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イエス(Yes)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はイエスのランキングを作成しました。

最初に申し上げておくと、今回選んだ曲はかなりバラエティに富んでいます。

またいつもと違って、ほぼ時系列順に曲を配置しています。

便宜上順位を付けていますが、単なるリリース順にすぎません。

彼らがどのような変遷をたどって変化したのか、把握しやすくしてみました。

 

1位「Time and a Word」(アルバム:Time and a Word)

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■曲名:Time and a Word
■曲名邦題:時間と言葉
■アルバム名:Time and a Word(1970年)
■アルバム名邦題:時間と言葉
■動画リンク:「Time and a Word」

セカンド・アルバムの曲です。

まだ個性が確立する前のアルバムですが、この時期が好きという人は少なくありません。

この時期の音楽は、一言でいえばアート・ロックです。

アートロックとは、1960年代後半に登場した芸術性の高いロックのことです。

ウィキペディアに説明がありますが、範囲を広くとらえすぎているように感じました。

個人的には、ヴァニラ・ファッジ(Vanilla Fudge)、アイアン・バタフライ(Iron Butterfly)あたりがド真ん中だと思います。

曲が長くて、小難しい部分をアートっぽく感じさせているイメージでしょうか。

このアルバムは、アルバム名とキューブリックを意識したようなアルバム・ジャケットも現代アートっぽいです。

 

2位「Yours Is No Disgrace」(アルバム:The Yes Album)

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■曲名:Yours Is No Disgrace
■曲名邦題:ユアーズ・イズ・ノー・ディスグレイス
■アルバム名:The Yes Album(1971年)
■アルバム名邦題:イエス・サード・アルバム
■動画リンク:「Yours Is No Disgrace」

彼らはこのアルバムから全盛期が始まったと言われています。

ターニング・ポイントになったのは、ギターのスティーヴ・ハウ(Steve Howe)の加入。

2曲目の「クラップ(Clap)」は彼のギターソロの曲ですし、既に中心人物の1人になっている感じがします。

このアルバムには、有名曲が数多く収録されています。

もう2曲「スターシップ・トゥルーパー(Starship Trooper)」「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル(I’ve Seen All Good People)」のリンクを貼っておきましょう。

Yes – Starship Trooper

Yes – I’ve Seen All Good People

どちらも長い曲なので、時間に余裕のある方だけお聞きください。

さて「Yours Is No Disgrace」を聞いていきましょう。

まずこの曲でイエスらしさを感じるのは、1:30からのコーラスです。

イエスの音楽を聞いていると、度々こういうコーラスがあります。

 

3位「Roundabout」(アルバム:Fragile)

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■曲名:Roundabout
■曲名邦題:ラウンドアバウト
■アルバム名:Fragile(1971年)
■アルバム名邦題:こわれもの
■動画リンク:「Roundabout」

この曲はシングルカットされ、全米13位を記録しました。

まずイントロのハウのギター、その後ゴリゴリ突き進むクリス・スクワイアの演奏がすばらしいです。

その後3:21から早い展開になりますが、ビル・ブルーフォードのドラムにご注目ください。

彼の特徴であるタイトで且つパーカッシブな演奏を聞くことができます。

その後のハウとリック・ウェイクマンの掛け合いも聞きものですが、その部分はシングル・バージョンでカットされました。

シングルのリンクを貼っておきましょう。

Yes – Roundabout (Single Edit)

この曲がヒットしたおかげで、アルバムも全米4位を記録しました。

一番ヒットしたわけでもなく、最も有名な曲でもありませんが、この曲は彼らの代表曲だと思います。

 

4位「Long Distance Runaround」(アルバム:Fragile)

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■曲名:Long Distance Runaround
■曲名邦題:遥かなる想い出
■アルバム名:Fragile(1971年)
■アルバム名邦題:こわれもの
■動画リンク:「Long Distance Runaround」

