今回はユーライア・ヒープのランキングを作成しました。
彼らは四大ハードロック・バンドに数えられるレジェンドです。
しかしその割に聞かれていないかもしれません。
この記事ではそんな彼らの選りすぐりの名曲をご紹介してみました。
- 1 1位「Look at Yourself」(アルバム:Look at Yourself)
- 2 2位「July Morning」(アルバム:Look at Yourself)
- 3 3位「Easy Livin’」(アルバム:Demons and Wizards)
- 4 4位「Sympathy」(アルバム:Firefly)
- 5 5位「I’m Alive」(アルバム:Fallen Angel)
- 6 6位「Think It Over」(アルバム:Abominog)
- 7 7位「Blind Eye」(アルバム:The Magician’s Birthday)
- 8 8位「Weep in Silence」(アルバム:High and Mighty)
- 9 9位「No Return」(アルバム:Conquest)
- 10 10位「Sweet Freedom」(アルバム:Sweet Freedom)
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1位「Look at Yourself」(アルバム:Look at Yourself)
■曲名:Look at Yourself
■曲名邦題:対自核
■アルバム名:Look at Yourself
■アルバム名邦題:対自核
■動画リンク:「Look at Yourself」
この曲を1位に推してなんですが、彼らの代表曲、有名曲といえば2位の「July Morning」です。
しかし「July Morning」は10分超えと重めなので、気軽に聞けないように思いました。
それにハードロック・バンドの1位にバラードを推すのは気が引けますし。
そこでまずこのハードロック・ナンバーをご紹介し、その後「July Morning」を配置しました。
この曲はイントロから前のめりのオルガンがカッコいいです。
さてここでアルバム邦題の「対自核」について説明したいと思います。
アルバム名の英語表記は「Look at Yourself」ですから「自分自身を見ろ」という意味。
それならば「対自」だけでいいかもしれません。
「対自核」という言葉はありません。
この場合の「核」とは何を意味しているのか、調べても分かりませんでした。
その代わり「対自」について、哲学者であり実存主義者のサルトルの言葉だと分かりました。
1970年代位までのプログレやハードロックでは、とかく小難しい漢字た多用されがちでした。
レインボー(Rainbow)の「Rainbow Rising」の邦題は「虹を翔る覇者」ですし。
「核」を付けたのも特に意味はないかもしれませんが、結果として語感が良く、効果的なネーミングだったと思います。
2位「July Morning」(アルバム:Look at Yourself)
■曲名:July Morning
■曲名邦題:七月の朝
■アルバム名:Look at Yourself
■アルバム名邦題:対自核
■動画リンク:「July Morning」
ユーライア・ヒープといえばこの曲です。
彼らは初期2作「ユーライア・ヒープ・ファースト(…Very ‘Eavy …Very ‘Umble」「ソールズベリー(Salisbury)」が、セールス的に不発に終わりました。
内容の良し悪しというより、自分たちの強味をアピールしきれなかった印象があります。
そしてこの3作目が発表されました。
プロデューサーのジェリー・ブロン(Gerry Bron)は本作について、こう語っています。
バンドが真の意味で強固な音楽的方向性を見出した時だった
その結果はセールスにも表れ、イギリスのアルバムチャートで39位を記録しました。
なんと日本ではオリオコンのアルバムチャートで5位。
彼らはレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)、ディープ・パープル(Deep Purple)、ブラック・サバス(Black Sabbath)と並ぶ、イギリスの四大ハードロック・バンドと呼ばれています。
このアルバムとこの曲なくして、そうした評価は得られなかったかもしれません。
3位「Easy Livin’」(アルバム:Demons and Wizards)
■曲名:Easy Livin’
■曲名邦題:安息の日々
■アルバム名:Demons and Wizards
■アルバム名邦題:悪魔と魔法使い
■動画リンク:「Easy Livin’」
先程申し上げたように、このバンドはイギリスの四大ハードロック・バンドに数えられますが、他の3バンドに比べて知名度が低いように思います。
