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ドアーズ(The Doors)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はドアーズのランキングを作成しました。

このバンドは初期2作の評価が高く、他のアルバムは聞いていない方も多いかもしれません。

そこでこの記事では、様々なアルバムから選曲してみました。

 

1位「Light My Fire」(アルバム:The Doors)

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■曲名:Light My Fire
■曲名邦題:ハートに火をつけて
■アルバム名:The Doors
■アルバム名邦題:ハートに火をつけて
■動画リンク:「Light My Fire」

この曲の人気の一端は「ハートに火をつけて」という曲名にあるかもしれません。

日本でもZARD、安室奈美恵、9mm Parabellum Bulletなどの曲名に採用されています。

また「ハートに火をつけて!」というTVドラマもありました。

しかしどれもドアーズとは関係ありません。タイトルが同じというだけです。

さてこの曲はアメリカでも超有名曲です。

当時ある自動車会社から、キャンペーンにこの曲を使いたいというオファーがあったそうです。

ジム・モリソン(Jim Morrison)を除くメンバーは、その巨額のオファーを受けたいと希望しました。

ただジムは長期休暇中で、連絡がつきません。

契約の署名期限が差し迫っていたため、やむを得ずジムの代理人に相談し、残り3名は契約に署名しました。

それからジムに伝えたところ、彼は悪魔に魂を売ったのかと怒り狂いました。

その後ジムの執拗な抵抗によって、広告が表に出ることはなかったようです。

それ以来ジムと他の3人との間には、深刻な亀裂ができてしまいました。

ジムと他の3人は以前のような仲間ではなく、単なるビジネスパートナーになってしまいました。

 

2位「Break On Through (To the Other Side)」(アルバム:The Doors)

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■曲名:Break On Through (To the Other Side)
■曲名邦題:ブレイク・オン・スルー
■アルバム名:The Doors
■アルバム名邦題:ハートに火をつけて
■動画リンク:「Break On Through (To the Other Side)」

このバンドのデビュー・シングルです。

この曲は当時アメリカのシングルチャートで126位と、意外とヒットしていません。

曲名は「向こう側に突き抜けろ」という意味。

ちなみにドアーズというバンド名は、ウィリアム・ブレイク(William Blake)の「知覚の扉(The doors of perception)」の詩の一節から取られています。

その箇所を引用しておきましょう。

「もし知覚の扉が浄化されるならば、全ての物は人間にとってありのままに現れ、無限に見える」

彼らはドラッグ体験を足掛かりにして、感覚を拡張しようとしていたようです。

彼らはこの曲のタイトルのように、向こう側に突き抜けようとしたようです。

私はドラッグの体験をロマンティックに表現したり、哲学的な意味を付与することに興味はありません。

しかしこの曲は大変すばらしいと思います。

 

3位「Riders on the Storm」(アルバム:L.A. Woman)

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■曲名:Riders on the Storm
■曲名邦題:ライダーズ・オン・ザ・ストーム
■アルバム名:L.A. Woman
■アルバム名邦題:L.A.ウーマン
■動画リンク:「Riders on the Storm」

ジム・モリソン在籍時最後のアルバムです。

ジムはパリに滞在中、心臓発作で亡くなっていますが、死因はオーバードーズだと言われています。

この頃の彼は体重が増加し、デビュー時の面影はありませんでした。

晩年の彼の写真を見ると年老いた印象を受けますが、実はまだ27歳でした。

27歳で亡くなったアーティストは他に、ブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)などがいます。

ジムもその通称「27クラブ」に加わることになりました。

ちなみにジムは死の前年、ライブで露出し公然わいせつ罪で有罪判決を受けています。

彼は典型的な破滅型のアーティストだったかもしれません。

しかし彼のボーカルは、最後まで輝きを失いませんでした。

この曲でも彼は、以前と変わらない陰影に富んだ深みのある歌を聞かせてくれています。

この曲の歌詞は少し予言めいているかもしれません。

主人公の男性が長い休暇を取って、嵐の中オートバイで出発する様子が描かれた曲です。

彼の死はそういう類のものだったかもしれません。

 

4位「Gloria (Live Version)」(アルバム:In Concert)