シングル「Roundabout」のB面になった曲です。

このアルバムではリック・ウェイクマンが加入したことで、全盛期のメンバーがそろいました。

改めてこの頃のメンバーをご紹介しておきましょう。

・ジョン・アンダーソン(Jon Anderson):ボーカル
・スティーヴ・ハウ(Steve Howe):ギター
・クリス・スクワイア(Chris Squire):ベース
・リック・ウェイクマン(Rick Wakeman):キーボード
・ビル・ブルーフォード(Bill Bruford):ドラム

よくもこれだけの才能がそろったなと思わずにはいられません。

まさにプログレ界のドリーム・チームです。

加えてアルバム・ジャケットでも、初めてロジャー・ディーンのイラストが採用されました。

ただバンドの内情は良好ではなかったようですが。

ウェイクマンの談によれば、アルバム名はレコーディング中のバンドの状態から名づけられたとされている。

こわれもの ウィキペディア

メタルとプログレは、メンバーのエゴがぶつかりやすいかもしれません。

 

5位「Close to the Edge」(アルバム:Close to the Edge)

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■曲名:Close to the Edge
■曲名邦題:危機
■アルバム名:Close to the Edge(1972年)
■アルバム名邦題:危機
■動画リンク:「Close to the Edge」

イエスの最高傑作の誉れ高い作品です。

確かに前作「Fragile」には、良い楽曲がそろっていました。

ランクインした曲以外にも「燃える朝やけ(Heart of the Sunrise)」という有名曲も入っていますし。

しかしそれでもなお、私はこのアルバムが最高傑作と信じて疑いません。

アルバム名の「Close to the Edge」ですが、日本盤では「危機」という邦題が付けられています。

直訳すると「端っこに近い」つまり「ギリギリの状態」という意味。

ジョン・アンダーソンは当時、世界は誤った方向に進んでいると思っていたようです。

当時の彼らはリック・ウェイクマンを除く全員が菜食主義者で、自然派志向を強めていました。

後には「クジラに愛を(Don’t Kill The Whale)」という曲が話題になったりもしました。

彼らは地球の危機を身近な問題として感じていたようですね。

この曲はそうした危機感を背景にすばらしい曲になりました。

特に17:16からの「I get up, I get down」というコーラスの箇所は感動的です。

 

6位「Siberian Khatru」(アルバム:Yessongs)

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■曲名:Siberian Khatru
■曲名邦題:シベリアン・カートゥル
■アルバム名:Yessongs(1973年)
■アルバム名邦題:イエスソングス
■動画リンク:「Siberian Khatru」

この作品はアナログ3枚組、CDでは2枚組のライブ・アルバムです。

収録曲は主に「The Yes Album」「The Yes Album」「Close to the Edge」の3枚から取り上げられています。

リックのソロ・アルバム「ヘンリー八世の六人の妻(The Six Wives of Henry VIII)」からの曲も聞き逃せません。

このライブ盤の1曲目は「オープニング ストラヴィンスキー作曲:組曲『火の鳥』より (Opening (Excerpt from ‘Firebird Suite)」で、続く2曲目がこの曲です。

オープニングからのこの2曲の流れは、本当にすばらしいですね。

この構成はローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の「スティル・ライフ(Still Life)」における最初の2曲の関係を思い起こさせます。

演奏もライブならではのラフさが良い方向に作用しています。

 

7位「The Gates of Delirium」(アルバム:Yesshows)

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■曲名:The Gates of Delirium
■曲名邦題:錯乱の扉
■アルバム名:Yesshows(1980年)
■アルバム名邦題:イエスショウズ
■動画リンク:「The Gates of Delirium」

「Close to the Edge」の後、黄金期のメンバー構成に変化が生じました。

次作「海洋地形学の物語(Tales from Topographic Oceans)」の前にビル・ブルーフォードが脱退し、代わりにアラン・ホワイト(Alan White)が加入しました。

