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スザンヌ・ヴェガ(Suzanne Vega)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はスザンヌ・ヴェガのランキングを作成しました。

彼女は「Luka」などのヒット曲が知られています。

この記事では現在までの全キャリアをから選曲してみました。

 

1位「Tom’s Diner」(アルバム:Solitude Standing)

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■曲名:Tom’s Diner
■曲名邦題:トムズ・ダイナー
■アルバム名:Solitude Standing
■アルバム名邦題:孤独(ひとり)
※アルバム・ジャケットはシングルのものを掲載
■動画リンク:「Tom’s Diner」

彼女が街角のカフェにいた短い間に起こった出来事が歌われている曲です。

ちなみに「Tom’s Diner」とは、ニューヨークに実在する「TOM’S RESTAURANT」のこと。

写真を掲載しておきましょう。

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さてこの曲は、1990年DNAのカバー・バージョンが世界中で1位を獲得しました。

そちらも引用しておきましょう。

Suzanne Vega, DNA – Tom’s Diner

彼女は所属するレコード会社と掛け合って、海賊版で出回っていたこのバージョンを正式リリースするよう働きかけたのだとか。

ただ私は、やはり彼女のオリジナルに尽きると思います。

コーヒーブレイクの時に聞くと、ニューヨーカー気分を味わえます。

 

2位「Luka」(アルバム:Solitude Standing)

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■曲名:Luka
■曲名邦題:ルカ
■アルバム名:Solitude Standing
■アルバム名邦題:孤独(ひとり)
■動画リンク:「Luka」

人気曲やヒット曲の観点では、この曲が1位にふさわしいかもしれません。

しかし私は曲の並び順にこだわりました。

このアルバム「Solitude Standing」の1曲目は、演奏が入っていないアカペラの「Tom’s Diner」。

2曲目がこの「Luka」という順番ですが、イントロでこの曲の演奏が始まる瞬間が印象的です。

私はオリジナル・アルバムのこの流れを、そのままでご紹介したいと思いました。

さてこの曲の歌詞では、虐待されている子供が「僕に何があったかは聞かないで」と訴えています。

幼児虐待の曲のテーマは社会に波紋を投げかけ、世界中でヒットしました。

社会派シンガーソングライターとしての側面を代表する曲です。

その後彼女が切り開いた地平からトレイシー・チャップマン(Tracy Chapman)が続いて登場しました。

 

3位「Rock in This Pocket (Song of David) 」(アルバム:99.9F)

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■曲名:Rock in This Pocket (Song of David)
■曲名邦題:ロック・イン・ジス・ポケット
■アルバム名:99.9F
■アルバム名邦題:微熱
■動画リンク:「Rock in This Pocket (Song of David) 」

このアルバムがリリースされた時、驚いた人も多いと思います。

メタリックなイントロを聞いて、違うアーティストのCDをセットしたかと思うほど(笑)

この変化の立役者は、プロデューサーのミッチェル・フルーム(Mitchell Froom)。

彼は単独、もしくはチャドブレイク(Tchad Blake)と一緒に、ロス・ロボス(Los Lobos)などの多くのプロデュースを手掛けました。

しかしここまで大胆な変貌は、そうあるものではありません。

当時の彼女のファンには、フォーク・ミュージックのファンも少なくなかったでしょうから。

エレクトリック・ギターでさえ眉をしかめるような人が、インダストリアルなこのイントロを聞いてどう思ったでしょうか。

聡明な彼女のことですから、ファンの離脱リスクは承知の上だったと思います。

少なくとも私はこの変化を歓迎しています。

 

4位「Blood Makes Noise」(アルバム:Tried & True: The Best of Suzanne Vega)

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■曲名:Blood Makes Noise
■曲名邦題:ブラッド・メイクス・ノイズ
■アルバム名:Tried & True: The Best of Suzanne Vega
■アルバム名邦題:ベスト・オブ・スザンヌ・ヴェガ
■動画リンク:「Blood Makes Noise」

「99.9F」の収録曲で、ファースト・シングルになった曲です。

ただここではベスト・アルバムの収録曲としてご紹介したいと思います。

このアルバム・ジャケットが昔交際していた女性に似ているせいかもしれませんが(笑)

それはともかく、彼女のベストには見過ごせない問題があります。

このベスト盤には「Tom’s Diner」がオリジナルではなく、先程ご紹介したDNAのバージョンで収録されています。

ちなみにもう1枚のベスト「Retrospective: The Best of Suzanne Vega」でも、「Tom’s Diner」はオリジナルではありません。

「Tom’s Diner」の原曲を聞きたい方は「Solitude Standing」の方でお聞きください。

私はこういうベスト盤の選曲を好みません。

 

5位「Book of Dreams」(アルバム:Days of Open Hand)

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■曲名:Book of Dreams
■曲名邦題:ブック・オブ・ドリームス
■アルバム名:Days of Open Hand
■アルバム名邦題:夢紡ぎ
■動画リンク:「Book of Dreams」

彼女は前作「Solitude Standing」でブレイクしました。

彼女はプレッシャーを感じながら、次作となるこのアルバムを製作したようです。

ただこのアルバムは、全米アルバムチャートの最高位が50位止まり。

後年彼女は、300万枚売れないと罪悪感を感じなければいけない状況だったと振り返っています。

彼女は元々フォークシンガでした。

そもそもの話、それほど売れる種類の音楽ではありません。

おそらくこの曲はヒットを期待されて書いた曲と思われますが、シングルチャートでは圏外でした。

彼女この時の失望から次作「99.9F」で大きく変わることを決意したかもしれません。

 

6位「Marlene on the Wall」(アルバム:Suzanne Vega)

