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エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)の名曲名盤12選【代表曲・隠れた名曲】【ネタバレなし】

今回はエンニオ・モリコーネのランキングを作成しました。

彼の音楽は映画音楽という枠を超えて、聞き手に訴えかけてきます。

映画音楽の巨匠、モリコーネの名曲の数々をご堪能ください。

 

1位「Tema D’amore – Version 2」(アルバム:Nuovo Cinema Paradiso)

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■曲名:Tema D’amore – Version 2
■曲名邦題:ニュー・シネマ・パラダイス 愛のテーマ
■アルバム名:Nuovo Cinema Paradiso(1988年)
■アルバム名邦題:ニュー・シネマ・パラダイス
■動画リンク:「Tema D’amore – Version 2」

音楽の中には、音楽の仕事自体をテーマにした曲があります。

たとえばシルバー(Silver)の「ミュージシャン(Musician (Not an Easy Life)」という曲では「ミュージシャンは楽ではない」と歌われています。

ただ映画ほど多くないかもしれません。

映画では映画をテーマにした作品は、一つのジャンルになっている感があります。

映画を題材とした映画作品 ウィキペディア

通常映画における音楽は、ストーリーや描写を補完する役割に限定されます。

しかし中には映像を凌駕するほど存在感のある音楽を生み出せる人がいます。

その内の1人がエンニオ・モリコーネ。

この曲にはすばらしいカバーが多いですが、1曲だけご紹介しましょう。

Pat Metheny & Charlie Haden – Cinema Paradiso

 

2位「Toto e Alfredo – Version 2」(アルバム:Nuovo Cinema Paradiso)

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■曲名:Toto e Alfredo – Version 2
■曲名邦題:トトとアルフレード
■アルバム名:Nuovo Cinema Paradiso(1988年)
■アルバム名邦題:ニュー・シネマ・パラダイス
■動画リンク:「Toto e Alfredo – Version 2」

この映画は年の離れた男同士の友情がテーマです。

トトとはこの映画の主人公のことで、映画ではトトの一生が描かれています。

アルフレッドはトトにとって、映画技師の仕事や映画の魅力を教えてくれた年の離れた友人。

父親のいないトトにとってアルフレッドの存在は、父親兼親友みたいなものだったかもしれません。

この曲では映画を接点、に2人が心を通わせていく過程がみずみずしく描かれています。

上のアルバムジャケットを見ると、どういう関係かお分かりいただけると思います。

 

3位「Gabriel’s Oboe」(アルバム:The Mission)

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■曲名:Gabriel’s Oboe
■曲名邦題:ガブリエルのオーボエ
■アルバム名:The Mission(1986年)
■アルバム名邦題:ミッション
■動画リンク:「Gabriel’s Oboe」

この曲はフィギュア・スケートでよく使われる定番曲です。

安藤美姫、三原舞依、浅田舞などが、この曲で演技しています。

1つだけ動画のリンクを貼っておきましょう。

荒川静香の演技と生演奏の共演が感動的です。

荒川静香 2012 Capodanno on Ice “ガブリエルのオーボエ”

この曲は映画の中で、ジェレミー・アイアンズ(Jeremy Irons)演じるガブリエル神父が、オーボエを奏でるシーンで使用されています。

この映画はキリスト教の布教をする宣教師の葛藤が描かれています。

以下の通り様々な賞を受賞しました。

1986年度カンヌ国際映画祭パルム・ドール、アカデミー撮影賞、ゴールデングローブ賞 脚本賞、ゴールデングローブ賞 作曲賞、英国アカデミー賞 作曲賞受賞。

ミッション (映画) ウィキペディア

残念ながら、映画そのものは私の好みには合いませんでした。

ただ音楽は大変すばらしく、それだけで元が取れたと思えるほどでした。

映画ファンの中には、誰が監督でも音楽がモリコーネだったら観に行くという人がいるそうです。

私はそういう人の気持ちが分かる気がします。

 

4位「The Untouchables (End Title)」(アルバム:The Untouchables)

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■曲名:The Untouchables (End Title)
■曲名邦題:アンタッチャブル (エンド・タイトル)
■アルバム名:The Untouchables(1987年)
■アルバム名邦題:アンタッチャブル
■動画リンク:「The Untouchables (End Title)」

