今回はコモンのランキングを作成しました。
HIPHOPに対して苦手意識のある人におすすめしたいのが、この人。
どのジャンルを聞く人にも広くおすすめしたい、HIPHOPアーティストの1人です。
純粋に音楽としてすばらしいです。
- 1 1位 「The Light」(アルバム:Like Water for Chocolate)
- 2 2位 「Heat」(アルバム:Like Water for Chocolate)
- 3 3位 「Be (Intro)」(アルバム:Be)
- 4 4位 「Resurrection」(アルバム:Resurrection)
- 5 5位 「Retrospect for Life」(アルバム:One Day It’ll All Make Sense)
- 6 6位 「A Dream」(アルバム:Freedom Writers)
- 7 7位 「They Say」(アルバム:Be)
- 8 8位 「Play Your Cards Right」(アルバム:Finding Forever)
- 9 9位 「Come Close」(アルバム:Electric Circus)
- 10 10位 「When We Move」(アルバム:A Beautiful Revolution Pt. 2)
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1位 「The Light」(アルバム:Like Water for Chocolate)
■アーティスト名:Common
■アーティスト名カナ:コモン
■曲名:The Light
■曲名邦題:ザ・ライト
■アルバム名:Like Water for Chocolate
■アルバム名邦題:ライク・ウォーター・フォー・チョコレート
■動画リンク:「The Light」
「The Light」という曲ですが「光」とは何を意味しているのでしょうか。
答えは、この曲で共演しているエリカ・バドゥ(Erykah Badu)のこと。
ちなみに「Badu」とはアラビア語で、「真実」や「光」という意味です。
コモンはバドゥと交際していましたが、その後2人は別れました。
しかしその後も2人は精神的な結びつきが強く、実際バドゥは度々コモンのアルバムで客演しています。
この曲の元ネタを引用しておきましょう。
Bobby Caldwell – Open Your Eyes
ほとんどカバー曲といえるほど、原曲を踏襲しています。
2位 「Heat」(アルバム:Like Water for Chocolate)
■アーティスト名:Common
■アーティスト名カナ:コモン
■曲名:Heat
■曲名邦題:ヒート
■アルバム名:Like Water for Chocolate
■アルバム名邦題:ライク・ウォーター・フォー・チョコレート
■動画リンク:「Heat」
彼らの最高傑作は、「Resurrection」「Like Water for Chocolate」「Be」のどれかだと言われています。
私はこのアルバムを推しています。
このアルバムではJ・ディラ(J Dilla)を中心としたソウルクエリアンズ(Soulquarians)がプロデュースを担当しています。
彼らのつくり出すトラックは半端ありません。
ソウルクエリアンズの音には特徴があります。
オーガニックで内省的、シンプルで本質的、しかし黒の深みと陰影があります。
その黒のバリエーションは豊富で、アルバム通して聞くと五臓六腑に沁み渡る。
ビートに対する洞察力を感じさせてくれます。
3位 「Be (Intro)」(アルバム:Be)
■アーティスト名:Common
■アーティスト名カナ:コモン
■曲名:Be (Intro)
■曲名邦題:ビー(イントロ)
■アルバム名:Be
■アルバム名邦題:BE
■動画リンク:「Be (Intro)」
HIPHOPには、良質な作品をアンダーグラウンドで発表しているアーティストが沢山います。
そういう人がメジャーでヒット狙いの曲を発表すると、セルアウトと非難されることがあります。
つまり自分の信念を曲げて、大衆に媚びた安っぽい曲だと。
コモンのファンの中には、このアルバムを聞く前にこう思った人もいると思います。
カニエを組んで、売れ線にシフトするのだろうと。
そう予測してこの1曲目を聞いた人は、さぞかし驚いたことと思います。
まあ私のことなのですが。
このアルバムは傑作です。
いや確かに売れ線といえば売れ線ですが、攻めている感じがします。
もう1曲「ゴー!(Go!)」という曲もご紹介しておきましょう。
今ではコモンの最初の1枚におすすめしたいと思っています。
4位 「Resurrection」(アルバム:Resurrection)
■アーティスト名:Common Sense
■アーティスト名カナ:コモン・センス
■曲名:Resurrection
■曲名邦題:リザレクション
■アルバム名:Resurrection
■アルバム名邦題:リザレクション
■動画リンク:「Resurrection」
彼はアルバム「キャン・アイ・ボロウ・ア・ダラー?(Can I Borrow a Dollar?)」でデビューしました。
その後リリースされたセカンド・アルバムは、前作をはるかに上回る傑作になりました。
彼は一躍HIPHOPシーンで時の人になり、注目度が高まった結果、ある騒動が持ち上がりました。
問題となったのは「アイ・ユースト・トゥ・ラヴ・エイチ・イー・アール(I Used to Love H.E.R.)」という曲。
Common – I Used to Love H.E.R.
