今回はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのランキングを作成しました。
このバンドは、レッド・ツェッペリンとパブリック・エナミーが融合したバンドだと言われています。
ロックの歴史でも最もインパクトを与えたバンドの1つだと思います。
- 1 1位「Killing In the Name」(アルバム:Rage Against the Machine)
- 2 2位「Know Your Enemy」(アルバム:Rage Against the Machine)
- 3 3位「Wake Up」(アルバム:Rage Against the Machine)
- 4 4位「Testify」(アルバム:The Battle of Los Angeles)
- 5 5位「Guerrilla Radio」(アルバム:The Battle of Los Angeles)
- 6 6位「Bulls On Parade」(アルバム:Evil Empire)
- 7 7位「Renegades Of Funk」(アルバム:Renegades)
- 8 8位「People of the Sun」(アルバム:Evil Empire)
- 9 9位「Sleep Now In the Fire」(アルバム:The Battle of Los Angeles)
- 10 10位「How I Could Just Kill a Man」(アルバム:Renegades)
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- 13 note・SNS等
1位「Killing In the Name」(アルバム:Rage Against the Machine)

■曲名:Killing In the Name
■曲名邦題:キリング・イン・ザ・ネーム
■アルバム名:Rage Against the Machine(1992年)
■アルバム名邦題:レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
※ジャケットはシングルのもの
■動画リンク:「Killing In the Name」
この曲の名前「Killing In the Name」は「(国家権力は)〜の名の下に人を〇す」です。
歌詞を読むと、警察官に対する憎悪にも似た感情が吐き出されています。
しかしその一方で「警察もただ命令に従っているだけなので、本質的には国家そのものが悪」という指摘も。
最後の方では「俺はお前らの言いなりにはならない」と、国家権力への断固たる拒絶が表明されています。
この曲のメッセージは左翼(リベラル)色が強いといえるでしょう。
しかし現在、この曲の人気は政治的な党派性を超えています。
実際右翼陣営であるトランプ大統領の支持者集会でも、この曲が流されていたそうですし。
時には曲のメッセージとは真逆であるはずの、警察を支持する運動「ブルー・ライヴズ・マター」の旗を振る人々が、この曲を流して気勢を上げたこともあったそうです。
右派の一部では、リベラル・エリートが牛耳る影の政府に抗議の姿勢を示すため、この曲を使用したケースもあるようです。
つまり右派はバンド側の意図とは異なり「俺たちはリベラル・エリートの言いなりにはならないぞ」と言いたいのですね。
時に音楽は本来の意図から離れ、全く異なる文脈で受け止められることがあります。
以前私はこうした音楽の不思議な性質について、以下のような記事を書いたことがあります。
シネイド・オコナーについて相反する2つの動画を見て私が考えたこと
2位「Know Your Enemy」(アルバム:Rage Against the Machine)

■曲名:Know Your Enemy
■曲名邦題:ノウ・ユア・エネミー
■アルバム名:Rage Against the Machine(1992年)
■アルバム名邦題:レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
■動画リンク:「Know Your Enemy」
彼らの曲は、ほぼ全てが先鋭的な政治的メッセージを帯びています。
私はこれまでに何度か政治と音楽は不可分だと言われたことがあります。
しかし、私はそうは思いません。
私は時代や風潮と音楽は不可分だと思いますが、政治と音楽が常に不可分だとは考えていません。
たとえば以前ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)の記事を書いた時には、政治について触れる必要性を感じませんでした。
一方このバンドでは、政治と音楽を切り離すことはできません。
彼らの音楽は、自分たちのメッセージを伝えるための拡声器であり、現状を変革する武器そのものです。
実際バンドもそうした発言を幾度となく繰り返してきました。
彼らの音楽を語る上では、その核となる政治的なメッセージに触れない方が不自然です。
このブログはあくまで「音楽ブログ」ですから、それを免罪符に政治面には目をつぶり、純粋にサウンドだけ語っていればいいかもしれません。
しかし私はこのバンドを紹介する立場として、それは逃げの姿勢だと思いました。
私は彼らの思想に同調しているわけでも、彼らの理想を支援したいわけでもありません。
しかし彼らの音楽とメッセージは表裏一体であり、音楽をご紹介する時は主張もお伝えする必要があると思いました。
3位「Wake Up」(アルバム:Rage Against the Machine)

■曲名:Wake Up
■曲名邦題:ウェイク・アップ
■アルバム名:Rage Against the Machine(1992年)
■アルバム名邦題:レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
■動画リンク:「Wake Up」
この曲は映画「マトリックス(The Matrix)」の主題歌として知られています。
この記事で上位3曲は、デビュー・アルバムから選曲しました。
純粋に音楽の質だけでこのバンドの最高傑作を決めるのは難しいように思います。
もしかしたら最初に聞いたアルバムが、その人にとっての最高傑作かもしれません。
その意味で私にとっての最高傑作はこのファーストです。
私は初めてこの作品を聞いた時強い衝撃を受け、飢餓感にも似た強い感覚を覚えました。
トラウマになりかねない強烈なジャケットを含めて、まるで刻印を押されたように感じました。
ちなみにこのジャケットには、以下のような背景があります。
アメリカ政府傀儡の南ベトナム政権による仏教徒差別に反対するため、1963年に焼身自殺した僧侶、ティック・クアン・ドック(Thích Quảng Đức)の写真が使われている[1]。
重い話が続きましたので、楽しい情報もご紹介しておきましょう。
そら耳アワード2016 優勝 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン Rage Against the Machine/Killing in the Name ナゲット割って父ちゃん
4位「Testify」(アルバム:The Battle of Los Angeles)