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■曲名:Marlene on the Wall
■曲名邦題:マレーネの肖像
■アルバム名:Suzanne Vega
■アルバム名邦題:街角の詩
■動画リンク:「Marlene on the Wall」

デビュー・アルバムの曲です。

若き日の彼女は、モダンダンスや名門コロンビア大学で英文学を学ぶなど、様々な創作活動をしていました。

その後彼女は、自分が音楽の道に進みたいことに気が付きます。

ちなみに「Tom’s Diner」の初出は、Fast Folk Musical Magazineという音楽雑誌の付録としてでした。

彼女はチャンスをつかもうと奮闘し、ついに1984年大手A&Mとの契約にこぎつけました。

しかもこのデビュー・アルバムのプロデューサーは、パティ・スミス(Patti Smith)などで知られるレニー・ケイ(Lenny Kaye)。

デビューの翌年は映画「プリティ・イン・ピンク(Pretty in Pink)」に提供した曲が小ヒットしています。

Suzanne Vega – Left Of Center

彼女は評論家からも好意的に評価され、上々のスタートを切ることができました。

 

7位「Caramel」(アルバム:Nine Objects of Desire)

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■曲名:Caramel
■曲名邦題:キャラメル
■アルバム名:Nine Objects of Desire
■アルバム名邦題:欲望の9つの対象
■動画リンク:「Caramel」

日本では前作「99.9F」の変化について、好意的に受け止めている人が多いかもしれません。

しかし新しいリスナーは獲得できたものの、アルバムの売り上げは大きく落ち込みました。

このアルバムのプロデュースは前作と同じミッチェル・フルームでしたが、若干の路線修正をしてきました。

一部の曲ではメタリックな質感を残しているものの、保守的なファンにも一定の配慮を見せています。

この曲もそう感じる1曲。

私は彼女の魅力は、地味な曲にあると感じています。

当時彼女はミッチェル・フルームと結婚していましたが、1996年に離婚しています。

次作の「ソングス・イン・レッド・アンド・グレイ(Songs in Red and Gray)」では違うプロデューサーを起用しました。

そのアルバムからも1曲ご紹介しておきましょう。

Suzanne Vega – If I Were a Weapon

 

8位「Zephyr & I」(アルバム:Beauty & Crime)

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■曲名:Zephyr & I
■曲名邦題:ゼファーと私
■アルバム名:Beauty & Crime
■アルバム名邦題:ビューティ&クライム
■動画リンク:「Zephyr & I」

「Solitude Standing」の後、彼女は商業的に低迷しました。

しかし音楽そのものが低迷していたわけではありません。

彼女は良質な作品を発表し続け、評論家からは高く評価されていました。

7thアルバム『ビューティ&クライム』が第50回グラミー賞において最優秀エンジニアド・アルバム(非クラシカル)賞を受賞。

スザンヌ・ヴェガ ウィキペディア

このアルバムでは、以下の曲も聞きものです。

Suzanne Vega – New York Is a Woman

彼女はヒットチャートから遠ざかった時期も地道に音楽に取り組み、自らの評価を固めていきました。

 

9位「As Girls Go」(アルバム:99.9F°)

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■曲名:As Girls Go
■曲名邦題:アズ・ガールズ・ゴー
■アルバム名:99.9F°
■アルバム名邦題:微熱
■動画リンク:「As Girls Go」

先程彼女はこのアルバムで変化したと書きました。

彼女はサウンドだけでなくイメージまでもガラリと変えました。

アルバム・タイトルの「99.9F°」は、日本では体温が「37.72度」ということですから、邦題の通り「微熱」といえるでしょう。

アルバム・ジャケットの彼女の指には、傷があることを示すテープが巻かれています。

そしてこのアルバムのファースト・シングルの曲名は、日本語にすると「血が騒ぐ」というもの。

ジャケットの内側にはこんな写真もありました。

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この作品では1人の女性として、生々しさを打ち出してきたといえるでしょう。

ここには清楚で、図書館で読書していそうな彼女はいません。

私はそれでいいと思います。

人を一面だけで表現すること自体に違和感があると思いますから。

 

10位「Lover, Beloved」(アルバム:Lover, Beloved: Songs from an Evening with Carson McCullers)

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■曲名:Lover, Beloved
■曲名邦題:ラヴァー、ビラヴド
■アルバム名:Lover, Beloved: Songs from an Evening with Carson McCullers
■アルバム名邦題:ラヴァー、ビラヴド~ソングス・フロム・アン・イヴニング・ウィズ・カーソン・マッカラーズ
■動画リンク:「Lover, Beloved」

彼女の最高傑作を選ぶのは難しいかもしれません。

私は彼女の代表作を聞かれたら「Solitude Standing」と即答します。

しかし最高傑作を聞かれたら「Suzanne Vega」「99.9F°」「Beauty & Crime」を含めた4枚のどれかと答えます。

今回取り上げなかった「ペンタクルの女王の物語(Tales from the Realm of the Queen of Pen)」も良い作品でした。

それ以外の彼女のアルバムも質の高さを維持しています。

近年彼女は原点回帰しようとしています。

自主レーベル「Amanuensis Productions」を設立し、旧譜のリメイク作業に着手する(後の『Close-Up』シリーズ)。

スザンヌ・ヴェガ ウィキペディア

「Close-Up」というシリーズで彼女は、過去の曲をフォーク・スタイルでセルフ・カバーしています。

彼女はよりシンプルな音楽に向かいつつあるのかもしれません。

さてここで選んだ「Lover, Beloved」は、現時点で一番新しいアルバムからの曲。

「Solitude Standing」の頃より、表現に深みを増しているように感じられます。

 

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