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ファウンテインズ・オブ・ウェイン (Fountains Of Wayne)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はファウンテインズ・オブ・ウェインのランキングを作成しました。

彼らはパワーポップを代表するバンドです。

特に楽曲の魅力は、特筆すべきかもしれません。

すぐれたソングライター2人が競う合うかのように、すばらしい曲を書いています。

 

1位「Better Things」(アルバム:This Is Where I Belong: The Songs of Ray Davies & The Kinks)

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■曲名:Better Things
■曲名邦題:ベター・シングス
■アルバム名:This Is Where I Belong: The Songs of Ray Davies & The Kinks
■アルバム名邦題:キンクス・トリビュート~ディス・イズ・ホエア・アイ・ビロング
■動画リンク:「Better Things」

キンクスのトリビュート・アルバムからの選曲です。

私はこの曲を初めて聞いた時、パワーポップの新たなマスターピースが誕生したと思いました。

キンクスの原曲は「ギヴ・ザ・ピープル・ホワット・ゼイ・ウォント(Give the People What They Want)」という、あまり目立たないアルバムに入っています。

そこから選んだセンスもさすがですが、それ以上に曲の解釈が秀逸です。

まずはスローで始まり、次第にぐいぐい加速をつけてきます。

それからサビの爆発。

その後昇り詰めていくギターへと続く流れは、完璧としか言いようがありません。

 

2位「Denise」(アルバム:Utopia Parkway)

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■曲名:Denise
■曲名邦題:愛しのデニース
■アルバム名:Utopia Parkway
■アルバム名邦題:ユートピア・パークウェイ
■動画リンク:「Denise」

当時この曲は、パワーポップ系のクラブの定番です。

サビのハンドクラッピングは、気分が高揚しますね。

当時彼らは、ウィーザー(Weezer)と比較されていたように思います。

この曲が発売されたのは、ウィーザーでいえば「ピンカートン(Pinkerton)」と「ザ・グリーン・アルバムWeezer)」の間ぐらいの時期。

私は1990年代がパワーポップの全盛期だと思っています。

1990年代のパワーポップの頂点といえる傑作です。

 

3位「Sink to the Bottom」(アルバム:Fountains of Wayne)

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■曲名:Sink to the Bottom
■曲名邦題:シンク・トゥ・ザ・ボトム
■アルバム名:Fountains of Wayne
■アルバム名邦題:ファウンテインズ・オブ・ウェイン
■動画リンク:「Sink to the Bottom」

彼らのファーストアルバムからの選曲です。

ファースト・アルバムは以降のアルバムとは少し趣きが異なるかもしれません。

音にすき間が多かったり、ガレージっぽい手触りがあったり、ローファイなところがあったりします。

それは意図的ではなく、低予算ゆえ結果的にそうなったという側面があるかもしれません。

このアルバムにかかった費用は5000ドルだそうですから、日本円だとおおよそ50万円ぐらいでしょうか。

しかも彼らは1週間でレコーディングしたのだそうです。

少なすぎる予算とあわただしいスケジュールが、作品の完成度を高めるのに不利になったかもしれません。

しかしこの曲ではシンプルさと飾り気のなさが、逆に良い方向に振れているように思います。

 

4位「Troubled Times」(アルバム:Utopia Parkway)

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■曲名:Troubled Times
■曲名邦題:トラブルド・タイムス
■アルバム名:Utopia Parkway
■アルバム名邦題:ユートピア・パークウェイ
■動画リンク:「Troubled Times」

彼らのフォーキーさは、後期のサイモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)を思わせます。

この曲などはコーラスの入れ方などに、影響がうかがえますね。

私が聞きどころだと思うのは、2:00からの展開のところです。

単調になりがちなこの曲に変化が加わっていて、ソングライティングの妙味が味わえます。

もしかしたら玄人好みの曲かもしれませんが、何度も聞いているうちにきっと誰しもが深みにはまることでしょう。

歌詞は、時にはあきらめたこともあったが、その後あなたは困難を乗り越えたのだという内容です。

後で述べますが、このアルバムの後彼らは困難な時期を迎えましたが、その試練を乗り越えています。

 

5位「Someone to Love」(アルバム:Traffic and Weather)

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■曲名:Someone to Love
■曲名邦題:サムワン・トゥ・ラヴ
■アルバム名:Traffic and Weather
■アルバム名邦題:トラフィック・アンド・ウェザー
■動画リンク:「Someone to Love」

