今回はストレイ・キャッツのランキングを作成しました。
彼らはネオ・ロカビリーの人気バンドです。
ただ彼らはロカビリーという枠を超えて、世界中で人気を獲得しています。
今回はロカビリー色の強い曲を中心に取り上げてみました。
楽しさとカッコよさを兼ね備えた粋な音楽をご堪能ください。
- 1 1位「Rock This Town」(アルバム:Stray Cats)
- 2 2位「Blast Off」(アルバム:Blast Off)
- 3 3位「Rumble In Brighton」(アルバム:Stray Cats)
- 4 4位「Rebels Rule」(アルバム:Rant N’ Rave With The Stray Cats)
- 5 5位「Gene & Eddie」(アルバム:Blast Off!)
- 6 6位「Gonna Ball」(アルバム:Gonna Ball)
- 7 7位「Gina」(アルバム:Blast Off!)
- 8 8位「Runaway Boys」(アルバム:Stray Cats)
- 9 9位「Baby Blue Eyes」(アルバム:Gonna Ball)
- 10 10位「Stray Cat Strut」(アルバム:Stray Cats)
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1位「Rock This Town」(アルバム:Stray Cats)
■曲名:Rock This Town
■曲名邦題:ロック・タウンは恋の街
■アルバム名:Stray Cats
■アルバム名邦題:涙のラナウェイ・ボーイ
■動画リンク:「Rock This Town」
この曲のMVは必見です。
オールディーズらしい世界観がすばらしいです。
まず48秒、これから楽しい時間を過ごそうぜという感じのブライアンがくるりと回り、女性と手を合わせるシーン。
それから1:30から白いドレスの女性と踊るシーンは、まるで映画のワンシーンみたいです。
演奏している他の2人も、クールなことこの上なし!
「ロック・タウンは恋の街」という邦題も良いですね。
この曲の歌詞は、門限を気にする女の子と彼氏の気持ちを歌ったものです。
男性は週末この町をロックして(揺さぶって)やるぜと意気込んでいます。
この曲は本国アメリカで、初のトップテン・ヒットになりました。
アメリカで売れるということは、世界中で聞かれるようになるということです。
彼らがロックさせたのは、1つの町だけでなく世界かもしれませんね。
2位「Blast Off」(アルバム:Blast Off)
■曲名:Blast Off
■曲名邦題:ブラスト・オフ
■アルバム名:Blast Off
■アルバム名邦題:ブラスト・オフ
■動画リンク:「Blast Off」
彼らはファースト・アルバムの人気が高く、この記事でも唯一4曲選んでいます。
その後のアルバムも悪くはありませんが、ファーストを超えることができないでいました。
彼らは1984年活動を停止し、1986年に再結成しています。
再結成第一弾は、カバー・アルバム「ロック・セラピー(Rock Therapy)」でした。
それもやはりファーストには及びません。
しかしその次に出たこのアルバムで、彼らは再び頂点を極めんとしています。
このアルバムは、あの偉大なファースト・アルバムと並ぶ最高傑作の有力候補です。
そのアルバムの1曲目がこの曲。
おそらくファンは当時この曲を聞いて、大喜びしたことでしょう。
出だしの掛け合いから、興奮のるつぼに叩き込まれてしまいます。
もし途中で追いかけるのを止めた方は、ぜひこのアルバムを聞いてみてください。
3位「Rumble In Brighton」(アルバム:Stray Cats)
■曲名:Rumble In Brighton
■曲名邦題:ランブル・イン・ブライトン
■アルバム名:Stray Cats
■アルバム名邦題:涙のラナウェイ・ボーイ
■動画リンク:「Rumble In Brighton」
彼らは以下の3名組です。
・ブライアン・セッツァー(Brian Setzer):ギター、ボーカル
・リー・ロッカー(Lee Rocker):ベース
・スリム・ジム・ファントム(Slim Jim Phantom):ドラム
メンバーの名前からしてかっこいいですね。
通常スリーピースのバンドは、演奏に自信がある場合が多いのですが、彼らもその例に漏れません。
特に掛け合いなど、楽器同士が有機的に絡むところが魅力です。
クールでいなたいギター、スイングさせるベース、タイトなドラム、全員技量は互角です。
その一例として、この曲を聞いてみてください。
このぐらいの演奏になると、歌がなくてもかまわないと思えるほどです。
しかし2:44からダメ押しのごとく、コーラスでもたたみかけてきます。
シングルカットされていないのが不思議なほどの名曲ではないでしょうか。
4位「Rebels Rule」(アルバム:Rant N’ Rave With The Stray Cats)
■曲名:Rebels Rule
■曲名邦題:ぶっ飛ばせ!ティーン・エイジ
■アルバム名:Rant N’ Rave With The Stray Cats
■アルバム名邦題:セクシー&セヴンティーン
■動画リンク:「Rebels Rule」
彼らのアルバムは、人によって何枚目と言った時の作品が違います。
問題は「ビルト・フォー・スピード(Built For Speed)」という編集盤の存在です。
今では全世界同時にデビューするのが当たり前かもしれません。
しかし当時は必ずしもそうではありませんでした。
当時彼らはイギリスではデビューしていましたが、まだアメリカではデビュー前でした。
アメリカでデビューするために、ファーストとセカンドの良い曲を1枚にまとめたのが、先程の編集盤です。
当然出来は悪かろうはずもなく、アメリカでも売れに売れて、15週連続2位となりました。
なぜ1位になれなかったかというと、当時1位にはマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の「スリラー(Thriller)」が鎮座していたからです。
さてこの「Rant N’ Rave With The Stray Cats」はその次のアルバムで、イギリスでは3枚目、アメリカでは2枚目となります。
しかし前作ほどの評価は得られませんでした。
前作が出来過ぎでしたから、比べるのが酷な気もしますが。
このアルバムも、今聞くとそれほど悪くないと思いますけどね。
特にオーニングを飾るこの曲はいかがでしょうか。
ボ・ディドリー・ビートが、とても心地よい曲です。
5位「Gene & Eddie」(アルバム:Blast Off!)
