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ザ・ザ(The The)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はザ・ザのランキングを作成しました。

彼らの音楽は、音楽の枠を超えて訴えかけてくるところがあります。

彼らは清濁を併せ持った、そして妙に説得力のある世界観をリスナーに提示してきます。

時には不都合な真実を含め、圧倒的な音楽的クオリティで表現しました。

彼らのように人生の1枚になりえるほどの傑作が複数枚あるバンドは、そう多くありません。

 

1位「Slow Emotion Replay」(アルバム:Dusk)

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■曲名:Slow Emotion Replay
■曲名邦題:前世のスロー再生
■アルバム名:Dusk(1993年)
■アルバム名邦題:ダスク
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「Slow Emotion Replay」

このバンドはシンガーでメイン・ソングライター、マット・ジョンソンの1人プロジェクトです。

彼以外のメンバーは基本流動的です。

しかしこのアルバムと前作「Mind Bomb」はバンド形態に近く、ほぼ固定に近いメンバー構成でした。

この頃の中心メンバーを挙げましょう。

・マット・ジョンソン(Matt Johnson):ボーカル、ギター
・ジョニー・マー(Johnny Marr):ギター、ハーモニカ
・ジェームズ・エラー(James Eller):ベース
・デヴィッド・パーマー(David Palmer):ドラム

この曲はどう聞いてもジョニー・マーにしか聞こえないギターが華麗に舞っています。

52秒にリフからアルペジオに移行する展開もいいですね。

ジョニー・マーはハーモニカの演奏でも貢献しています。

私はザ・スミス(The Smiths)解散後における、ジョニー・マーのベスト・ワークの1つだと思います。

そしてイントロから低くうねるジェームズ・エラーのベースもすばらしい。

ドラムのデヴィッド・パーマーについては、後で触れます。

当時のメンバー構成は、マット・ジョンソンというカリスマを支えるに足る鉄壁の布陣でした。

 

2位「The Beat(en) Generation」(アルバム:Mind Bomb)

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■曲名:The Beat(en) Generation
■曲名邦題:ビートゥン・ジェネレーション
■アルバム名:Mind Bomb(1989年)
■アルバム名邦題:マインド・ボム
■動画リンク:「The Beat(en) Generation」

この曲は最高位18位を記録したヒット曲、代表曲です。

彼らはイギリス出身ですが、当時多くのアーティストはサッチャー政権に抗議の姿勢を明確にしていました。

この曲はそうした風潮の中、若者に向けて放たれたメッセージ・ソングです。

そのメッセージとはどのようなものでしょうか。

曲名の「The Beat(en) Generation」は「en」がカッコでくくられています。

カッコを含めた「The Beaten Generation」は、サッチャー政権下で「打ちのめされた世代」という意味です。

一方カッコ内を含めない「The Beat Generation」は、1950年代のアメリカで起こった文学・文化運動のこと。

ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・S・バロウズらは、既存の枠組みにとらわれない自由な発想と生き方を提唱しました。

マット・ジョンソンは曲名に2つの意味を込めたようですね。

彼はこの曲で「閉塞した時代の中、目を見開いて想像力を働かせよう」と訴えました。

この曲は彼らにしては珍しく聞きやすいですが、多くの人にメッセージが届くよう考えたのかもしれません。

 

3位「Armageddon Days(Are Here Again)」(アルバム:Mind Bomb)

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■曲名:Armageddon Days(Are Here Again)
■曲名邦題:アルマゲドン・デイズ
■アルバム名:Mind Bomb(1989年)
■アルバム名邦題:マインド・ボム
■動画リンク:「Armageddon Days(Are Here Again)」

個人的にこのバンドの最高傑作は、この「Mind Bomb」か「Dusk」のどちらかだと思っています。

とはいえ初期2作も高水準で拮抗しており、最終的にはその人の好みで意見が割れると思われます。

この記事では私の好みを反映し「Mind Bomb」から4曲「Dusk」から2曲を選び、上位に配置しました。

前者のアルバムはイギリスのアルバム・チャートで4位、後者は2位と重いテーマの割に結構売れました。

この曲では当時の宗教と政治の対立を、ハルマゲドンの時代になぞらえて警鐘を鳴らしています。

ピンク・フロイド(Pink Floyd)にも思いますが、こういうテーマのアルバムが売れるのは、日本では考えにくいかもしれません。

ただこの裏ジャケはやりすぎのような気もしますが。

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ちなみにアルバム名の「Mind Bomb」とは「心の爆弾」のこと。

