今回はフランシス・レイのランキングを作成しました。
この人の音楽は美しいメロディが魅力です。
しかも映画の内容を端的に表現していて、映画音楽としても充分機能しています。
ロマンティックで甘美なメロディをご堪能ください。
- 1 1位「Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
- 2 2位「13 jours en France (Orchestra)」(アルバム:13 jours en France)
- 3 3位「Samba Saravah」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
- 4 4位「Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)」(アルバム:Mayerling)
- 5 5位「Vivre pour vivre」(アルバム:Vivre pour vivre(Live for Life))
- 6 6位「Du soleil plein les yeux」(アルバム:Du soleil plein les yeux)
- 7 7位「Les Violons De La Mort」(アルバム:Les Uns et les autres)
- 8 8位「Theme From Love Story (Finale)」(アルバム:Love Story)
- 9 9位「Rainbow」(アルバム:Bilitis)
- 10 10位「Party Music / Show Out !」(アルバム:Pop Story)
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1位「Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
■曲名:Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)
■曲名邦題:男と女 (インストゥルメンタル)
■アルバム名:Un homme et une femme(A Man and a Woman)(1966年)
■アルバム名邦題:男と女
■動画リンク:「Un homme et une femme(A Man and a Woman)(Instrumental)」
映画を見たことがない方でも、この曲は聞いたことがあると思います。
もしかしたら世界一有名なスキャットの曲かもしれません。
とはいえ映画も高く評価されていて、音楽だけが良い映画ではありません。
クロード・ルルーシュ監督が手掛けた大人の恋愛を描いた名画です。
スキャットの部分は、ピエール・バルー(Pierre Barouh)とニコール・クロワジール(Nicole Croisille)が歌っています。
別バージョン「時速200キロ」もすばらしいので、リンクを貼っておきましょう。
Francis Lai – A 200 a l’heure(124 Miles An Hour)
メインテーマよりテンポが早いこちらのバージョンもいいですね。
映画音楽は1曲良いメロディがあると、様々なバリエーションを楽しめるのが醍醐味だと思います。
2位「13 jours en France (Orchestra)」(アルバム:13 jours en France)
■曲名:13 jours en France (Orchestra)
■曲名邦題:白い恋人たち(オーケストラ)
■アルバム名:13 jours en France(1968年)
■アルバム名邦題:白い恋人たち/グルノーブルの13日
■動画リンク:「13 jours en France (Orchestra)」
こちらは邦題が秀逸です。
「13 Jours en France」は「フランスの13日間」という意味です。
それを「白い恋人たち」と名付けたセンスは、賞賛されるべきではないでしょうか。
この映画は、グルノーブル冬季オリンピックの記録映画です。
原題がそっけないのは、記録映画だからなのかもしれません。
「白い恋人たち(コーラス・バージョン)」の方もご紹介しておきましょう。
Francis Lai – 13 jours en France (Choeurs)
しかし記録映画なのに、こんなロマンティックでいいのでしょうか(笑)
余談ですが銘菓「白い恋人」はこの曲から名付けられたに違いないと思って調べてみましたが、どうやら違うようです。
3位「Samba Saravah」(アルバム:Un homme et une femme(A Man and a Woman))
■曲名:Samba Saravah
■曲名邦題:男と女のサンバ
■アルバム名:Un homme et une femme(A Man and a Woman)(1966年)
■アルバム名邦題:男と女
■動画リンク:「Samba Saravah」
この曲はピエール・バルーが歌っています。
フランシス・レイの曲というより、ピエール・バルー個人の作風に近いかもしれません。
