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ソフトロック(Soft Rock)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はソフトロックのランキングを作成しました。

ただし単独記事を予定しているアーティストは、選考から除外しています。

ソフトロックの定義は人ぞれぞれですが、ざっくり私なりの解釈を申し上げます。

ソフトロックとは1960年代半ばから1970年代半ばぐらいまでの、ハーモニーとメロディを重視したポップスのこと。

この記事では様々なタイプのソフトロックの曲をご紹介してみました。

 

1位 Bruce & Terry「Look Who’s Laughing Now」(アルバム:The Best Of Bruce & Terry)

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■アーティスト名:Bruce & Terry
■アーティスト名カナ:ブルース&テリー
■曲名:Look Who’s Laughing Now
■曲名邦題:フーズ・ラーフィング・ナウ
■アルバム名:The Best Of Bruce & Terry(1998年)
■アルバム名邦題:ベスト・オブ・ブルース&テリー
■動画リンク:Bruce & Terry「Look Who’s Laughing Now」

この曲が1位かと真顔で聞かれたら、目をそらしてしまうかもしれません。

ただでさえソフトロックには良い曲が多すぎますから。

しかし少なくともトップクラスの名曲であることは間違いありません。

まあ1位は、こういう弾む曲を選びたかったということもありますが。

彼らはビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)とのつながりが深いデュオです。

「ブルース」とはブルース・ジョンストン(Bruce Johnstone)、「テリー」とはテリー・メルチャー(Terry Melcher)のこと。

ブルース・ジョンストンは、後にビーチ・ボーイズに加入しました。

またテリー・メルチャーはビーチ・ボーイズのメンバーではありませんが、ヒット曲「ココモ(Kokomo)」のクレジットに名を連ねています。

この曲の動画ではサーフィンに興じる男性と、ビキニで踊る女性が多数出演していて、とても楽しそうですね。

ビーチボーイズ系ソフトロックの最高峰の曲です。

 

2位 Best of Friends(Joe & Bing)「Sail(Sailing)」(アルバム:Daybreak)

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■アーティスト名:Best of Friends(Joe & Bing)
■アーティスト名カナ:ベスト・オブ・フレンズ(ジョー・アンド・ビング)
■曲名:Sail(Sailing)
■曲名邦題:セイル(セイリング)
■アルバム名:Daybreak(1971年)
■アルバム名邦題:デイブレイク
■動画リンク:Best of Friends(Joe & Bing)「Sail(Sailing)」

ブラジリアン・ソフトロックの曲です。

彼らは後にジョー&ビングとして活躍する、ジョセフ・ノールトンとウィリアム・ビンガムの2人組。

彼らを「Best of Friends」と呼ぶ人もいれば「Joe & Bing」と呼ぶ人もいます。

「Best of Friends」は「最高の友達」という意味ですから、よほど仲の良い友達だったのでしょう。

また曲名も「Sail」ですが「Sailing」と呼ぶ人もいます。

正直私も何が正解か分かりません。

こうしたクレジットのブレは、マイナーゆえの宿命でしょうか。

さてこの曲にはブラジル色が強いですが、それもそのはずアレンジを手掛けているのはエミール・デオダート(Eumir Deodato)です。

そのせいか、さわやかなブラジリアン・ソフトロックに仕上がっています。

 

3位 Twinn Connection「Foolin’ Around」(アルバム:Twinn Connection)

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■アーティスト名:Twinn Connection
■アーティスト名カナ:ツイン・コネクション
■曲名:Foolin’ Around
■曲名邦題:フーリン・アラウンド
■アルバム名:Twinn Connection(1968年)
■アルバム名邦題:ツイン・コネクション
■動画リンク:Twinn Connection「Foolin’ Around」

ソフトロックの文脈で再評価されたマイナーなポップスです。

彼らはジェリー・ホプキンス(Jerry Hopkins)とジェイ・ホプキンス(Jay Hopkins)から成る双子のデュオ。

しかもジャケットを見て分かる通り、一卵性双生児です。

名前からして酷似していますね。

実はこの人たちはもう1枚「ソングス・フロム・ザ・ハート(Songs from the Heart)」という1960年代の音源を収録したアルバムがリリースされています。

このアルバムをリリースしたレーベルは、韓国系のBIG PINK MUSIC。

近年の韓国系レーベルはマニアのツボを押さえた再発が目立ちます。

こういう曲はソフトロックで再評価されなかったら、埋もれたままだったかもしれません。

 