■曲名:Gene & Eddie
■曲名邦題:ジーン・アンド・エディ
■アルバム名:Blast Off!
■アルバム名邦題:ブラスト・オフ
■動画リンク:「Gene & Eddie」
私は一時期、古いロックやポップスを集中的に聞いていました。
主に1950年代のロックと1960年代初期のポップスです。
当時からロックを網羅的に聞きたいと思っていましたから、古い音楽は避けて通れないと思いました。
現在ブログを書く上で、その時期の積み重ねが役立っています。
さてこの曲は「Gene & Eddie」とういう曲名。
曲名の通り、ジーン・ヴィンセント(Gene Vincent)とエディ・コクラン(Eddie Cochran)に対して、オマージュを捧げた曲です。
この曲では2人の曲をミックスしています。
元ネタは、ジーンの「ビー・バップ・ア・ルーラ(Be-Bop-A-Lula)」とエディの「サマータイム・ブルース(Summertime Blues)」。
どちらもフィフティーズの有名曲ですが、すぐに私はこの曲が大好きになりました。
この曲が気に入ったら、ぜひフィフティーズのロックンロールを聞いてみてください。
音の古めかしさに慣れてくると、ピュアなロックンロールの虜になること請け合いです。
6位「Gonna Ball」(アルバム:Gonna Ball)
■曲名:Gonna Ball
■曲名邦題:ゴナ・ボール
■アルバム名:Gonna Ball
■アルバム名邦題:ごーいんDOWN TOWN
■動画リンク:「Gonna Ball」
そもそもロカビリーとは、どういう音楽でしょうか。
ウィキペディアから引用してみます
1950年代初期のアメリカ南部、メンフィスなどの地域において、黒人音楽のブルースと、白人音楽のヒルビリー(英語版)やカントリー、ブルーグラスが融合して生まれた。
ただ少し補足が必要かもしれません。
ロカビリーはジャズからも影響を受けています。
様々なジャンルが溶け込んだ、ロックン・ロールの初期形態の1つです。
ギターのスタイルや、ウッドベースのスラップ奏法など、かなり独特の様式を持った音楽です。
ロカビリーは多少の浮き沈みはあっても、いつの時代も熱狂的なファンを獲得していました。
しかし1970年代後半のイギリスで再評価の機運が高まり、ネオ・ロカビリーと呼ばれるバンドが登場しました。
ブルー・キャッツ(The Blue Cats)、ロカッツ(The Rockats)、ロバート・ゴードン(Robert Gordon)などが知られています。
しかし多くのバンドは、一般的には知られていません。
その中でストレイ・キャッツは、ダントツ知名度があります。
この曲などは、ロカビリー入門者に特におすすめできます。
もしこういう曲が良いと思ったら、他のロカビリーのバンドもチェックしてみるといいでしょう。
7位「Gina」(アルバム:Blast Off!)
■曲名:Gina
■曲名邦題:ジーナ
■アルバム名:Blast Off!
