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マッシヴ・アタック(Massive Attack)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はマッシヴ・アタックのランキングを作成しました。

彼らはトリップ・ホップ(Trip Hop)やブリストル・サウンド(Bristol Sound)を代表するグループです。

トリップ・ホップとは、HIOHOPやレゲエなどをミックスした音楽です。

総じてダウナーな曲が多く、決して万人向けの音楽とはいえません。

ただ一度その魅力に開眼すると病みつきになります。

この記事では入り口となる曲を3つご用意しました。

・初心者向け:「Paradise Circus」
・中級者向け:「Teardrop」
・上級者向け:「Angel」

自分がどれか判断できない場合は、1位から順に聞いてみてください。

 

1位「Teardrop」(アルバム:Mezzanine)

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■曲名:Teardrop
■曲名邦題:ティアドロップ
■アルバム名:Mezzanine(1998年)
■アルバム名邦題:メザニーン
■動画リンク:「Teardrop」

このアルバムでは、コクトーツインズ(Cocteau Twins)のエリザベス・フレイザー(Elizabeth Fraser)を、ゲスト・ボーカルに迎えています。

この曲の曲名は「Teardrop」つまり「涙のしずく」。

思わせぶりな曲名なので歌詞を読んでみましたが、詩的な表現が多く、意味がよく分かりませんでした。

このプロモーションビデオには、胎内の赤ちゃんが登場しています。

歌詞を読んでもMVを見ても「涙のしずく」に繋がりそうな手がかりは見つかりません。

ただそれでもいいのかもしれません。

彼らの魅力はアブストラクトなところ、つまり抽象的な世界観にあります。

涙といっても、冷たいコップの表面に浮き出た水滴みたいなイメージかもしれませんし。

 

2位「Blue Lines」(アルバム:Blue Lines)

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■曲名:Blue Lines
■曲名邦題:ブルー・ラインズ
■アルバム名:Blue Lines(1991年)
■アルバム名邦題:ブルー・ラインズ
■動画リンク:「Blue Lines」

ファースト・アルバムのタイトル曲です。

当初彼らは「ワイルド・バンチ(Wild bunch)」と名乗っていました。

当時はネリー・フーパー(Nellee Hooper)やトリッキー(Tricky)など、そうそうたるアーティストが参加していました。

その後彼らはネナ・チェリー(Neneh Cherry)の「ロウ・ライク・スシ(Raw Like Sushi)」のレコーディングに参加したり、以下のシングルを発表したりしています。

Massive Attack – Any Love

ただこのデビュー・アルバムの頃には、以下の3人に固定されてきました。

・グラント・マーシャル(Grant “Daddy G” Marshall):通称”ダディ・G”
・ロバート・デル・ナジャ(Robert “3D” Del Naja):通称”3D”
・アンドリュー・ヴォウルズ(Andrew “Mushroom” Vowles):通称”マッシュルーム”

このデビュー・アルバムは1991年5月にリリースされました。

30年近く経過していますが、全く古さを感じません。

彼らの音楽は「踊れないダンス・ミュージック」と言われいます。

それが当たり前となった現在でも、彼らの音楽は驚くほど陳腐化していません。

 

3位「Protection」(アルバム:Protection)

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■曲名:Protection
■曲名邦題:プロテクション
■アルバム名:Protection(1994年)
■アルバム名邦題:プロテクション
■動画リンク:「Protection」

この曲ではエヴリシング・バット・ザ・ガール(Everything But the Girl)のトレイシー・ソーン(Tracey Thorn)を、ゲスト・ボーカルに迎えています。

トレイシーはこの曲と「ベター・シングス(Better Things)」に参加しました。

さて初期の三作はどれも傑作ばかりですが、個々の音楽性はかなり異なります。

このセカンドはファーストに比べて音のバリエーションが広がり、より耽美的で穏やかな音楽へと変化しました。

その分リズム面が前作より後退していますが、新しく獲得した魅力もあって、全体としては前作の水準を維持しています。

またこの曲は聞きやすいので、初めて聞く方にもおすすめです。

ただ簡素なリズムの背後で時々ウネウネしていたり、アンビニエントなシンセサイザーが時折耳につきますが。

彼らの細部の魅力を味わうには、ヘッドホンで聞くといいかもしれません。

 

