今回はオーティス・レディングのランキングを作成しました。
この人はソウル・シンガーの最高峰の1人で、味わい深い歌が魅力的です。
もちろん楽曲が良い方がいいですし、演奏も重要かもしれません。
しかしこの人の場合、歌さえあれば他に何もいらないと思わせてくれるところがあります。
- 1 1位「(Sittin’ On) The Dock of the Bay」(アルバム:The Dock of the Bay)
- 2 2位「Can’t Turn You Loose」(アルバム:Live in Europe)
- 3 3位「I’ve Been Loving You Too Long」(アルバム:Otis Blue: Otis Redding Sings Soul)
- 4 4位「These Arms of Mine」(アルバム:Pain in My Heart)
- 5 5位「Shake」(アルバム:Live in Europe)
- 6 6位「Try a Little Tenderness」(アルバム:Complete & Unbelievable: The Otis Redding Dictionary of Soul)
- 7 7位「There Goes My Baby」(アルバム:Remember Me)
- 8 8位「I´ve Got Dreams To Remember」(アルバム:The Immortal Otis Redding)
- 9 9位「That’s How Strong My Love Is」(アルバム:The Great Otis Redding Sings Soul Ballads)
- 10 10位「Change Gonna Come」(アルバム:Otis Blue: Otis Redding Sings Soul)
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1位「(Sittin’ On) The Dock of the Bay」(アルバム:The Dock of the Bay)
■曲名:(Sittin’ On) The Dock of the Bay
■曲名邦題:ドック・オブ・ベイ
■アルバム名:The Dock of the Bay
■アルバム名邦題:ドック・オブ・ベイ
■動画リンク:「(Sittin’ On) The Dock of the Bay」
この曲はオーティス最大のヒット曲です。
シングルチャートで1位を獲得しましたが、他にトップ20に入った曲はありません。
当然彼は1位を目指していたことでしょう。
この曲には、こんな逸話が残っています。
それまでの曲調とは違うため、スタックス側やベーシストのドナルド・ダック・ダンは戸惑っていたが、本人がシングル化をレコーディング中に望んでおり、「俺の初めてのナンバー・ワン・ソングになるぜ」と語っている[4]。
この曲が録音された3日後、オーティスは飛行機事故によって命を落としています。
この曲は彼の希望通りシングルカットされ、ナンバーワンを獲得しました。
最後の口笛が印象的ですが、まるでお別れを告げているかのようですね。
この曲の大ヒットで、彼は多くの人々の記憶に刻まれることになりました。
2位「Can’t Turn You Loose」(アルバム:Live in Europe)
■曲名:Can’t Turn You Loose
■曲名邦題:お前をはなさない
■アルバム名:Live in Europe
■アルバム名邦題:ヨーロッパのオーティス・レディング
■動画リンク:「Can’t Turn You Loose」
このアルバムはライブ・アルバムです。
彼の代名詞である「ガッタ、ガッタ」と連呼していて、聞いているとじんわりと身体が熱くなります。
バックの演奏は、ブッカー・T & ザ・MG’s (Booker T. & the M.G.’s)。
メンバーをご紹介しておきましょう。
・スティーヴ・クロッパー(Steve Cropper) – ギター
・ブッカー・T・ジョーンズ(Booker T. Jones) – オルガン
・ドナルド・ダック・ダン(Donald Dunn) – ベース
・アル・ジャクソン(Al Jackson) – ドラムス
彼らはオーティスのデビュー後から一環して演奏を担当し、オーティスとは不可分の関係にあります。
その相性の良さを最も感じさせてくれるのがこの曲です。
私は映画「ブルース・ブラザース(The Blues Brothers)」で、初めてこの曲を知りました。
とてもライブ映えする曲で、同じくライブ盤の「ウィスキー・ア・ゴー・ゴー(In Person at the Whisky a Go Go)」にも収録されています。
3位「I’ve Been Loving You Too Long」(アルバム:Otis Blue: Otis Redding Sings Soul)
■曲名:I’ve Been Loving You Too Long
■曲名邦題:愛しすぎて
■アルバム名:Otis Blue: Otis Redding Sings Soul
■アルバム名邦題:オーティス・ブルー
■動画リンク:「I’ve Been Loving You Too Long」
オーティスの最高傑作として挙げられることが多いアルバムです。
次に「Live in Europe」「The Great Otis Redding Sings Soul Ballads」あたりでしょうか。
彼の代表作言われているだけあって、他にも以下のような有名曲が収録されています。
「リスペクト(Respect)」
「サティスファクション(Satisfaction)」
「ワンダフル・ワールド(Wonderful World)」