■曲名:Testify
■曲名邦題:テスティファイ
■アルバム名:The Battle of Los Angeles(1999年)
■アルバム名邦題:バトル・オブ・ロサンゼルス
■動画リンク:「Testify」
ここでメンバーをご紹介してましょう。
・ザック・デ・ラ・ロッチャ(Zack de la Rocha):ボーカル
・トム・モレロ(Tom Morello):ギター
・ティム・コマーフォード(Tim Commerford):ベース
・ブラッド・ウィルク(Brad Wilk):ドラム
バンドの中心人物は、ボーカルのザックとギターのトム・モレロの2人です。
ここでは特にギタリストであるトム・モレロについて触れたいと思います。
彼のギタープレイはかなりトリッキーで、時には変態的と評されることがあります。
彼の演奏で最も有名なのは「Killing In the Name」のサビのリフですが、、それも彼の引き出しの一部にすぎません。
私は昔、ギターを少し弾いていた経験があります。
ただ正直なところ私はトムの演奏について、どうやって弾いているのか分からず頭を抱えることが少なくありません。
たとえばこの曲でも2:35からどう弾いているのか想像できません。
そもそも彼のギターは演奏というより、ギターを使った効果音みたいなところがあります。
DJのスクラッチのような音を鳴らすこともありますが、それも毎回違うアプローチで音を出しているようで、何が何だか訳が分かりません。
結局演奏の解説にはなりませんでしたが、めちゃくちゃカッコいい演奏だと思います。
5位「Guerrilla Radio」(アルバム:The Battle of Los Angeles)

■曲名:Guerrilla Radio
■曲名邦題:ゲリラ・レディオ
■アルバム名:The Battle of Los Angeles(1999年)
■アルバム名邦題:バトル・オブ・ロサンゼルス
■動画リンク:「Guerrilla Radio」
このバンドはキューバの革命家、チェ・ゲバラを信奉していることで知られています。
チェ・ゲバラはゲリラ戦法で革命を成功に導きました。
一方この曲の名前は「ゲリラ・レディオ」。
正規の許可を得ず既存の体制に不都合な情報を発信する、いわゆる「海賊放送」を意味しています。
実際彼らは自分たちの音楽を「海賊放送」のようなものと考えていました。
こうした考え方には先例があります
パブリック・エナミー(Public Enemy)は、自分たちの音楽を黒人同胞に向けた報道番組のようなものと考えていました。
そもそもレイジの音楽は、歌詞の過激さゆえラジオでは放送されにくかったようです。
そのため彼らの曲は海賊放送でよく流されていましたし、しまいには自ら海賊放送を立ち上げたりもしていました。
蛇足ですが私は高校の時、法律の範囲内で電波を飛ばす機械を買って、好きな曲を放送する個人FM局をやっていました。
そして今はこうして好きな音楽を紹介するブログを書いています(笑)。
6位「Bulls On Parade」(アルバム:Evil Empire)

■曲名:Bulls On Parade
■曲名邦題:ブルズ・オン・パレード
■アルバム名:Evil Empire(1996年)
■アルバム名邦題:イーヴル・エンパイア
■動画リンク:「Bulls On Parade」
セカンド・アルバムの曲です。
このアルバム名とジャケットはかなり皮肉が効いています。
アルバム名の「Evil Empire」は「悪の帝国」という意味で、アメリカ大統領のロナルド・レーガンがソビエトを非難する時に使った言葉です。
しかし彼らはその言葉を、逆にアメリカに向けています。
実際ジャケットには、アメリカン・コミックのヒーローのような少年が描かれていますね。
ちなみにザック・デ・ラ・ロチャ はメキシコ系アメリカ人。
彼はアメリカとメキシコの国境にある壁を問題視しているようです。
彼はその国境で1500体もの遺体が発見されていると訴えています。
「ほらこの事実1つとっても、アメリカこそが悪の帝国だろう」と主張しているのですね。
7位「Renegades Of Funk」(アルバム:Renegades)

