今回はBUCK-TICKのランキングを作成しました。
彼らはヴィジュアル系のバンドに大きな影響を与えました。
しかしその音楽は典型的なビジュアル系の枠には収まりきりません。
玄人の音楽ファンをも惹き付ける、彼らの魅力に迫ってみました。
- 1 1位「悪の華」(アルバム:殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits)
- 2 2位「JUPITER」(アルバム:狂った太陽)
- 3 3位「君のヴァニラ」(アルバム:Six/Nine)
- 4 4位「JUST ONE MORE KISS」(アルバム:TABOO)
- 5 5位「キャンディ」(アルバム:COSMOS)
- 6 6位「LOVE ME」(アルバム:悪の華)
- 7 7位「die」(アルバム:darker than darkness -style 93-)
- 8 8位「MY EYES & YOUR EYES」(アルバム:SEXUAL×××××!)
- 9 9位「SEVENTH HEAVEN」(アルバム:SEVENTH HEAVEN)
- 10 10位「FLY HIGH」(アルバム:HURRY UP MODE (1990MIX))
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1位「悪の華」(アルバム:殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits)
■曲名:悪の華
■アルバム名:殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits
■動画リンク:「悪の華」
この作品はセルフカバー・アルバムです。
この曲は再録音バージョンですが、私はこちらの方が良いと思いました。
アルバム名に「This is NOT Greatest Hits」とある通り、ベスト・アルバムではありません。
実際原曲とかなり違う曲も多々あります。
さて曲名の「悪の華」は、ボードレールの詩集の名前から取られています
当時その本は、退廃的な内容ゆえ発禁になりました。
一方この曲のオリジナルが発表される前には、BUCK-TICKにある事件がありました
バンドのギターである今井寿が、LSDを使用して逮捕されています。
それを受けてバンドは活動休止となり、その後この曲の原曲が発表されました。
謹慎明けにこの曲名かという感じがしますね。
2位「JUPITER」(アルバム:狂った太陽)
■曲名:JUPITER
■アルバム名:狂った太陽
■動画リンク:「JUPITER」
彼らが真に偉大なバンドになったのは、このアルバムからという気がします。
確かに前作「悪の華」は売れましたし、内容的にも良かったと思います。
しかしこのアルバムでは、そこから更に大きな飛躍を遂げました。
この伸びしろの大きさは、彼らのポテンシャルを示しています。
実際「スピード」「MAD」「太陽ニ殺サレタ」など名曲が多すぎて、この記事内では取り上げきれません。
選びたい曲が多すぎるので、苦肉の策として1アルバム1曲に制限しました。
ベスト盤は不要と感じるのは、こういう作品を聞いた時です。
この曲が気に入ったら、ぜひアルバム単位で聞いてみてください。
余談ですが私はこのアルバム名を見ると、いつもバウハウス(Bauhaus)の「ザ・スカイズ・ゴーン・アウト(The Sky’s Gone Out)」のアルバム・ジャケットを思い出します。
バウハウスは、メンバーが大好きなバンドの1つです。
3位「君のヴァニラ」(アルバム:Six/Nine)
■曲名:君のヴァニラ
■アルバム名:Six/Nine
■動画リンク:「君のヴァニラ」
彼らの評価について、私が思うことを書きたいと思います。
彼らは「JUST ONE MORE KISS」の印象が強いせいか、BOØWYのフォロワー・バンドと思われがちです。
またビジュアルのインパクトが強すぎて、キワモノみたいに考えている方もいるはず。
そのせいか音楽に詳しい方でも、彼らの音楽を聞かない人が少なくありません。
しかし彼らは徐々に音楽性を変えていきました。
おおまかに言えば聞く人を選ぶ、コアな人向けの音楽にシフトしてきました。
たとえばこの曲ですが、普段JPOPを聞いている人にやさしい音楽ではありません。
玄人の音楽ファンにこそおすすめしたい曲です。
4位「JUST ONE MORE KISS」(アルバム:TABOO)
■曲名:JUST ONE MORE KISS
■アルバム名:TABOO
■動画リンク:「JUST ONE MORE KISS」
彼らのファースト・シングルです。
加えて彼らの中で最もよく知られている曲かもしれません。
シングルの最高位は6位ですが、日本レコード大賞で新人賞を受賞しています。
しかしそれ以上にCM曲に採用されたことが大きいかもしれません。
当時のCMを見つけました。
Buck-Tick: Victor cdian CM “Just One More Kiss” c.1988
この曲はギターの今井寿が作曲し、ボーカルの桜井敦司が作詞を担当しました。
桜井敦司はこの曲の仮歌を入れている時、涙が出たのだそうです。
ノートに書いた状態とは異なりメロディーに乗せたことで「甘く切ない世界」が広がったと感じ、大変気に入ったとともに思わず涙が出た
5位「キャンディ」(アルバム:COSMOS)
■曲名:キャンディ
■アルバム名:COSMOS
■動画リンク:「キャンディ」
私はこの曲を聞くと、ジーザス&メリーチェイン(The Jesus and Mary Chain)を思い出します。
ノイジーな音の壁、それに反するポップなメロディ。
そして「キャンディ」という曲名も、ジーザス&メリーチェインのアルバム名「サイコキャンディ(Psychocandy」を思い出させますし。
