今回はフランシス・レイのランキングを作成しました。
この人の音楽は、とにかく美しいメロディが魅力です。
しかも映画の内容を端的に表現していて、映画音楽としても充分機能しています。
ロマンティックなメロディをご堪能ください。
- 1 1位「Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
- 2 2位「13 jours en France (Orchestra)」(アルバム:13 jours en France)
- 3 3位「Samba Saravah」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
- 4 4位「Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)」(アルバム:Mayerling)
- 5 5位「Vivre pour vivre」(アルバム:Vivre pour vivre(Live for Life))
- 6 6位「Du soleil plein les yeux」(アルバム:Du soleil plein les yeux)
- 7 7位「Les Violons De La Mort」(アルバム:Les Uns et les autres)
- 8 8位「Theme From Love Story (Finale)」(アルバム:Love Story)
- 9 9位「Rainbow」(アルバム:Bilitis)
- 10 10位「Party Music / Show Out !」(アルバム:Pop Story)
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1位「Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
■曲名:Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)
■曲名邦題:男と女 (インストゥルメンタル)
■アルバム名:Un homme et une femme(A Man and a Woman)
■アルバム名邦題:男と女
■動画リンク:「Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)」
映画を見たことがない方でも、この曲は聞いたことがあると思います。
もしかしたら世界一有名なスキャットの曲かもしれません。
とはいえ映画も大変な名作で、音楽だけの映画ではありませんので、まだの方はぜひご覧になってみてください。
クロード・ルルーシュ監督による大人の恋愛を描いた名画です。
スキャットの部分は、ピエール・バルー(Pierre Barouh)とニコール・クロワジール(Nicole Croisille)です。
別バージョン「時速200キロ」もすばらしいので、リンクを貼っておきましょう。
Francis Lai – A 200 a l’heure(124 Miles An Hour)
メインテーマより早いテンポが印象的です。
メインテーマがすばらしいと別バージョンも楽しめるので、お得感がありますね。
それはサントラ特有の醍醐味かもしれません。
2位「13 jours en France (Orchestra)」(アルバム:13 jours en France)
■曲名:13 jours en France (Orchestra)
■曲名邦題:白い恋人たち(オーケストラ)
■アルバム名:13 jours en France
■アルバム名邦題:白い恋人たち/グルノーブルの13日
■動画リンク:「13 jours en France (Orchestra)」
こちらは邦題が秀逸です。
「13 Jours en France」は「フランスの13日間」という意味です。
それを「白い恋人たち」と名付けたセンスは、賞賛されるべきではないでしょうか。
この映画は、グルノーブル冬季オリンピックの記録映画です。
原題がそっけないのは、記録映画だからなのかもしれません。
「白い恋人たち(コーラス・バージョン)」の方もご紹介しておきましょう。
Francis Lai – 13 jours en France (Choeurs)
しかし記録映画なのに、こんなロマンティックでいいのでしょうか(笑)
「白い恋人たち」と名付けたのも、うなづける曲調です。
ちなみにお菓子の「白い恋人」は、この曲から名付けられたに違いないと思って調べてみましたが、どうやら違うようです。
3位「Samba Saravah」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
■曲名:Samba Saravah
■曲名邦題:男と女のサンバ
■アルバム名:Un homme et une femme(A Man and a Woman)
■アルバム名邦題:男と女
