今回はセックス・ピストルズのランキングを作成しました。
彼らはパンクを象徴するバンドです。
確かにモラルに欠く言動の数々は、神経を逆なでするかもしれません。
しかしその音楽は、今も刺激的であり続けています。
- 1 1位「Holidays in the Sun」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
- 2 2位「Anarchy in the U.K.」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
- 3 3位「Johnny B. Goode / Roadrunner」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
- 4 4位「Silly Thing」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
- 5 5位「No Feeling」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
- 6 6位「God Save the Queen」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
- 7 7位「No Fun」(アルバム:76-77)
- 8 8位「Substitute」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
- 9 9位「No Lip」(アルバム:76-77)
- 10 10位「My Way」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
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1位「Holidays in the Sun」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
■曲名:Holidays in the Sun
■曲名邦題:さらばベルリンの陽
■アルバム名:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols
■アルバム名邦題:勝手にしやがれ!!
■動画リンク:「Holidays in the Sun」
初めてこの曲を聞いた子供の私は、率直にかっこいいと思いました。
ただ後追いの私は、既にDOLL誌などで様々な後継バンドの情報も得ていました。
中にはピストルズなんてヌルいぜみたいなことを言っているバンドも。
若すぎる私は自分の意見に自信がなく、そんなものかなと思っていました。
ただその後しばらくしてからようやく聞き狂いました。
その時には子供の頃に無理して聞いていたパンク・バンドの多くは聞かなくなっていました。
少し成長した私には、彼らの音楽は他の多くのパンク・バンドより音楽的に聞こえました。
2位「Anarchy in the U.K.」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
■曲名:Anarchy in the U.K.
■曲名邦題:アナーキー・イン・ザ・U.K.
■アルバム名:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols
■アルバム名邦題:勝手にしやがれ!!
■動画リンク:「Anarchy in the U.K.」
この曲では、自分は反キリストで、無政府主義者だと歌われています。
この曲の初期バージョンを収録したオフィシャル・ブートレッグ「スパンク(Spunk)」では「Nookie」という違う曲名でした。
ちなみに「Nookie」とは「性交」を意味するスラングです。
その後「無政府状態のイギリス」を意味する曲名に変更されています。
俺は通行人をブチのめしたいし、交通を麻痺させてやりたい。
手段を選ばずのしあがってやる。やりたいようにやらせてもらうぜ。
そんな感じの歌詞です。
ただ歌詞を書いたジョニー・ロットン(Johnny Rotten)は後年、自分は無政府主義者ではないと語っています。
ただ有名になるために手段を選ばなかったのは疑いようがありませんが。
3位「Johnny B. Goode / Roadrunner」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
■曲名:Johnny B. Goode / Roadrunner
■曲名邦題:ジョニー・B・グッド/ロードランナー
■アルバム名:The Great Rock’n’Roll Swindle
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル
■動画リンク:「Johnny B. Goode / Roadrunner」
「Johnny B. Goode」は、チャック・ベリー(Chuck Berry)の有名曲です。
パンクは1950年代のシンプルなロックを復権させました。
当時の商業音楽は大仰だったり、装飾過剰だったり、商業主義に傾いていたと言われていました。
パンクはそんな不満を抱えていた若者の受け皿になりました。
このアルバムには他にもエディ・コクラン(Eddie Cochran)の「カモン・エヴリバディ(C’mon Everybody)」のカバーが収録されています。
さてこの「Johnny B. Goode / Roadrunner」は2曲が、メドレー形式で繋がっています。
後半の「Roadrunner」をご存知ない方も多いかもしれません。
The Modern Lovers – Roadrunner
まあメドレー前半の「Johnny B. Goode」を聞くだけでいいと思います。
4位「Silly Thing」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
■曲名:Silly Thing
■曲名邦題:シリー・シング
■アルバム名:The Great Rock’n’Roll Swindle
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル
■動画リンク:「Silly Thing」
ポール・クック(Paul Cook)がボーカルを担当した、パワーポップみたいな曲です。
このバンドについては、誰が作曲しているのか分かりにくいかもしれません。
「Never Mind the Bollocks」のクレジットを見ても、共同名義の曲ばかりですし。
実際は当時のベーシスト、グレン・マトロック(Glen Matlock)が書いた曲が多かったと思われます。
「Anarchy in the U.K.」もグレンが書いた曲ですし。
ただバンド内で評価されていたかというと、そうでもないようです。
スティーヴ・ジョーンズはインタビューで、マトロックの脱退について、「彼は優れた作曲家だったけれど、ビートルズの影響が大きすぎた。彼はいつも足を洗っていて、ピストルズには見えなかった」と語っている[3]。
一方この「Silly Thing」を書いたのは、ギターのスティーヴ・ジョーンズ(Steve Jones)とドラムのポール・クック。
自分たちはもっとポップな曲を書いているじゃないかと言いたくなりますね(笑)
5位「No Feeling」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
■曲名:No Feeling
■曲名邦題:分かってたまるか
■アルバム名:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols
■アルバム名邦題:勝手にしやがれ!!