オーティスは卓越したシンガーというだけではなく、すぐれたソングライターでもあります。
上に上げた「Respect」はオーティスの単独作で、「I’ve Been Loving You Too Long」は、ジェリー・バトラー(Jerry Butler)との共作です。
自分でも良い曲を書けるのにカバー曲も取り上げて、それをオーティスが歌うのですから、良い作品にならないわけがありません。
私は最初の一枚として、このアルバムをおすすめします。
4位「These Arms of Mine」(アルバム:Pain in My Heart)
■曲名:These Arms of Mine
■曲名邦題:ジーズ・アームズ・オブ・マイン
■アルバム名:Pain in My Heart
■アルバム名邦題:ペイン・イン・マイ・ハート
■動画リンク:「These Arms of Mine」
ファースト・アルバムからの曲です。
この曲の誕生には、あるエピソードが残されています。
当時オーティスは、ジョニー・ジェンキンス(Johnny Jenkins)の付き人兼運転手を務めていました。
ある時スタジオで時間が余ったので、急遽オーティスがレコーディングすることになりました。
その時に録音されたのがこの曲。
この曲を聞いてスタックス・レコード(Stax Records)のジム・スチュワート(Jim Stewart)が驚き、契約を申し出たと伝えられています。
しかしこれは事前に計画されていたという説もあるようです。
オーティスの片腕スティーヴ・クロッパー(Steve Cropper)は、オーティスが亡くなった時、泣きながら「(Sittin’ On) The Dock of the Bay」の編集をしたそうです。
オーティスは誠実な人でしたので、仲間からとても慕われていました。
当時クロッパーは、ジェニーに自分のギタースタイルが盗まれていると疑っていたこともあり、独立を考えていました。
私は事前に計画されていた可能性もあると考えています。
このアルバムは他にも「セキュリティ(Security)」「ルシール(Lucille)」など、すばらしい曲が収録されています。
前者だけリンクを貼っておきましょう。
オーティスはデビュー時には、既に完成されていたのですね。
5位「Shake」(アルバム:Live in Europe)
■曲名:Shake
■曲名邦題:シェイク
■アルバム名:Live in Europe
■アルバム名邦題:ヨーロッパのオーティス・レディング
■動画リンク:「Shake」
再度ライブ盤からの曲をご紹介します。
オーティスはライブのパフォーマンスに定評があります。
彼は伝説のモントレー・ポップ・フェスティバル(Monterey Pop Festival)に出演しています.
白人のロック・ミュージシャンが多数出演するモントレー・ポップ・フェスティバルにオーティスが出ることについて、当初は難色を示す者が多かった。
オーティスが使用していたアンプは、ザ・フーやジミ・ヘンドリックスが使用していた大音量のものとは比較にならない程貧弱なものだったが、黒人のソウル・ミュージシャンとして同フェスティバルに出演したオーティスは大観衆の心を虜にし、音楽に人種の壁はないことを示し、大喝采を浴びた。
モントレーでは、オーティスとジミ・ヘンドリックスが大きな話題になりました。
それを受けて、2人のライブの模様をA面とB面に分けて収録した、ライブ・アルバムがリリースされたりもしました。
こちらも同じ年のライブ盤です。
しかし熱いですね。
オーティスは当初ジェームス・ブラウン(James Brown)に目をかけられていました。
しかしあまりのライブの迫力ぶりに、ジェームス・ブラウンは自分と共演した時、オーティスの時間を減らせと言っていたのだとか。
6位「Try a Little Tenderness」(アルバム:Complete & Unbelievable: The Otis Redding Dictionary of Soul)
■曲名:Try a Little Tenderness
■曲名邦題:トライ・ア・リトル・テンダネス
■アルバム名:Complete & Unbelievable: The Otis Redding Dictionary of Soul
■アルバム名邦題:ソウル辞典
■動画リンク:「Try a Little Tenderness」
この曲はオーティスがオリジナルだと思っている人が多いかもしれません。
しかし元々はジャズ・スタンダードです。
それをスタックスのプロデューサー、アイザック・ヘイズ(Isaac Hayes)が取り上げるよう勧めたようですね。
私はアーティストの個性を把握したい時、カバー曲をオリジナルと比較することがあります。
ここではオリジナルではありませんが、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)が歌ったバージョンと比較してみましょう。
Frank Sinatra – Try a Little Tenderness
フランク・シナトラが歌ったバージョンの方が、メロディが分かりやすいですね。
それに比べてオーティスの方は、メロディが分かりにくいかもしれません。
しかし緩急と強弱の付け方が絶妙で、強烈なカタルシスを感じさせてくれます。
ただオーティスは淡々と歌う場合もあります。
Otis Redding – Fa-Fa-Fa-Fa-Fa (Sad Song)
どちらにしても彼の歌には一音の重みがあって、腹にズシンと響きますね。
7位「There Goes My Baby」(アルバム:Remember Me)
■曲名:There Goes My Baby