彼らは曲のアベレージの高さにおいて、抜きん出た存在だと思います。

よく「このアルバムには捨て曲がない」という言い方がありますが、現実にはかなり稀なことです。

ところが彼らの場合は、全アルバム、キャリアを通じて捨て曲というものがありません。

刃牙でいえば、生涯無敗みたいなものでしょうか。

曲を書いているのは、アダム・シュレシンジャー(Adam Schlesinger)とクリス・コリングウッド(Chris Collingwood)の2人。

ただ後で揉めない様に単独で書いた曲も共作のクレジットにしているようです。

それぞれどういう曲を書くのか分かりにくいかもしれませんが、ある程度は推測できます。

いかにもパワーポップな曲がアダムで、フォーキーだったりカントリーテイストが感じられる曲はクリスだと思われます。

ただアダムのソロ活動では捨て曲もあったりします。

個性の違う2人が組んだことで、アルバムの単調さを免れ、曲の質の高さを維持できたのかもしれません。

 

6位「Stacy’s Mom」(アルバム:Welcome Interstate Managers)

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■曲名:Stacy’s Mom
■曲名邦題:ステイシーズ・マム
■アルバム名:Welcome Interstate Managers
■アルバム名邦題:ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ
■動画リンク:「Stacy’s Mom」

彼らのブレイクのきっかけとなった曲です。

この曲はシングルチャート21位となり、起死回生の1曲となりました。

いきなりのゴールドディスク獲得で、グラミー賞にもノミネートされたのですから、私は当時とても驚きました。

この曲は、小さな男の子が友達のお母さんに恋をしたという、とてもたわいない曲です。

「Stacy’s Mom」の「Stacy」とは友達の小さな女の子のことで、男の子は彼女のお母さんに夢中なようですね。

サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)」を参考にした曲だと言われています。

ただプロモーションビデオでは、デイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)のPVかと思うような、セクシーなシーンが多いです。

彼らの意図と合致しているのかなと思わないでもありません。

 

7位「The Girl I Can’t Forget」(アルバム:Out-of-State Plates)

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■曲名:The Girl I Can’t Forget
■曲名邦題:ザ・ガール・アイ・キャント・フォーゲット
■アルバム名:Out-of-State Plates
■アルバム名邦題:アウト-オブ-ステイト・プレイツ
■動画リンク:「The Girl I Can’t Forget」

このアルバムは、B面曲・未発表曲・新曲などをまとめた2枚組です。

中にはなぜオリジナル・アルバムに入っていないのかと不思議に思う曲が少なくありません。

他にもブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)の「ベイビー・ワン・モア・タイム(…Baby One More Time)」もカバーなどが収録されています。

新曲も3曲あって「Maureen」というシングルもリリースされています。

オリジナル・アルバムと同等に考えてもいいかもしれません。

この2枚組アルバムは、彼らがブレイクした後に発売されています。

次作までB面曲集で人気を維持しておこうという意図かもしれませんが、あまり売れませんでした。

ただシングルを買い集める手間が省けて、とてもありがたいアルバムだったと思います

 

8位「Mexican Wine」(アルバム:Welcome Interstate Managers)

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■曲名:Mexican Wine
■曲名邦題:メキシカン・ワイン
■アルバム名:Welcome Interstate Managers
■アルバム名邦題:ウェルカム・インターステイト・マネージャーズ
■動画リンク:「Mexican Wine」

このサードアルバムの前には、生みの苦しみがありました。

セカンド・アルバムは一部では熱狂的に支持されましたが、商業的にはぱっとしませんでした。

彼らはアトランティック・レコード(Atlantic Recording)をお払い箱になり、路頭に迷うことになります。

特にクリスは相当落ち込んだらしく、アダムの励ましでようやくこのアルバムの曲づくりを始めたのだとか。

その後なんとかS-Curve Recordsと契約しこぎつけて発売されたのが、このアルバム。

そういう背景を知った上でこのアルバムを聞くと、前作の路線を変えていないことに気がつきます。

つまり彼らは従来のやり方を変えず、良い曲を良い歌を、更に突き詰めたということです。

その執念が運命の扉を強引に開けて、このアルバムは念願のヒットになりました。

彼らが今のような評価を確立できた背景には、ひたすら良い曲を追求した努力があるのかもしれません。

特にアルバム冒頭の「Mexican Wine」「Bright Future in Sales」「Stacy’s Mom」の3曲は、気合のほどが伝わってくる曲ばかりです。

表面的には甘い曲ですが、その甘さには信念が込められています。

 

9位「Leave the Biker」(アルバム:Fountains of Wayne)