強い刺激を与えて固定観念を吹き飛ばし、新しい視点や覚醒をもたらす概念なのだそうです。

見たくないものをあえて突きつける方法は、ザ・ポップ・グループ(The Pop Group)と似ているかもしれません。

私の中でこのバンドの世界観と映画「ガープの世界」は、どこか通底しています。

 

4位「Lonely Planet」(アルバム:Dusk)

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■曲名:Lonely Planet
■曲名邦題:孤独な惑星
■アルバム名:Dusk(1993年)
■アルバム名邦題:ダスク
■動画リンク:「Lonely Planet」

とはいえマット・ジョンソンは、問題提起だけで終わる人ではありません。

この曲は世界の状況を嘆きつつも、ある結論に至っています。

それは次のようなもの。

世界を変えられないのなら、自分自身を変えるのだ」

先程述べたようにこの時期はマット・ジョンソンだけでなく、バンドのメンバー全員が凄腕ぞろいでした。

マットの強いメッセージを受け止めらることができる強靭なバンド・サウンドが、この時期の音楽的充実の要因でした。

さてこの作品では、マットの弟アンディ・ジョンソンが書いたアルバム・ジャケットも注目されました。

当時リリー・フランキー氏が「ザ・ザのジャケット、あんなん自分が描いたほうがマシや」と発言したのも話題を呼びました。

まあ確かに好き嫌いが割れそうなジャケかもしれません。

彼らはメッセージ、音楽、ジャケット全てにおいて強いインパクトを与えました。

 

5位「The Violence Of Truth」(アルバム:Mind Bomb)

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■曲名:The Violence Of Truth
■曲名邦題:バイオレンス・オブ・トゥルース
■アルバム名:Mind Bomb(1989年)
■アルバム名邦題:マインド・ボム
■動画リンク:「The Violence Of Truth」

このアルバムでは終始デヴィッド・パーマーが決定的な仕事をしています。

彼のドラミングは特にテクニカルではなく、一言で言い表せる分かりやすい個性もありません。

ただシンプルな演奏なのに、なぜか耳を惹きますね。

この曲でも時々音を抜いたり最低限の変化を加えながらも独特の推進力があり、他の楽器が自由に動けるスペースを与えています。

知的な達人タイプのドラマーといえるでしょうか。

このアルバムは8曲中6曲が5分超えと長い曲が多いですが、彼のおかげで長くても曲がダレません。

さてここでバンド名についても触れておきましょう。

「The The」というバンド名は、初期メンバーのキース・ローズ(Keith Laws)が提案したのだそうです。

命名の意図を調べてみましたが、特に情報は出てきませんでした。

私の理解は以下の通りです。

「a」は多くの中で「どれか1つ」という意味で、「the」は特定のものを指す「まさにそれ」という違いがあります。

しかも「The The」と繰り返していますから、このバンド名は「それだ、それ」といった感じでしょうか。

ちなみにキース・ローズはその後ハートフォードシャー大学の神経心理学教授になったような人なので、もっと深い意味があるのかもしれません。

 

6位「Kingdom of Rain」(アルバム:Mind Bomb)

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■曲名:Kingdom of Rain
■曲名邦題:キングダム・オブ・レイン
■アルバム名:Mind Bomb(1989年)
■アルバム名邦題:マインド・ボム
■動画リンク:「Kingdom of Rain」

マットとシネイド・オコナー(Sinead O’Connor)がデュエットした曲です。

彼らの音楽は毒を含んでいてそれが清らかな部分と同居する、清濁併せ持つところにおもしろさがあります。

その毒ゆえに、彼らは普段洋楽を聞かない人にはおすすめしがたいかもしれません。

しかし逆に適性のある人には強くアピールするかもしれません。

このブログは、音楽をもっと好きになってもらうことを目的として運営しています。

その趣旨からすると、私はもっと受け入れられやすいアーティストを取り上げるべきかもしれません。

しかし中には人を選ぶ音楽の方が合っている人もいて、そういう人は概してより深く音楽を好きになる可能性を秘めています。

実は私もその1人。

私は小学生の時、歌謡曲よりハードコア・パンクの方を好んで聞いていました。

このバンドは聞きやすくはありませんが、ある種の人にはすんなりと受け入れられるかもしれません。

アルバート・アイラー(Albert Ayler)の記事を書いた時と同じく、私は届くべき人に届いてほしいと思って書きました。

 

7位「Jealous Of Youth」(アルバム:Solitude)

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■曲名:Jealous Of Youth
■曲名邦題:ジェラス・オブ・ユース
■アルバム名:Solitude(1993年)
■アルバム名邦題:ソリテュード
■動画リンク:「Jealous Of Youth」