またその次の「リレイヤー(Relayer)」の前に、リック・ウェイクマンが脱退しています。

「究極(Going for the One)」からは、リックの後任としてパトリック・モラーツ(Patrick Moraz)が加入しました。

クラシックの影響が強いリックとは、全く違うタイプのキーボード奏者です。

どう違うかは、この曲の8:53からをお聞きになってみてください。

リックがイエスのサウンド・ビジョンとの相性が良いのに対して、パトリック・モラーツは異物感がありました。

加えて楽曲志向はより演奏志向の傾向に拍車がかかったように感じます。

その変化には賛否両論ありますが、中にはこの曲のように成功例もあります。

ただこの曲は22:40と長いので、聞くのは後回しでいいかもしれません。

 

8位「Release, Release」(アルバム:Tormato)

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■曲名:Release, Release
■曲名邦題:自由の解放
■アルバム名:Tormato(1978年)
■アルバム名邦題:トーマト
■動画リンク:「Release, Release」

前作限りでバトリック・モラーツが脱退し、再度リック・ウェイクマンが再加入しました。

しかし昔のような音楽に戻ったわけではありません。

この時期はパンク・ムーブメントの嵐が吹き荒れていて、プログレは化石みたいな音楽だと思われていました。

その時代の変化を受けて、彼らも作風を変えています。

その変化は古参ファンの一部を落胆させた一方で、歓迎する人もいました。

この曲はポップですが、、先鋭的な部分も合わせ持っています。

ただその変化はバンド内に不協和音を生みました。

次のアルバム「ドラマ(Drama)」の前に、ジョン・アンダーソンが脱退しました。

ただ「Drama」も悪くない出来です。

そのアルバムから1曲ご紹介しましょう。

Yes – Into The Lens

過渡期のイエスにはその時期ならではの魅力があります。

 

9位「Owner Of A Lonely Heart」(アルバム:90125)

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■曲名:Owner Of A Lonely Heart
■曲名邦題:ロンリー・ハート
■アルバム名:90125(1983年)
■アルバム名邦題:ロンリー・ハート
■動画リンク:「Owner Of A Lonely Heart」

彼らは次第にポップになっていきました。

このアルバムでは、売れることを意識した感じがする曲が目立ちます。

ただ音楽の質は維持されており、必ずしもネガティヴな変化ではありませんでした。

このアルバムはトレヴァー・ホーン(Trevor Horn)がプロデュースを担当しています。

イントロの音の処理は、いかにもそれらしい感じがしますね。

またうれしいことに、このアルバムではジョン・アンダーソンが復帰しています。

しかし一方でスティーヴ・ハウがバンドを去り、代わりにトレヴァー・ラビン(Trevor Rabin)が加入しました。

トレヴァー・ラビンの加入後リリースされた次作「ビッグ・ジェネレイター(Big Generator)」では、更に産業ロック色を強めています。

このアルバムが気に入った方は、ぜひそちらもチェックしてみてください。

 

10位「Open Your Eyes」(アルバム:Open Your Eyes)

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■曲名:Open Your Eyes
■曲名邦題:オープン・ユア・アイズ
■アルバム名:Open Your Eyes(1997年)
■アルバム名邦題:オープン・ユア・アイズ
■動画リンク:「Open Your Eyes」

彼らは「Big Generator」の後に分裂しました。

トレヴァー・ラビンの方向性に異を唱えたジョン・アンダーソンは、再度バンドを脱退しました。

ジョンはビル・ブルーフォード、スティーヴ・ハウ、リック・ウェイクマンとの新バンド、アンダースソン、ブルーフォード、ウェイクマン、ハウ(ABWH)を結成しました。

メンバー的にはそちらの方がイエスっぽいように感じますね。

まるで南北朝時代を彷彿させる分裂劇でした。

その後2つのバンドは訴訟になりましたが、アルバム「結晶(Union)」では、再び2組のバンドが結集してアルバムをつくりました。

その後「キーズ・トゥ・アセンション(Keys to Ascension)」でプログレ・バンドとしての健在ぶりを示した後にリリースされたのが、このアルバム。

この頃には内紛劇のきっかけとなったトレヴァー・ラビンは、バンドを去っていました。

しかしこれほどファンを振り回したバンドは珍しいかもしれません。

ただどの時期にも聞きごたえのある作品をつくり上げているのは、さすが名門バンドだと思います。

 

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