その曲でコモンは、HIPHOPを女性に例えました。
コモンはある女性が西に行ってから、すっかり変わってしまったと嘆いています。
おそらく彼はオラついたギャングスタ・ラップを揶揄したのでしょう。
それに対して西のアイス・キューブ(Ice Cube)が、俺たちに喧嘩を売っているのかとかみつきました。
まあその後2人は仲直りして、2人でシングルをリリースしていますが。
さて「Resurrection」は「I Used to Love H.E.R.」と並んで、アルバムのハイライトといえる曲です。
普段HIPHOPを聞かない人に訴求できる曲だと思います。
5位 「Retrospect for Life」(アルバム:One Day It’ll All Make Sense)
■アーティスト名:Common(featuring Lauryn Hill)
■アーティスト名カナ:コモン(フィーチャリング ローリン・ヒル)
■曲名:Retrospect for Life(featuring Lauryn Hill)
■曲名邦題:レトロスペクト・フォー・ライフ
■アルバム名:One Day It’ll All Make Sense
■アルバム名邦題:ワン・デイ・イトゥル・オール・メイク・センス
■動画リンク:「Retrospect for Life」
この曲はローリン・ヒル(Lauryn Hill)が参加しています。
コモンとローリン・ヒルというコンシャスな2人の相性は抜群で、前半はコモン、後半はローリンとそれぞれ見せ場があって、どちらもすばらしい出来です。
さて初期の彼を語る上で、プロデューサーのNo I.D.の存在を軽視できません。
前作と今作では多くの曲を、No I.D.がプロデュースしています。
もう1曲No I.D.時代の曲をご紹介しておきましょう。
数年後コモンは、派手めなトラックにシフトしていきました。
しかしこの頃のシンプルなトラックを好むファンは少なくないと思います。
6位 「A Dream」(アルバム:Freedom Writers)
■アーティスト名:Common(featuring will.i.am)
■アーティスト名カナ:コモン(フィーチャリング ウィル・アイ・アム)
■曲名:A Dream
■曲名邦題:ア・ドリーム
■アルバム名:Freedom Writers
■アルバム名邦題:フリーダム・ライターズ
■動画リンク:「A Dream」
サウンドトラックの曲です。
映画「フリーダム・ライターズ(The Freedom Writers Diary)」のために書かれた曲です。
人種間でいがみあう荒れたクラスを担当した新人教師が、差別問題を乗り越えていく映画とのこと。
この曲では、キング牧師の演説から「私には夢がある(I Have a Dream)」という言葉が引用されています。
先程ご紹介した「One Day It’ll All Make Sense」のコンセプトも、公民権運動を念頭に置いていると思われます。
コモンは、元々コモン・センス(Common Sense)という名前でした。
しかし同名のレゲエ・バンドに訴えられて、コモン(Common)に改名しています。
元々の「Common Sense」という名前は「常識」という意味です。
おそらく彼にとっての「常識」とは、人種差別のない社会を指しているのでしょう。
当初から彼は社会問題に関心が強い人でした。
彼は後年、キング牧師を主人公とした映画「グローリー(Glory)」にも主題歌を提供しています。
7位 「They Say」(アルバム:Be)
■アーティスト名:Common(featuring Kanye West and John Legend)
■アーティスト名カナ:コモン(フィーチャリング カニエ・ウェスト、ジョン・レジェンド)
■曲名:They Say
■曲名邦題:ゼイ・セイ
■アルバム名:Be
■アルバム名邦題:BE
■動画リンク:「They Say」
このアルバムでは、プロデューサーにカニエ・ウェストを起用しました。
そこに至るまでには伏線がありました。
2004年、同郷のMCカニエ・ウェストが立ち上げた新レーベルグッド・ミュージックと契約する。
ちなみにこの曲で共演しているジョン・レジェンドも、グッド・ミュージック(GOOD Music)の所属アーティストです。
カニエ・ウェストはラッパーとしての評価はあまり高くありませんが、トラック・メイクに長けています。
カニエはラッパーとして卓越した実力を持つコモンと組んだことで、両者の魅力が引き立つ結果になりました。