■曲名:Renegades Of Funk
■曲名邦題:レネゲイズ・オブ・ファンク
■アルバム名:Renegades(2000年)
■アルバム名邦題:レネゲイズ
■動画リンク:「Renegades Of Funk」
この曲はアフリカ・バンバータ(Afrika Bambaataa & Soulsonic Force)のカバーです。
原曲をご紹介しましょう。
Afrika Bambaataa & The Soulsonic Force – Renegades of Funk
聞き比べると、レイジのカバーはかなり独自色が強いことがお分かりいただけると思います。
このアルバムはカバー作品集ですが、オリジナルを自分たちの流儀にかなり寄せているせいか、いま一つカバー・アルバムという気がしません。
カバーには違いありませんが、これはこれでもう1つのオリジナルに思えます。
このバンドは、ザック・デ・ラ・ロッチャとトム・モレロが二枚看板です。
しかしトム・モレロのギターは時にトリッキーすぎて、バンド・サウンドでアウトサイダー的になることがあります。
間違いなくキーマンではありますが、バンド・サウンドの中心という感じはしません。
そんな自由なふるまいが許されるのも、ベースとドラムがバンドの基盤をしっかり支えているからに他なりません。
歪んだ音を好むベースとHIPHOPを消化したドラムの2人による強烈なグルーヴの土台で、ザックとトムが暴れまわる。
それがこのバンドの勝利の方程式でした。
8位「People of the Sun」(アルバム:Evil Empire)

■曲名:People of the Sun
■曲名邦題:ピープル・オブ・ザ・サン
■アルバム名:Evil Empire(1996年)
■アルバム名邦題:イーヴル・エンパイア
■動画リンク:「People of the Sun」
彼らはこのセカンド・アルバムで、よりヘヴィーなファンク色を強めました。
ここでザックのラップについて触れたいと思います
ザックはラッパーですが、HIPHOP系のラッパーではなく、ロック系のラッパーです。
更にいえばロックというより、アジテーションに近いかもしれません
言葉の鋭さに特化したような印象を受けます。
基本的にはシンガーではありませんが、時々以下のように歌うこともあります。
Zack de la Rocha – We Want It All
当時、彼らはある工場の作業場でリハーサルをしていました。
そこへ1人の工場作業員が興味を持って足を止め、彼らの演奏をじっと聴き入っていたそうです。
その作業員が彼らの曲を数曲聞いた後、立ち上がり彼らに向かって「ケンカしたくなる」と言ったのだとか。
それを聞いたメンバーは、自分たちの音楽が怒りを呼び起こしたことを喜び、やってきたことは間違いではなかったと確信を深めたそうです。
このエピソードから分かるように、ザックのスタイルはアドレナリンを高めることに特化しているといえそうです。
9位「Sleep Now In the Fire」(アルバム:The Battle of Los Angeles)

■曲名:Sleep Now In the Fire
■曲名邦題:スリープ・ナウ・イン・ザ・ファイヤー
■アルバム名:The Battle of Los Angeles(1999年)
■アルバム名邦題:バトル・オブ・ロサンゼルス
■動画リンク:「Sleep Now In the Fire」
彼らの音楽は、ジャンルでいえばミクスチャー・ロック、ラップ・メタルに分類されることが多いかもしれません。
ただハードコアなHIPHOPやニュー・メタルとも隣接していて、正直私は細かく分類するよりも、まとめて一括りで考えています。
ちなみにリンプ・ビズキットは、度々ライブでレイジの「Killing in the Name」を取り上げています。
Limp Bizkit – Killing in the Name
ただそうした後続のバンドと比較した時、たとえ音は似ていても、バンドのスタンスが根本的に違うと思うことがあります。
彼らは本気で社会変革を目指していました。
そのため彼らが嫌悪したのは、後続のバンドが自分たちのスタイルを流用し、若者のフラストレーションを消費するだけの、商業主義に迎合した矮小な音楽へと形骸化させることでした。
ちなみに彼らは自分たちを崇拝するリンプ・ビズキットを苦々しく思い、冷めた目で見ていたようです。
一方彼らが仲間意識を持っていたパブリック・エナミーやサイプレス・ヒル(Cypress Hill)は、レイジとは主張こそ違うものの、先鋭的なメッセージ性を有していました。
自分たちが信じる理想に献身的であること。
それが彼らのプライドの根幹を成し、大切にしていた矜持だったかもしれません。
10位「How I Could Just Kill a Man」(アルバム:Renegades)

■曲名:How I Could Just Kill a Man
■曲名邦題:ハウ・アイ・クッド・ジャスト・キル・ア・マン
■アルバム名:Renegades(2000年)
■アルバム名邦題:レネゲイズ
■動画リンク:「How I Could Just Kill a Man」
彼らのバンド名「Rage Against the Machine」は「機械に対する怒り」という意味です。
彼らは左翼的なメッセージを先鋭化させました。
しかしより根本的なメッセージは、バンド名が示す通り「お前は国家システムの奴隷(ロボット)のままでいいのか。自分の頭で考え、NOと叫べ」ということ。
先日記事を書いたザ・ザ(The The)のメッセージ「目を見開いて、創造力を働かせよ」と、同じ意味だと思われます。
ザ・ザはジャケットの裏側に、平和の象徴である鳩にナイフで突き刺したイラストを掲載しました。
彼らはどちらも人々にショックを与えて、それを契機とし現実を直視せよと訴えていました。
毒をもって毒を制する類の音楽といえそうです。
レイジのメッセージは「銀河鉄道999」で描かれた、人間が惑星の部品にされる世界への嫌悪感とどこか似ているかもしれません。
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