世評では四天王最弱という扱いのような気が。。。
そこで私はそんな風潮に一石投じたいと思いました。
今回の記事で取り上げた10曲は、他の3バンドに比べてもそん色ないと思いますし。
ただ彼らがそういう評価になったのは理由があるかもしれません。
彼らはバラードに良い曲が多いですが、逆に言えばアップの曲は知名度が足りません。
また彼らはプログレっぽいところがありますが、直接的なカタルシスを求めるハードロック好きには合わなかったかもしれませんし。
更にはハードロックといえばギターですが、彼らはキーボードの方が目立つ曲が少なくありません。
それをふまえて私が推したいのはこの曲。
彼らが優秀なハードロックバンドであることをご理解いただけると思います。
4位「Sympathy」(アルバム:Firefly)
■曲名:Sympathy
■曲名邦題:哀れみの涙
■アルバム名:Firefly
■アルバム名邦題:ファイアフライ
■動画リンク:「Sympathy」
今回は1970年のデビュー作から1982年の「魔界再来(Abominog)」まで、スタジオ・アルバム14枚を対象にしました。
ちなみに1973年の「ユーライア・ヒープ・ライヴ(Uriah Heep Live)」もすばらしい出来です。
一般的に彼らの全盛期は「夢幻劇(Wonderworld)」くらいまでと言われることが多いようです。
その後次作「幻想への回帰(Return to Fantasy)」からは、大きく作風が変わりました。
私なりの言い方をすれば、ブリティッシュ・ハードロックからアメリカン・ハードロックへの変化。
この記事ではあえて大まかに前者を1期、後者を2期と呼びたいと思います。
私はアルバム単位では1期が良いと思っていますが、2期にも決定的な曲が多々あって素通りできません。
この曲と「I’m Alive」「Think It Over」「Weep in Silence」「No Return」は後者の曲です。
この記事ではその2つの時期から、選りすぐりの名曲をピックアップしました。
5位「I’m Alive」(アルバム:Fallen Angel)
■曲名:I’m Alive
■曲名邦題:アイム・アライヴ
■アルバム名:Fallen Angel
■アルバム名邦題:堕ちた天使
■動画リンク:「I’m Alive」
このバンドはメンバー・チェンジがかなり頻繁です。
個別の入れ替わりについては割愛させていただきますが、重要なメンバーの交代だけ触れておきます。
デビュー時からバンドの顔であったボーカルのデイヴィッド・バイロン(David Byron)は「High and Mighty」の後に解雇されました。
代わりに次作「Firefly」からジョン・ロートン(John Lawton)が加入しています。
「Firefly」「Innocent Victim」「Fallen Angel」はジョン・ロートン三部作と呼ばれることもあり、初期とは違ったファンを獲得しました。
この曲は高音が魅力のジョン・ロートンの特徴がよく表れています。
また曲を書いたのもジョン・ロートンですが、彼はこのアルバムを最後に脱退しました。
彼は低迷期にバンドを支えた功労者です、
しかしこんな良い曲なのにもかかわらず9曲目ですし、シングルカットもされていません。
本来は1曲目に置いてシングルカットすべき曲だと思います。
そんなところからもジョン・ロートンの立場の弱さがうかがい知れるように思います。
6位「Think It Over」(アルバム:Abominog)
■曲名:Think It Over
■曲名邦題:シンク・イット・オーヴァー
■アルバム名:Abominog
■アルバム名邦題:魔界再来
■動画リンク:「Think It Over」
このアルバムの前、バンドの中心人物ケン・ヘンズレー(Ken Hensley)が脱退しました。
彼はメイン・ソングライターでキーボード奏者としても存在感を発揮し、バンドの柱といえる存在でした。
その後も次々に他のメンバーが脱退し、ついにバンドは解散することになりました。
しかしその後ギターのミック・ボックス(Mick Box)が、自身のバンド、ミック・ボックス・バンドを結成した後、レコード会社との契約上の必要性からユーライア・ヒープを復活させました。
この曲はその新生ユーライア・ヒープの曲です。
もうデイヴィッド・バイロン、ジョン・ロートン、ケン・ヘンズレーはいません。
しかしこれがなかなかの出来です。
その後も彼らはコンスタントに良い作品を生み出し続けました。
私はミック・ボックスについて、このバンドの第三の男みたいに考えていました。
私は彼の力量を見誤っていたのかもしれません。
7位「Blind Eye」(アルバム:The Magician’s Birthday)
