今回はマディ・ウォーターズのランキングを作成しました。
ブルースは年季の入ったファンが多いジャンルです。
もちろんそういう方にも読んでいただけたらうれしいです。
ただ私の知見が充分ではないこともあり、結果的にブルース初心者向けの記事となりました。
文章を動画にしたYoutubeラジオもご用意しています。
- 1 1位「Mannish Boy」(アルバム:Hard Again)
- 2 2位「I Just Want to Make Love to You」(アルバム:The Best of Muddy Waters)
- 3 3位「Sad Letter」(アルバム:More Real Folk Blues)
- 4 4位「Got My Mojo Working」(アルバム:At Newport 1960)
- 5 5位「Rollin’ and Tumblin’」(アルバム:Real Folk Blues)
- 6 6位「Caledonia」(アルバム:The Muddy Waters Woodstock Album)
- 7 7位「I Can’t Be Satisfied」(アルバム:Hard Again)
- 8 8位「Good Morning, Little School Girl」(アルバム:I’m Ready)
- 9 9位「Standing Around Crying」(アルバム:The Chess Box)
- 10 10位「Got My Mojo Working Part 2」(アルバム:Fathers And Sons)
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1位「Mannish Boy」(アルバム:Hard Again)

■曲名:Mannish Boy
■曲名邦題:マニッシュ・ボーイ
■アルバム名:Hard Again(1977年)
■アルバム名邦題:ハード・アゲイン
■動画リンク:「Mannish Boy」
マディ・ウォーターズの代表曲は沢山あります。
その中でどの曲を1位にするかしばらく考えた末、この曲に決めました。
理由としてはまず、この曲はローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)がカバーしている人気曲であること。
更には、ザ・バンド(The Band)の解散コンサート「ラスト・ワルツ(The Last Waltz)」に参加したマディは、この曲を演奏しています。
またサイケデリック・ブルースのバンドにマディがボーカルで参加した「エレクトリック・マッド(Electric Mud)」でも、この曲が収録されています。
実際ロック・リスナーにアピールしやすい曲かもしれません。
多くのバージョンがある中、個人的に決定版だと思ったのがこの曲。
それにしても威風堂々とした男っぷりにしびれますね。
バックで叫んでいる声は、リスナーの興奮を代弁しているかのようです。
これはロックではないかと思う人がいるかもしれません。
しかしこれこそがブルースだと言わせていただきましょう
2位「I Just Want to Make Love to You」(アルバム:The Best of Muddy Waters)

■曲名:I Just Want to Make Love to You
■曲名邦題:アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・メイク・ラヴ・トゥ・ユー
■アルバム名:The Best of Muddy Waters(1958年)
■アルバム名邦題:ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ
■動画リンク:「I Just Want to Make Love to You」
このアルバムはブルースの金字塔です。
史上最高のブルース・アルバムで人気投票をしたら、1位の可能性が最も高い作品です。
このアルバムの場合、どの曲を選ぶかは重要ではありません。
全曲がこの水準ですから。
このアルバムには、ある有名曲が収録されています。
ローリング・ストーンズのバンド名の由来になった曲です。
イントロにストーンズと共通する匂いを感じますが、言葉ではうまく言い表せません。
そもそもこのアルバムの前では、言葉は無粋かもしれませんが。
3位「Sad Letter」(アルバム:More Real Folk Blues)

■曲名:Sad Letter
■曲名邦題:サッド・レター
■アルバム名:More Real Folk Blues(1967年)
■アルバム名邦題:モア・リアル・フォーク・ブルース
■動画リンク:「Sad Letter」
マディの最高傑作は「The Best of Muddy Waters」だと言われています。
しかし私は「Real Folk Blues」とこの「More Real Folk Blues」を合わせて、三部作の内の1枚と考えています。
各アルバムの録音の時期を以下に列記しましょう。
・「The Best of Muddy Waters」:1948年から1954年
・「Real Folk Blues」:1947年から1964年
・「More Real Folk Blues」:1948年から1952年
アルバムによって多少ばらつきはありますが、これらの時期が彼の全盛期といってもいいかもしれません。
この曲が録音された1950年は、彼が本格的に始動した年です。
この曲は「Sad Letter Blues」と呼ばれることもありますが、同じ曲を指しています。
この時期の曲はどれも凄みのある曲ばかりで聞き逃せません。
4位「Got My Mojo Working」(アルバム:At Newport 1960)