4位「Angel」(アルバム:Mezzanine)

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■曲名:Angel
■曲名邦題:エンジェル
■アルバム名:Mezzanine(1998年)
■アルバム名邦題:メザニーン
■動画リンク:「Angel」

この曲はホレス・アンディ(Horace Andy)の中性的なボーカルが聞きものです。

前半はダウン・テンポですが、徐々ににじり寄ってくるような迫力を感じます。

その均衡が変化するのは、2:24にギターが入ってから。

このアルバムはギターが目立つため、ロック色が強くなったと言われています。

マッシュルームはその変化に不満があったようで、このアルバムの後に脱退しました。

一方私はこの音楽性の変化に狂喜しましたが。

確かに前作も決して出来の悪い作品ではありませんでした。

むしろすばらしい作品だと思いますが、このアルバムと比較すると、いささかダイナミクスに欠けるように思います。

このアルバムのダイナミクスとは、ダークで鈍色なギター。

中盤からにじり寄るギターは、この曲に静かなドラマ性と陰影を加えています。

ちなみにギターのアンジェロ・ブルスキーニ(Angelo Bruschini)は、ブルー・エアロプレインズ(The Blue Aeroplanes)の元メンバー。

このアルバムは、彼の貢献がとても大きかったと思います。

彼らの最高傑作と言われていますが、私も異論はありません。

 

5位「Paradise Circus」(アルバム:Heligoland)

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■曲名:Paradise Circus
■曲名邦題:パラダイス・サーカス
■アルバム名:Heligoland(2010年)
■アルバム名邦題:ヘリゴランド
■動画リンク:「Paradise Circus」

このアルバムが発売されたのは2010年ですから、前作から既に7年が経過していました。

私などはまだバンドが存続していたのかと思ったほどです。

このアルバムは相当難産だったようで「Weather Underground」という仮タイトルが付けられ、2007年に発売される予定でした。

実際発売されたのは2010年ですから、3年以上も引き延ばされたことになります。

ただ結果的には、すばらしい作品を届けてくれました。

ちなみにアルバム・タイトルの「Heligoland」とは、ドイツの観光地として有名な「ヘルゴラント島」のこと。

写真を掲載しておきましょう。

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この写真を見ながら聞いていただくと、より曲のイメージが広がるかもしれません。

 

6位「Live with Me」(アルバム:Collected)

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■曲名:Live with Me
■曲名邦題:リヴ・ウィズ・ミー
■アルバム名:Collected(2006年)
■アルバム名邦題:コレクテッド
■動画リンク:「Live with Me」

ベスト・アルバムの曲です。

「ダニー・ザ・ドッグ(Danny the Dog)」や「ブレット・ボーイ(Bullet Boy)」などのサウンドトラックを経てリリースされました。

このベスト盤にはオリジナル・アルバムに収録されていない曲も入っているので、ファンならチェックしたいところです。

この曲もオリジナル・アルバム未収録です。

さてこの曲のゲストボーカルは、テリー・キャリアー(Terry Callier)。

彼らと相性が良さそうだと思った方、ビンゴです。

やるせないイントロの後、1:31から始まるテリーの第一声だけで彼の世界に持っていかれます。

テリーの特徴は、異常なほどの声の深み。

黒の陰影を得意とするマッシヴ・アタックとの相性が悪かろうはずもありません。

 

7位「Cool Monsoon (Based on “Weather Storm”)」(アルバム:No Protection)

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■曲名:Cool Monsoon (Based on “Weather Storm”)
■アルバム名:No Protection(1995年)
■アルバム名邦題:ノー・プロテクション
■動画リンク:「Cool Monsoon (Based on “Weather Storm”)」

