今回はナイト・レンジャーのランキングを作成しました。
彼らの魅力は、ツインリードギターです。
当初は正統派アメリカンロックの人気ロックバンドになりました。
その後彼らは試行錯誤を繰り返した後、第二の全盛期を迎えています。
- 1 1位「Don’t Tell Me You Love Me」(アルバム:Dawn Patrol)
- 2 2位「(You Can Still) Rock in America」(アルバム:Midnight Madness)
- 3 3位「High Road」(アルバム:High Road)
- 4 4位「When You Close Your Eyes」(アルバム:Midnight Madness)
- 5 5位「Why Does Love Have to Change」(アルバム:Midnight Madness)
- 6 6位「Penny」(アルバム:Dawn Patrol)
- 7 7位「Woman in Love」(アルバム:Man in Motion)
- 8 8位「Sing Me Away」(アルバム:Dawn Patrol)
- 9 9位「Four in the Morning」(アルバム:7 Wishes)
- 10 10位「Sister Christian」(アルバム:Midnight Madness)
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1位「Don’t Tell Me You Love Me」(アルバム:Dawn Patrol)

■曲名:Don’t Tell Me You Love Me
■曲名邦題:炎の彼方(ドント・テル・ミー・ユー・ラヴ・ミー)
■アルバム名:Dawn Patrol(1982年)
■アルバム名邦題:ドーン・パトロール
■動画リンク:「Don’t Tell Me You Love Me」
彼らの代名詞的な曲です。
ただ本国アメリカのシングルチャートでは、意外と上がらず40位止まりでした。
ちなみに日本のオリコンチャートでは33位ですから、日本の方が売れたのですね。
実際日本での人気は、意外なところにも波及しました。
ためしに以下の曲のイントロをお聞きください。
あまりにも露骨にパクっていますね。
もちろんシブがき隊ではなく、制作側の問題だと思いますが。
それより私はこちらの方が楽しめました。
【MMD】Don’t Tell Me You Love Me【NightRanger】
本来の意図から離れて使われるのは、名曲ゆえの宿命かもしれません。
2位「(You Can Still) Rock in America」(アルバム:Midnight Madness)

■曲名:(You Can Still) Rock in America
■曲名邦題:ロック・イン・アメリカ
■アルバム名:Midnight Madness(1983年)
■アルバム名邦題:ミッドナイト・マッドネス
■動画リンク:「(You Can Still) Rock in America」
彼らはこのセカンド・アルバムでブレイクしました。
ただ飛躍したのはセールスだけではありません。
とにかくアルバムの内容が最高すぎます。
「ルーマーズ・イン・ジ・エアー(Rumours in the Air)」「パッション・プレイ(Passion Play)」など、ランク外にも捨てがたい曲があります。
彼らの最高傑作にとどまらず、アメリカン・ハードロック史に残る名盤ではないでしょうか。
ちなみに曲名の「(You Can Still) Rock in America」は「君はまだアメリカでロックすることができる」という意味。
この頃のアメリカは、イギリスのデュラン・デュラン(Duran Duran)など、ニューロマンティックのバンドがヒットチャートを席巻していました。
またマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の「スリラー(Thriller)」が首位を独走していたのもこの頃です。
つまり当時はアメリカン・ロックの不遇期だったのですね。
そうした風潮の中でこのストレートなハードロック・ナンバーは、さぞかし新鮮に響いたことでしょう。
3位「High Road」(アルバム:High Road)

■曲名:High Road
■曲名邦題:ハイ・ロード
■アルバム名:High Road(2014年)
■アルバム名邦題:ハイ・ロード
■動画リンク:「High Road」
2014年にリリースされたアルバムからの選曲です。
多くの方はここまで追いかけていないかもしれません。
しかし近年も彼らは、第二の全盛期といえる充実した活動を続けています。
ジェフ・ワトソン(Jeff Watson)とアラン・フィッツジェラルド(Alan Fitzgerald)はいませんが、他のメンバーは健在です。
このアルバムは記念すべき10枚目。
しかしその道のりは、決して平坦ではありませんでした。
彼らは1989年に一度解散していますが、1996年に再結成し日本のレーベル、ゼロ・コーポレーションから「Neverland(ネヴァーランド)」をリリースしました。
ただ1998年「セヴン(Seven)」をリリースした後、音楽事業からゼロ・コーポレーションが撤退し、活動休止を余儀なくされました。
次の8枚目がリリースされたのは2007年ですから、実に9年ぶりです。
しかし近年は活動が軌道に乗ったらしく、コンスタントにアルバムをリリースしています。
4位「When You Close Your Eyes」(アルバム:Midnight Madness)

