今回はシルヴァー・サンのランキングを作成しました。
彼らはイギリスのパワーポップ・バンドです。
今ではほとんど聞かれていないかもしれません。
しかしその音楽の魅力は、ウィーザー(Weezer)と同等の評価をされてしかるべきです。
ウィーザーやジェリーフィッシュ(Jellyfish)をお好きな方は、だまされたと思って聞いてみてください。
1位「Pixie, Pixie」(アルバム:Neo Wave)
■曲名:Pixie, Pixie
■アルバム名:Neo Wave
■アルバム名邦題:ネオ・ウェイブ
■動画リンク:「Pixie, Pixie」
セカンド・アルバムからの選曲です。
この2枚目は前作からセールスが低下し、全英アルバムチャート74位止まりに終わりました。
しかし私はこのアルバムが最高傑作だと思っています。
おそらく彼らも相当自信を持っていたことでしょう。
「Neo Wave」つまり「新しい波」というアルバム名を付けるぐらいですから。
音楽での成功が難しいのは、たとえ音楽が優れていたとしても、結果が付いてこないケースが少なくないことです。
改めて聞きなおしましたが、なぜこの作品が売れなかったのか、私には全く理解できません。
そのせいか1998年にこのアルバムがリリース後、次のアルバムが出るまで7年もかかっています。
7年間は大変だったことでしょう。
なんとか継続してくれて良かったです。
2位「Captain」(EP:You Are Here)
■曲名:Captain
■EP名:You Are Here
■EP名邦題:ユー・アー・ヒア
■動画リンク:「Captain」
彼らの特徴は、とにかく良い曲がそろっているということ。
ジャンル的にはパワーポップに分類されるでしょうが、このジャンルは特に曲の出来が大きく評価を左右します。
キャラクター性や個性よりも、キャッチーさが求められると言っても過言ではありません。
その点このバンドは、ジェームス・ブロード(James Broad)という優れたソングライターがいました。
たとえばこの曲などはいかがでしょうか。
若干メロコア気味ですが、キャッチーなことこの上ありません。
私が昔クラブDJをしていた頃、時々この曲をかけていました。
このバンドの曲は他のDJもかけていましたが、この曲は被らないのが良かったんですよね。
ちなみにウィキペディアでこのEPは、B面曲集と記載されていますが、この曲は前身バンドの頃の曲のようです。
同じようなEPはもう一枚「B Is For Silver Sun」があって、そちらもおすすめです。
3位「Lava」(アルバム:Silver Sun)
■曲名:Lava
■アルバム名:Silver Sun
■アルバム名邦題:シルヴァー・サン
■動画リンク:「Lava」
彼らの一番売れたシングルは「Too Much, Too Little, Too Late」です。
またファースト・アルバムでは「Golden Skin」が一番ヒットしています。
しかし当時のパワーポップ系のクラブでは、この曲が一番かかっていた印象があります。
そのせいか、私はこの曲が彼らの代表曲だと思っているところがあります。
このファースト・アルバムは、ナイジェル・ゴッドリッチ(Nigel Godrich)が、プロデュースを担当しています。
レディオヘッド(Radiohead)の名作「OK コンピューター(OK Computer)」のすぐ後、このアルバムのプロデュースに取り掛かっています。
おそらくレコード会社から相当期待されていたのでしょう。
実際にこのデビュー作は全英チャート30位を獲得して、新人バンドとしては順調な滑り出しでした。
またこのバンドは、特に日本で評価されていました。
このアルバムは、日本のアルバムチャートでも60位を記録しています。
4位「Garlic」(アルバム:Disappear Here)
■曲名:Garlic
■アルバム名:Disappear Here
■アルバム名邦題:ディスアペア・ヒア
■動画リンク:「Garlic」
このアルバムからはバンド形態ではなく、ジェームス・ブロードのソロ・プロジェクトになりました。
前作はセールス的に伸び悩み、彼らは所属していたポリドール(Polydor)から契約を解除されてしまいました。
このアルバムは、Invisible Hands Musicというインディレーベルからリリースされています。
つまり彼1人で、インディレーベルから出直したことになりますね。
しかし音楽的には、好調を維持しています。
彼らの音楽は特にコーラスに特徴があって、サーフ系パワーポップみたいに言われることがあります。
この曲でも鼻に抜けたようなコーラスが特徴的ではないでしょうか。
イントロは少しクワイエット・ライオット(Quiet Riot)の「カモン・フィール・ザ・ノイズ(Cum on Feel the Noize)」っぽいですが。
5位「I’ll See You Around」(アルバム:Neo Wave)
■曲名:I’ll See You Around
■アルバム名:Neo Wave
■アルバム名邦題:ネオ・ウェイブ
■動画リンク:「I’ll See You Around」
ソングライティング能力の高さを感じる曲です。
少しビートルズっぽいと感じる人もいるかもしれませんが、実際にかなり影響を受けているようです。
彼らは元々Sunという名前のバンドでした。
その後、ビートルズが元々シルバー・ビートルズだったことにちなんで、シルヴァー・サンに改名したのだそうです。
ただ彼らの音楽には、他にも1970年代の音楽の影響を感じます。
この曲のコーラスもクイーンやELOみたいではないでしょうか。
他の曲ではグラム・ロックっぽい曲もありますし。
古く懐かしいポップセンスを、ハードなギターでパワーポップ風に味付けしています。
その品質がとても高いことが、彼らの特徴でした。
6位「Facts of Life」(アルバム:Dad’s Weird Dream)
■曲名:Facts of Life
■アルバム名:Dad’s Weird Dream
■アルバム名邦題:ダッズ・ウィアード・ドリーム
■動画リンク:「Facts of Life」
4枚目のアルバムからの選曲です。
前作ではジェームスのソロ・プロジェクトでしたが、このアルバムからはまたバンドに戻っています。
クレジットを確認したところ、昔のメンバーが戻っていました。
彼らは大手のレコード会社からリリースされた最初の2枚が名盤として名高いのですが、その後も質は落ちていません。
このアルバムの後も「A Lick and a Promise」「Switzerland」という2枚をリリースしていますが、どれも傑作と言っていい出来です。
さてこの記事は追悼目的で書きました。
先日ジェームス・ブロードが、癌で亡くなったというニュースが入ってきました。
ご冥福をお祈りいたします。
【2022年6月22日 加筆修正】
彼らことをもっと知りたい方は、シルチョコかおるさんが運営してしているブログやSNSをチェックしてみてください。
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バンドの中心人物を失ったにも関わらず、今もSNSで彼らの情報を発信しています。
シルチョコかおるさんはイギリス在住の日本人の方で、日本では入手困難な情報も発信しています。
この記事で彼らに興味を持った方は必読といえるでしょう。
さて今回私はシルヴァー・サンを風化させまいと思って、この記事を書き上げました。
風化させないどころか、あわよくば再評価を狙いたいと思っています。
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