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エミット・ローズ(Emitt Rhodes)の名曲名盤6選【代表曲・隠れた名曲】

今回はエミット・ローズのランキングを作成しました。

彼は昔から多くのポップス・マニアが、大切に聞き継いできた人です。

特にポール・マッカートニー(Paul McCartney)が好きな方なら聞いておきたい人です。

まずは1曲目を聞いて、気に入ったらそれ以降も聞いてみてください。

 

1位「With My Face on the Floor」(アルバム:Emitt Rhodes)

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■曲名:With My Face on the Floor
■曲名邦題:床の上の顔(ウィズ・マイ・フェイス・オン・ザ・フロア)
■アルバム名:Emitt Rhodes(1970年)
■アルバム名邦題:エミット・ローズの限りない世界
■動画リンク:「With My Face on the Floor」

録音時期は「The American Dream」の方が先ですが、リリース時期はこちらがソロのデビュー・アルバムです。

このアルバムは全米チャートで29位を獲得しました。

ヒット曲したかどうか判断する上で、よく「全米トップ40ヒット」という言葉が使われます。

40位以内に入れば、ヒットしたとみなされるのですね。

つまり彼のデビューは、成功の部類だったといえるでしょう。

さてこの曲はこのアルバムの1曲目で、イントロでピアノが鳴った瞬間、名曲であることが確信できます。

レーベルは、ダンヒル・レコード(Dunhill Records)。

ダンヒルといえば、ダンヒル・リズム・セクションと呼ばれるハウス・バンドが知られています。

しかし彼はこのアルバムを1人でレコーディングしました。

彼は自宅のガレージをスタジオに改造して、このアルバムを録音したのだそうです。

そのため当初は「Homecooking」というアルバム名でしたが、レコード会社の意向によってセルフ・タイトルになりました。

 

2位「She’s Such a Beauty」(アルバム:Emitt Rhodes)

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■曲名:She’s Such a Beauty
■曲名邦題:シーズ・サッチャ・ビューティ
■アルバム名:Emitt Rhodes(1970年)
■アルバム名邦題:エミット・ローズの限りない世界
■動画リンク:「She’s Such a Beauty」

この人が紹介される時には、よく「ポール・マッカートニー」の名前が引き合いに出されます。

ほとんど枕詞に近いかもしれません。

ただこの曲を聞けば、なぜそう紹介されるのかご理解いただけると思います。

私は音楽仲間と話す時に「マーサ・マイ・ディア(Martha My Dear)みたいな曲」という言い方をすることがあります。

「Martha My Dear」の作曲者はポール・マッカートニーですが、この「She’s Such a Beauty」などはそのど真ん中といえるでしょう。

実際彼もビートルズ(The Beatles)を好んでいたようですし。

この人はポール・マッカートニー・フォロワーの中でも、ヴァン・デューレン(Van Duren)などと並んで、最上級の1人です。

一時は「ポール・マッカートニーよりもポール・マッカートニーらしい」と言われたそうですし。

このアルバムのリリースは1970年ですが、同年発表されたポール初のソロ・アルバムはらしくないといわれました。

2枚を比較すると、その言い方にうなづけてしまいます。

 

3位「Holly Park」(アルバム:The American Dream)

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■曲名:Holly Park
■曲名邦題:ホリー・パーク
■アルバム名:The American Dream(1970年)
■アルバム名邦題:アメリカン・ドリーム
■動画リンク:「Holly Park」

この人は元々メリー・ゴー・ラウンド(Merry-Go-Round)というバンドのメンバーでした。

そのバンドはメンバー間の争いにより解散してしまいました。

その後A&Mレコード(A&M Records)からダンヒルに移籍後に発表されたのが、先程の「Emitt Rhodes」です。

しかしA&Mとの契約では、あと1枚アルバムをリリースする必要がありました。

その矢先ソロ名義の「Emitt Rhodes」がリリースされ、セールス的にも好調でした。

そこで古巣A&Mがメリー・ゴー・ラウンドのアウトテイクやエミットのデモ録音を急遽発表したのが、この編集盤。

ただメリー・ゴー・ラウンドは、ほぼエミットのワンマン・バンドでした。

この作品も当初はバンド名義でしたが、後に実態合わせてソロ作品として再発売されています。

ちなみにメリー・ゴー・ラウンドは、それほど売れたバンドではありません。

「タイム・ウィル・ショウ・ザ・ワイザー(Time Will Show The Wiser)」が、フェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention)にカバーされましたが、あくまで有望なバンドの1つにすぎませんでした。

今回私は改めてメリー・ゴー・ラウンドを聞きなおしてみました。

そしてやはりエミットのソロには及ばないと思いました。

ただメリー・ゴー・ラウンド後期の未発表音楽であるこの曲を聞くと、才能が開花する萌芽を感じます。

 

4位「Better Side of Life」(アルバム:Mirror)

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■曲名:Better Side of Life
■曲名邦題:ベター・サイド・オブ・ライフ
■アルバム名:Mirror(1971年)
■アルバム名邦題:ミラー
■動画リンク:「Better Side of Life」