■曲名:When You Close Your Eyes
■曲名邦題:ホエン・ユー・クローズ・ユア・アイズ
■アルバム名:Midnight Madness(1983年)
■アルバム名邦題:ミッドナイト・マッドネス
■動画リンク:「When You Close Your Eyes」
当初このバンドの立ち位置はあいまいでした。
彼らがブレイクした頃は、LAメタルが盛り上がっていました。
LAメタルでは、モトリー・クルー(Motley Crue)、ラット(Ratt)、WASPなど、バッドボーイ系のバンドが目立っていたように思います。
その点ナイト・レンジャーは近所のお兄さん的な存在でしたし、サウンド的にも正統派のハードロックです。
一方この時期は産業ロックが人気でした。
産業ロックとは、ジャーニー(Journey)やREOスピードワゴン(REO Speedwagon)など、キャッチーで売れそうなロックのこと。
当時の彼らはワイルドなイメージ戦略か、それとも売れ線にシフトするか二択を迫られていました。
次第に彼らは産業ロック色を強めていきました。
この曲には後の変化の予兆を感じます。
非常によくできた曲ですし、シングルチャートでも14位まで上がりました。
しかしハードロック・バンドとしては、少しギターがひかえめかもしれません。
次作以降の彼らは、少しずつロック・バンドとしてのダイナミズムを失っていったように思います。
5位「Why Does Love Have to Change」(アルバム:Midnight Madness)

■曲名:Why Does Love Have to Change
■曲名邦題:ホワイ・ダズ・ラヴ・ハフ・トゥ・チェンジ
■アルバム名:Midnight Madness(1983年)
■アルバム名邦題:ミッドナイト・マッドネス
■動画リンク:「Why Does Love Have to Change」
このバンドの特徴は、タイプが異なる2人のリードギタリストがいることです。
・ブラッド・ギルス(Brad Gillis)
・ジェフ・ワトソン(Jeff Watson)
ブラッドは、ギターのアームという機能を活かしたプレイを得意としていました。
私も昔少しギターをかじっていましたが、アームを使うとチューニングが狂いやすいので多用していませんでした。
しかしブラッドはかなり豪快な使い方をしているので、その辺どうしているのでしょうね。
もう一方のジェフは、エイトフィンガー奏法というタッピング奏法が特徴です。
この曲では2:15からお聞きください。
ギタリストが2人いるバンドは沢山あっても、ここまで明確に違う個性を打ち出している例は珍しいかもしれません。
6位「Penny」(アルバム:Dawn Patrol)

■曲名:Penny
■曲名邦題:ペニー
■アルバム名:Dawn Patrol(1982年)
■アルバム名邦題:ドーン・パトロール
■動画リンク:「Penny」
元々このバンドは、ルビコン(Rubicon)というファンク・バンドを母体として結成されました。
ルビコンの曲のリンクを貼っておきましょう。
ブラッド・ギルスやジャック・ブレイズはこの頃から在籍していました。
その後ステレオ(Stereo)と名前を変え、メンバーが固まるとレンジャー(Ranger)と再改名しました。
ただ他のバンドと名前が被ったため、1982年にナイト・レンジャーと再々改名しています。
ちなみにルビコンのラスト・アルバム「夢のアメリカ(America Dreams)」は、1979年にリリースされています。
彼らはわずか3年でバンド名を3回変え、音楽的にも全く違うバンドに生まれ変わりました。
7位「Woman in Love」(アルバム:Man in Motion)

