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B・J・トーマス(B. J. Thomas)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はB・J・トーマスのランキングを作成しました。

実は結構ヒット曲が多い人なのですが、一発屋みたいに言われることがあります。

そこでこのランキングでは、彼の活動を振り返り良い曲をご紹介してみました。

おおらかで包容力のある歌をご堪能ください。

 

1位「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」(アルバム:Raindrops Keep Fallin’ on My Head)

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■曲名:Raindrops Keep Fallin’ on My Head
■曲名邦題:雨にぬれても
■アルバム名:Raindrops Keep Fallin’ on My Head
■アルバム名邦題:雨にぬれても
■動画リンク:「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」

この曲は、ジョージ・ロイ・ヒル監督の西部劇『明日に向って撃て!(Butch Cassidy and the Sundance Kid)』のテーマ・ソングとして知られています。

映画は評判でしたので見てみましたが、確かに名画と呼ぶにふさわしい映画でした。

舞台は開拓時代のアメリカ、実在の銀行強盗ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの人生を描いた映画です。

犯罪を重ねる2人が主人公ですから、陰惨な話かと思いきや意外とそうでもありませんでした。

古き良きアメリカを懐古的に振り返った、前向きな気持ちにさせてくれる映画です。

歌詞もそんな感じ。

雨が降っても、全然問題ない

なぜならもうすぐ幸せがやってくるから

というような内容です。

上の動画では、実際の映画の映像が使われています。

ブッチ・キャシディが恋人を自転車の前に乗せて、家畜たちのいる緑の中はしゃいでいます。

 

2位「Hooked on a Feeling」(アルバム:On My Way)

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■曲名:Hooked on a Feeling
■曲名邦題:フックト・オン・ア・フィーリング
■アルバム名:On My Way
■アルバム名邦題:オン・マイ・ウェイ
■動画リンク:「Hooked on a Feeling」

この人の有名曲では、1位の曲がダントツの知名度です。

しかし私はこの曲も同じぐらい好きで、どちらを1位にするかかなり迷いました。

この曲で特筆すべきは、名手レジー・ヤング(Reggie Young)によるエレクトリック・シタールです。

イントロから印象的ですが、2:19からもすばらしい演奏を披露しています。

トーマスの幼馴染マーク・ジェームス(Mark James)が提供した曲で、シングルチャート5位を記録しました。

ブルー・スウェード(Blue Swede)がカバーしたバージョンも有名ですが、やはりこのオリジナルに尽きます。

このアルバムは、以前よりもポップな曲が増えました。

おそらくプロデューサーのチップス・モーマン(Chips Moman)の影響だと思われます。

このアルバムは彼がブレイクする上で、ターニングポイントになりました。

もう1曲、私のお気に入りをご紹介しておきましょう。

B. J. Thomas – Mr.Businessman

ベスト盤で済まされがちな人ですが、この作品はアルバム単位で聞きごたえがあります。

 

3位「Everybody’s Out of Town」(アルバム:Everybody’s Out of Town)

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■曲名:Everybody’s Out of Town
■曲名邦題:エヴリバディズ・アウト・オブ・タウン
■アルバム名:Everybody’s Out of Town
■アルバム名邦題:エヴリバディズ・アウト・オブ・タウン
■動画リンク:「Everybody’s Out of Town」

この1つ前のシングルは、大ヒットした「Raindrops Keep Fallin’ on My Head」です。

ただ彼は気負った様子はなく、このオールド・タイミーな曲で、肩の力が抜けた歌を聞かせてくれました。

この曲は前シングルと同じく、バート・バカラック(Burt Bacharach)とハル・デヴィッド(Hal David)の名コンビが書いた、とぼけたところが魅力の曲です。

歌詞は風変りで、気づいたら街には誰もいなかったという内容。

公害が深刻な罪深いこの世界は、誰もいないところからやり直した方がいいのではないかと主張しているようです。

このアルバムでは他に「アイ・ジャスト・キャント・ヘルプ・ビリーヴィング(I Just Can’t Help Believing)」もヒットしました。

次のアルバム「モースト・オブ・オール(Most of All)」までが、セールス面での全盛期だといえるでしょう。

 

