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レイ・ハラカミ(Rei Harakami)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はレイ・ハラカミのランキングを作成しました。

エレクトロニカが好きな方は、まず最初に押さえておきたい人です。

彼は日本が世界に誇ることができる才能でした。

神経と感情に作用する極上のエレクトロニカをお聞きください。

 

1位「the backstroke」(アルバム:Red Curb)

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■曲名:the backstroke
■アルバム名:Red Curb
■動画リンク:「the backstroke」

「the backstroke」とは「背泳ぎ」という意味です。

この曲で彼が水泳の背泳ぎをイメージしたかどうか、私は知りません。

私の妄想にすぎませんが、逆再生したサンプリングの比喩かもしれないと思ったりもします。

実際彼は逆再生を多用する人ですし。

SC-88Proのサンプリング音を逆再生する手法で独特の音を奏でている。

レイ・ハラカミ ウィキペディア

私はこの曲で逆再生を用いたのか分かりません。

ただ逆再生という手法自体は、よく使われる手法です。

私が知っているケースでは、サイケデリックであったりトリップ効果をもたらしています。

 

2位「joy」(アルバム:lust)

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■曲名:joy
■アルバム名:lust
■動画リンク:「joy」

これまでブログでは取り上げる機会がありませんでしたが、私はエレクトロニカも聞く人です。

noteやXでは時々取り上げてきました。

ただエレクトロニカの中には小難しいものがあって、私はそういうものを好みません。

比較的ポップなエレクトロニカが好みですが、一方であまりにもポップすぎるのもどうかと感じたりもします。

他にアイ・アム・ロボット・アンド・プラウド(i am robot and proud)なども大好きですが、ポップすぎると感じることがありますし。

ポップであってポップすぎないものが好みというのですから、かなりストライクゾーンが狭い方かもしれません。

私はまだエレクトロニカ修行中の身であるがゆえ、今後自分に対しツボが広がっていくことを期待したいと思います。

その点レイ・ハラカミは、その狭いストライクゾーンのド真ん中でした。

この曲は「joy」という曲名が示す通り、ポップで明るい雰囲気を持った曲です。

10分と長い曲ですが、作業用BGMとしても機能します。

 

3位「うちのばあちゃんの言うことにゃ」(アルバム:広い世界 と せまい世界)

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■曲名:うちのばあちゃんの言うことにゃ
■アルバム名:広い世界 と せまい世界
■動画リンク:「うちのばあちゃんの言うことにゃ」

デビュー前の音源をまとめたアルバムです。

デビュー前にカセットテープ音源で発表された、『広い世界』と『せまい世界』をリマスタリングし発売。カセットテープ版も限定版として同時発売された。

レイ・ハラカミ ウィキペディア

断片的なピアノ曲も多く、後の電子音中心のサウンドとは違ったタイプの曲を聞くことができます。

ピアノの曲を1曲引用しましょう。

レイ・ハラカミ – 美青年

上のピアノの演奏は、どこかしら坂本龍一っぽい感じがしますね。

ランクインした「うちのばあちゃんの言うことにゃ」もピアノ曲ですが、こちらはボーカル入り。

西洋音楽と童歌を融合したような無邪気で楽しい曲です。

 

4位「cape」(アルバム:Red Curb)

rei-harakami-red

■曲名:cape
■アルバム名:Red Curb
■動画リンク:「cape」

彼はこのアルバムで本格的にブレイクしました。

このアルバムはオリコンチャートでは296位にすぎませんが、当時私の周囲ではかなり多くの人が夢中になっていました。

このアルバムは2001年4月25日にリリースされています。

その前年にはレディオヘッド(Radiohead)が「キッド A(Kid A)」を発表するという大事件がありました。

「Kid A」でこの種の音楽に目覚めた人は、皆そのままレイ・ハラカミに移行していました。

この曲は前半静かですが、後半そのまどろみから覚醒する展開はとてもスリリングです。

脳のマッサージを受けているような気分にさせてくれます。

 

5位「owari no kisetsu」(アルバム:lust)

rei-harakami-lust

■曲名:owari no kisetsu
■アルバム名:lust
■動画リンク:「owari no kisetsu」

細野晴臣の曲のカバーです。

原曲のリンクを貼っておきましょう。

細野晴臣 – 終りの季節

もちろん気のせいですが、オリジナルの段階で既にレイ・ハラカミっぽいと感じてしまいます(笑)

ちなみに歌っているのは、レイ・ハラカミ自身。

レイ・ハラカミの音楽は、一般にエレクトロニカやテクノに分類されます。

しかしこの曲を聞くと、もし彼が生きていたらJPOPなどメジャーな音楽シーンでも活躍したかもしれないと想像したりします。

 

6位「さよなら」(アルバム:わすれもの)

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■曲名:さようなら
■アルバム名:わすれもの
■動画リンク:「さようなら」