■曲名邦題:ゼア・ゴーズ・マイ・ベイビー
■アルバム名:Remember Me
■アルバム名邦題:リメンバー・ミー
■動画リンク:「There Goes My Baby」
彼は1967年、26歳の若さで亡くなりました。
シングル・デビューは1960年ですが、アルバム・デビュー1964年です。
本格的に活躍していた時期は、3年と数か月にすぎません。
しかしそれほど短い感じがしないのは、その間彼は多くの作品をリリースしたからです。
存命中だけではなく未発表曲も多く「The Dock of the Bay」を含め、死後に未発表曲集が5枚出ています。
その中で特に聞き逃せないのが、このアルバムと「The Immortal Otis Redding」。
どちらも内容的には、ラスト・アルバム「The Dock of the Bay」を上回っているかもしれません。
私は最初聞いた時、この曲が入っていたことに喜びました。
アメリカの名コーラス・グループ、ドリフターズ(The Drifters)の名曲群でも、最も私が好きな曲だからです。
このアルバムには、同水準の名曲がゴロゴロしています。
8位「I´ve Got Dreams To Remember」(アルバム:The Immortal Otis Redding)
■曲名:I´ve Got Dreams To Remember
■曲名邦題:アイヴ・ガット・ドリームズ・トゥ・リメンバー
■アルバム名:The Immortal Otis Redding
■アルバム名邦題:イモータル・オーティス・レディング
■動画リンク:「I´ve Got Dreams To Remember」
死後リリースされた未発表音源の中でも、ベストの誉れが高いアルバムです。
その人気の秘密は、この曲の存在にあるかもしれません。
曲名の「I´ve Got Dreams To Remember」とは「私には覚えておく夢がある」という意味です。
公民権運動やキング牧師に影響されたのかと思って歌詞を読んでみましたが、全然違いました。
自分の女が浮気している現場を目撃して、その光景が夢に出てくるという内容です(笑)
ただオーティスが歌うと、高尚に聞こえてくるから不思議です。
さてこの曲を聞くと、淡々と歌っていますね。
実は晩年の彼は喉にポリープができて、迫力のある歌唱は息をひそめていました。
ただこの曲を聞くと、抑え気味でも説得力があります。
今回オーティスの歌のどこがすごいのか、いろいろ説明を試みようとしました。
しかし途中から開き直りました。
緩急と強弱を付けた歌もいい、こうして淡々と歌ってもいい、バラードは沁みますし、ジャンプ・ナンバーの迫力もいい。
全部すごいのですから。
さすがビック・オー(BIG O)と呼ばれるだけあります。
9位「That’s How Strong My Love Is」(アルバム:The Great Otis Redding Sings Soul Ballads)
■曲名:That’s How Strong My Love Is
■曲名邦題:この強き愛
■アルバム名:The Great Otis Redding Sings Soul Ballads
■アルバム名邦題:ソウル・バラードを歌う
■動画リンク:「That’s How Strong My Love Is」
今回はバラード、ミディアム、アップとバランスよく選曲しようと意識しました。
最初はバラードばかり選んでしまうのではないかと心配しました。
しかしその心配はいらなかったようです。
この曲や「ザ・ソウル・アルバム(The Soul Album)」に収録されている「634-5789」など、ミディアム・テンポにも良い曲が沢山あります。
自然とバランス良い選曲になったと思います。
この作品は、アルバム名からバラード集かと思うかもしれません。
しかし実際は「That’s How Strong My Love Is」のように、ミディアム・テンポの曲が多いように思います。
ただバラードでも、以下のようなすばらしい曲があります。
Otis Redding – For Your Precious Love
上の曲は「That’s How Strong My Love Is」同様、地味めの曲かもしれません。
オーティスは地味な曲を聞けという人もいますが、確かに一利ありますね。
10位「Change Gonna Come」(アルバム:Otis Blue: Otis Redding Sings Soul)
■曲名:Change Gonna Come
■曲名邦題:チェンジ・ゴナ・カム
■アルバム名:Otis Blue: Otis Redding Sings Soul
■アルバム名邦題:オーティス・ブルー
■動画リンク:「Change Gonna Come」
彼はリトル・リチャード(Little Richard)とサム・クック(Sam Cooke)に影響されたと言われています。
特に影響が色濃く感じられるのは、サム・クックの方です。
実際に多くの曲をカバーしていますし、先程ご紹介した「Shake」もサム・クックの曲です。
もう1曲サム・クックのカバー「チェイン・ギャング(Chain Gang)」をご紹介しておきましょう。
今回取り上げた「Change Gonna Come」は、サム・クックの代表曲です。
オーティスも気合いが入ったことでしょう。
今回取り上げた名唱ぞろいの中でも、1、2位争うすばらしい歌を聞かせてくれています。
サム・クックの背中を追いかけたオーティスは、死後様々なアーティストに影響を与えました。
日本でも忌野清志郎などが、オーティスに影響を受けています。
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