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■曲名:Gloria (Live Version)
■曲名邦題:グロリア(ライブ・バージョン)
■アルバム名:In Concert
■動画リンク:「Gloria (Live Version)」

この曲はゼム(Them)のカバーです。

ゼムはブルースやR&Bの影響が強く、当時彼らが参考にしたバンドだと思われます。

ゼムにはヴァン・モリソン(Van Morrison)というすばらしいシンガーがいましたが、こちらも負けてはいません。

デビュー前のドアーズは、とてもブルース色の強いバンドでした。

「London Fog 1966」というデビュー前のライブ・アルバムを聞くと、ブルース色が強いことに驚かされます。

ちなみに上記ライブ盤では、後にセカンド・アルバムで収録された「ストレンジ・デイズ(Strange Days)」の原型を聞くことができます。

その後彼らは自分たちの個性を確立していきました。

デビュー・アルバムではウィリー・ディクスン(Willie Dixon)の「バック・ドア・マン(Back Door Man)」をカバーしていますが、それほどブルース色は強くありません。

 

5位「People are Strange」(アルバム:Strange Days)

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■曲名:People are Strange
■曲名邦題:まぼろしの世界
■アルバム名:Strange Days
■アルバム名邦題:まぼろしの世界
■動画リンク:「People are Strange」

このセカンド・アルバムは、ファーストの「The Doors」と並んで最高傑作だと言われています。

しかし強くおすすめできる曲がありません。

アルバム単位では傑作といえますが、個々の曲のインパクトはファーストの方が上です。

ただこちらには別の魅力があって、現実世界を外側から眺めている世界観が興味深いです。

その意味で「まぼろしの世界」と名付けた邦題は、なかなかのセンスではないでしょうか。

この曲の歌詞には有名な箇所があります。

「君が部外者の時、他の人が奇妙に見える」

この歌詞はジムが書いたと言われています。

彼は両親と一切の関係を断ち、奇行が目立つアウトサイダーといえる人でした。

冒頭に書いた事件によって、彼はバンド内でも孤立していました。

しかし一方で哲学書や詩集を熱心に読みふける。

ジムの目には、彼を奇異な目で見る周囲の人の方が、奇妙に感じられたかもしれません。

 

6位「Whisky bar(Alabama Song)」(アルバム:The Doors)

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■曲名:Whisky bar(Alabama Song)
■曲名邦題:アラバマ・ソング
■アルバム名:The Doors
■アルバム名邦題:ハートに火をつけて
■動画リンク:「Whisky bar(Alabama Song)」

このバンドの演劇的要素は、ジム・モリソンが持ち込んだようです。

「ジ・エンド(The End)」という曲では、エディプス王の神話を題材に、父殺しと近親相関を匂わせた歌詞を書いています。

この曲はベルトルト・ブレヒトとクルト・ヴァイルによって書かれたオペラの曲。

このような大道芸っぽいフェリーニ的世界は、次作の「Strange Days」でより掘り下げられました。

この曲の歌詞を要約すると以下の通りです。

俺たちは古き良き母を失った。だからウィスキーを飲まなくてはいけない。

このファースト・アルバムがリリースされた時、ジムは両親と絶縁していました。

彼の両親は「ハートに火をつけて」がヒットしてから、初めてそれを歌っているのが自分たちの息子と知ったそうです。

そこで母親はレコード会社に息子に合わせてほしいと懇願したそうですが、ジムは頑として会おうとしませんでした。

ジムはレコード会社にも親はいないと申告していました。

ジムは両親と再会することなく生涯を閉じています。

 

7位「Love Street」(アルバム:Waiting for the Sun)

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■曲名:Love Street
■曲名邦題:ラヴ・ストリート
■アルバム名:Waiting for the Sun
■アルバム名邦題:太陽を待ちながら
■動画リンク:「Love Street」