軽快なボサノヴァで、フランス語の響きがよく合っています。
56秒から始まる語りの部分などは、フランス語の美しさなしに成立しないかもしれません。
ただこの曲を書いたのはフランシス・レイでなく、ヴィニシウス・ヂ・モライス(Vinícius De Moraes)とバーデン・パウエル(Baden Powell)です。
フランシス・レイとピエール・バルーの関係は不可分ですし、この曲を選んだセンスを考慮して取り上げてみました。
フランシス・レイをクロード・ルルーシュ(Claude Lelouch)に紹介したのも、ピエール・バルーですし。
この映画のサウンドトラックは、初めてフランシス・レイが手がけた映画音楽です。
4位「Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)」(アルバム:Mayerling)
■曲名:Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)
■曲名邦題:うたかたの恋(オープニング)
■アルバム名:Mayerling(1968年)
■アルバム名邦題:うたかたの恋
■動画リンク:「Mayerling Ouverture(Bof Mayerling)」
上位はモンド/ラウンジとボッサの曲ばかりになりました。
ここで映画音楽らしいオーケストラの曲もご紹介しておきましょう。
中でも私のイチオシはこの曲。
「うたかたの恋」とは「水面に浮かぶ泡のように、すぐ消えてしまうはかない恋」という意味です。
この映画はやんごとなき立場の男女が恋に落ちて、悲劇的な結末となった「マイヤーリング事件」を取り上げた小説が原作のようです。
「マイヤーリング事件」について調べてみましたが、謎が謎を呼ぶ事件で、記事を書くのを忘れて読みふけってしまいました。
ミステリー好きの方は、以下の記事を読んでみてください。
この曲は2人の悲劇的な未来を予感させつつ、崇高な愛を美しいメロディで表現しています。
私はこの映画を見ていませんが、見たいと思わせてくれるすばらしい音楽だと思います。
5位「Vivre pour vivre」(アルバム:Vivre pour vivre(Live for Life))
■曲名:Vivre pour vivre
■曲名邦題:パリのめぐり逢い
■アルバム名:Vivre pour vivre(Live for Life)(1967年)
■アルバム名邦題:パリのめぐり逢い
■動画リンク:「Vivre pour vivre」
フランシス・レイは「男と女」の仕事が、世界中で大絶賛されました。
それを受けて製作されたのが、同じくクロード・ルルーシュ監督のこの映画。
この映画は妻がいるのにもかかわらず若いモデルとアバンチュールを楽しむ男性の話です。
いわゆる不倫を扱った映画といえるでしょう。
この曲は恋愛にざわめく心とトキメキが見事表現されています。
「男と女」ほど一般的な知名度はありませんが、音楽的にはほぼ同等の価値があるかもしれません。
このアルバムには他にも「ロベールのテーマ(Theme de Robert)」という名曲が収録されています。
ロベールとは、不倫をしている男性の名前です。
「ロベールのテーマ」の動画では映画のシーンがふんだんに使われていて、映画を見た気分にさせてくれます。
映画に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
6位「Du soleil plein les yeux」(アルバム:Du soleil plein les yeux)
■曲名:Du soleil plein les yeux
■曲名邦題:さらば夏の日
■アルバム名:Du soleil plein les yeux(1970年)
■アルバム名邦題:さらば夏の日
■動画リンク:「Du soleil plein les yeux」
こちらは青春映画からの曲です。
監督はクロード・ルルーシュではなく、同じくフランスの監督ミシェル・ボワロン(Michel Boisrond)。
しかしやはりそこはフランス映画ですから、主人公が浮気をして恋人との間が気まずくなったりしています。
いわゆるひと夏の恋を描いた映画らしいのですが、本当にフランス映画は浮気する物語が好きなのですね。
とはいえこの曲はすばらしい出来です。
この曲には夏の日差しや太陽のきらめきを感じます。
本当にフランシス・レイは映画の内容を曲で表現するのが上手ですね。
それと彼が書くメロディはいつもメランコリーで甘いですが、常に上品な甘美さが感じられます。
まるで極上のスイーツのような。
音楽とは関係ありませんが、フランシス・レイという名前からして甘めですし。
7位「Les Violons De La Mort」(アルバム:Les Uns et les autres)
■曲名:Les Violons De La Mort
■曲名邦題:嘆きのヴァイオリン
■アルバム名:Les Uns et les autres(1981年)
■アルバム名邦題:愛と哀しみのボレロ