4位「Early Morning Hush」(アルバム:Songs)

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■曲名:Early Morning Hush
■曲名邦題:アーリー・モーニング・ハッシュ
■アルバム名:Songs
■アルバム名邦題:ソングス
■動画リンク:「Early Morning Hush」

このCDは名盤の殿堂シリーズで発売されたことがあって、日本ではシンガーソングライター・ファンを中心に根強い人気があります。

彼はこのアルバムから、パラマウント・レコード(Paramount Records)に移籍しました。

パラマウントは映画会社として有名で、資金は豊富でしたがプロモーション戦略に問題があったようです。

結果このアルバムは、200位にも入りませんでした。

それにもかかわらずこの作品が日本で人気があるのは、この曲の存在が大きいかもしれません。

彼は自分では曲を書かず、提供された曲を歌っています。

このアルバムでもそうそうたる人が曲を提供していますが、この曲はキャロル・キング(Carole King)が書きました。

アルバム・タイトルが「Songs」というのも、シンプルでいい感じですね。

彼はソングライターではありませんが、シンガーソングライター好きの琴線に触れる魅力があります。

 

5位「Rock and Roll Lullaby」(アルバム:Billy Joe Thomas)

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■曲名:Rock and Roll Lullaby
■曲名邦題:ロックンロール・ララバイ
■アルバム名:Billy Joe Thomas
■アルバム名邦題:ビリー・ジョー・トーマス~スーパー・セッション
■動画リンク:「Rock and Roll Lullaby」

音楽通に人気のあるアルバムです。

この人の歴史は初期の試行錯誤期、ポップ路線の全盛期、その後のシンガーソングライターっぽい時期に分かれます。

この頃はシンガーソングライターっぽい時期の名曲です。

ただ先程申し上げたように彼は自分で曲を書きませんが、曲を提供をする人にSSWが多かったのですね。

彼はアート・ガーファンクル(Art Garfunkel)などと同じく、曲の解釈力にすぐれた人でした。

ここでも曲の魅力を余すところなく表現しています。

まさに稀代の名唱ではないでしょうか

この曲を提供したのは、バリー・マン(Barry Mann)とシンシア・ワイル(Cynthia Weil)。

このアルバムは1972年にリリースされましたが、その前年バリー・マンは「レイ・イット・オール・アウト(Lay It All Out)」というSSW的名盤を発表しました。

もしこの曲が気に入ったら、そちらの方もチェックしてみてください。

どちらも伝統的なアメリカン・ポップスを、SSW風に再現したすばらしいアルバムです。

 

6位「Happier Than the Morning Sun」(アルバム:Billy Joe Thomas)

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■曲名:Happier Than the Morning Sun
■曲名邦題:ハッピァー・ザン・ザ・モーニング・サン
■アルバム名:Billy Joe Thomas
■アルバム名邦題:ビリー・ジョー・トーマス~スーパー・セッション
■動画リンク:「Happier Than the Morning Sun」

この曲のオリジナルはスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の「心の詩(Music of My Mind))」に収録されています。

ニック・デカロ(Nick DeCaro)もカバーした有名曲ですが、取り上げたのはBJの方が先です。

1972年にオリジナルがリリースされて、すぐにカバーしていますから。

ちなみにこの曲では、スティーヴィー本人がハーモニカを演奏しています。

邦題に「スーパー・セッション」とあるのは、このアルバムのゲストの豪華さを表現した言葉だと思われます。

この曲を直訳すると「朝日よりも幸せ」という意味。

スティーヴィーは目が見えないので、朝日を見ることができないはずです。

しかしこの曲を聞くと、目が見える人以上に朝日の温かみを感じさせますね。

BJはまっすぐにメロディを解釈していて、この曲のポテンシャルを最大限に引き出しています。

 

7位「If You Must Leave My Life」(アルバム:Raindrops Keep Fallin’ on My Head)

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■曲名:If You Must Leave My Life
■曲名邦題:イフ・ユー・マスト・リーヴ・マイ・ライフ
■アルバム名:Raindrops Keep Fallin’ on My Head
■アルバム名邦題:雨にぬれても
■動画リンク:「If You Must Leave My Life」

