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浜田省吾(Hamada Shogo)の名曲名盤12選【代表曲・隠れた名曲】

今回は浜田省吾のランキングを作成しました。

特に若い人に向けて選曲しています。

もちろん長年のファンの方にも読んで頂けたらうれしいです。

 

1位「ラストショー」(アルバム:愛の世代の前に)

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■曲名:ラストショー
■アルバム名:愛の世代の前に
■動画リンク:「ラストショー」

最近のJPOPでは、サブスク対策でサビから始まる曲が増えています。

スキップされないようにとか、つかみを重視したなど、経済原則や過酷な競争環境が背景があります。

しかしこの曲が発表された頃、サブスクはありませんでした。

この曲はいきなりお別れのシーンのサビから始まります。

その後2人がまだ幸せだった頃のエピソードが語られています。

しかしその時点で既に別れを予感させる描写を含ませていますね。

時々こういう始まり方をする映画はないでしょうか。

おそらくこうしたサビから始まるのは、そういう物語の構成を参考にしたと思われます。

別れのシーンから幸せな思い出へと切り替えて対比し、現在の辛さを演出しているのでしょう。

ストーリーテラーの魅力を味わいたい曲です。

 

2位「J.BOY」(アルバム:J.BOY)

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■曲名:J.BOY
■アルバム名:J.BOY
■動画リンク:「J.BOY」

この曲のテーマは、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の「ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)」を思い起こせます。

この国は今おかしいのではないか告発する曲。

このアルバムが発売された1986年、日本はバブル真っ只中でした。

ただ彼にはその繁栄の影が見えていたようです。

おれはネクタイをほどき
時に理由もなく
叫びたくなる 怒りに(中略)

吹き飛ばせその空疎ってやつを

J.BOY(作詞:浜田省吾)

当時の彼の問題意識は、物質的な豊かさにはなかったように思います。

おそらく彼が言いたいのは、豊かさの先に本当の幸せはあるのかということ。

日本が豊かではなくなった今でも、その問いは有効かもしれません。

 

3位「MONEY」(アルバム:DOWN BY THE MAINSTREET)

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■曲名:MONEY
■アルバム名:DOWN BY THE MAINSTREET
■動画リンク:「MONEY」

彼は様々なインタビューや逸話を読む限り、誠実で謙虚な人だと感じます。

ただ彼の音楽は、時にかなりオラついてギラついています。

たとえばこの曲と「DADDY’S TOWN」では、かなりギラギラしていますし。

この曲は金がすべてだ。大金を手にして、おまえに目にものを見せてやる。

そんな感じの曲です。

ただ浜省本人は、お金の大事だと訴えたいわけではないと思います。

しいたげられた人が、自らの欲望に忠実に、大金を手にすることが救いとなるのならそうすればいい。

そうを言いたいのだと思います。

この曲はシングルカットされていませんが、下剋上を切望する人の心をわしづかみにしました。

このアルバムからは、もう1曲ご紹介しておきましょう。

浜田省吾 – DANCE

彼の曲の主人公は、常に何かを渇望しています。

 

4位「愛という名のもとに」(アルバム:愛の世代の前に)

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■曲名:愛という名のもとに
■アルバム名:愛の世代の前に
■動画リンク:「愛という名のもとに」

今回の記事では、以下のアルバムに限定して選曲しました。

「Home Bound」
「愛の世代の前に」
「ON THE ROAD」
「PROMISED LAND 〜約束の地」
「DOWN BY THE MAINSTREET」
「J.BOY」

彼の最高傑作については、人によって意見がかなり分かれると思います。

ただ上の作品については、どれもそう呼ばれる価値がありますし、「J.BOY」の次作「FATHER’S SON」も傑作ですし。

個人的意見では「愛の世代の前に」が最高傑作だと思います。

この曲はシングルカットされていませんが、私は浜省の曲で2番目に好きです。

ちなみに最も好きな曲はラストの曲。

最初はベスト盤からと考える人もいるかもしれませんが、最初の1枚にはこのアルバムをおすすめします。

 

