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パール・ジャム(Pearl Jam)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はパール・ジャムのランキングを作成しました。

このバンドの魅力は、エディ・ヴェダーの情熱的な歌と、タフなバンド・サウンドです。

日本ではグランジのバンドとして紹介されることが多いかもしれません。

しかしアメリカでは、より幅広い層に人気がある国民的バンドです。

彼らがどういうバンドかを知ると、より音楽を楽しめると思います。

 

1位「Go」(アルバム:Vs.)

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■曲名:Go
■曲名邦題:ゴー
■アルバム名:Vs.
■アルバム名邦題:Vs.
■動画リンク:「Go」

このアルバムはプロデューサーのブレンダン・オブライエン(Brendan O’Brien)の貢献が大きいように感じます。

私は友人と音楽の話をする時、リリース年の話になることがあります。

その時代ならではの録音や音色があって、それが音楽の印象を大きく左右することがあるからです。

1980年代の音楽を聞くと、作品としては最高の出来でも、録音で損をしていると思うケースが少なくありません。

このアルバムがリリースされた1991年は、新旧の録音の過渡期でした。

私は初めてこのアルバムを聞いた時、ロックらしいリアルな質感に感動しました。

この曲はリハーサルのようなイントロから始まります。

デイヴ・アブラジーズ(Dave Abbruzzese)のドラムの音がすばらしすぎますね。

実にブレンダン・オブライエンらしい、生っぽい音だと思います。

このアルバムは良いプロデュースを得て、彼らの最高傑作になりました。

 

2位「Spin the Black Circle」(アルバム:Vitalogy)

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■曲名:Spin the Black Circle
■曲名邦題:スピン・ザ・ブラック・サークル
■アルバム名:Vitalogy
■アルバム名邦題:バイタロジー (生命学)
■動画リンク:「Spin the Black Circle」

彼らは当時の日本では、ニルヴァーナと比較されることが多かったように思います。

このアルバムは、カート・コバーン(Kurt Cobain)の自殺後にリリースされました。

その死に何か思うところがあったのか「Vitalogy」日本語では「生命学」という意味深なタイトルが付けられています。

カート・コバーンとエディ・ヴェダーは、因縁関係にありました。

エディ・ヴェダー(Eddie Vedder)は、パール・ジャムのボーカルです。

とは言っても、カート・コバーンが一方的にパール・ジャムの音楽を「古くさい」などとけなしていただけですが。

最終的に両者は和解しましたが、最後までカート・コバーンは、パール・ジャムの音楽を認めませんでした。

エディはこんな言葉を残しています。

パール・ジャムのエディ・ヴェダーが、ニルヴァーナのフロントマン、故カート・コバーンについて「もし今彼が生きていたら、彼は僕に『お前もなかなかやるじゃないか』って言ってくれるんじゃないかな」と話していることが分かった。

パール・ジャムのエディ、「カートが生きてたら、仲良くなれたと思う」

このアルバムは、パール・ジャムが最もグランジに近づいた作品です。

エディはカート・コバーンに認められたかったのかもしれません。

 

3位「Who You Are」(アルバム:No Code)

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■曲名:Who You Are
■曲名邦題:フー・ユー・アー
■アルバム名:No Code
■アルバム名邦題:ノー・コード
■動画リンク:「Who You Are」

このアルバムは異色作です。

中にはハードな曲もあるものの、アルバム全体ではハードロック色が後退しました。

このアルバムにも「ヘイル・ヘイル(Hail, Hail)」などに、以前の良さを残した曲があります。

Pearl Jam – Hail, Hail

ただ今私が1曲選ぶとしたら「Who You Are」の方です。

即効性がないので、最初は地味に感じるかもしれません。

しかし繰り返し聞いている内に、懐ろの深さとスケール感が感じられて、やはり並みのバンドではないと感じさせてくれます。

この曲にはオーガニックなサウンド・スケープがあり、フェスで聞いたらとても幸せな気分になれるでしょう。

 

4位「Rearviewmirror」(アルバム:Rearviewmirror(Greatest Hits 1991–2003))

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■曲名:Rearviewmirror
■曲名邦題:リアビューミラー
■アルバム名:Rearviewmirror(Greatest Hits 1991–2003)
■動画リンク:「Rearviewmirror」