■動画リンク:「Samba Saravah」
この曲はピエール・バルーが歌っています。
フランシス・レイの曲というより、ピエール・バルー個人の作風に近いかもしれません。
軽快なボサノヴァで、曲にフランス語の響きが合っています。
56秒の所から始まる語りの部分などは、フランス語の美しさなしに成立しないかもしれません。
この曲を書いたのはフランシス・レイでなく、ヴィニシウス・ヂ・モライス(Vinícius De Moraes)とバーデン・パウエル(Baden Powell)です。
ただフランシス・レイとピエール・バルーの関係は不可分だと思って選びました。
フランシス・レイをクロード・ルルーシュ(Claude Lelouch)監督に紹介したのも、ピエール・バルーですし。
この映画のサウンドトラックは、初めてフランシス・レイが手がけた映画音楽作品です。
ピエール・バルーの存在によって、フランス映画とサントラの名コンビが誕生しました。
4位「Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)」(アルバム:Mayerling)
■曲名:Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)
■曲名邦題:うたかたの恋(オープニング)
■アルバム名:Mayerling
■アルバム名邦題:うたかたの恋
■動画リンク:「Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)」
上位はすべてモンド/ラウンジとボッサな曲ばかりになりました。
ここで映画音楽らしいオーケストラの曲もご紹介しておきましょう。
中でも私のイチオシはこの曲。
「うたかたの恋」とは「水面に浮かぶ泡のように、すぐ消えてしまうはかない恋」という意味です。
やんごとなき立場の男女が恋に落ちて、悲劇的な結末となった「マイヤーリング事件」を題材にした小説が原作のようです。
「マイヤーリング事件」について調べてみましたが、謎が謎を呼ぶ事件で、記事を書くのを忘れて読み漁ってしまいました。
ミステリー好きの方は、以下の記事を読んでみてください。
この曲は2人の悲劇的な未来を予感させつつ、崇高な愛を甘美なメロディで表現しています。
私はこの映画を見ていませんが、見たいと思わせてくれるすばらしい音楽だと思います。
5位「Vivre pour vivre」(アルバム:Vivre pour vivre(Live for Life))
■曲名:Vivre pour vivre
■曲名邦題:パリのめぐり逢い
■アルバム名:Vivre pour vivre(Live for Life)
■アルバム名邦題:パリのめぐり逢い
■動画リンク:「Vivre pour vivre」
フランシス・レイは「男と女」の仕事が、世界中で大絶賛されました。
それを受けて製作されたのが、同じくクロード・ルルーシュ監督のこの映画です。
この映画は妻がいるのにもかかわらず、若いモデルの女性とアバンチュールを楽しむ男性の話です。
いわゆる不倫を扱った映画といえるでしょう。
このアルバムには他にも「ロベールのテーマ(Theme de Robert)」という名曲が収録されています。
ロベールとは、不倫をしている男性の名前です。
「ロベールのテーマ」の動画では、映画のシーンがふんだんに使われていて、映画を見た気分にさせてくれます。
映画に興味のある方は、チェックしてみてください。
6位「Du soleil plein les yeux」(アルバム:Du soleil plein les yeux)
■曲名:Du soleil plein les yeux
■曲名邦題:さらば夏の日
■アルバム名:Du soleil plein les yeux
■アルバム名邦題:さらば夏の日
■動画リンク:「Du soleil plein les yeux」
こちらは青春映画からの曲です。
監督はクロード・ルルーシュではなく、同じくフランスの監督ミシェル・ボワロン(Michel Boisrond)。
しかしそこはやはりフランス映画ですから、主人公は浮気をしてしまい、恋人との間が気まずくなったりしています。
いわゆるひと夏の恋を描いた映画らしいのですが、本当にフランス映画は浮気の展開が好きなのですね。
とはいえこの曲はすばらしいです。
この曲には夏の日差しや、太陽のきらめきを感じます。
本当にフランシス・レイは、映画の内容を曲で表現するが巧みな人ですね。
彼の曲は甘いですが、その甘さには常に上品さが感じられます。
まるで極上のスイーツのような。
音楽とは関係ありませんが、フランシス・レイという名前からして、甘い感じがしますし。
7位「Les Violons De La Mort」(アルバム:Les Uns et les autres)
■曲名:Les Violons De La Mort
■曲名邦題:嘆きのヴァイオリン