この時期の彼は、毎年のように傑作を連発していました。

・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ Once Upon a Time in America (1984)
・ミッション The Mission (1986)
・アンタッチャブル The Untouchables (1987)
・ニュー・シネマ・パラダイス Nuovo cinema Paradiso (1988)

エンニオ・モリコーネ ウィキペディア

中でもこのアルバムは、最も受賞歴が華やかです。

「Nuovo Cinema Paradiso」は2つの受賞でしたが、この映画は受賞とノミネートの合計が4つですし。

ただこの人の存在の大きさを思うと、それでも少なすぎるような気がしないでもありません。

モリコーネは映画音楽の歴史において最も偉大な1人ですが、アカデミー賞作曲賞の初受賞は87歳時の「ヘイトフル・エイト(The Hateful Eight)」です。

つまり上に挙げた傑作群のどれもが、アカデミー賞を受賞していません。

「Nuovo Cinema Paradiso」がノミネートされなかったことを考えると、アカデミー賞の選考基準の方がおかしいという気がします。

以前映画音楽に詳しい友人から聞いた話では、映画音楽は映画の中で機能することが最も重要で、音楽自体の良し悪しで決まるものではないという意見が根強いそうです。

つまり機能性が大切だと。

その点このサントラは、モリコーネの作品でも機能性に優れています。

そのせいか受賞こそ逃しましたが、アカデミー賞にノミネートされました。

 

5位「Metti Una Sera a Cena」(アルバム:Metti Una Sera a Cena)

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■曲名:Metti Una Sera a Cena
■曲名邦題:ある夕食のテーブル
■アルバム名:Metti Una Sera a Cena(1969年)
■アルバム名邦題:ある夕食のテーブル
■動画リンク:「Metti Una Sera a Cena」

モンド・ラウンジ系の中で、モリコーネの代表作といえる曲です。

この曲以外では、以下もおすすめです。

Ennio Morricone – Belinda May

彼は他にもジャズ、ロック、ファンク、ジャンク音楽など、バラエティに富んだ曲を提供してきました。

古くからのファンは、マカロニ・ウェスタンの曲に思い入れがあるかもしれません。

この曲は、イタリアの映画音楽を代表するシンガー、エッダ・デッロルソ(Edda Dell’orso)のボーカルをフィーチャーした曲です。

彼女はスキャットの女王と呼ばれています。

エッダはモリコーネのお気に入りらしく、度々起用されていました。

「エッダ・デッロルソ・シングス・エンニオ・モリコーネ(Edda Dell’Orso Sings Ennio Morricone)」という編集盤があるぐらいです。

 

6位「1900’s Theme」(アルバム:The Legend of 1900)

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■曲名:1900’s Theme
■曲名邦題:“1900”のテーマ
■アルバム名:The Legend of 1900(1998年)
■アルバム名邦題:海の上のピアニスト
■動画リンク:「1900’s Theme」

このアルバムについて非難する人は少なくありません。

というのは映画で使用されたにもかかわらず、サントラ未収録の曲が多いからです。

そこでそうしたご不満にお応えするため、未収録曲を3曲ご紹介します。

「マジック・ワルツ(Magic Waltz)」
「タランテラ(Tarantella In 3rd Class)」
「ロスト・ボーイズ・コーリング(Lost Boys Calling)」

ロック好きには3つめの「Lost Boys Calling」がおすすめです。

「Lost Boys Calling」のクレジットを挙げておきましょう。

・作曲:エンニオ・モリコーネ
・作詞・歌:ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)
・ギター:エドワード・ヴァン・ヘイレン(Edward Van Halen)
・プロデュース:パトリック・レナード(Patrick Leonard)
※マドンナ(Madonna)のプロデュース経験あり

出自はかなりバラバラですが、出来上がった曲はロジャー色が強いので、ピンク・フロイド(Pink Floyd))のファンには特におすすめです。

さてそれらの名曲を差し置いて、このアルバムで私が一番好きなのが「1900’s Theme」。

オーケストラとピアノが交差する瞬間が、とてもドラマティックで美しいです。

 

7位「Romanzo」(アルバム:Novecento)

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■曲名:Romanzo
■曲名邦題:ロマンツォ (1900年のテーマ)
■アルバム名:Novecento(1976年)
■アルバム名邦題:1900年
■動画リンク:「Romanzo」