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■曲名:Leave the Biker
■曲名邦題:リーヴ・ザ・バイカー
■アルバム名:Fountains of Wayne
■アルバム名邦題:ファウンテインズ・オブ・ウェイン
■動画リンク:「Leave the Biker」

この時期の彼らはセバドー(Sebadoh)やペイヴメント(Pavement)などと、そう遠くない位置にいたかもしれません。

この曲は、そうしたバンドに通じるへなちょこな感性を宿しています。

ワイルドなバイク乗りの男と交際している女性に対して、男から離れるべきだと忠告している歌詞の曲です。

バイク男の顔に大きな傷があるとか、彼は泣いたことがあるのだろうかとか、読んでいたのはポルノ雑誌ではなかったとか、言いたい放題です。

つまりこの曲の主人公は、真逆のタイプだということでしょう。

陰キャの主人公が、バイクの男と付き合っている女性に横恋慕しているようですね。

ちなみにファースト・アルバムのジャケットは2種類あります。

上に掲載したジャケットはオリジナル・ジャケットです。

このジャケは、フラミンゴス(Flamingoes)の「フラミンゴ・セレナーデ(Plastic Jewels)」と被ってしまったので、後に別ジャケットに差し替えられました。

ただ私はこちらの方がしっくりくるので、オリジナルの方を掲載しました。

このオリジナル・ジャケットの方が、彼らの音楽性に合っているように思いますしね。

 

10位「This Better Be Good」(アルバム:Traffic and Weather)

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■曲名:This Better Be Good
■曲名邦題:ディス・ベター・ビー・グッド
■アルバム名:Traffic and Weather
■アルバム名邦題:トラフィック・アンド・ウェザー
■動画リンク:「This Better Be Good」

先程述べたように、彼らの曲はクリスとアダムの共同名義です。

しかしこのアルバムでは、証言でクリスの曲が明らかになっています。

この曲はアダムが書いたとのこと。

クリスはこの時期うつ病とアルコール中毒に苦しんでいました。

クリスの曲が減ったので、アダムの書いた曲が増えましたが、友情ゆえか全曲クレジットは共同名義を維持しています。

印税が入るので、クリスは安心して治療に専念できたことでしょう。

アダムは創作意欲の高い人で、クリスが活動できない時期も、別プロジェクトや裏方の仕事で多忙な日々を送っていました。

しかしクリスを励ましバンドを支えてきたアダムは、もうこの世にはいません。

まだ52歳での若さでした。

追悼企画として、次にアダムのソロ活動の曲を2曲ご紹介しておきます。

 

番外編1 The Wonders「That Thing You Do!」(アルバム:That Thing You Do!)

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■アーティスト名:The Wonders
■アーティスト名カナ:ワンダーズ
■曲名:That Thing You Do!
■曲名邦題:すべてをあなたに
■アルバム名:That Thing You Do!
■アルバム名邦題:すべてをあなたに
■動画リンク:「That Thing You Do!」

この曲は1996年10月、デビュー・アルバムが発売されたのと同じ月にリリースされました。

アダムが単独で書いた曲です。

誤解している人もいるようですが、この曲はファウンテインズがワンダーズという変名バンドでリリースした曲ではありません。

この曲のボーカルは、マイク・ヴァイオラ(Mike Viola)ですし。

この曲はマージービートの香りがしますね。

アダムのルーツがうかがえる興味深い曲です。

 

番外編2 Tinted Windows「Can’t Get a Read on You」(アルバム:Tinted Windows)

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■アーティスト名:Tinted Windows
■アーティスト名カナ:ティンテッド・ウィンドウズ
■曲名:Can’t Get a Read on You
■曲名邦題:キャント・ゲット・ア・リード・オン・ユー
■アルバム名:Tinted Windows
■アルバム名邦題:ティンテッド・ウィンドウズ
■動画リンク:「Can’t Get a Read on You」

このバンドもアダムの別プロジェクトです。

アダムは他にアイヴィー(Ivy)という女性ボーカルのバンドもやっていますが、そちらはパワーポップではありません。

一方こちらはファウンテインズに近い音楽性です。

このバンドが結成された時、大きな話題になりました。

というのはメンバーが豪華で、スーパーバンドと言われていたからです。

ベース:アダム・シュレシンジャー
ボーカル:ハンソン(Hanson)のテイラー・ハンソン(Taylor Hanson)
ギター:スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)のジェームズ・イハ(James Iha)
ドラム:チープ・トリック(Cheap Tric)のバン・E・カルロス(Bun E. Carlos)

中でも私が一番好きなのがこの曲。

まさにミスター・パワーポップの面目躍如といった曲です。

 

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