■動画リンク:「Les Violons De La Mort」
盟友クロード・ルルーシュ監督の映画「愛と哀しみのボレロ(Les Uns et les Autres)」の曲です。
この映画はフランシス・レイとミシェル・ルグラン(Michel Legrand)がサウンドトラックを手がけています。
このサントラではラヴェルのボレロが大きな話題を呼びました。
しかしその曲はミシェル・ルグランの側ですので、ここでは取り上げません。
その代わりこの曲をご紹介しておきましょう。
情感豊かに歌うアコーディオンと高揚感のあるストリングスの絡みが印象的です。
映画はこういう内容です。
1930年代から1980年代にわたり、パリ、ニューヨーク、モスクワ、ベルリンを中心とするフランス、アメリカ、ロシア、ドイツにおいて交錯する、2世代4つの家族の人生を描く
この映画は私も見ましたが、バレエのシーンがとても感動的でした。
8位「Theme From Love Story (Finale)」(アルバム:Love Story)
■曲名:Theme From Love Story (Finale)
■曲名邦題:ある愛の詩 フィナーレ
■アルバム名:Love Story(1970年)
■アルバム名邦題:ある愛の詩
■動画リンク:「Theme From Love Story (Finale)」
フランシス・レイの魅力は、1にメロディ、2にメロディ、3もメロディです。
メロディだけではないかとファンの方から怒られるかもしれませんが、そう表現したいほどメロディがすばらしいです。
映画音楽は、映画の内容を肉付けをする役割があります。
たとえば悲しいシーンには悲しい曲が流れるというような。
しかしフランシス・レイの映画音楽は、そのメロディの魅力ゆえシーンから切り離しても、音楽単独で成立する曲が多いように思います。
その点ではモリコーネに似ているかもしれません。
この曲もテレビなど様々な場面で使われています。
この映画は純愛映画で、私は2人の純粋さに心打たれながらも気をもみながら見ました。
最後にこの映画の有名なセリフをご紹介しておきましょう。
「愛とは決して後悔しないこと」
9位「Rainbow」(アルバム:Bilitis)
■曲名:Rainbow
■アルバム名:Bilitis(1977年)
■アルバム名邦題:ビリティス
■動画リンク:「Rainbow」
ここからは少し変わった曲を取り上げます。
この映画はメイン・テーマがよく知られています。
そちらも引用しておきましょう。
シンセサイザーの曲ですが、なかなかいいですね。
映画音楽の作曲家は、様々な音楽を要求されるものです。
オーケストラの曲だけでなくロックやファンクなど、同じ人がこんな曲までやっているのかと驚くことが多々あります。
この曲もフュージョンとファンクのハイブリットですし。
陽性のサックスが高らかに歌い上げていて、シャイでセンチメンタルな従来のイメージとは異なるかもしれません。
フランシス・レイの音楽が含む多様性を代表する曲として取り上げてみました。
10位「Party Music / Show Out !」(アルバム:Pop Story)
■曲名:Party Music / Show Out !
■アルバム名:Pop Story(2016年)
■動画リンク:「Party Music / Show Out !」
さてもう1曲珍しい曲を取り上げたいと思います。
1968から1971年にかけて録音されたフレンチ・ポップの曲です。
このアルバムはポップ・ソングだけを集めたコンピレーション。
中でもこの曲はソフト・ロックみたいではないでしょうか。
さて最後に取り上げきれなかった曲を、いくつかフォローしておきたいと思います。
まず代表作の1つ「個人教授(La Lecon particuliere)」(1969年)から。
Francis Lai – La Lecon Particuliere
もう1曲「続エマニエル夫人(Emmanuelle 2)」(1976年)からもご紹介しておきましょう。
Francis Lai – La séduction de l’île de Bali
※エロジャケの画像がありますので、ご注意ください
フランシス・レイは、生涯に多くの作品を発表しています。
日本のウィキペディアに、こう書かれていました。
2018年11月7日、フランスのメディアによって逝去が報道された。ただし正確な逝去日や死因については不明である[1]。
意味深な感じがしますね。
しかし彼が亡くなった翌年、最後の作品「The Best Years of a Life」が発表されました。
その映画の監督は、共に黄金期を築いた仲間クロード・ルルーシュ。
どうやら彼は晩年まで映画音楽の仕事をしていたようですね。
この人は映画の価値を大きく左右する決定的な音楽を提供した人でした。
とかくリズムが重視されがちの現代において、すぐれたメロディメイカーたるこの人は再評価されるべきかもしれません。
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