今回は電気グルーヴのランキングを作成しました。
この記事では、聞きやすい曲を中心に彼らの魅力を伝えられればと思います。
初期と後期を除いて、私が全盛期だと思う時期を中心に選曲しました。
- 1 1位「Shangri-La」(アルバム:A)
- 2 2位「虹」(アルバム:DRAGON)
- 3 3位「愛のクライネメロディー」(アルバム:VOXXX)
- 4 4位「Nothing’s Gonna Change」(アルバム:VOXXX)
- 5 5位「N.O.」(アルバム:VITAMIN)
- 6 6位「ポポ (Radio Edit)」(アルバム:SINGLES and STRIKES)
- 7 7位「猫夏」(アルバム:A)
- 8 8位「ママケーキ」(アルバム:ORANGE)
- 9 9位「モノノケダンス」(アルバム:DENKI GROOVE DECADE 2008〜2017)
- 10 10位「ジャンボタニシ」(アルバム:イルボン2000)
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1位「Shangri-La」(アルバム:A)
■曲名:Shangri-La
■アルバム名:A
■動画リンク:「Shangri-La」
この曲は以下の曲をサンプリングしています。
ただ引用はアレンジだけで歌メロは自作ですから、作曲者は電気グルーヴのはず。
こうしたケースは権利関係の争いに発展しがちですが、グループ側は最初からベブ・シルヴェッティを作曲者に加えて問題を回避しようとしました。
MCハマー(MC Hammer)」の「U・キャント・タッチ・ジス(U Can’t Touch This)」が、リック・ジェームス(Rick James)の「スーパー・フリーク(Super Freak)のアレンジを引用した件も訴訟に発展し、最終的にリック側が勝訴しています。
「Shangri-La」は、彼らの唯一のトップテンヒットです。
しかしこの曲の印税の半分は、ベブ・シルヴェッティに入りました。
ただ電気グルーヴ側もこのヒットにより、知名度と存在感が高まりました。
実際この曲がヒットするのに、ベブ・シルヴェッティのストリングス・アレンジが果たした役割は決して小さくなかったと思います。
事前にグループ側が権利問題に配慮したことにより、両者はウィン・ウィンの関係となりました。
2位「虹」(アルバム:DRAGON)
■曲名:虹
■アルバム名:DRAGON
■動画リンク:「虹」
この曲は10分を超える長尺曲です。
国内で彼らは、先程の「Shangri-La」でブレイクしました。
一方海外でこの曲の評価は高く、彼らの知名度は一躍高まりました。
石野が日本国外で活動開始する切っ掛けとなったほか、電気グルーヴの中では最もリミックスバージョンが多く制作され国外では最も著名な楽曲となった。
この曲は1994年にリリースされ、1996年には海外でリミックス・バージョンの「Niji (The MFS Remixes)」が話題となりました。
その後石野卓球は、ベルリンの大規模レイヴ・イベント「ラブパレード」に、DJとして招聘されるまでになりました。
日本ではその後1997年に「Shangri-La」がヒットしています。
国内より海外人気が先行するとは、いかにも彼ららしいと思います。
3位「愛のクライネメロディー」(アルバム:VOXXX)
■曲名:愛のクライネメロディー
■アルバム名:VOXXX
■動画リンク:「愛のクライネメロディー」
私はこの曲名を見るとモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を連想してしまいます。
メロディはそれほど似ていないようですが。
この曲は彼らの最初の1曲におすすめいたします。
彼らは一般にテクノのグループだと言われています。
しかしその音楽の振れ幅は大きく、最初に聞いた曲やアルバムが合わなかった場合、それっきりになってしまいかねません。
実際私の知人にも「Shangri-La」が嫌いだという人もいました。
その点この曲は聞きやすく、彼らの才能を分かりやすい形で知らしめたように思います。
最初はこの曲を1位にしようかと考えました。
一番良い曲かどうかはともかく、入口として最適だと思いますから。
しかし「Shangri-La」は良くも悪くも1位以外に置きにくい曲なので、結果この順位になりました。
4位「Nothing’s Gonna Change」(アルバム:VOXXX)
■曲名:Nothing’s Gonna Change
■アルバム名:VOXXX
■動画リンク:「Nothing’s Gonna Change」
アルバム「VOXXX」では先程の「愛のクライネメロディー」が2曲目で、この曲が3曲目です。
その後4曲目「FLASHBACK DISCO」へと続く流れが最高です。
この記事ではその内2曲だけご紹介しました。
それ以外では、以下の曲もおすすめできます。
彼らの音楽にはカン(Can)やクラフトワーク(Kraftwerk)など、クラウト・ロックからの影響を感じます。
このアルバムはポップな面とアヴァンギャルドな面が拮抗しています。
クラウト・ロックはテクノではありませんが、テクノのルーツの1つと言われています。
アブストラクトでポップな電気グルーヴの特徴は、クラウト・ロック由来なのかもしれません。
5位「N.O.」(アルバム:VITAMIN)
■曲名:N.O.
