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イエス(Yes)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はイエスのランキングを作成しました。

最初に申し上げておくと、今回選んだ曲はかなりバラエティに富んでいます。

またいつもと違って、時系列順に曲を並べています。

便宜上順位を付けていますが、単なる並び順にすぎません。

彼らがどのような変遷をたどって変化したのか、分かりやすくまとめてみました。

 

1位「Time and a Word」(アルバム:Time and a Word)

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■曲名:Time and a Word
■曲名邦題:時間と言葉
■アルバム名:Time and a Word
■アルバム名邦題:時間と言葉
■動画リンク:「Time and a Word」

セカンド・アルバムからの選曲です。

まだ個性が確立する前のアルバムですが、この時期が好きという人も少なくありません。

この時期の音楽は、一言でいえばアート・ロックです。

アートロックとは、既存のポピュラー・ミュージックの枠から外れたロックのことです。

ウィキペディアに説明がありますが、範囲を広くとらえすぎているように思いました。

具体的には、ヴァニラ・ファッジ(Vanilla Fudge)、アイアン・バタフライ(Iron Butterfly)あたりがド真ん中だと思います。

曲が長くて、小難しい部分をアートとして主張しているイメージでしょうか。

このアルバムでは、アルバム名とキューブリックを意識したようなアルバム・ジャケットが現代アートっぽいです。

この曲はメロディが美しく、比較的聞きやすいと思います。

 

2位「Yours Is No Disgrace」(アルバム:The Yes Album)

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■曲名:Yours Is No Disgrace
■曲名邦題:ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス
■アルバム名:The Yes Album
■アルバム名邦題:イエス・サード・アルバム
■動画リンク:「Yours Is No Disgrace」

彼らはこのアルバムから全盛期が始まったと言われています。

ターニング・ポイントになったのは、ギターのスティーヴ・ハウ(Steve Howe)の加入。

2曲名の「クラップ(Clap)」は彼のギターソロの曲で、既に中心人物の1人になっている感じがします。

このアルバムには、有名曲が数多く収録されています。

もう2曲「スターシップ・トゥルーパー(Starship Trooper)」「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル(I’ve Seen All Good People)」のリンクを貼っておきましょう。

Yes – Starship Trooper

Yes – I’ve Seen All Good People

どちらも長い曲なので、お時間に余裕のある方だけ聞いてみてください。

さて「Yours Is No Disgrace」を聞いていきましょう。

まずこの曲でイエスらしさを感じるのは、1:30からのコーラスです。

これからの記事では度々こういうコーラスを聞くことになりますので、初めての方はここで覚えておいていただければと思います。

 

3位「Roundabout」(アルバム:Fragile)

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■曲名:Roundabout
■曲名邦題:ラウンドアバウト
■アルバム名:Fragile
■アルバム名邦題:こわれもの
■動画リンク:「Roundabout」

この曲はシングルカットされ、全米13位を記録しました。

まずイントロのハウのギター、その後ゴリゴリ突き進むクリス・スクワイアの演奏がすばらしいです。

その後3:25から早い展開になりますが、ここではビル・ブルーフォードのドラムにご注目ください。

彼の特徴であるタイトでパーカッシブな演奏を聞くことができます。

その後のハウとリック・ウェイクマンの掛け合いも聞きものですが、その部分はシングル・バージョンではカットされました。

シングルのリンクを貼っておきましょう。

Yes – Roundabout (Single Edit)

この曲がヒットしたおかげで、アルバムも全米4位まで駆け上がりました。

一番ヒットしたわけでもなく、最も有名な曲でもありませんが、彼らの代表曲といえばこの曲です。

 

4位「Long Distance Runaround」(アルバム:Fragile)

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■曲名:Long Distance Runaround
■曲名邦題:遥かなる想い出
■アルバム名:Fragile
■アルバム名邦題:こわれもの
■動画リンク:「Long Distance Runaround」