このアルバムは個人的にもったいないような気がしています。

この作品は1991年にリリースされたEP「Shades of Blue」を発展させた形で、1993年に編集されました。

ただコンピレーションのせいか、寄せ集め感がぬぐえません。

これまで彼らの作品はコンセプト・アルバムとまでは言えなくとも、アルバム・トータルで訴えかけるところがありました。

一方この編集盤にはそうした付加価値はありません。

先程私がもったいないと書いたのは、このアルバムは前2作と並びうる傑作になる可能性があったからです。

実際この曲以外にも良い曲は少なくありませんし。

以下のデューク・エリントン(Duke Ellington)のカバーもすばらしい出来です。

The The – Solitude

あとアルバムジャケットにも、もったいないと感じます。

購買意欲をそそるジャケットだったら、もっと評価されたかもしれません。

 

8位「Infected」(アルバム:Infected)

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■曲名:Infected
■曲名邦題:インフェクテッド
■アルバム名:Infected(1986年)
■アルバム名邦題:インフェクテッド
■動画リンク:「Infected」

ここまで聞いてきた方は、ニューウェーヴ風のファンクといったこの曲調にとまどうかもしれません。

当時最先端のシーンには、時々こういう曲がありました。

たとえば同じ年の坂本龍一にも、以下のような曲があります。

坂本 龍一 – Broadway Boogie Woogie

当時は時々尖ったアーティストが知的で快楽的な曲をやる風潮がありました。

2年後の1988年にリリースされたアンビシャス・ラバーズ(Ambitious Lovers)の曲もご紹介しましょう。

Ambitious Lovers – Copy Me

このアルバムには他にも良い曲はありますが、当時のこういう曲を聞いていただきたくて選んでみました。

このアルバムでは、他にも以下の曲もおすすめです。

The The – Heartland

 

9位「Uncertain Smile」(アルバム:Soul Mining)

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■曲名:Uncertain Smile
■曲名邦題:アンサーテイン・スマイル
■アルバム名:Soul Mining(1983年)
■アルバム名邦題:魂の彫刻
■動画リンク:「Uncertain Smile」

このバンドの初期の作品は、過渡期特有の魅力があります。

最初はマットのソロ名義で後にバンド名義で発売された実質的なデビュー・アルバム「バーニング・ブルー・ソウル(Burning Blue Soul)」は、当時マットが好んでいたレジデンツ(The Residents)などの影響が色濃い実験的な作品でした。

続いてリリーされたこのアルバムは、もっと聞きやすくなりました。

以下の曲のように、更に聞きやすい曲も収録されています。

The The – This Is the Day

一方ランクインした「Uncertain Smile」の方は、後半活躍するジュールズ・ホランド(Jools Holland)のピアノが聞きものです。

この「Soul Mining」は、当時評論家からかなり高く評価されたようです。

1983年発表のアルバム『ソウル・マイニング』は、イギリスの音楽誌『メロディ・メイカー』において、年間ベスト・アルバムの「第3位」に選ばれている。

ザ・ザ ウィキペディア

私は音楽評論家の役割の1つは、無名の才能を発掘し世に送り出すことだと思っています。

その意味で当時のメロディ・メイカー誌は良い仕事をしました。

 

10位「I Saw the Light」(アルバム:Hanky Panky)

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■曲名:I Saw the Light
■曲名邦題:アイ・ソー・ザ・ライト
■アルバム名:Hanky Panky(1995年)
■アルバム名邦題:ハンキー・パンキー
■動画リンク:「I Saw the Light」

このアルバムがリリースされた当時は、失望と困惑が入り乱れた反応がありました。

その理由としては、カントリー・ミュージックのレジェンド、ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)のカバー・アルバムだったこと。

正直私も1回聞いてそれっきりでした。

しかし久しぶりに聞き返したところ、そう悪い出来とは感じません。

たとえばこの曲では、古いカントリーをダークなオルタナティヴ・ロックとして、新しい命を吹き込んだアプローチが新鮮です。

さてこのバンドは無名ではありませんが、有名でもありません。

一般的にはカルト的な人気のあるバンドという位置付けだ思います。

しかし彼らは一部の人だけでなく、一度は通過してほしいと思っています。

彼らは圧倒的なリアリティと説得力をもって、強烈な世界観を突きつけてきました。

そのインパクトは時にリスナーの安全圏を脅かし、激しい渇望を喚起しました。

しかし毒と美しさの両面を融合し、これほど高い音楽性で表現できるバンドは極めて稀です。

私は妙にリアルなダーク・ファンタジーのような音楽だと思っています。

 

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