マッド・プロフェッサー(Mad Professor)が「Protection」を再編集し、ダブ・アルバムとして発売した作品の曲です。

このアルバムの魅力は、悪酔いにも似たダビーなトリップ感覚ですが、それはマッド・プロフェッサーの功績です。

この曲のオリジナルは「Protection」に収録された「ウェザー・ストーム」。

Massive Attack – Weather Storm

一方このダブ・バージョンもなかなか良い出来です。

大幅に改変された曲が多い中、比較的原曲の魅力を残しています。

美しさではこちらの方が上かもしれません。

アルバム・ジャケットには「Massive Attack Vs. Mad Professor」と記載されていますが、確かに両者の持ち味がぶつかって出来た感じがします。

 

8位「Future Proof」(アルバム:100th Window)

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■曲名:Future Proof
■曲名邦題:フューチャー・プルーフ
■アルバム名:100th Window(2003年)
■動画リンク:「Future Proof」

このアルバムには、ダディ・Gとマッシュルームが参加していません。

シンニード・オコナー(Sinead O’Connor)が参加した曲もありますが、3D色が強いアルバムといえるでしょう。

前作「Mezzanine」の時は人間関係が悪化し、かなり険悪な中でレコーディングされたようです。

ただそうした不協和音さえも音楽に深みを加えるスパイスだったかもしれません。

しかしこの作品には、そうしたケミストリーを感じません。

また以前の彼らは時代にリードする存在でしたが、いつの間にか時代に追い付かれてしまった感じもしないでもありません。

この曲などはレディオヘッド(Radiohead)みたいですし。

しかしそれでもなお、このアルバムの美しさは格別です。

魔法が解けた後の人間界の音楽としては、上々の部類ではないでしょうか。

 

9位「Unfinished Sympathy」(アルバム:Blue Lines)

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■曲名:Unfinished Sympathy
■曲名邦題:アンフィニッシュト・シンパシィ
■アルバム名:Blue Lines(1991年)
■アルバム名邦題:ブルー・ラインズ
■動画リンク:「Unfinished Sympathy」

彼らの代名詞的な名曲です。

本来はもっと上に位置してもおかしくありません。

それがこの位置になっているのは、ひとえに私の偏狭な好みゆえです。

またこのアルバムではウィリアム・デヴォーン(William DeVaugh)の「ビー・サンクフル・フォー・ワット・ユー・ゴット(Be Thankful For What You’ve Got)」のカバーが有名です。

Massive Attack – Be Thankful For What You’ve Got

私はそちらにも、ハマることができませんでした。

私はこのバンドのダウナーところが好きな人です。

そんなストライクゾーンが狭い私からすると「Unfinished Sympathy」のボーカル、シャラ・ネルソン(Shara Nelson)の歌は、生命力がありすぎるように感じるのですね。

ただそれでも「Unfinished Sympathy」を選んだのは、楽曲の魅力とストリングスのすばらしさゆえ。

この曲のストリングス・アレンジをしたのは。ウィル・マローン(Wil Malone)です。

ちなみにあの有名なヴァーヴ(The Verve)の「ビター・スウィート・シンフォニー(Bitter Sweet Symphony)」のストリングスも、この人の仕事です。

彼自身のソロ・アルバムでもオーケストレーションが絶品でした。

 

10位「Babel」(アルバム:Heligoland)

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■曲名:Babel
■曲名邦題:バベル
■アルバム名:Heligoland(2010年)
■アルバム名邦題:ヘリゴランド
■動画リンク:「Babel」

初めて彼らを聞く方には、聞きやすい曲がそろっているこのアルバムがおすすめです。

特にこの曲などは、ギターポップかと思うほどではないでしょうか。

このアルバムではトリッキーの女性ボーカル、マルティナ・トップリー・バード(Martina Topley-Bird)を、ゲスト・ボーカルに迎えています。

エリザベスのような魔性は感じられませんが、キュートな声質が魅力です。

聞きやすい曲ですが、後半は徐々に彼ららしいサウンドに変化していきます。

特に3:30からの展開には、つい聞き入ってしまいますね。

彼らはとっつきにくいバンドですが、一度ハマると中毒になります。

もしこの曲が気に入ったら、トリップ・ホップの金字塔である初期の3部作を聞いてみてください。

 

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