シングル「Roundabout」のB面になった曲です。

このアルバムでは、リック・ウェイクマンが加入したことで、全盛期のメンバーがそろいました。

改めてこの頃のメンバーをご紹介しておきましょう。

・ジョン・アンダーソン(Jon Anderson):ボーカル
・スティーヴ・ハウ(Steve Howe):ギター
・クリス・スクワイア(Chris Squire):ベース
・リック・ウェイクマン(Rick Wakeman):キーボード
・ビル・ブルーフォード(Bill Bruford):ドラム

よくもこれだけの才能がそろったなと思わずにはいられません。

まさにプログレ界のドリーム・チームです。

加えてアルバム・ジャケットでも、ロジャー・ディーンのイラストが初めて採用されました。

ただレコーディングは大変だったようですね。

ウェイクマンの談によれば、アルバム名はレコーディング中のバンドの状態から名づけられたとされている。

こわれもの ウィキペディア

ただ作品を聞く限り、バンド内の緊張は良い方向に働いたかもしれません。

 

5位「Close to the Edge」(アルバム:Close to the Edge)

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■曲名:Close to the Edge
■曲名邦題:危機
■アルバム名:Close to the Edge
■アルバム名邦題:危機
■動画リンク:「Close to the Edge」

イエスの最高傑作の誉れ高い作品です。

確かに前作「Fragile」には、良い楽曲がそろっていました。

上に上げた2曲以外にも「燃える朝やけ(Heart of the Sunrise)」という有名曲も入っていますし。

しかしそれでもなお、私はこのアルバムを最高傑作に推します。

アルバム名の「Close to the Edge」ですが、日本盤では「危機」という邦題が付けられています。

直訳すると「端っこに近い」つまり「ギリギリの状態」という意味。

ジョン・アンダーソンは当時、世界が間違えた方向に進んでいると思っていたようです。

当時彼らはリック・ウェイクマンを除く全員が菜食主義者となり、自然派志向を強めていました。

後には「クジラに愛を(Don’t Kill The Whale)」という曲が話題になったりもしました。

どうやら彼らは地球の危機が近いと思っていたようです。

ただこの曲はすばらしく17:16からの「I get up, I get down」というコーラスの箇所は、本当に感動的です。

 

6位「Siberian Khatru」(アルバム:Yessongs)

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■曲名:Siberian Khatru
■曲名邦題:シベリアン・カートゥル
■アルバム名:Yessongs
■アルバム名邦題:イエスソングス
■動画リンク:「Siberian Khatru」

この作品はアナログ3枚組、CDでは2枚組のライブ・アルバムです。

収録曲は主に「The Yes Album」「The Yes Album」「Close to the Edge」の3枚から取り上げられています。

リックのソロ・アルバム「ヘンリー八世の六人の妻(The Six Wives of Henry VIII)」からの曲も聞き逃せません。

このライブ盤の1曲目は「オープニング ストラヴィンスキー作曲:組曲『火の鳥』より (Opening (Excerpt from ‘Firebird Suite)」で、この曲は2曲目です。

オープニングからのこの2曲の流れは、本当にすばらしいですね。

このオープニングの構成はローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の「スティル・ライフ(Still Life)」を思い起こさせます。

演奏もライブならではのラフさが、良い方向に作用しています。

 

7位「The Gates of Delirium」(アルバム:Yesshows)

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■曲名:The Gates of Delirium
■曲名邦題:錯乱の扉
■アルバム名:Yesshows
■アルバム名邦題:イエスショウズ
■動画リンク:「The Gates of Delirium」

「Close to the Edge」の後、黄金期のメンバー構成に変化が生じました。

次作「海洋地形学の物語(Tales from Topographic Oceans)」の前にビル・ブルーフォードが脱退し、代わりにアラン・ホワイト(Alan White)が加入しました。

またその次の「リレイヤー(Relayer)」の前に、リック・ウェイクマンが脱退しています。

「究極(Going for the One)」からは、リックの後任としてパトリック・モラーツ(Patrick Moraz)が加入しました。

クラシックの影響が強いリックとは、全く違うタイプのキーボード奏者です。

どう違うかは、この曲の8:53からをお聞きになってみてください。

リックとは違った飛び跳ねるような躍動感が特徴です。

ただリックがイエスのサウンド・ビジョンに相性が良いのに対して、パトリック・モラーツは異物感があります。

また楽曲よりも、演奏主体の傾向に拍車が掛かったようにも感じます。

それが残念な結果になった曲もありますが、この曲のように成功しているケースもあります。

ただこの曲は22:40と長いので、聞くのは後回しでいいかもしれません。

 