サード・アルバムの曲です。

彼の最高傑作は「Emitt Rhodes」だと言われていますが、このアルバムも聞き逃せません。

他にも「バースデイ・レディ(Birthday Lady)」など良い曲が収録されています。

Emitt Rhodes – Birthday Lady

このアルバムには変化の兆しがありました。

特にギターに顕著ですが、ロックっぽいアプローチにシフトしてきています。

その傾向は次作「フェアウェル・トゥ・パラダイス(Farewell to Paradise)」で更に強まり、その分ポール色は薄まりました。

「Farewell to Paradise」には「ブルー・ホライズン(Blue Horizon)」など、以前とは少し違った曲が散見されまます。

私にとっては残念な変化でしたが、しかし一方でこの人に駄作はないとも思います。

ただこの間エミットはダンヒルとの間に契約の問題を抱えていました。

ダンヒルとは、3年間でアルバム6枚という無茶な内容で契約していたようです。

しかし作詞作曲と演奏などすべて自分でこなす彼にとって、それは実現が困難なスケジュールでした。

実際このアルバムも前作から9か月後のリリースですから、どうにかスケジュールを守ろうとしていたことがうかがえますが。

その結果彼は疲弊し追い詰められていき、ついには引退を決心するに至りました。

無謀な契約が、前途有望なミュージシャンのキャリアを奪ってしまったことは、とても悲しく残念です。

 

5位「Mary Will You Take My Hand」(アルバム:The American Dream)

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■曲名:Mary Will You Take My Hand
■曲名邦題:メアリー・ウィル・ユー・テイク・マイ・ハンド
■アルバム名:The American Dream(1970年)
■アルバム名邦題:アメリカン・ドリーム
■動画リンク:「Mary Will You Take My Hand」

「Mary Will You Take My Hand」は直訳すると「メアリーは私の手をとるだろう」です。

「彼女は結婚を受け入れてくれそうだ、残りの人生は彼女と笑顔で過ごしたい」という内容の曲です。

彼は一度引退してからも、曲を書き続けていました。

その後彼はオファーを受けたようです。

しかしその都度ビジネス上の問題が発生し、2度に渡ってアルバムのリリースが見送りになりました。

次作「レインボウ・エンズ (Rainbow Ends)」が発表されたのは2016年ですから、実に43年ぶりということになります。

作風が変わりすぎましたので今回は選曲外にしましたが、かなり良い作品です。

彼は才能に恵まれていましたし、外見的にも恵まれていました。

状況がかみ合って世界線が少しだけ違えば、望むもの全てを手に入れられる人だったかもしれません。

ただ運には恵まれなかったのですね。

しかし彼は自分のスタジオを経営し、レコーディング・エンジニアとして43年をしのぎました。

私は彼が裏方ではなく、表舞台で活躍してほしかったと思っています。

 

6位「Fresh as a Daisy」(アルバム:Emitt Rhodes)

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■曲名:Fresh as a Daisy
■曲名邦題:恋のひなぎく
■アルバム名:Emitt Rhodes(1970年)
■アルバム名邦題:エミット・ローズの限りない世界
■動画リンク:「Fresh as a Daisy」

このアルバムは、他にも「Live Till You Die」など多くの名曲が収録されています。

Emitt Rhodes – Live Till You Die

迷った末、彼の最も有名なヒット曲を取り上げることにしました。

引退してしばらくしてから、彼を再評価する動きが出てきました。

まず1984年バングルス(The Bangles)が「気分はモノクローム(All Over the Place)」というアルバムで、メリー・ゴー・ラウンドの「リヴ(Live)」をカバーしています。

日本では2001年頃「名盤の殿堂シリーズ」で、彼のアルバムが再発されました。

同じ2001年、ウェス・アンダーソン(Wesley Anderson)監督の映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(The Royal Tenenbaums)」でも彼の曲が使用されています。

またトニー・ブラス(Tony Blass)のドキュメンタリー「ワンマン・ビートルズ(The One Man Beatles)」が、2010年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞にノミネートされて話題になりました。

その後私はドキュメンタリー映画を製作したトニー・ブラス氏と意見交換するようになりました。

氏は音楽の知見に優れた人物で、私は彼との交流からかなり刺激を受けました。

ただそうしたひいき目なしでも、彼のドキュメンタリー映画はとても優れた作品です。

英語の動画ですが、リンクを貼っておきましょう。

Emitt Rhodes: The One Man Beatles

話を戻します。

再評価されるには、何かきっかけが必要です。

その人を代表する曲があった方が、再評価されやすいかもしれません。

その意味で耳目を集めるひっかけ針として、この曲のヒットがあって良かったと思います。

音楽マニアは、ちょっとしたヒット曲でも記憶していたりしますし。

彼は「ワンマン・ビートルズ」と呼ばれ、ポップス・ファンに大切に聞き継がれてきました。

私もその1人として、彼の曲が広く聞かれることを願っています。

 

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