだけで、充分元が取れたと思わせてくれます。

この曲は彼が精神を病んで療養していた1976年に録音されました。

この曲の歌を聞いて、どのように思われるでしょうか。

私は無残な声だと思います。

ここには昔のような天使の声はありません。聞いていて辛くなります。

しかしそれでも耳を惹きつけるのが、とても不思議な曲かもしれません。

それがポップスに愛されすぎた人の業なのか。

こんな病んだ頃の曲にさえ、ポップスの魔法がかけられているのですね。

 

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