■曲名:Blind Eye
■曲名邦題:盲目
■アルバム名:The Magician’s Birthday
■アルバム名邦題:魔の饗宴
■動画リンク:「Blind Eye」
彼らの最高傑作といえば「Look at Yourself」です。
余談ですが「Look at Yourself」は、明らかにアルバムジャケットで損をしていますね。
「Demons and Wizards」を最高作に推す声も少なくありません。
こちらはジャケットも魅力ですし。
「Demons and Wizards」は、ポップな曲が増えましたが曲が粒ぞろいでした。
この「The Magician’s Birthday」には、その路線が引き継がれています。
この時期の彼らは聞きやすくなりましたが、ブリティッシュハードロック・バンドとしての品格は保たれています。
たとえばこの曲をお聞きください。
2本のギターがハモる箇所に聞き入ってしまいます。
8位「Weep in Silence」(アルバム:High and Mighty)
■曲名:Weep in Silence
■曲名邦題:静かなる涙
■アルバム名:High and Mighty
■アルバム名邦題:ハイ・アンド・マイティ
■動画リンク:「Weep in Silence」
こちらもブリティッシュ・ロックらしい哀愁漂う曲です。
前述したように彼らは前作「幻想への回帰(Return to Fantasy)」から作風を変えました。
私はその変化をアメリカン・ロック化と呼びました。
前作の「Return to Fantasy」はその路線の第一弾ですが、個人的にはそれほど良い出来ではなかったように感じます。
しかし次作にあたるこのアルバムでは、その路線のまま完成度を高めてきました。
さてこのアルバムではベーシストとして、ジョン・ウェットン(John Wetton)の参加が大きな話題になりました。
ジョン・ウェットンは、以下の曲でボーカルも担当しています。
Uriah Heep – One Way or Another
しかしここでは個人的な好みから、泣きの魅力たっぷりの「Weep in Silence」の方を選びました。
9位「No Return」(アルバム:Conquest)
■曲名:No Return
■曲名邦題:ノー・リターン
■アルバム名:Conquest
■アルバム名邦題:征服者
■動画リンク:「No Return」
ケン・ヘンズレー在籍時、最後のアルバムです。
同時に新ボーカル、ジョン・スローマン(John Sloman)が加入後の第一作目です。
過渡期で谷間の時期といえますが、決して出来は悪くありません。
ジョン・スローマンのボーカルが少し弱いように感じますが、それは録音のせいかもしれません。
このアルバムは楽曲の粒がそろっています。
ケン・ヘンズレーは大半の曲に関わっていますが、改めてソングライターとしての力量を示しました。
ちなみに同年彼はソロ・アルバムも発表しており、そちらもなかなかの出来です。
ソロから1曲ご紹介しておきましょう。
彼はこの「Conquest」の後、バンドを去りました。
しかし彼抜きの新生ユーライア・ヒープの次作「Abominog」もすばらしい作品でした。
10位「Sweet Freedom」(アルバム:Sweet Freedom)
■曲名:Sweet Freedom
■曲名邦題:スイート・フリーダム
■アルバム名:Sweet Freedom
■アルバム名邦題:スイート・フリーダム
■動画リンク:「Sweet Freedom」
先程彼らが軽視される要因について、私が考える要因をいくつか挙げてみました。
最後に、彼らの強味について私の考えを述べてみたいと思います。
私が考える彼らの最大の魅力は、ドラマティックなところ。
それが他の四大ブリティッシュ・ハードロック・バンドと互角、もしくは勝るアピール・ポイントだと思います。
私はその特徴をもっとアピールできなかったかと思っています。
このアルバムを含めて彼ら作品の多くはプロデューサーはプロデューサーのジェリー・ブロン。
しかし音楽の変遷が著しいせいか、私はプロデューサーの貢献が見えにくいと感じます。
たとえば彼らはコーラスも魅力ですが、イエス(Yes)やクイーン(Queen)と比較して、効果的には活用されていないと感じますし。
思えばクイーンの成功の影には、才人ロイ・トーマス・ベイカー(Roy Thomas Baker)がいました。
ただそれでもユーライア・ヒープは、すばらしい曲を数多く残しています。
もし彼らのポテンシャルがフルに引き出されていたらどうなっていただろう。
私はついそんな想像をしてしまいます。
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