■動画リンク:「No Feeling」
このデビュー・アルバムが発売されるまでには、様々な紆余曲折がありました。
1976年、大手レーベルのEMIと契約し、シングル「アナーキー・イン・ザ・U.K./アイ・ワナ・ビー・ミー」をリリースするが、
出演したテレビで放送禁止用語を連発したことが問題となって契約を破棄され、結果としてバンドは巨額の違約金を手に入れた。
その後、A&Mレコードと契約したが、シングル「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン/分かってたまるか」の発売直前に破棄され、またしてもバンドは巨額の違約金を手に入れた。
問題を起こしたバンド側ではなく、レコード会社がバンドに違約金を支払うようですね。
先程「Anarchy in the U.K.」には、手段を選ばすのし上がってやるぜというようなフレーズがありました。
本当にそんな感じかもしれません。
結局彼らは3社目のヴァージン・レコード(Virgin Records)と契約し、デビューしました。
ただ「二度あることは三度ある」ということわざ通り、彼らは3度目も狙っていた形跡があります。
それはイギリスのエリザベス女王への公開侮辱。
それについては次の曲で触れたいと思います。
6位「God Save the Queen」(アルバム:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols)
■曲名:God Save the Queen
■曲名邦題:ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン
■アルバム名:Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols
■アルバム名邦題:勝手にしやがれ!!
■動画リンク:「God Save the Queen」
「Anarchy in the U.K.」と並ぶ、お騒がせソングです。
エリザベス女王在位25周年祝典の日に、テムズ川のボートでゲリラライヴを行い、英国国歌と同名の曲「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を演奏し逮捕された。
ただ「神は女王を守りたまう」という曲名だけでは、なぜ逮捕されるのか分からないかもしれません。
その理由は歌詞にあります。
すさまじい言葉が並んでいますから。
お前なんか人間じゃない、お前に未来はない等々、罵倒しまくっています(苦笑)
ただこの炎上商法は、セールス面で良いプロモーションになったかもしれません。
この曲はイギリスのシングルチャートで2位を獲得しています。
7位「No Fun」(アルバム:76-77)
■曲名:No Fun
■曲名邦題:ノー・ファン
■アルバム名:76-77
■動画リンク:「No Fun」
彼らには多くのB面曲、未発表曲、ライブ音源があります。
そうした曲の多くは、このCD4枚組のボックス・セットで聞くことができます。
ちなみに彼らには「Spunk」や「The Mini Album」など、様々なマニア向け音源があります。
このボックスセットは、それらと重複する曲が多いのでご注意ください。
さて今回ご紹介した「No Fun」は、ストゥージーズ(The Stooges)のカバー曲です。
私はピストルズをご紹介する上で、この曲は欠かせないと思いました。
7分超えという長い曲ですが、グダグダになりながらも、最後までテンションの高さを維持しています。
オリジナル・パンクは今時のパンクより、グダグダしていました。
そのグダグダ感を代表する曲としてご紹介してみました。
8位「Substitute」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
■曲名:Substitute
■曲名邦題:恋のピンチ・ヒッター
■アルバム名:The Great Rock’n’Roll Swindle
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル
■動画リンク:「Substitute」
この曲はザ・フー(The Who)のカバーです。
ラモーンズ(Ramones)にもカバーされており、パンクスに好かれた曲といえるでしょう。
彼らのオリジナル・アルバムは1枚だけです。
私の感覚ではこの「The Great Rock’n’roll Swindle」は、実質セカンド・アルバムだと思います。
ただ本来このアルバムは、マルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)が企画した映画のサウンドトラック。
その映画でマルコムが語ったバンドのヒストリーは、事実とは異なる点が多いようです。
あまりのでたらめぶりに、後年ジョニー・ロットンらが同じジュリアン・テンプル監督に依頼して「ノー・フューチャー(No Future)」という映画を製作しています。
私は昔、自分が好きな曲だけCD-Rに焼いて聞いていました。
9位「No Lip」(アルバム:76-77)
■曲名:No Lip
■曲名邦題:ノー・リップ
■アルバム名:76-77
■動画リンク:「No Lip」
彼らはアルバム1枚だけ残して解散しました。
その後ジョニー・ロットン(Johnny Rotten)は、本名のジョン・ライドン(John Lydon)に改名しています。
彼はパブリック・イメージ・リミテッド(PIL)などで活動した後、再結成を発表しました。
1996年、「俺達には共通の目的ができた、それは金だ!」とうそぶき、オリジナル・メンバーにより再結成。
6月よりワールド・ツアーを決行し、翌7月にはライヴ・アルバム『勝手に来やがれ』を発売。
相変わらずのようですね(苦笑)
ちなみに2006年ロックの殿堂入りが発表された時には、公式サイトにこんなコメントを掲載しています。
「セックス・ピストルズを除けば、ロックンロールもその殿堂入りも小便のシミだ。」(中略)
ロックの殿堂入りを蹴ったアーティストは史上初である。
まあそれが彼らの芸風なのでしょう。
10位「My Way」(アルバム:The Great Rock’n’Roll Swindle)
■曲名:My Way
■曲名邦題:マイ・ウェイ
■アルバム名:The Great Rock’n’Roll Swindle
■アルバム名邦題:ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル
■動画リンク:「My Way」
さて最後にシド・ヴィシャス(Sid Vicious)について触れておきます。
シドに関しては、映画「シド・アンド・ナンシー(Sid And Nanc)」でご存知の方も多いと思います。
この曲はそんなシドのボーカル曲。
オリジナルは、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)の名唱で知られています。
この曲はぜひ動画をご覧ください。
彼はシナトラの曲が持つ意味を、見事反転させています。
これぞパンクという感じがしますね。
このアルバムは、1979年2月26日にリリースされました。
しかしシドは発売前の2月2日、オーバードーズで命を落としています。
死の原因となったヘロインは、シドの母親がシドに懇願されて渡したものだそうです。
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