4位 The Happenings「Crazy Rhythm」(アルバム:Greatest Golden Hits)

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■アーティスト名:The Happenings
■アーティスト名カナ:ハプニングス
■曲名:Crazy Rhythm
■曲名邦題:クレイジー・リズム
■アルバム名:Greatest Golden Hits(1969年)
■動画リンク:The Happenings「Crazy Rhythm」

ソフトロックには、コーラス・グループの系譜があります。

ポップな曲が多いこのバンドは、ソフトロック系のコーラス・グループの筆頭といえるかもしれません。

このバンドは「シー・ユー・イン・セプテンバー(See You In September)」のヒットで知られ、当時は日本でもかなり人気があったようです。

The Happenings – See You in September

この「Crazy Rhythm」はアルバム未収録曲です。

シングル・オンリーでリリースされた曲にもかかわらず、この曲が入っていないベスト盤があるのでご注意ください。

ソフトロック名盤「The Happenings」にも入っていないため、知名度が高い曲ではありません。

鼻に抜けるパパパ・コーラスが爽快で、ホーンのアレンジもすばらしいですね。

 

5位 Bobby Hebb「Love, Love, Love」(アルバム:Sunny)

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■アーティスト名:Bobby Hebb
■アーティスト名カナ:ボビー・ヘブ
■曲名:Love, Love, Love
■曲名邦題:ラヴ・ラヴ・ラヴ
■アルバム名:Sunny(1966年)
■アルバム名邦題:サニー
■動画リンク:Bobby Hebb「Love, Love, Love」

ソウル系ソフトロックの曲です。

従来はソウル・ミュージックとされていた曲の一部も、ソフトロックに分類される場合があります。

もう1曲ご紹介しましょう。

The Royalettes – Don’t You Cry

この「Love, Love, Love」を聞いて、ノーザンソウルっぽいと思われるかもしれません。

しかし私がこの曲をソフトロックとしてご紹介するのは、プロデューサーがジェリー・ロス(Jerry Ross)だからです。

彼は他にもスパンキー&アワ・ギャングの仕事など、ソフトロック界隈で高く評価されています。

スパンキー&アワ・ギャング(Spanky and Our Gang)の名曲名盤10選

さてボビー・ヘブはヒット曲「サニー(Sunny)」が知られていますが、私はこの曲の方が好きです。

イントロのピアノが始まった段階で、名曲確定といった感じがしますね。

編曲担当のジョー・レンゼッティ(Joe Renzetti)もすばらしいアレンジを提供しています。

 

6位 Salt Water Taffy「Finders Keepers」(アルバム:Finders Keepers)

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■アーティスト名:Salt Water Taffy
■アーティスト名カナ:ソルト・ウォーター・タフィー
■曲名:Finders Keepers
■曲名邦題:ファインダーズ・キーパーズ
■アルバム名:Finders Keepers(1968年)
■アルバム名邦題:ファインダーズ・キーパーズ
■動画リンク:Salt Water Taffy「Finders Keepers」

バブルガム・ミュージック系ソフトロックの曲です。

このアルバムは一枚通してすばらしい、完全無欠のソフトロック盤です。

リーダーのロッド・マクブライエン(Rod McBrien)が書いた曲は、どれもキャッチーな曲ばかりです。

ロッドはイノセンス(Innocence)やトレード・ウィンズ(The Trade Winds)などのエンジニアを経て、満を持してこのアルバムを発表しました。

ちなみにブッダ・レコード(Buddah Records)は、彼らを含めバブルガム・ポップの名グループを数多く輩出したことで知られています。

バンド名の「Salt Water Taffy」とは「塩味の飴」という意味。

そもそもグループ名からしてバブルガムっぽいですね。

 

7位 Doris「You Made A Fool Of Me」(アルバム:Did You Give The World Some Love Today Baby)

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■アーティスト名:Doris
■アーティスト名カナ:ドリス
■曲名:You Made A Fool Of Me
■アルバム名:Did You Give The World Some Love Today Baby(1970年)
■アルバム名邦題:ディド・ユー・ギヴ・ザ・ワールド・サム・ラヴ・トゥデイ・ベイビー
■動画リンク:Doris「You Made A Fool Of Me」