ニューウェーヴ版ウォール・オブ・サウンドみたいな曲です。
この記事では10曲以内に収めるため、1996年のこのアルバムまでを対象にしました。
曲数を増やしてもいいのですが、そうするとハードルが上がってしまい、初めて聞く入門者に聞いてもらいにくくなります。
気軽に聞いてもらうには、10曲が限界だと思いました。
ただ10曲では彼らの魅力を伝えるのに不十分すぎます。
6位「LOVE ME」(アルバム:悪の華)
■曲名:LOVE ME
■アルバム名:悪の華
■動画リンク:「LOVE ME」
この記事は櫻井敦司の急死を受けて書いています。
彼は2023年10月19日に脳幹出血で亡くなりました。
彼はライブで3曲歌った後1人では立てなくなり、スタッフ2人に抱えられながらステージを後にしました。
しかし1曲目を歌い終わった時には既にふらついていて、ステージの階段で転倒しています。
その時にはもう出血していたと思われます。
その時点で病院に向かってくれたらと思わずにはいられません。
しかし彼は人一倍ファン思いで、プロ根性のある人。
可能な限り歌おうとしたのでしょう。
BUCK-TICKには「memento mori」というアルバムがあります。
「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」「死を想え」という意味を持つラテン語の言葉。
現代では主に「死を意識することで今を大切に生きることができる」という解釈で用いられることが多い。
「あっちゃん」と呼ばれファンから愛された男。
櫻井敦司はその死に様をもって、その言葉の重みを教えてくれました
7位「die」(アルバム:darker than darkness -style 93-)
■曲名:die
■アルバム名:darker than darkness -style 93-
■動画リンク:「die」
彼らの最高傑作は一般的に「狂った太陽」と言われています。
しかし私の好みから、このアルバムも候補に加えたいと思います。
この頃の彼らはダーク・ゴシック色を強め、本格派のバンドになっていました。
彼らは様々な音楽的な変遷をたどりましたが、根底には常にダークでゴシックな要素があり、それが一貫していることを好ましいと思っています。
このアルバム名は「darker than darkness」つまり「暗闇より暗く」です。
曲名「die」は、もちろん「死」という意味。
彼らの原点ともいえるダーク色を深めた本作が悪かろうはずがありません。
このバンドの作詞は、主に櫻井敦司が担当しています。
彼はこの曲で死に際して、別れを告げています。
しかし歌詞を読むと、彼の歌う死とは悲しいものではないような感じがします。
まるで「懐かしくやさしい死」のような。
彼らの音楽は、ダーク・ロマンティークとでも呼びたくなります。
8位「MY EYES & YOUR EYES」(アルバム:SEXUAL×××××!)
■曲名:MY EYES & YOUR EYES
■アルバム名:SEXUAL×××××!
■動画リンク:「MY EYES & YOUR EYES」
メジャー・デビュー・アルバムの曲です。
まだ演奏や歌は完成されていませんが、その割にすばらしい作品に仕上がっています。
他にも「SEXUAL×××××!」「SISSY BOY」など良い曲が目白押しですし。
元々彼らのキャリアは前身バンド、非難GO-GOから始まりました。
この作品は、オリコン・アルバム・チャートで33位という上々のすべり出しでした。
音楽以外でその原動力となったのは、初期の長髪を逆立てたヘアースタイル。
この髪型は、メンバーのヤガミトールの影響のようですね。
このヘアースタイルは切りに行くお金がなくて、髪を立てれば長くてもいいことからそうしたそうです(笑)
9位「SEVENTH HEAVEN」(アルバム:SEVENTH HEAVEN)
■曲名:SEVENTH HEAVEN
■アルバム名:SEVENTH HEAVEN
■動画リンク:「SEVENTH HEAVEN」
このバンドのメインソングライターは今井寿です。
彼は天才肌の人だと思います。
当初彼はギターが下手で、音楽の知識もそれほどありませんでした。
しかし彼はインプットが充分でなくても良い曲が書けて、興味深い演奏をする人でした。
インプット不足を補って余りあるセンスの持ち主といえるでしょう。
その後彼はインプットを増やしていきました。
それと良いギタリストなのに、ギターにこだわっていない感じがしないでもありません。
この曲も今井寿が書いた曲です。
桜井敦司のボーカルも今とは違っていますが、なんだかほほえましいですね。
10位「FLY HIGH」(アルバム:HURRY UP MODE (1990MIX))
■曲名:FLY HIGH
■アルバム名:HURRY UP MODE (1990MIX)
■動画リンク:「FLY HIGH」
この記事の選曲は、ファースト・アルバム以降を対象にしています。
しかし私の好みだけで選曲したら、初期の曲はランクインしません。
それにもかかわらずなぜその時期を対象にしたかというと、彼らの驚異的な成熟ぶりを知っていただきたいと思ったからです。
この作品はインディーズでリリースした「HURRY UP MODE」のリミックス・アルバムです。
当時彼らはこんな風に評価されていました。
BUCK-TICKとして初めて出場した地元のヤマハ・ポプコン高崎地区大会での評価は「演奏1:総合2:将来性5(5段階評価)」特別賞受賞[35]。
下手なバンドだけど、可能性だけでギラリと光っていたのですね。
私もうなづける評価です。
ポテンシャルを秘めている才能のあるバンドの初期は、えてしてこういうものかもしれません。
審査員の評価が妥当かどうかは、この曲を聞けばお分かりいただけると思います。
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