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エミット・ローズ(Emitt Rhodes)の名曲名盤6選【代表曲・隠れた名曲】

今回はエミット・ローズのランキングを作成しました。

この人はポール・マッカートニー(Paul McCartney)が好きな人なら、必ず気に入っていただけると思います。

ただ一般的な人気やセールスは、天と地ほどの差があります。

私は彼が売れなかった原因が分かるような気がします。

この人の魅力は中庸なところにあって、突き抜けたところがありません。

ただ一方で、この人には道端でひっそりと咲いている花にも通じる魅力があります。

派手さはありませんが、ふと立ち止まった時、ひかえめえな魅力に気が付くかもしれません。

そんな感じでポップス・マニアたちが大切に聞いてきた人です。

まずは1曲目を聞いて、気に入ったら続けて聞いてみてください。

 

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1位「With My Face on the Floor」(アルバム:Emitt Rhodes)

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■曲名:With My Face on the Floor
■曲名邦題:床の上の顔(ウィズ・マイ・フェイス・オン・ザ・フロア)
■アルバム名:Emitt Rhodes
■アルバム名邦題:エミット・ローズの限りない世界
■動画リンク:「With My Face on the Floor」
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ファースト・アルバムからの選曲です。

このアルバムは全米チャートで29位を獲得しました。

今ではあまり聞かない言葉になりつつありますが、かつてはよく「全米トップ40ヒット」という言葉が使われていました。

40位以内に入れば、ヒットしたと見なされるということですね。

「上場企業」という言葉が「優良企業」とされる風潮に似ているかしれません。

今では少し実態と違うかもしれませんが。

つまりこの人のデビューは成功の部類だったといえるでしょう。

さてこの曲はこのアルバムの1曲目を飾る曲で、イントロのピアノの段階で名曲確定といった感じがします。

このアルバムのレーベルは、ダンヒル・レコード(Dunhill Records)。

ダンヒルといえば、ダンヒル・リズム・セクションと呼ばれるハウス・バンドが有名ですが、このアルバムは彼1人でレコーディングしています。

彼は自宅のガレージをスタジオに改造して、このアルバムを録音したんだそうです。

そのため当初は「Homecooking」というタイトルだったそうですが、レコード会社の意向によってセルフ・タイトルに変更されました。

後から振り返ると、このアルバム・タイトルの変更は、レコード会社との軋轢の予兆だったかもしれません。

 

2位「She’s Such a Beauty」(アルバム:Emitt Rhodes)

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■曲名:She’s Such a Beauty
■曲名邦題:シーズ・サッチャ・ビューティ
■アルバム名:Emitt Rhodes
■アルバム名邦題:エミット・ローズの限りない世界
■動画リンク:「She’s Such a Beauty」
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この人の紹介には必ず「ポール・マッカートニー直系」みたいな言葉が使われます。

ほとんど枕詞みたいなものですが、この曲を聞けば、なぜそう言われるのかがお分かりいただけるかもしれません。

私はよく音楽仲間と話す時に「マーサ・マイ・ディア(Martha My Dear)みたいな曲」という言い方をすることがありますが、この曲などはまさしくそれです。

実際彼もビートルズ(The Beatles)を好んでいたようですし。

この人はポール・マッカートニー・フォロワーの中でも、ヴァン・デューレン(Van Duren)などと並び、筆頭に近い位置にいる人です。

「ポール・マッカートニーよりもポール・マッカートニーらしい」とさえ言われたりします。

このアルバムは1970年のリリースですが、同年ポールは「マッカートニー(McCartney)」という、少し彼らしくないアルバムをリリースしました。

少なくとも1970年限定では「ポール・マッカートニーよりもポール・マッカートニーらしい」という言い方も、あながち大げさではないかもしれません。

 

3位「Holly Park」(アルバム:The American Dream)

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■曲名:Holly Park
■曲名邦題:ホリー・パーク
■アルバム名:The American Dream
■アルバム名邦題:アメリカン・ドリーム
■動画リンク:「Holly Park」
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この曲もポール直系ですね。

この人は元々メリー・ゴー・ラウンド(Merry-Go-Round)というバンドのリーダーでしたが、メンバー間のいさかいによって解散してしまいました。

その後A&Mレコード(A&M Records)から、ダンヒルに移籍後にリリースされたのが「Emitt Rhodes」です。

しかしA&Mの契約では、あと1枚アルバムをリリースしなければいけませんでした。

元々メリー・ゴー・ラウンドはエミットのワンマン・バンドだったので、この作品はソロ名義でリリースされました。

おそらく本人がソロ活動をするという意向も関係していたことでしょう。

ただ音楽を聞くと内容的には充実していて、契約の消化というネガティブな要素は感じられません。

「The American Dream」というアルバム・タイトルは、少し皮肉な感じがしますけどね。

ちなみにメリー・ゴー・ラウンドは、それほど売れたわけではありませんでした。

「タイム・ウィル・ショウ・ザ・ワイザー(Time Will Show The Wiser)」が、フェアポート・コンヴェンション(Fairport Convention)のファースト・アルバムの1曲目にカバーされましたが、あくまでこれからのバンドという評価でした。