■アルバム名:VITAMIN
■動画リンク:「N.O.」
今回の記事では、初期3作「FLASH PAPA」「UFO」「KARATEKA」を対象外にしました。
最初は対象期間でしたが、ご紹介したい曲の動画が見つかりませんでした。
このアルバムには、以下のようなエピソードがあります。
アルバムのほぼ半分がインストゥルメンタルという点で、ポップス性に欠けセールス的に難があるのではないかとレコード会社からクレームがつき、メンバーはこれに強固に抵抗したが、最終的にインディーズ時代からライヴなどで人気のあったヴォーカル曲『N.O.』をボーナス・トラック的に収録するという条件でリリースにこぎ着いた。
この曲はインディー時代の「662 BPM BY DG」に収録された「無能の人(LESS THAN ZERO)」をリメイクです。
このアルバムの製作時、レコード会社はインストが多すぎると難色を示したそうです。
それに対してメンバーは強く反発しましたが、最終的には空白時間の後ボーナストラックとして配置することになりました。
ただ結果としてこの曲を加えたことで、このアルバムの価値が高まりました。
むしろこの曲なしでは「画竜点睛を欠く」になったかもしれません。
6位「ポポ (Radio Edit)」(アルバム:SINGLES and STRIKES)
■曲名:ポポ (Radio Edit)
■アルバム名:SINGLES and STRIKES
■動画リンク:「ポポ (Radio Edit)」
この曲は子供テレビ番組「ポンキッキーズ」に使われたことで知られています。
この曲では蒸気機関車をイメージしたという体裁が取られています。
しかしメンバーの意図は異なりました。
石野はアシッドをテーマにした歌詞であると述べた上で「子供番組でアシッドはイイんじゃないかって」とコメントしており、瀧は「情操教育のためにな」と笑いながらコメントしている[1]。
子供向けの曲なのにしょうもないですね(苦笑)
ただその後ピエール瀧は、コカインを使用した容疑で逮捕されています。
良い曲ですが行き過ぎた感があるかもしれません。
7位「猫夏」(アルバム:A)
■曲名:猫夏
■アルバム名:A
■動画リンク:「猫夏」
もし私が彼らの最高傑作を聞かれたら、この「A」か「VOXXX」と答えます。
「A」はこれまでの総決算みたいなアルバムでした。
笑い、シリアス、毒、美、高揚感、ダウナー全てがバランスよく詰まっています。
この曲以外にも良い曲が多く、トータル性を持ったベスト盤みたいなオリジナル・アルバムです。
さてこの曲は、砂原良徳(まりん)が作曲に関わっています。
このグループで砂原良徳はこういう曲を書くタイプの人でした。
砂原良徳について興味のある方は、以下の記事をご覧ください。
砂原良徳(Sunahara Yoshinori)の名曲名盤10選
まりんはこのアルバムの後脱退しました。
またもう一人のメンバー、ピエール瀧は歌詞は書きますが、受け持つ楽器はありません。
ただ役者としての才能はあって、多くのドラマや映画で活躍しました。
石野卓球の周囲には様々なタイプの有能な人材がいて、それがこのグループのおもしろさに繋がっています。
8位「ママケーキ」(アルバム:ORANGE)
■曲名:ママケーキ
■アルバム名:ORANGE
■動画リンク:「ママケーキ」
先程申し上げたように、この記事では初期3作を対象外にしました。
紹介したい曲の動画が見つからなかったという理由からですが、それでも構わないという気持ちと残念に思う気持ちが半々です。
というのは、このブログは聞きやすい曲を重視しているからです。
初期の名曲はクセが強いが、それがまた良いと思う曲が少なくありません。
この記事で最もそれに近いと思うのがこの曲。
この曲はまず冒頭からふざけた語りから始まっています。
生真面目な方は、それだけで聞くのを止めかねません。
しかしその後のサウンドを聞けば、印象が変わるはず。
初期はお笑いとカッコ良いサウンドのせめぎ合いが魅力でした。
彼らはスネークマンショー時のYMOの後継者的な存在なのかもしれません。
9位「モノノケダンス」(アルバム:DENKI GROOVE DECADE 2008〜2017)
■曲名:モノノケダンス
■アルバム名:DENKI GROOVE DECADE 2008〜2017
■動画リンク:「モノノケダンス」
彼らはアルバム・バージョンとシングル・バージョンが異なることがあります。
この曲にはアルバム・バージョンがありますが、ここではシングル・バージョンの方をご紹介しました。
私はシングル・バージョンの方が好みですが、アルバム・バージョンもご紹介しておきましょう。
この曲はアニメ「墓場鬼太郎」のオープニングに採用されました。
彼らは意外とタイアップ曲が多く、マニア受けと商業ベースのバランスが取れているように思います。
さてこの曲は動画は妖怪のレイヴ・パーティーのようですが、特に最後のオチがかなり笑えます。
10位「ジャンボタニシ」(アルバム:イルボン2000)
■曲名:ジャンボタニシ
■アルバム名:イルボン2000
■動画リンク:「ジャンボタニシ」
ライブ・アルバムの曲です。
ライブではオリジナルの出来を上回ることがあります。
テクノでもそれは例外ではありません。
この曲はVOXXX」の収録曲ですが、アルバムではそれほど目立つ曲ではありませんでした。
しかしこのバージョンは、その出来をはるかに超えています。
まずスクラッチが効果的に使われていますし、全体に原曲より狂暴な曲に生まれ変わりました。
ロックではライブでそのバンドの真価が問われます。
しかしそれはテクノでも同じかもしれません。
彼らはこの曲で持てる創造力を十二分に証明しました。
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