■曲名:Got My Mojo Working
■曲名邦題:ガット・マイ・モジョ・ワーキング
■アルバム名:At Newport 1960(1960年)
■アルバム名邦題:マディ・ウォーターズ・アット・ニューポート
■動画リンク:「Got My Mojo Working」
ライブ・アルバムからの曲です。
この曲はよくライブのクライマックスで演奏されています。
その中で最も有名なのは、このバージョンかもしれません。
私はこのアルバム以前に「Trouble No More: Singles 1955–1959」というアルバムで、既にこの曲を知っていました。
そのアルバムは、私が初めての海外旅行で買ったCDです。
私は良い服を着ていると強盗の心配があると聞き、みすぼらしい服を着て観光していました。
私は初めての海外旅行にも関わらず、現地のレコード・ショップを回っていました(苦笑)。
その内の1軒でその「Trouble No More: Singles 1955–1959」を買いました。
レジで支払いの時に、店主がジロジロと私の顔をのぞき込んできたことをよく覚えています。
日本ではこんな露骨に見られることはなく、軽いカルチャーショックを受けました。
まあ今にして思えばパンク風のアジアの若造が、不似合いなブルースのCDを買ったので、不思議に思われただけだと思いますが。
曲の解説から離れてしまいましたが、ふとそんなことを思い出しました。
5位「Rollin’ and Tumblin’」(アルバム:Real Folk Blues)

■曲名:Rollin’ and Tumblin’
■曲名邦題:ローリン・アンド・タンブリン
■アルバム名:Real Folk Blues(1966年)
■アルバム名邦題:リアル・フォーク・ブルース
■動画リンク:「Rollin’ and Tumblin’」
この曲が収録されているのは「Real Folk Blues」というアルバムです。
タイトルに「Folk」とありますが、ギターはアコースティックではありません。
「民衆」とか「伝承」などの「Folk」の意味だと思われます。
マディの出身地は、ミシシッピー州です。
同州にはミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)やスキップ・ジェイムス(Skip James)など、アコースティック・ブルースの系譜がありました。
しかしマディはそちら側ではなく、デルタ・ブルースの系譜です。
デルタ・ブルースについては、また後でご説明します。
この曲はエレクトリック・ギター特有の音の肌ざわりがいいですね。
ロックっぽいと言い換えてもいいかもしれません。
ジェフ・ベック(Jeff Beck)は、こういうギターが好きだったかもしれません。
6位「Caledonia」(アルバム:The Muddy Waters Woodstock Album)

■曲名:Caledonia
■曲名邦題:カレドニア
■アルバム名:The Muddy Waters Woodstock Album(1975年)
■アルバム名邦題:ウッドストック・アルバム
■動画リンク:「Caledonia」
当時はウッドストック・サウンドが人気でした。
ウッドストック系のアーティストにとって、マディは偉大な先人でした。
このアルバムは当時、新進気鋭のアーティストがマディと共演したアルバムです。
ボビー・チャールズ(Bobby Charles)が書いた曲が収録されていたり、演奏にザ・バンドのメンバーが参加しています。
この曲のオリジナルは、ルイ・ジョーダン(Louis Jordan)。
つまりいつものマディとは少し毛色が違います。
それにも関わらずこのカバー曲は、とても楽しい仕上がりになりました。
特にハープのポール・バターフィールド(Paul Butterfield)と、アコーディオンのガース・ハドソン(Garth Hudson)は、めちゃくちゃ楽しそうですね。
ただこのアルバムはブルースらしくないと敬遠する人がいるようです。
私は「エレクトリック・マッド(Electric Mud)」よりも、こちらのアルバムの方が好きですが。
7位「I Can’t Be Satisfied」(アルバム:Hard Again)

■曲名:I Can’t Be Satisfied
■曲名邦題:アイ・キャント・ビー・サティスファイド
■アルバム名:Hard Again(1977年)
■アルバム名邦題:ハード・アゲイン
■動画リンク:「I Can’t Be Satisfied」
私は中学生ぐらいの時からブルースを聞いていました。
昔はブルースを理解していなければ、ロック・ファンとはいえない風潮があったような気がします。
そこで私も精一杯背伸びして、ブルースを聞いていました。
その後ある程度ブルースの名盤を聞き進んだところで、数年に渡る私の第一次ブルース・ブームが終わりました。
これでロックを聞く資格が得られたと(笑)。
その数年後、私の第二次ブルース・ブームが始まりました。
そのきっかけになったのが、このアルバムです。
このアルバムはジョニー・ウインター(Johnny Winter)がプロデュースしたことから買いました。
中でも大のお気に入りが、1位にした「Mannish Boy」とこの曲。
一般的にはこの曲は「The Best of Muddy Waters」のバージョンの方が有名かもしれません。
そちらもリンクを貼っておきましょう。
Muddy Waters – I Can’t Be Satisfied
8位「Good Morning, Little School Girl」(アルバム:I’m Ready)