■アルバム名邦題:ブラスト・オフ
■動画リンク:「Gina」
このアルバムのプロデューサーは、デイヴ・エドモンズ(David Edmunds)です。
デイヴは名作ファースト・アルバムもプロデュースしています。
しかしセカンド・アルバムではデイヴに代わり、彼ら自身とHein Hovenがプロデュースした結果、ロカビリー色が薄くなりました。
その後彼らは活動停止し、2組に分かれて音楽活動をしました。
ブライアン・セッツァーはソロで「The Knife Feels Like Justice」を発表し、リー・ロッカーとスリム・ジム・ファントムは、ファントム、ロッカー&スリック(Phantom, Rocker & Slick)として活動しました。
それらの作品も悪くありませんが、ロカビリーではありません。
その後彼らは再結成し、デイヴ・エドモンズのプロデュースの下、このロカビリー・アルバムをつくりあげました。
彼らはデイヴと仕事をすると、ロカビリー色が強くなります。
特にこの曲はストレイキャッツの曲というより、デイヴ・エドモンズの曲に近いかもしれません。
やはり彼らは、ロカビリー野郎デイヴと相性が良いようです。
8位「Runaway Boys」(アルバム:Stray Cats)
■曲名:Runaway Boys
■曲名邦題:涙のラナウェイ・ボーイ
■アルバム名:Stray Cats
■アルバム名邦題:涙のラナウェイ・ボーイ
■動画リンク:「Runaway Boys」
彼らのデビュー・シングルです。
彼らの出自を調べると、意外とパンクに近いことに気が付きます。
彼らは結成後、本国アメリカで活動していました。
当時はパンクの聖地、CBGBやマクシズ・カンサス・シティなどで演奏することもあったようです。
その後イギリスで1950年代のテディ・ボーイズ文化が流行っていることを知ると、彼らは渡英する決心をしました。
確かに当時のイギリスでは、パブロックが普通にヒットしていました
彼らのように古い音楽に影響を受けたバンドが、評価されやすい下地があったかもしれません。
その行動は功を奏し、この曲はイギリスで9位を記録し、いきなりトップテン・ヒットとなりました。
当時彼らは不良のイメージで売り出されましたが、この曲は親も手を焼く不良少年について歌われた曲です。
それは等身大の彼らの姿だったかもしれません。
実際当時の彼らは血気盛んで、マネージャーへの暴行事件なども引き起こしています。
今では落ち着いてシブい大人になった彼らも、当時はまだ若く自分を持て余していたようです。
9位「Baby Blue Eyes」(アルバム:Gonna Ball)
■曲名:Baby Blue Eyes
■曲名邦題:ベイビー・ブルー・アイズ
■アルバム名:Gonna Ball
■アルバム名邦題:ごーいんDOWN TOWN
■動画リンク:「Baby Blue Eyes」
地味だと言われるセカンド・アルバムからの曲です。
ファーストがロカビリー色が強いのに対し、こちらはジャズやブルース色が強いかもしれません。
後のブライアン・セッツァー・オーケストラ(The Brian Setzer Orchestra)につながるようなジャズっぽさが目立ちます。
彼らはロカビリーの印象が強いですが、実は幅広い音楽性を持っています。
ファーストに比べると少しインパクトが弱いかもしれませんが、これはこれで味わいがありますね。
中でも私が一番好きなのはこの曲。
このチープでグッド・ロッキンなイントロからしてたまりません。
このバンドのベースはウッド・ベースで、ドラムはスタンディング・ドラムです。
ウッド・ベースは、ジャズと親和性が強い楽器。
またドラムのスリム・ジム・ファントムは、元々ジャズからの影響が色濃い人です。
彼らは他のネオ・ロカビリーのバンドと比較しても、ジャズのバックグラウンドが強いかもしれません。
この曲もロカビリーというより、スイングするロックという感じではないでしょうか。
10位「Stray Cat Strut」(アルバム:Stray Cats)
■曲名:Stray Cat Strut
■曲名邦題:気取りやキャット
■アルバム名:Stray Cats
■アルバム名邦題:涙のラナウェイ・ボーイ
■動画リンク:「Stray Cat Strut」
この曲はアメリカで一番売れたシングルで、最高位3位を記録しています。
まず1:13と2:18からをお聞きください。
ブライアンが最高のギター・ソロを披露しています。
短いながらもムードたっぷりで、思わずのけぞるような演奏ではないでしょうか。
実際このギター・ソロは、ギターワールド誌の「史上最高のギター・ソロのトップ100」で、92位に選ばれています。
他の2人の演奏も実に味わい深いですね。
やはりこの3人の組み合わせは奇跡といえるかもしれません。
ちなみにバンド名の「Stray Cats」とは「野良猫」という意味です。
自分たちを野良猫に例えて、自由気ままに生きてやるぜと歌っています。
彼らはデビュー時は順調でした。
しかしその後人気絶頂期に活動停止したり、ロカビリー路線から離れたりなど紆余曲折を経験しました。
その気まぐれゆえに、一時は低迷した時期もあります。
しかしその後も彼らはヒット曲こそありませんが、固定ファンを獲得していたおかげで、コンスタントに音楽活動を続けています。
2019年にはうれしいニュースが飛び込んできました。
ストレイ・キャッツ名義で「40」というアルバムをリリースしています。
そのアルバムから、1曲ご紹介しておきましょう。
Stray Cats – Cat Fight (Over A Dog Like Me)
みんなが大好きな頃の彼らが戻ってきたようです。
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