この曲を聞くと励まされるというか、人生に迷った時に背中を押してくれる気がします。

特に2:05からのトランペットはとても気高く、深く胸に響きますね

そういえばモリコーネの父親はトランぺッターでした。

この映画の監督は、ベルナルド・ベルトルッチ(Bernardo Bertolucci)。

イタリアのファシズム台頭や世界大戦の時代を背景に、出身階層が異なる幼馴染2人の人生が描かれています。

モリコーネの音楽は、大きな時代の変化に翻弄されながら、必死に生きる人間を描いた映画に向いているように思います。

ちなみにモリコーネは1928年生まれ。

第二次世界大戦が終結したのが1945年ですから、彼自身が戦争の中で多感な時期を過ごしたのですね。

彼はイタリア生まれですし、実際ファシズム時代の生き証人でした。

音楽に説得力があるのも当然かもしれません。

 

8位「L’Ultimo」(アルバム:Ideato, Scritto e Diretto da Ennio Morricone)

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■曲名:L’Ultimo
■曲名邦題:星空に
■アルバム名:Ideato, Scritto e Diretto da Ennio Morricone(1970年)
■アルバム名邦題:イデアット・スクリット・デレット
■動画リンク:「L’Ultimo」

モリコーネ自身が選んだコンピレーション・アルバムの曲です。

日本未公開作品からも選曲されいて、モンド・ラウンジの第一人者、小柳帝がライナーノーツを書いています。

モリコーネはとても多作な人で、生涯に手掛けた作品数は428とも500以上とも言われています。

全てを網羅するのは、ほぼ不可能に近いかもしれません。

この記事を書くにあたって私もかなり聞いたつもりですが、全く網羅しきれていません。

あと映画のDVDとサントラの両方がリリースされている作品は、それほど多くありませんし。

DVDとサントラのどちらかだけ、又は両方とも日本未発売のケースも多く、そういうマイナー作品の曲は、こういうコンピで聞くしかありません。

以前からモリコーネのコンピは見つけたら買っていましたが、中でも掘り出し物だったのがこの曲です。

1:13ぐらいからの飛翔するストリングスに気分が高揚します。

 

9位「De Amor Se Muere」(アルバム:Grandes Exitos Musicales de Ennio Morricone – Vol. 1)

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■曲名:De Amor Se Muere
■アルバム名:Grandes Exitos Musicales de Ennio Morricone – Vol. 1
■動画リンク:「De Amor Se Muere」

モリコーネ作品は膨大すぎて、ご紹介したい曲があっても動画がないことが少なくありません。

この曲も探しましたが、当初は見つかりませんでした。

しかし試行錯誤して探したところ、別の曲名で投稿されているのを見つけました。

動画の曲名は「morire d’amore」となっていますが、曲は「De Amor Se Muere」です。

さてこのアルバムは編集盤です。

この曲がどのサウンドトラックの収録曲か分かりませんでしたが、私はこのコンピレーションで知りました。

上記の編集盤には他にも「キ・マイ(Chi Mai)」など有名曲が入っています。

Ennio Morricone – Chi Mai

モリコーネの編集盤では「私の大好きなモリコーネ・ミュージック 小泉純一郎選曲 チャリティー・アルバム」が、とても売れたようですね。

ただ私としては「エンニオ・モリコーネ・イン・ラウンジ(Ennio Morricone in Lounge)」シリーズの方がおすすめです。

 

10位「Deborah’s Theme」(アルバム:Once Upon a Time in America)

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■曲名:Deborah’s Theme
■曲名邦題:デボラのテーマ
■アルバム名:Once Upon a Time in America(1984年)
■アルバム名邦題:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
■動画リンク:「Deborah’s Theme」

彼の最高傑作はどのサントラか。

おそらく「Nuovo Cinema Paradiso」を挙げる人が多いと思います。

ではその次はどの作品でしょうか。

人によって意見が分かれると思いますが、私はこの作品を挙げたいと思います。

他にどのような名曲が収録されているか、2曲だけ補足しましょう。

「アマポーラ ~愛のテーマ(Amapola)」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(Once Upon a Time in America)」

モリコーネはこの映画の監督、セルジオ・レオーネ(Sergio Leone)との仕事によって、一躍人気作曲家になりました。

彼は「荒野の用心棒(Per Un Pugno Di Dollari)」「夕陽のガンマン(Per Qualche Dollaro In Piu)」など、多くのマカロニ・ウェスタンに音楽を提供しました。