8位 「Play Your Cards Right」(アルバム:Finding Forever)
■アーティスト名:Common(featuring Bilal)
■アーティスト名カナ:コモン(フィーチャリング ビラル)
■曲名:Play Your Cards Right
■曲名邦題:プレイ・ユア・カーズ・ライト
■アルバム名:Finding Forever
■アルバム名邦題:ファインディング・フォーエヴァー
■動画リンク:「Play Your Cards Right」
前作「Be」の成功を受けて、再びカニエ・ウェストと組んだアルバムです。
前作ほどポップではありませんが、こちらも充分すばらしい仕上がりです。
ただ今回は日本盤のボーナス・トラックから、とびっきりポップな曲を選んでみました。
映画「スモーキン・エース(Smokin’Aces)」のサントラに提供した曲です。
これからこのアルバムを買う方は、この曲が入っているか確認した方がいいかもしれません。
さてこの曲ではビラル(Bilal)と共演しています。
ビラルはコモンのお気に入りシンガーらしく、人気曲「The 6th Sense」など、他にも多くの曲に起用しています。
9位 「Come Close」(アルバム:Electric Circus)
■アーティスト名:Common(featuring Mary J. Blige)
■アーティスト名カナ:Common(フィーチャリング メアリー・J. ブライジ)
■曲名:Come Close
■曲名邦題:カム・クロース
■アルバム名:Electric Circus
■アルバム名邦題:エレクトリック・サーカス
■動画リンク:「Come Close」
このアルバムは最大の問題作です。
前作「Like Water for Chocolate」と打って変わって、刺激的で派手なサウンドに変化しました。
その変化は多くのファンを失望させたようです。
私は当時このアルバムを中古で買いました。
おそらく買ってすぐに売った人が多いと思われ、発売してそれほど経っていないのに、意外と安く買えたことを覚えています。
しかし私もあまり良い印象を受けませんでした。
かろうじてこの曲の存在で、元がとれましたが。
この曲はメアリー・J. ブライジの歌に救われています。
コモンは意外と派手めなトラックが好きなのかもしれません。
思えば「ユニヴァーサル・マインド・コントロール(Universal Mind Control)」も、クラブを意識した派手な作品でした。
本人の志向とファンが彼に求めていることとの間には、少しギャップがあるのかもしれません。
10位 「When We Move」(アルバム:A Beautiful Revolution Pt. 2)
■アーティスト名:Common(featuring Black Thought, Seun Kuti)
■アーティスト名カナ:コモン(フィーチャリング ブラック・ソート、シェウン・クティ)
■曲名:When We Move
■アルバム名:A Beautiful Revolution Pt. 2
■アルバム名邦題:ア・ビューティフル・レヴォリューション Pt. 2
■動画リンク:「When We Move」
この曲で注目したいのは、シェウン・クティの存在です。
シェウン・クティはナイジェリアのアーティストで、アフロ・ファンクの巨人、フェラ・クティ(Fela Kuti)の子供です。
コモンは同じくファラ・クティの息子、フェミ・クティ(Femi Kuti)とも共演したことがあります。
よほどフェラ・クティがお好きなのでしょう。
それはこの曲からもうかがえます。
この曲などは、フェラ・クティそのものといった感じですし。
彼は「Finding Forever」の後、「Universal Mind Control」「ザ・ドリーマー/ザ・ビリーヴァー(The Dreamer/The Believer)」の2作で低迷しました。
「ノーバディーズ・スマイリング(Nobody’s Smiling)」は再びトップテン・ヒットを記録しましたが、内容は今ひとつかんばしくありません。
しかし「ブラック・アメリカ・アゲイン(Black America Again)」は、久しぶりの充実作でした。
その好調ぶりは「レット・ラヴ(Let Love)」に引き継がれ、この「A Beautiful Revolution Pt. 2」へと至っています。
この曲は彼にとって異色な曲ですが、未来への布石になるかもしれません。
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