ジミー・ウェッブ(Jim Webb)が提供した曲です。

BJの最高傑作は、人によって意見が割れると思います。

私が聞かれたら「On My Way」「Billy Joe Thomas」そしてこのアルバムのどれかだと答えることでしょう。

3枚とも同じぐらい好きかもしれません。

このアルバムではタイトル曲ばかり言及されがちですが、私はこの曲も負けないぐらいすばらしいと思います。

ストリングスやホーンの使い方がすばらしく、ソフト・ロックに近い曲調も魅力です。

この曲の聞きどころは2:09から。

楽曲、歌、アレンジ、演奏、コーラス、どれをとっても名曲と呼ぶにふさわしい曲です。

 

8位「It’s Not Unusual」(アルバム:I’m So Lonesome I Could Cry)

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■曲名:It’s Not Unusual
■曲名邦題:よくあることさ
■アルバム名:I’m So Lonesome I Could Cry
■アルバム名邦題:アイム・ソー・ロンサム・アイ・クッド・クライ
■動画リンク:「It’s Not Unusual」

この曲はトム・ジョーンズ(Tom Jones)のバージョンが知られています。

そちらとは少しアレンジは異なりますが、こちらもなかなか良いカバーではないでしょうか。

デビュー・アルバムの曲です。

1966年彼は、ザ・トライアンフス(The Triumphs)というバンド名義で「I’m So Lonesome I Could Cry」というアルバムを発表しました。

同年同じ「I’m So Lonesome I Could Cry」というアルバム名で、ソロ・デビューを果たしています。

アルバム・タイトル曲は、カントリー界のレジェンド・ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)のカバーですが、その曲がヒットして幸先の良いスタートとなりました。

ただ彼はカントリーっぽいところもありますが、典型的なカントリー・シンガーではありません。

アルバムを通して聞くと、ウィルソン・ピケット(Wilson Pickett)のカバー曲もあって、音楽性が定まっていないよう様子がうかがえます。

私はソフトロック風の以下の曲も好きです。

B. J. Thomas – Terri

ゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズ(Gary Lewis & the Playboys)を思わせる佳曲です。

ただ次作「Tomorrow Never Comes」では保守的になりすぎて、デビュー時の人気を維持できませんでした。

 

9位「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(アルバム:Reunion)

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■曲名:(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song
■曲名邦題:心にひびく愛の歌
■アルバム名:Reunion
■アルバム名邦題:心にひびく愛の歌
■動画リンク:「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」

今回ご紹介した中で最も新しい曲です。

といっても1975年の作品ですが、当時は彼のようなシンガーは洗練された路線に変わりつつありました。

そんな新しい時代の黎明期にリリースされたこの曲は、なんともあかぬけないカントリー風味の曲でした。

しかし私はむしろそこが良いと感じます。

彼の歌にはおおらかさや包容力があって、保守的なアメリカ人の情緒に寄り添うことができます。

よくアメリカのことを「巨大な田舎」みたいに呼ぶ人がいますが、そういう意味で彼はアメリカ人らしいシンガーかもしれません。

確かにいささかやぼったい曲かもしれません。

しかしその下地には、きわめて人間らしい温かみがあります。

 

10位「Living Again」(アルバム:Young and in Love)

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■曲名:Living Again
■アルバム名:Young and in Love
■動画リンク:「Living Again」

最後に私が偏愛している隠れ名曲をご紹介しましょう。

他にもまだご紹介すべき曲はありますし、この曲を気に入っていただけるかどうか自信がありません。

まずイントロのドラムがいいですね。

まるでフィリー・ソウルのように飛翔するストリングスも、スピリチュアルなコーラスもすばらしいです。

そしてこの曲の後半には、最高の瞬間が待ち受けています。

ぜひ2:36から聞いてみてください。

ここでもエレクトリック・シタールが大活躍しています。

全体としては「Hooked on a Feeling」に及ばないかもしれませんが、このシタールについてはこの曲に軍配を上げたいと思います。

このサイケで摩訶不思議なシタールが、私を虜にして止みません。

 

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