「Rearviewmirror」とは、いわゆる「バックミラー」のことです。

この曲の主人公は、虐待された過去を背負っているようです。

そんな彼も大人になり、この日も車を走らせています。

しかしバックミラーに映る風景は、過去の呪われた日々の映像ばかり。

主人公はその過去を振り切るかのように、車のスピードを上げました。

トレイシー・チャップマン(Tracy Chapman)の「ファスト・カー(Fast Car)」と同じモチーフの曲です。

この曲はシングルカットされていませんが、よほど気に入ったのか、ベスト盤のアルバム名に採用されました。

このベスト・アルバムは2枚組ですが、単なるヒット曲の寄せ集めではありません。

B面曲やサントラに収録された曲など、オリジナル・アルバム未収録曲が6曲も入っています。

しかもベスト盤に入れるにふさわしい曲ばかり。

以前からファンに良く知られていた有名曲を、1曲ご紹介しておきましょう。

Pearl Jam – Yellow Ledbetter

イントロがジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)をイメージさせるバラードの傑作です。

 

5位「The Fixer」(アルバム:Backspacer)

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■曲名:The Fixer
■曲名邦題:ザ・フィクサー
■アルバム名:Backspacer
■アルバム名邦題:バックスペイサー
■動画リンク:「The Fixer」

このアルバムは2009年にリリースされていますが、この時期の作品はあまり聞かれていません。

少なくとも日本では。

しかしこのアルバムなどは、快作といってもいい出来です。

アルバム・ジャケットで損をしているような気もしますが。

彼らは初期の3作ばかりが注目されがちかもしれません。

そもそもの話、日本ではグランジのバンドとして紹介されたことが、良くなかったかもしれません。

私からすると、アメリカン・ロックの王道を歩むバンドだと思いますけどね。

私はこのバンドにオルタナ感を求めていません。

実際アメリカでは、こう評価されているようです。

2005年にUsa Today誌が行った最も偉大なアメリカのロック・バンドというテーマの読者投票では、イーグルスなどの大御所を抑えてパール・ジャムが選ばれるなど、アメリカの一般聴衆からの評価は高い。

パール・ジャム ウィキペディア

アメリカの底力を感じさせてくれるバンドです。

 

6位「Even Flow」(アルバム:Ten)

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■曲名:Even Flow
■曲名邦題:イーヴン・フロー
■アルバム名:Ten
■アルバム名邦題:Ten
■動画リンク:「Even Flow」

彼らはこの時期、ある戦いの最中でした。

彼らはチケットマスターというコンサート・チケットの仲介会社と戦っていました。

高額マージンが上乗せされていることにより、ファンは不当に高いチケットを買わされているのだと。

彼らはチケットマスターを相手に、訴訟やその他の方法で抵抗し続けましたが、巨大企業の壁は厚く、その仕組みを変えるには至りませんでした。

しかし無謀な戦いを挑んだことを評価する人は多く、その様子を見守っていたファンの支持は高まりました。

このアルバムは「アライヴ(Alive)」「ブラック(Black)」など名曲が多いですが、前者だけリンクを貼っておきましょう。

Pearl Jam – Alive

この頃の彼らの曲は、弱者の側に立った曲や、苦悩をさらけ出した曲が多く、刺さる曲が多かったように思います。

 

7位「Breakerfall」(アルバム:Binaural)

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■曲名:Breakerfall
■曲名邦題:ブレイカーフォール
■アルバム名:Binaural
■アルバム名邦題:バイノーラル
■動画リンク:「Breakerfall」

彼らは全米屈指のライブ・バンドですが、それゆえ海賊盤が多く出回りました。

彼らはそれに対して、大胆な手段に出ました。

オフィシャル・ブートレグを安価で提供して、海賊版を根絶しようとしました。

公式の海賊版は、現時点で72枚リリースされています。

しかしそれは利益目的ではありません。

そもそも彼らはグレイトフル・デッド(Grateful Dead)と同じく、ライブに来た人が自分で楽しめるように、ライブで録音することを許可しています。

公式ブートレグの価格も安く、お金のためという意図は感じられません。

この件は高いチケットを買わせたくないと、チケットマスターと戦ったのと同じ構図です。

つまり高い海賊版をファンに買わせたくないので、オフィシャルで安く売るということ。

彼らは常にファンのことを第一に考えています。

このアルバムでは「ナッシング・アズ・イット・シームス(Nothing as It Seems)」という曲も聞きものです。

Pearl Jam – Nothing as It Seems

この曲もライブで盛り上がりそうですね。

 