この映画もセルジオ・レオーネ監督と組んでいます。

ちなみにこの映画はセルジオ・レオーネの遺作になりました。

もしこの映画をご覧になっていない方は、上の「Deborah’s Theme」の動画を試しにご覧ください。

断片的なシーンばかりですが、きっと映画が見たくなると思います。

 

11位「La Califfa (Main Theme)」(アルバム:La Califfa)

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■曲名:La Califfa (Main Theme)
■曲名邦題:ラ・カリファ
■アルバム名:La Califfa(1970年)
■アルバム名邦題:ラ・カリファ
■動画リンク:「La Califfa (Main Theme)」

モリコーネの曲は、映画とは関係なく独り歩きすることがあります。

その極端な例がこの曲です。

これまでご紹介した映画の多くは映画も有名ですし、観ている方も多いことでしょう。

しかしこの曲をご存知の方も、映画の方はほぼ見ていないはずです。

現時点では日本語のDVDも発売されていませんし。

そもそも「La Califfa」という映画があることさえご存知ない方が多数ではないでしょうか。

しかしこの曲の場合、映画とは違う音楽の文脈で知られていますから、それでも全然問題ありません。

この曲はテレビ番組「ルーヴル美術館」で使われたそうです。

またサラ・ブライトマン(Sarah Brightman)の歌詞ありのバージョンも有名です。

Sarah Brightman – La Califfa

 

12位「Playing Love (Piano Version)」(アルバム:The Legend of 1900)

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■曲名:Playing Love (Piano Version)
■曲名邦題:愛を奏でて(ピアノ編)
■アルバム名:The Legend of 1900(1998年)
■アルバム名邦題:海の上のピアニスト
■動画リンク:「Playing Love (Piano Version)」

この映画では「Nuovo Cinema Paradiso」の監督、ジュゼッペ・トルナトーレ(Giuseppe Tornatore)と再びタッグを組んでいます。

モリコーネは職業作曲家ですから、必ずしも映画の好き嫌いだけで仕事を引き受けているわけではありません。

先程ご紹介したセルジオ・レオーネとのコンビが有名ですが、モリコーネは必ずしも彼の映画を好んでいたわけではありませんでした。

しかしジュゼッペ・トルナトーレは、かなり高く評価していたようです。

モリコーネはジュゼッペ・トルナトーレの全作品に音楽を提供していますが、ジュゼッペ・トルナトーレも構想段階からモリコーネに相談していたそうです。

その二人三脚のような関係性がうかがえるのがこの曲。

ぜひ上の動画をご覧ください。

途中でピアノが止まるシーンがありますが、音楽だけ聞くとなぜそこで止まるのか分かりません。

しかし上の動画を見ると、その音が止まるシーンがこの曲のハイライトだと分かります。

沈黙に込められた万感の思い。

確かにモリコーネの曲は魅力的すぎて、映画と切り離しても鑑賞することができます。

しかし映画の中で機能し共に輝くことこそが、本来モリコーネが望んでいたことなのかもしれません。

 

番外編 選外となった曲を少々

ランキングは以上です。

ただ映画音楽の巨人モリコーネをご紹介するには、12曲だけではもの足りません。

熱心なモリコーネのファン(モリコニアン)の方にも、ご納得いただける自信がありませんし。

そこで5曲だけ追加でご紹介しておきましょう。

ランクインした曲以外に私がおすすめ曲は、上記の文章の中で適宜言及しました。

そこでもご紹介できなかった曲を、以下に列記いたします。

余力のある方はぜひどうぞ。

「リーガンのテーマ(Regan’s Theme)」(エクソシスト2(Exorcist II: The Heretic)より)(1977年)

「ローマ・バルドラーカ(Roma Baldracca)」(ある愛の断層(Questa Specie D’Amore)より)(1972年)
※少し音量が大きめですのでご注意ください

「天国の日々(Days of Heaven)」(天国の日々(Days of Heaven)より)(1978年)

「Sorridimi, Sorridimi」(アニタと子猫と(Viaggio Con Anita)より)(1978年)

「マレーナ(Malena)」(マレーナ(Malena)より)(2000年)

 

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