今回改めてメリー・ゴー・ラウンドを聞きなおしてみましたが、それほどすばらしいという印象を受けませんでした。

ただ実質メリー・ゴー・ラウンドの未発表音源であるこのアルバムを聞くと、才能が開花しはじめてきたことが分かります。

 

4位「Better Side of Life」(アルバム:Mirror)

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■曲名:Better Side of Life
■曲名邦題:ベター・サイド・オブ・ライフ
■アルバム名:Mirror
■アルバム名邦題:ミラー
■動画リンク:「Better Side of Life」
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サードアルバムからの選曲です。

この人のアルバムでは「Emitt Rhodes」の人気が突出していますが、このアルバムも聞き逃すことはできません。

他にも「バースデイ・レディ(Birthday Lady)」などの良い曲が入っています。

ただこのアルバムでは、音楽に少し変化の兆しが出てきました。

特にギターに顕著ですが、ロックっぽいアプローチが強めに変化してきています。

その傾向は次作「フェアウェル・トゥ・パラダイス(Farewell to Paradise)」で更に強まり、その分だけポール色が薄まりました。

私としては少し残念な変化でしたが、「Farewell to Paradise」にも「ブルー・ホライズン(Blue Horizon)」など、以前とは少し違ったタイプの名曲が収録されています。

この人に駄作はありません。

ただこの間彼は、ダンヒルとの契約問題に悩まされていました。

ダンヒルとは3年間で、なんと6枚のアルバムをリリースする契約だったようです。

しかしすべての曲を書き、演奏もすべて自分でこなす彼にとって、それはほぼ不可能なペースでした。

実際このアルバムも前作から9か月後のリリースですから、なんとかスケジュールをこなそうとしていたようですが。

彼は次第に追い詰められていき、ついには引退を決心することになりました。

無理な契約が、彼のミュージシャン生命を奪ってしまったのは残念です。

 

5位「Mary Will You Take My Hand」(アルバム:The American Dream)

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■曲名:Mary Will You Take My Hand
■曲名邦題:メアリー・ウィル・ユー・テイク・マイ・ハンド
■アルバム名:The American Dream
■アルバム名邦題:アメリカン・ドリーム
■動画リンク:「Mary Will You Take My Hand」
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「Mary Will You Take My Hand」は直訳すると「メアリーは私の手をとるだろう」です。

「彼女は結婚に承諾してくれそうだ、残りの人生を彼女と笑顔で過ごしたい」という歌詞の曲です。

彼は一度引退してからも、曲を書き続けていました。

しかし曲の準備ができていながらも、その都度ビジネス上の問題が発生し、2度に渡ってアルバムの発売が見送りとなりました。

ようやく次作の「レインボウ・エンズ (Rainbow Ends)」を発表できたのは2016年ですから、実に43年ぶりということになります。

作風が変わったので今回は選曲外にしましたが、傑作といっていい出来だと思います。

彼は才能に恵まれていましたし、外見にも恵まれていました。

それでも運に恵まれなかったのですね。

しかし彼は自分のスタジオを経営したり、レコーディング・エンジニアとして生計を立てていけました。

だからこそ43年という期間をしのぐことができたようです。

後年のインタビューで彼自身もそう言っています。

資産と手に職があったということが、不運な彼を救ったといってもいいでしょう。

 

6位「Fresh as a Daisy」(アルバム:Emitt Rhodes)

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■曲名:Fresh as a Daisy
■曲名邦題:恋のひなぎく
■アルバム名:Emitt Rhodes
■アルバム名邦題:エミット・ローズの限りない世界
■動画リンク:「Fresh as a Daisy」
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このアルバムはとにかく名曲が多く、他に「死ぬまで生きよう(Live Till You Die)」なども聞き逃せません。

迷った末、彼の最も有名な曲を取り上げることにしました。

この人は引退してしばらくしてから、再評価の動きが出てきました。

目立ったところではまず、1984年バングルス(The Bangles)が「気分はモノクローム(All Over the Place)」というアルバムで、メリー・ゴー・ラウンドの「リヴ(Live)」をカバーしています。

続いて日本では2001年頃に「名盤の殿堂シリーズ」で、この人のアルバムが再発されました。

同じ2001年、ウェス・アンダーソン(Wesley Anderson)監督の映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(The Royal Tenenbaums)」でも彼の曲が使用されました。

またトニー・ブラス(Tony Blass)のドキュメンタリー「ワンマン・ビートルズ(The One Man Beatles)」が、2010年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞にノミネートされています。

再評価されるには、きっかけが必要です。

曲の質はもちろんのことですが、その人の代名詞みたいな曲があった方が、再評価されやすいかもしれません。

その意味で彼はこの曲のヒットがあって良かったと思います。

この人はマルチ・インストルメンタリストですので、自分で全ての演奏をこなせます。

ただその分個性がぶつかった時のダイナミズムが生まれにくいですし、曲が密室っぽくなってしまいがちで、この曲にもその傾向があるように思います。

ただ現在は昔に比べて、そういう音楽が受け入れられやすいかもしれません。

確かにこの人の音楽は箱庭ポップスかもしれませんが、極めて良質なメロディを持っています。

今こそ再評価したい人です。

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