ジャジー系ソフトロックといえそうな曲です。

ソフトロックのディスクガイドで見かけたことはありませんが、この曲はど真ん中だと思いますけどね。

まずイントロの空騒ぎ感と、それ続くボーカルがキュートです。

40秒ぐらいのところから、少しスピリチュアルな響きがあるのもいいですね。

ちなみにこのアルバム名は「Did You Give The World Some Love Today Baby」で「あなたは今日、世界に愛を与えましたか」といった感じでしょうか。

ボーカルはスウェーデンの女性シンガー、ドリス・スヴェンソン(Doris Svensson)。

スウェーデンは「The Frank Cunimondo Trio Introducing Lynn Marino」で有名なリン・マリノ(Lynn Marino)、リサ・エクダール(Lisa Ekdahl)など同じ系譜の歌姫の宝庫です。

前者だけ1曲ご紹介しましょう。

The Frank Cunimondo Trio – We’ve Only Just Begun

 

8位 Orpheus「I’ve Never Seen Love Like This」(アルバム:The Best of Orpheus)

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■アーティスト名:Orpheus
■アーティスト名カナ:オルフェウス
■曲名:I’ve Never Seen Love Like This
■アルバム名:The Best of Orpheus(1995年)
■アルバム名邦題:ベスト・オブ・オルフェウス
■動画リンク:Orpheus「I’ve Never Seen Love Like This」

ソフトサイケ系のソフトロックの曲です。

彼らは、ブルース・アーノルド(Bruce Arnold)を中心としたヴィレッジャーズ(The Villagers)が発展して結成されたグループです。

アラン・ローバー(Alan Lorber)というアレンジャーと出会ったことで、このグループの個性が明確になりました。

従来このグループはフォークかサイケのグループに分類されてきました。

しかしそれらの分類では収まりが悪いかもしれません。

というのは、どちらにカテゴライズするにしてもポップすぎますから。

この曲の聞きどころはサビです。

決してソフトロックらしいとはいえない声質の歌ですが、この曲にはよく合っています。

 

9位 The Love Affair「Everlasting Love」(アルバム:The Everlasting Love Affair)

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■アーティスト名:The Love Affair
■アーティスト名カナ:ラヴ・アフェアー
■曲名:Everlasting Love
■曲名邦題:エヴァーラスティング・ラヴ
■アルバム名:The Everlasting Love Affair(1968年)
■アルバム名邦題:エヴァーラスティング・ラヴ・アフェアー
■動画リンク:The Love Affair「Everlasting Love」

ポップロック系ソフトロックの曲です。

この曲は当時ヒットしましたし、元々1960年代のロックが好きな人には知られている曲です。

元々はソウル・シンガーのロバート・ナイト(Robert Knight)がオリジナル。

そちらのリンクも貼っておきましょう。

Robert Knight – Everlasting Love

オリジナルは13位を記録していますが、ラヴ・アフェアーのカバーは全英1位を獲得しました。

楽曲そのものがすばらしいので、参考にまでもう1曲カバーをご紹介しましょう。

Carl Carlton- Everlasting Love

 

10位 Bobbie’s Rockin’ Chair「Young Friends」(アルバム:Young Friends)

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■アーティスト名:Bobbie’s Rockin’ Chair
■アーティスト名カナ:ボビーズ・ロッキン・チェア
■曲名:Young Friends
■曲名邦題:ヤング・フレンズ
■アルバム名:Young Friends(2000年)
■アルバム名邦題:ヤング・フレンズ
■動画リンク:Bobbie’s Rockin’ Chair「Young Friends」

最後に日本のソフトロックの曲も取り上げておきましょう。

このアルバムは1997年にリリースされています。

冒頭で私が定義した条件からは外れますが、音楽的にはソフトロックとしか言いようがありません。

アルバムジャケットも自然の中1960年代風コーディネートと、かなりソフトロックを意識した感じがしますし。

このミニ・アルバムに収録された5曲は、どれもソフトロックへの思い入れが伝わってくる曲ばかりです。

この曲は、2006年の「…Like nothing else you ever tasted」というアルバムにも収録されています。

ただ入手が難しいので、安く見つけたら買っておいた方がいいかもしれません。

ちなみに私はボーカルの女性とお話したことがありますが、とても好感の持てる方でした。

日本にもソフトロックといえるバンドは他にもありますが、彼らはその代表格で頂点といえるバンドだと思います。

 

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