■曲名:Woman in Love
■曲名邦題:ウーマン・イン・ラヴ
■アルバム名:Man in Motion(1988年)
■アルバム名邦題:マン・イン・モーション
■動画リンク:「Woman in Love」
彼らの5枚目の曲です。
彼らは最初の2枚に人気が集中しています。
一応申し上げておくと、3枚目の「セヴン・ウィッシーズ(7 Wishes)」と4枚目の「ビッグ・ライフ(Big Life)」も、それほど悪い出来ではありません。
ただ「Midnight Madness」の出来が良すぎるので、あの水準を期待されると厳しいものがあります。
ただその時期にも結構良い曲があります。
たとえばこの曲や「Big Life」収録の「キャリー・オン(Carry On)」のように。
「キャリー・オン」はリンクだけ貼っておきましょう。
3作目から5作目は優先順位こそ低いもののスルーするにはもったいないアルバムです。
8位「Sing Me Away」(アルバム:Dawn Patrol)

■曲名:Sing Me Away
■曲名邦題:シング・ミー・アウェイ
■アルバム名:Dawn Patrol(1982年)
■アルバム名邦題:ドーン・パトロール
■動画リンク:「Sing Me Away」
彼らの魅力を端的に表現すると「爽快感のあるロックバンド」といえるでしょうか。
そうしたイメージはギター・プレイだけに由来していません。
彼らの出身地はカルフォルニアです。
カルフォルニアといえば、ウェストコースト・ロックの本場として有名です。
ウェストコースト・ロックは、さわやかなコーラスが特徴でした。
あまり指摘されることがありませんが、彼らはウェストコースト・ロックっぽいコーラスも魅力の1つです。
たとえばこの曲のサビなどはいかがでしょうか。
ハードなギターを除けば、ウェストコースト・ロックのど真ん中の曲になりそうです。
9位「Four in the Morning」(アルバム:7 Wishes)

■曲名:Four in the Morning
■曲名邦題:フォー・イン・ザ・モーニング
■アルバム名:7 Wishes(1985年)
■アルバム名邦題:セヴン・ウィッシーズ
■動画リンク:「Four in the Morning」
このアルバムではハードな面が後退し、ポップな路線にシフトしました。
楽曲も粒ぞろいであるものの、前作ほど目立つ曲はありません。
どことなく中庸な感じがするアルバムです。
そのせいか古くからのハードロック・ファンから、それほど高く評価されていません。
ただ私はハードロックを意識しすぎなければ、意外と良いアルバムだと思っています。
たとえばこの曲はギターもひかえめですし、ハードロックとしては物足りないかもしれません。
しかし楽曲は魅力的です。
小粒な感じはいなめませんが、聞き逃すには惜しい曲だと思います。
10位「Sister Christian」(アルバム:Midnight Madness)

■曲名:Sister Christian
■曲名邦題:シスター・クリスチャン
■アルバム名:Midnight Madness(1983年)
■アルバム名邦題:ミッドナイト・マッドネス
■動画リンク:「Sister Christian」
ちなみに彼らはツインリードギターだけでなく、リード・ボーカリストも2人いました。
アップの曲はジャック・ブレイズ(Jack Blades)、バラードはドラムのケリー・ケイギー(Kelly Keagy)が担当しています。
この曲はバラードですので、ケリー・ケイギーが歌っています。
このバンドは長年バラードの呪縛に苦しんでいました。
彼らには2曲のトップテン・ヒットがありますが、どちらの曲もバラードです。
1つはこの曲で、もう1曲は「センチメンタル・ストリート(Sentimental Street)」
しかし本来彼らはハードロック・バンドです。
ハードロック・ファンとバラード好きの一般リスナーを同時に満足させるのは、容易なことではありません。
ジャック・ブレイズは1987年のインタビューで、レコード会社によるバラード主体のシングル・リリースに不満を表明し「世間一般のファンが僕達のことをソフトなバラード・バンドと思い込んでいるけど、それはとんでもない誤解だ」と語っている[5]。
一時は大味なパワー・バラードが増えましたが、この曲にはまだ節度を感じます。
先程ご紹介したように、現在も彼らは充実した活動を継続しています。
正統派ハードロックとしての矜持を取り戻し、バラードもごく自然な形で取り入れています。
今の彼らにはバラードについて迷いを感じません。
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