8位「Parachutes」(アルバム:Pearl Jam)

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■曲名:Parachutes
■曲名邦題:パラシュート
■アルバム名:Pearl Jam
■アルバム名邦題:パール・ジャム
■動画リンク:「Parachutes」

さてここであっさりした曲をご紹介しておきましょう。

ストーン・ゴッサード(Stone Gossard)が書いた、とてもかわいらしい曲です。

エディ・ヴェダーのボーカルも、いつもと少し違いますね。

パール・ジャムが結成された時、エディはまだバンドに参加していませんでした。

当時エディはボーカリストになりたいと切望していて、友人の紹介でこのバンドのボーカルになりました。

そんなある日、こういう事件がありました。

エディ・ヴェダーの人生にとって初の大物バンド参加がパール・ジャムで、参加から契約まで数ヶ月しか経なかったため、デビュー直前まで彼のステージングは素人以下とバンド内外から酷評を受けていた[4]。

ある夜のライブでヴェダーが興奮し、マイクスタンドの根元の鉄板を客に向かって投げつける暴挙に出た(中略)

幸運にもこの時に怪我人はいなかったが、鉄板が会場の壁に刺さって騒然となった。

しかしこの日を境にヴェダーは、生まれ変わったが如く過激なステージ・パフォーマンスを展開し、グランジ・スタイルを完成させることになった。

パール・ジャム ウィキペディア

今のエディは誰もが認める存在ですが、今のようになるには、こういうきっかけがあったのですね。

この曲からもうかがえますが、きっとエディは繊細な人なのでしょう。

 

9位「Brain of J.」(アルバム:Yield)

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■曲名:Brain of J.
■曲名邦題:ブレイン・オブ・J.
■アルバム名:Yield
■アルバム名邦題:イールド
■動画リンク:「Brain of J.」

このバンドの中心人物は、ボーカルのエディ・ヴェダーです。

彼は初期のほとんどの曲で作詞を担当し、作曲にも関わっていました。

また彼はフロントマンとしてこのバンドのイメージを背負い、彼のボーカルはパール・ジャムの最大の武器でした。

しかしこのアルバムから、作詞作曲におけるエディ・ヴェダーの比率が減りました。

このアルバムではエディの代わりに、マイク・マクレディ(Mike McCready)の存在が目立っています。

この曲はマイクが書いていますし、他にも「ギヴン・トゥー・フライ(Given to Fly)」など、決定的な名曲を提供しています。

Pearl Jam – Given to Fly

このバンドは、エディのワンマン・バンドではありません。

今回彼らのアルバムを聞き返して、改めて感じたのが安定感です。

それはメンバーが実力者ぞろいだからかもしれません。

今回取り上げなかった「Riot Act」「Lightning Bolt」「Gigaton」を含め、どのアルバムも聞きごたえがあります。

 

10位「Jeremy」(アルバム:Ten)

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■曲名:Jeremy
■曲名邦題:ジェレミー
■アルバム名:Ten
■アルバム名邦題:テン
■動画リンク:「Jeremy」

彼らの特徴は、ストレートで生真面目なメッセージ性です。

この曲はその側面を代表する曲です。

「Jeremy」というのは、15歳の若さで自殺した実在の少年のこと。

ジェレミーは、クラスメートの前で拳銃自殺しました。

どうやら彼はいじめられていたようです。

ジェレミーは争いが絶えない家庭で育った寡黙な少年でした。

いじめられた時、クラスメートから「悲しい演技をするな」という言葉が投げつけられていたそうです。

このPVは過激な描写が多いので、見てくださいと言いません。

いじめや自殺を連想させる場面は、当時かなりの物議を醸しましたから。

歌詞を書いたエディ・ヴェダーは熱血漢で、彼らの音楽も少し暑苦しいかもしれません。

ただあるべき正義の不在に対して、それでいいのかとまっすぐ問いかける姿は、人の心を動かすものがあります。

こうした愚直すぎる人たちがいた方が、より良い世界になるかもしれません。

 

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