この曲ではギターが目立っています。

郷愁を呼び起こすミニマル・ミュージックといった趣きの曲です。

彼の最高傑作は「Red Curb」か「lust」という声が多いかもしれません。

一方このアルバムは未発表曲ですが、上記のアルバムに及ばなくとも近い品質を備えています。

実質的にソロ名義のラスト・アルバムと考えていいかもしれません。

この人の音楽は不思議です。

ひんやりした音色でも、どこか温かみを感じます。

また電子音でアブストラクトでありながら、感情や自然などオーガニックな部分も合わせて持っていますし。

この曲などは優れて表層的でありながら、繰り返し聞くうちにじんわり沁みてきます。

 

7位「On」(アルバム:Unrest)

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■曲名:On
■アルバム名:Unrest
■動画リンク:「On」

ファースト・アルバムの曲です。

彼は当初、別の名前でデビューしたようですね。

1996年、サブライムレコーズからリリースされたKEN ISHIIの変名プロジェクトFlareのリミックスでデビュー。

レイ・ハラカミ ウィキペディア

その後1998年このデビュー・アルバムをリリースしています。

この頃の彼は、エイフェックス・ツイン(Aphex Twin)の影響を受けていたように思います。

この曲などもエイフェックス・ツインっぽい、いかにもベッドルーム・ミュージックな曲ですし。

彼はこの後セカンド・アルバム「Opa*q」を発表しています。

そのアルバムからも1曲ご紹介しましょう。

レイ・ハラカミ – 300ml (milk)

彼は初期から秀でていたことが分かります。

 

8位「lust」(アルバム:lust)

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■曲名:lust
■アルバム名:lust
■動画リンク:「lust」

彼は前作「Red Curb」で注目度が上がりました。

ただそのブレイク前には予兆がありました。

彼はくるりの「ばらの花」のリミックスを担当し、有望なサウンド・クリエイターの1人として注目を浴びていました。

くるり – ばらの花 ~remixed by Rei Harakami

実際上のリミックスに驚いた矢野顕子はレイ・ハラカミを絶賛し、後にyanokamiという共同名義のユニットを結成しています。

このアルバムは前作「Red Curb」から更に4年後に発表されましたが、その間彼は非常に多忙な日々を送っていたようです。

彼がリミックスした曲は「あさげ – selected re-mix & re-arrangement works / 1」「ゆうげ -selected re-mix & re-arrangement works / 2」で聞くことができます。

それらの作品も悪かろうはずがありません。

しかし私は彼に自分のアルバムを優先してほしかったです。

 

9位「にじぞう」(アルバム:わすれもの)

rei-harakami-wasuremono

■曲名:にじぞう
■アルバム名:わすれもの
■動画リンク:「にじぞう」

今回のランキング記事は、自分の感覚だけを頼りに選曲しました。

そもそもこの人は有名曲や人気曲、ヒット曲という観点で評価するアーティストではないように思います。

典型的なアルバム・アーティストといえるでしょう。

私は誰かとレイ・ハラカミの話をしたことはありますが、具体的な曲名について話した記憶がありません。

エレクトロニカについて語る場合、言語化しにくく、つい表現が抽象的になってしまう感じがしないでもありませんし。

また彼の機材ローランドのSC-88Pro、シーゲンサーのOpcodeのEZ Visionについても、私は詳しくありません。

そこでシンプルに自分が心地よいと思う曲を選び、思いつくまま書いてみることにしました。

この曲はスズキスキーが手掛けたアルバム・ジャケットによく合っていますね。

彼の音楽は廃墟を見た時に似たノスタルジーをかき立てます。

 

10位「曇り空」(アルバム:遠くは近い)

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■曲名:曇り空
■アルバム名:遠くは近い
■動画リンク:「曇り空」

最後に矢野顕子とレイ・ハラカミによるユニット、yanokamiの曲をご紹介します。

ソロ名義でもまだまだ紹介したい曲がありますが、彼を語る上でyanokamiについて触れない訳にはいかないと思いました。

この曲は荒井由美のカバー曲。

矢野顕子はレイ・ハラカミの才能に驚嘆し「世界遺産」とさえ呼んでいます。

しかしその矢野顕子、この曲を書いた荒井由美の才能も尋常ではなく、2人とも天才と呼ぶべき人です。

そしてこの曲は、そんな3人の稀な才能がぶつかっできた傑作。

しかし2011年7月27日レイ・ハラカミは、脳出血でこの世を去ってしました。

享年40歳。

彼はNujabes(ヌジャベス)と同じく、日本が世界に誇る才能でした。

天才を失うと、穴埋めが利きません。

失った後には、ぽっかりと大きな穴が空いています。

その巨大な空洞を埋められるのは彼の音楽だけ。

この記事を書き終えようとしている今、私は改めて失ったものの大きさを実感しています。

 

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