■曲名:Good Morning, Little School Girl
■曲名邦題:グッド・モーニング・リトル・スクール・ガール
■アルバム名:I’m Ready(1978年)
■アルバム名邦題:アイム・レディ
■動画リンク:「Good Morning Little School Girl」
彼はシカゴ・ブルースの父と言われています。
先程私は彼がデルタ・ブルースの系譜だと書きました。
大雑把に言えば、シカゴ・ブルースはデルタ・ブルースにエレクトリック楽器を持ち込み、バンド編成にしたものです。
つまりアコースティック・ギターの弾き語りから、エレクトリック編成のバンド・サウンドに発展した音楽。
一般的にはそう言われています。
ただもう少し補足すると、シカゴ・ブルースはデルタ・ブルースより、音楽の幅が広がっています。
よりロックやR&Bと隣接した音楽になりました。
たとえばこの曲です。
私は「The Best of Muddy Waters」あたりの緊張感あふれる時期が、マディの全盛期だと思っています。
しかし後年彼は様々な音楽を飲み込んで、よりふくよかな音楽性に変化しました。
どの時期も、やはりマディは最高です。
9位「Standing Around Crying」(アルバム:The Chess Box)

■曲名:Standing Around Crying
■曲名邦題:スタンディング・アラウンド・クライング
■アルバム名:The Chess Box(1989年)
■アルバム名邦題:チェス・ボックス
■動画リンク:「Standing Around Crying」
初心者向けではないかもしれませんが、ねちっこいスロー・ブルースもご紹介しておきましょう
以下の曲と迷いましたが、よりねちっこい「Standing Around Crying」の方にしてみました。
「Standing Around Crying」は「The Best of Muddy Waters」の曲ですが、このボックス・セットにも入っています。
この頃の彼はシカゴ・ブルースというより、デルタ・ブルースに近いところがありました。
デルタ・ブルースは、他の種類のブルースと比べても特異な音楽です。
異端の香りがあって、ギターが別の意志を持った生き物みたいな。
まあ私のつたない説明より、この曲のイントロをお聞きください。
かなり中毒性が高く、酒を飲んでいないのに、酩酊したような感じがしないでしょうか。
それにしてもブルースという音楽はお酒がよく合いますね。
この曲を聞きながら飲むと、意識を持っていかれてそのまま泥酔してしまいそうです。
10位「Got My Mojo Working Part 2」(アルバム:Fathers And Sons)

■曲名:Got My Mojo Working Part 2
■曲名邦題:ガット・マイ・モジョ・ワーキング(パート2)
■アルバム名:Fathers And Sons(1969年)
■アルバム名邦題:ファーザーズ・アンド・サンズ
■動画リンク:「Got My Mojo Working Part 2」
マディの人生の後半は、彼を慕うアーティストとの共演が増えました。
このアルバムも「Fathers And Sons」というタイトルからもうかがえるように、その中の1枚です。
ただ当時の彼はこんなことを言っていました。
「チェス・レコードはいつもブルースじゃないプレイヤーと俺を組ませる。でも俺のサウンドを変えることは、俺という一人の男を変えることになる」
彼は子供の頃、泥だらけで遊んでいたことから、マディ・ウォーターズと呼ばれるようになったそうです。
その後彼は名前の通り、ブルースの濁りを体現し、ブルースを背負える男になりました。
とかくブルースは「シブい」という一言で片づけられがちかもしれません。
しかしブルースには様々な魅力があります。
私はマディの音楽について聞かれたら、豪気で男くさいブルースだと答えるでしょう。
その一例としてこの曲をお聞きください。
私は彼の音楽に、一本背負いにこだわる柔道家のような不器用な気骨を感じます
しかしただ不器用なだけではありません。
現にこの曲でマディの熱にあてられた観客の大歓声がすごいですね。
マディ・ウォーターズはそうと決めたら一本道、豪快に男の花道を突き進んでいます。
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