8位「Release, Release」(アルバム:Tormato)

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■曲名:Release, Release
■曲名邦題:自由の解放
■アルバム名:Tormato
■アルバム名邦題:トーマト
■動画リンク:「Release, Release」

前作限りでバトリック・モラーツが脱退し、再度リック・ウェイクマンが再加入しました。

しかし昔のような音楽に戻ったわけではありませんでした。

この時期はパンク・ムーブメントの嵐が吹き荒れていて、プログレは化石のような音楽だと思われていました。

それを受けて彼らもポップな作風に変化しました。

彼らも生き残りに必死だったと思います。

この変化は多くの古参ファンを落胆させた一方で、歓迎する人もいました。

確かにこの曲はポップですが、、先鋭的な部分も合わせ持っています。

しかしこの変化は、バンド内に不協和音を生みました。

次のアルバム「ドラマ(Drama)」の前に、ジョン・アンダーソンが脱退しました。

ただ「Drama」も悪くない出来です。

そのアルバムから1曲ご紹介しておきましょう。

Yes – Into The Lens

こちらも過渡期のイエスを代表する名曲です。

 

9位「Owner Of A Lonely Heart」(アルバム:90125)

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■曲名:Owner Of A Lonely Heart
■曲名邦題:ロンリー・ハート
■アルバム名:90125
■アルバム名邦題:ロンリー・ハート
■動画リンク:「Owner Of A Lonely Heart」

彼らは次第にポップになっていきました。

ポップ路線が更に進んだのが、このアルバムです。

このアルバムでは、売れることを計算したような曲が目立ちます。

ただ音楽の質は維持されており、この曲などは全キャリアを通じても屈指の出来かもしれません。

このアルバムはトレヴァー・ホーン(Trevor Horn)がプロデュースしています。

イントロの音の処理は、いかにもそれらしい感じがしますね。

またうれしいことに、このアルバムではジョン・アンダーソンが復帰しています。

しかし一方でスティーヴ・ハウがバンドを去り、代わりにトレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)が加入しました。

トレヴァー・ラビンの加入によって、彼らの産業ロック化は一層拍車をかかりました。

ただこのアルバムは大ヒットし、当時のMTV全盛期において、旧時代の遺物のように思われていた彼らの存在感を示しました。

次作の「ビッグ・ジェネレイター(Big Generator)」では、更に産業ロック路線が進展しています。

 

10位「Open Your Eyes」(アルバム:Open Your Eyes)

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■曲名:Open Your Eyes
■曲名邦題:オープン・ユア・アイズ
■アルバム名:Open Your Eyes
■アルバム名邦題:オープン・ユア・アイズ
■動画リンク:「Open Your Eyes」

彼らは「Big Generator」の後に分裂しました。

トレヴァー・ラビンの方向性に異を唱えたジョン・アンダーソンは、再度バンドを脱退しました。

ジョンはビル・ブルーフォード、スティーヴ・ハウ、リック・ウェイクマンとの新バンド、アンダースソン、ブルーフォード、ウェイクマン、ハウ(ABWH)を結成しました。

メンバー的には、こちらの方がイエスっぽいですね。

まるで南北朝時代を彷彿とさせる分裂です。

この分裂劇は訴訟など泥沼化しましたが、アルバム「結晶(Union)」では、再び2組のバンドが結集してアルバムを製作しました。

その後「キーズ・トゥ・アセンション(Keys to Ascension)」で演奏力の健在ぶりを示した後にリリースされたのが、このアルバム。

この頃には内紛劇の中心にいたトレヴァー・ラビンは、バンドを去っていました。

これほどファンを振り回すバンドもないかもしれませんね。

ただどの時期にも聞きごたえのある作品をつくり上げているのは、さすがとした言いようがありません。

 

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