彼らは1967年にアルバムを2枚リリースしました。

彼らは下積みの中で多くの曲を書き、アレンジも練り込んでいったようです。

しかしそのストックがなくなった時、彼らは地力が問われることになりました。

このアルバムは勝負の3枚目です。

結果「ハロー・アイ・ラヴ・ユー(Hello, I Love You)」のヒットもあって、初めてアルバム・チャートの1位を獲得できました。

The Doors – Hello, I Love You

しかし私はこちらの曲の方が好みです。

哲学的でアングラっぽいテーマの曲が多い中で、この曲は普通のラブソング。

ジムが当時交際していたパメラ・カーソン(Pamela Curson)のことを歌っていたと言われています。

2人の写真もご紹介しておきましょう。

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Jim Morrison and Pamela Courson #127

 

8位「Touch Me」(アルバム:The Soft Parade)

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■曲名:Touch Me
■曲名邦題:タッチ・ミー
■アルバム名:The Soft Parade
■アルバム名邦題:ソフト・パレード
■動画リンク:「Touch Me」

「太陽を待ちながら(Waiting for the Sun)」「ソフト・パレード(The Soft Parade)」「モリソン・ホテル(Morrison Hotel)」の3作は、一般にあまり高く評価されていません。

正直私もそれほど出来が良いとは思いません。

上記のどれかをドアーズの最高傑作と言う人がいますが、私はいつも本当だろうかと思ってしまいます。

今回改めて聞きなおしても、私の評価は変わりませんでした。

ただこれからも時々聞きなおしていくつもりです。

その時期バンドを支えていたのは、ロビー・クリーガー(Robby Krieger)が書いたポップな曲。

ロビーは「Light My Fire」「Hello, I Love You」、そしてこの曲を書いています。

つまりこのバンドの3大ヒット曲は、すべてロビー作なのですね。

この曲は結構好きです。

 

9位「Queen of the Highway(Alternate Take)」(アルバム:Essential Rarities)

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■曲名:Queen of the Highway(Alternate Take)
■曲名邦題:ハイウェイの女王(別テイク)
■アルバム名:Essential Rarities
■動画リンク:「Queen of the Highway(Alternate Take)」

オリジナル・アルバム未収録曲を集めたレア・トラック集からの選曲です。

この曲の完成バージョンは「Morrison Hotel」に収録されていますが、私はこの別バージョンの方が好みです。

ジムについては激しくシャウトしているイメージがあるかもしれませんが、そういう曲ばかりではありません。

ちなみに彼は普段はロックではなく、ペギー・リー(Peggy Lee)やフランク・シナトラ(Frank Sinatra)などを好んで聞いていたとのこと。

私は彼の歌い方は、フランク・シナトラの影響を受けているように感じます。

シナトラはクルーナー唱法という、抑え気味で小粋な歌い方が特徴の人で、ボサノヴァにも大きな影響を与えています。

この曲を聞くとジャズっぽいと感じますが、それは彼の歌い方がシナトラのようなクルーナー唱法だからです。

 

10位「Ghost Song」(アルバム:An American Prayer)

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■曲名:Ghost Song
■曲名邦題:亡霊の歌
■アルバム名:An American Prayer
■アルバム名邦題:アメリカン・プレイヤー
■動画リンク:「Ghost Song」

この曲は、ジムの死から7年が経過した1978年に発表されました。

ジムの詩の朗読に、残りのメンバーの演奏を被せた企画色の強いアルバムです。

ドアーズはジムの死後も「アザー・ヴォイセズ(Other Voices)」「フル・サークル(Full Circle)」という2枚のアルバムを発表しました。

それらも内容は決して悪くありません。

特に「Other Voices」の楽曲や演奏は、完全に「L.A. Woman」の続編といった感じです。

しかしセールス的に振るわず、一旦バンドは解散しました。

その後再度集まってジムの詩に演奏を付けたのが、このアルバムです。

この曲で印象的なのは、レイ・マンザレク(Ray Manzarek)のエレクトリック・ピアノ。

彼はデビュー当時「ハートに火をつけて」などハモンド・オルガンで、演奏面の主導権を握っていました。

しかしその後「Riders on the Storm」などで、エレクトリック・ピアノを使った演奏が目立ち始めました。

ここでも曲の印象を決定付けているのは、レイのエレピです。

ドアーズというバンドは、ジムの歌とカリスマ性、ロビーの作曲、レイの演奏があって初めて成立したバンドだと思います。

 

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