■アルバム名:Les Uns et les autres
■アルバム名邦題:愛と哀しみのボレロ
■動画リンク:「Les Violons De La Mort」
この曲は盟友クロード・ルルーシュ監督の「愛と哀しみのボレロ(Les Uns et les Autres)」の曲です。
この映画はフランシス・レイとミシェル・ルグラン(Michel Legrand)が音楽を手がけています。
この映画のサントラは2枚組で、ラヴェルのボレロが使われたことで評判を呼びました。
しかしその曲はミシェル・ルグランの方の曲ですので、ここでは取り上げません。
その代わり私が同じぐらい好きな、こちらをご紹介しておきましょう。
情感豊かに歌うアコーディオンと、高揚感のあるストリングスの絡みが印象的です。
映画はこういう内容です。
1930年代から1980年代にわたり、パリ、ニューヨーク、モスクワ、ベルリンを中心とするフランス、アメリカ、ロシア、ドイツにおいて交錯する、2世代4つの家族の人生を描く
この映画は私も見ましたが、バレエのシーンがとても感動しました。
8位「Theme From Love Story (Finale)」(アルバム:Love Story)
■曲名:Theme From Love Story (Finale)
■曲名邦題:ある愛の詩 フィナーレ
■アルバム名:Love Story
■アルバム名邦題:ある愛の詩
■動画リンク:「Theme From Love Story (Finale)」
フランシス・レイの映画音楽の魅力は、1にメロディ、2にメロディ、3もメロディです。
メロディだけかと怒られるかもしれませんが、そう大げさに表現したいぐらいメロディがすばらしいです。
映画音楽は、映画の内容を肉付けをする役割があります。
悲しいシーンには悲しい曲が流れるというような。
しかしフランシス・レイの映画音楽は、そのメロディの秀逸さゆえシーンから切り離しても、音楽単独で親しまれる曲が多いように思います。
その点はモリコーネに似ているかもしれません。
この曲はテレビなど、様々な場面で使われています。
この映画は純愛映画で、私は2人の純粋さに心打たれながらも、どうにかならないのかと気をもみながら見ました。
最後にこの映画の有名なセリフをご紹介しておきましょう。
「愛とは決して後悔しないこと」
9位「Rainbow」(アルバム:Bilitis)
■曲名:Rainbow
■アルバム名:Bilitis
■アルバム名邦題:ビリティス
■動画リンク:「Rainbow」
さてここからは少し変わった曲を取り上げます。
この映画はメイン・テーマが有名です。
そちらも引用しておきましょう。
シンセサイザーの曲ですが、なかなかいいですね。
映画音楽の作曲家は、様々な音楽を要求されるものです。
オーケストラ作品だけでなく、ロックやファンクなど、こんな曲までやっていたのかと驚かされることがあります。
この曲などは、フュージョンとファンクのハイブリットですし。
陽性のサックスが高らかに歌い上げていて、シャイでセンチメンタルな従来のイメージとは異なる曲かもしれません。
フランシス・レイの多様性を代表する曲として取り上げてみました。
10位「Party Music / Show Out !」(アルバム:Pop Story)
■曲名:Party Music / Show Out !
■アルバム名:Pop Story
■動画リンク:「Party Music / Show Out !」
さてもう1曲珍しい曲を取り上げたいと思います。
1968から1971年にかけて録音された、フレンチ・ポップの曲です。
このアルバムは、ポップ・ソングだけを集めた編集盤。
この曲などはソフト・ロックみたいな曲ではないでしょうか。
さて最後に取り上げきれなかった曲を、いくつかフォローしておきたいと思います。
まず代表作の1つ「個人教授(La Lecon particuliere)」から。
Francis Lai – La Lecon Particuliere
もう1曲「続エマニエル夫人(Emmanuelle 2)」から、エロい曲をご紹介しておきましょう。
Francis Lai – La séduction de l’île de Bali
※エロジャケ映像ですので、ご注意ください
フランシス・レイは、生涯に多くの作品を発表しています。
日本のウィキペディアに、こう書かれていました。
2018年11月7日、フランスのメディアによって逝去が報道された。ただし正確な逝去日や死因については不明である[1]。
意味深な感じがしますね。
しかし彼が亡くなった翌年、最後の作品「The Best Years of a Life」が発表されました。
その映画の監督は、一緒に黄金期をつくり上げた仲間、クロード・ルルーシュです。
どうやら彼は晩年まで映画音楽の仕事をしていたようですね。
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