今回はオル・ダラのランキングを作成しました。
この人はラッパーのNASの父親です。
ちなみにNASの本名は「Nasir bin Olu Dara Jones」ですから「Olu Dara」が入っていますね。
オル・ダラは「イルマティック(Illmatic)」にも参加しています。
NASの才能に疑いはありません。
しかしこのランキングの曲を聞き終わった頃には、父親もただ者ではないと感じていただけると思います。
1位「Okra」(アルバム:In the World: From Natchez to New York)

■曲名:Okra
■曲名邦題:オクラ
■アルバム名:In the World: From Natchez to New York(1998年)
■アルバム名邦題:イン・ザ・ワールド フロム・ナッチェス・トゥ・ニューヨーク
■動画リンク:「Okra」
デビュー・アルバムの曲です。
どうやらホームパーティのシーンを描写した曲のようですね。
ちなみに曲名の「Okra」とは、野菜屋さんで売っているあの「オクラ」のこと。
つまりこの曲は「オクラの曲」ということになります。
アルバム・ジャケットの裏面にパーティの写真がありますが、そこには確かにオクラ料理がありました。
このアルバム・タイトルは「In the World: From Natchez to New York」です。
彼の生まれた土地ミシシッピー州の「ナッチェス」からニューヨークへという意味です。
彼はこのアルバムで自分の人生を振り返っているようですね。
どうやら彼は長い旅路の末、このホームパーティにたどり着いたようです。
そして現在彼の人生は充実している様子がうかがえます。
息子のNASも立派に成長して、この時は名作「I Am…」の前年でした。
2位「Used to Be」(アルバム:Neighborhoods)

■曲名:Used to Be
■曲名邦題:時は流れ
■アルバム名:Neighborhoods(2001年)
■アルバム名邦題:ネイバーフッズ
■動画リンク:「Used to Be」
この曲ではカサンドラ・ウィルソン(Cassandra Wilson)と共演しています。
カサンドラ・ウィルソンはオルタナティヴなジャズ・シンガーで、この曲でも深みのある歌を披露しています。
とぼけたオル・ダラとカサンドラの掛け合いが、とても楽しいですね。
この曲ではカサンドラがオル・ダラに「あなたの大切なルビーはどうなったの」と質問しています。
おそらくある女性のことを聞いているのではないでしょうか。
オル・ダラは「以前は私はリンゴだったけれど、今はアップル・パイだ」と返し、答えをはぐらかしています。
このセカンド・アルバムの時、オル・ダラは60歳でした。
ちなみにオル・ダラはジャケットからも分かる通り、ダンディなイケオジです。
結婚した奥さんとの子供とそれ以外にもうけた子供を含め、彼には10人以上の子供がいるそうです。
3位「Neighborhoods」(アルバム:Neighborhoods)

■曲名:Neighborhoods
■曲名邦題:ネイバーフッズ
■アルバム名:Neighborhoods(2001年)
■アルバム名邦題:ネイバーフッズ
■動画リンク:「Neighborhoods」
この人の音楽には欲を感じません。
この曲では自らコルネットを演奏していますが、サックスに少し被せる程度、肩の力が抜けた演奏をしています。
自らの存在を誇示しようという演奏ではありません。
オル・ダラは元々ジャズ・プレイヤーでした。
参考にまで、ジャズの頃の演奏をご紹介します。
Charles Brackeen – Worshippers Come Nigh
3:01からが彼の演奏だと思われます。
ジャズ時代はデヴィッド・マレイ(David Murray)、ヘンリー・スレッギル(Henry Threadgill)、チャールズ・ブラッキーン(Charles Brackeen)など、尖った人たちとの共演が多かったようです。
ただ上の演奏を聞く限り、彼はジャズ時代から我の強いタイプではなかったかもしれません。
4位「I See the Light」(アルバム:Neighborhoods)

■曲名:I See the Light
■曲名邦題:アイ・シー・ザ・ライト
■アルバム名:Neighborhoods(2001年)
■アルバム名邦題:ネイバーフッズ
■動画リンク:「I See the Light」
この人の音楽の特徴は雑食性です。
この曲はベースラインこそレゲエっぽいですが、全体としてレゲエにはなっていません。
時々入る女性コーラスは、アフリカっぽいニューアンスを感じさせます。
またファースト・アルバムでは、ミシシッピーらしいフォーキー・ブルースっぽい曲が散見されました。
おそらく彼の根底にはブルースがあると思われますが、南国の音楽と違和感なく同居しているところに、彼のおもしろさがあります。
私はそういう音楽が大好きですが、他にはなかなか類似例がありません。
他に思いつくのは、タジ・マハール(Taj Mahal)の「ハナペペ・ドリーム(Hanapepe Dream)」あたりでしょうか。
5位「Your Lips」(アルバム:In the World: From Natchez to New York)

■曲名:Your Lips
■曲名邦題:ユア・リップス
■アルバム名:In the World: From Natchez to New York(1998年)
■アルバム名邦題:イン・ザ・ワールド フロム・ナッチェス・トゥ・ニューヨーク
■動画リンク:「Your Lips」
私も昔は外出時は常にヘッドホンをして、爆音でフル武装していました。
しかしいつの頃からか、よりナチュラルな音楽を好むようになりました。
私は若すぎて、そういう音楽を聞く準備ができていなかったのでしょう。
この曲の歌詞は以下のような内容です。
あなたは一緒にいるといつも、なぜ私を愛しているのか聞いてくるよね。
しかしこれまで私はあなたに嘘を言っていました。
いつも私はあなたのドレスに惹かれたと答えていたけれど、実はそうではありません。
私はあなたの唇に惹かれたのですよ。
こんな感じの歌詞です。
なんだか気恥ずかしいですが、将来私もオル・ダラのように年をとりたいと思い始めてきました。
6位「Herbman」(アルバム:Neighborhoods)

■曲名:Herbman
■曲名邦題:ハーブマン
■アルバム名:Neighborhoods(2001年)
■アルバム名邦題:ネイバーフッズ
■動画リンク:「Herbman」
この人は2枚しかアルバムをリリースしていません。
当時ミュージック・マガジンの猛プッシュもあって、日本でもそれなりに売れたはずです。
しかしそれ以降新作を出しませんでした。
この人はもう稼ぐとか成功などには興味がなくなっているのかもしれません。
息子のNASはHIPHOPのレジェンドですし、自身のアルバムも高い評価を得ており、生活には困っていないのでしょう。
このアルバムの名前は「Neighborhoods」つまり「近所」という意味です。
このジャケットから推測するに、近所に昼寝できる芝生があるのでしょう。
彼の余生は悠々自適のようです。
しかし一方でこれまでの彼は。平たんな道を歩いてきた訳ではありませんでした。
彼は海軍勤務の後、音楽の世界に飛び込んでからも脇を固めるばかりで、初めてソロ・アルバムをリリースしたのは57歳。
ちなみにNASの「Illmatic」では、幼少期の貧しい生活ぶりが描写されていました.
当然父親のオル・ダラ自身も、生活に困窮していたと思われます。
今は幸せそうで何よりですが。
ちなみに「Olu Dara」という芸名は、ヨルバ語で「神はすばらしい」という意味で、彼自ら名付けたそうです。
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