5位「明日なき世代」(アルバム:Home Bound)

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■曲名:明日なき世代
■アルバム名:Home Bound
■動画リンク:「明日なき世代」

彼はよくボスと呼ばれるブルース・スプリングスティーンと比較されがちです。

本人は違和感を感じているようですが。

確かにメロディはそれほど似ていないと思いますが、アレンジのせいかもしれません。

この曲をアコースティック・ギターで歌ったら、全く違った印象を与えると思いますし。

ただ存在の重みという点では、ボスと似ています。

私は今の日本の音楽を沢山聞いていますし、平均レベルでは昔より上がっていると感じます。

ただ昔の日本のアーティストの中には、ぶっとい幹を持った巨木みたいな人がいます。

浜省もその1人。

この人は手ごわくて、足を使ったり技術やスピードに優れている程度では、太刀打ちできません。

1曲1曲のパンチが重い、ヘヴィー級のボクサーみたいな存在です。

 

6位「路地裏の少年」(アルバム:ON THE ROAD)

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■曲名:路地裏の少年
■アルバム名:ON THE ROAD
■動画リンク:「路地裏の少年」

この曲は元々デビュー・アルバムに収録されていました。

私は思い入れのあるライブ・アルバムのバージョンでご紹介します。

デビューから5作目までは、彼の暗黒時代だと言われています。

アルバム名を挙げましょう。

「生まれたところを遠く離れて」
「LOVE TRAIN」
「Illumination」
「MIND SCREEN」
「君が人生の時…」

上記の時期はフォークっぽかったり、AORっぽかったりして確かに彼らしくありません。

ただ私は上記の時期も言われるほど悪くないと思います。

「Illumination」には、こんな曲も入っていますし。

片想い /浜田省吾
※音量が大きめなので、少しボリュームを下げてお聞きください

こんな曲が1曲でもあれば、それだけで上出来です。

 

7位「悲しみは雪のように」(アルバム:愛の世代の前に)

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■曲名:悲しみは雪のように
■アルバム名:愛の世代の前に
■動画リンク:「悲しみは雪のように」

この曲が生まれた背景を引用します。

浜田の母親が脳閉塞[注 1]という病に倒れ意識不明の重体になった際、深い悲しみと絶望に暮れながらも、ふと人に対して優しい気持ちになれた、というエピソードを基にして書かれている。

悲しみは雪のように ウィキペディア

この曲の歌詞は、説教くさく感じられるかもしれません。

辛かったり悲しい経験をしたから人にやさしくなれるとか、愛することができるとか、言葉にすれば単なるきれいごとに思えるかもしれません。

若い人の中には、うざい、古い、無駄に熱いと思う人もいると思います。

しかし私も若い頃より、この曲を素直に受け取れるようになっています。

 

8位「終りなき疾走」(アルバム:Home Bound)

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■曲名:終りなき疾走
■アルバム名:Home Bound
■動画リンク:「終りなき疾走」

ロックのサクセス・ストーリーのテンプレは以下のようなものです。

貧しい家に生まれた子供がギターを手にして、ロックスターになって栄光を手する。

ボスことブルース・スプリングスティーンも、その成功劇の主人公です。

ボスは貧しい家庭に生まれましたが、母親はローンを組んで彼にギターを買い与えました。

ボスは後年、初めてギターを手にした喜びを歌っています。

浜省とボス、この2人に共通しているのは、走り続けることの重要性を訴えていること。

ボスは「俺たちは走り続けるために生まれてきた」と歌いました。

そして浜省は「終りなき疾走」。

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の「You Can’t Always Get What You Want」の歌詞も引用しておきましょう。

いつもほしいものが手に入るとは限らない
でもやり続けていたら、手に入れることができるようになるかもな

You Can’t Always Get What You Want(作詞:Mick JaggerとKeith Richards、翻訳:おとましぐら)

 

9位「愛の世代の前に」(アルバム:愛の世代の前に)

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■曲名:愛の世代の前に
■アルバム名:愛の世代の前に
■動画リンク:「愛の世代の前に」

先程からボスとの比較ばかり書いていていますが、浜省が影響を受けたと語っているのはジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)です。

このアルバム・ジャケットも、ジャクソン・ブラウンへのオマージュですし。

jackson-browne-late

またジャケットには彼が生まれた年も記載されています。

そこにはこんな意味が込められています。

アルバムのタイトルは「地球上から核兵器が根絶されない限り、本当のラブ・ジェネレーション(愛の世代)は訪れない」という意味が込められている。

愛の世代の前に ウィキペディア

彼の父親は原爆の被ばくを経験していますので、浜省は被爆二世ということになります。

1952年生まれの自分たちが愛の世代になるには、平和が実現されなければいけないと考えているようです。

 

10位「マイホームタウン」(アルバム:PROMISED LAND 〜約束の地)

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■曲名:マイホームタウン
■アルバム名:PROMISED LAND 〜約束の地
■動画リンク:「マイホームタウン」

彼が社会派だと言われるのは、こういう曲があるからです。

この曲では教科書通りの生き方で得たものは、画一的な服、家、生き方だったと歌われています。

別の曲ですが、そんな生き方の辛さを表現した歌詞を引用しましょう。

レールの上 車輪の下

土曜の夜と日曜の朝(作詞:浜田省吾)

読んだだけでキリキリ胸が痛む、すごい表現ですね。

彼の歌詞は重すぎるテーマを扱うことが少なくありません。

しかし彼の音楽には、重いテーマを受け止められる骨太な骨格があります。

 

11位「BIG BOY BLUES」(アルバム:J.BOY)

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■曲名:BIG BOY BLUES
■アルバム名:J.BOY
■動画リンク:「BIG BOY BLUES」

あいみょんなど、若い世代のアーティストには浜省ファンが少なくありません。

最近では親子二世代のファンもいるようです。

1998年からのコンサートでは、客の年齢層を確かめる「年代別チェック」が恒例になっている[注 11]。30代と40代の客が圧倒的に多いが、徐々に年齢層が高くなってきており、親子連れも多くなって10代の比率も増えている。

浜田省吾 ウィキペディア

この人の音楽は強烈ですから、親が聞いていたら子供も自然とはまるのでしょう。

私がこの記事を書いているのも、聞いてもらえさえすれば好きになってもらえるのではないかと思ったからですし。

さて今回は意識的にバラードを少なめにしました。

浜省のバラードは絶品ですが、ぜひ各自で掘り下げていただければと思います。

ただラストの曲で、私の一番好きな浜省のバラードをご紹介しておきましょう。

 

12位「Midnight Blue Train」(アルバム:ON THE ROAD)

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■曲名:Midnight Blue Train
■アルバム名:ON THE ROAD
■動画リンク:「Midnight Blue Train」

この曲にはちょっとした思い出があります。

私は昔仕事の飲み会で、気難しいエンジニアの隣に座ったことがあります。

なぜそんな流れになったのか覚えていませんが、彼から浜省でどの曲が好きか聞かれました。

私は「Midnight Blue Train」と「愛という名のもとに」だと答えました。

すると彼は上機嫌になり、浜省について熱く語り始めました。

どうやら彼は浜省の熱狂的なファンらしく、どうせ誰でも知っている有名曲でお茶を濁すのだろうと思っていたそうです。

おかげで、その夜はとても楽しく飲むことができました。

浜省は気難しい人を武装解除し、氷のようにクールな人を熱くさせます。

この人は人生の伴走者みたいなところがあるかもしれません。

野心に燃える時には加速させ、失意の時には側で寄り添ってくれます。

はまると一生ものの音楽になると思います。

 

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